トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 令和元年9月定例会 > 令和元年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 > 9月30日(月曜日) > 秋山文和(共) > 令和元年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(秋山文和議員)
ここから本文です。
ページ番号:164561
掲載日:2022年10月12日
Q 秋山文和 議員(共産党)
今年4月には、千葉県野田市で父親から首をわしづかみにされたり、冷水のシャワーを浴びせられるなどの暴行を受け、当時小学校4年生女児が亡くなり、なぜ防げなかったのかと大きな問題となりました。2015年度、県児童相談所に寄せられた通告件数は8,387件、2018年度は1万5,534件ととどまるところを知りません。県はこの間、体制強化を図り、越谷児相草加支所を草加児童相談所に格上げするなど努力してきました。しかし、増え続ける相談に対して対応し切れておりません。
国連の子どもの権利委員会は、この間何度も日本への勧告を行っています。今年2月7日にも、日本政府への勧告を公表し、政府に対策強化を求めました。政府は、子供の命を守ることを何より第一に据え、全ての行政機関があらゆる手段を尽くすよう緊急に対策を講じるとして、児童相談所体制強化の新プランを決定しました。人口4万人に対して1人の児童福祉司の配置から、2023年までに3万人に1人配置するというものです。埼玉県は現在でも69人の欠員があり、あと3年間で182人の増員が必要となります。
非常事態と言える現在、子供の命を最優先に3万人に1人の配置をやり遂げていただきたい。知事の決意を求めます。
県は、30名もの児童福祉司選考枠も設けて採用を強めていますが、それでも182名の採用には届かないと感じます。更に選考枠を広げるとともに、社会福祉士資格を持つ方の中途採用などあらゆる手だてを尽くしていただきたい。知事の答弁を求めます。
児童相談所職員やケースワーカーは慢性的に足りません。埼玉県で福祉職を志す青年を積極的に育成していく必要を強く感じます。県立大学の出番です。県立大学の定員増を検討すべきではないでしょうか。保健医療部長の答弁を求めます。
県内には、児童相談所とさいたま市児童相談所と計8カ所児相がありますが、川越児相と所沢児相の管轄区域の人口は100万人を突破しています。また、熊谷児相の管轄区域は、さいたま市を除く県の面積の45%と広大です。そこで、児童相談所の管轄区域を分割すること、また、私は人口20万人以上の都市には県の児童相談所を置くべきと考えます。同規模の上尾市や草加市には県の児童相談所があるのですから、春日部市にも設置を検討していただきたい。さらに越谷市や川越市など中核市としての児相設置も支援していただきたい。知事は児相の増設を公約としておられますが、その計画を具体的にお示しをいただきたい。御答弁をお願いします。
A 大野元裕 知事
児童福祉司の配置についてでございます。
本県の平成30年度の児童福祉司1人当たりの相談対応件数は73件であり、全国平均の49件と比べ約1.5倍と、大きな負担となっております。
虐待事件に迅速かつ適切に対応し、未来の宝である子供たちを守るため、国の配置基準に基づく児童福祉司の人員確保にしっかり取り組んでまいります。
次に、児童福祉司の採用についてでございます。
平成29年度から実施している、社会福祉士などの有資格者を対象とした試験により、採用された職員は27人となっています。
これらの職員は即戦力となっており、現場で高い評価を受けています。
今後も、資格を持つ方の採用拡大を広げてまいります。
また、関東近県の福祉系大学を所長や担当職員が直接訪問をさせていただき、学生に対して本県への受験を勧奨する取組の充実も図っていきたいと思います。
こうした方法により、埼玉県職員を目指す方を一人でも増やしたいと考えています。
次に、児童相談所の増設についてでございます。
私は、子供を虐待から守るためには、児童相談所の更なる設置が不可欠であると考えております。
今後、管内人口や所管区域、相談対応件数などを丁寧に分析し、新たな児童相談所の設置を早急に検討することといたします。
また、中核市については、児童相談所設置の意向があれば、人材育成などについて積極的に県として支援をしてまいります。
私は、子供を虐待から守るという不退転の決意をもって、職員の確保と新たな児童相談所の設置に全力で取り組んでまいります。
A 関本建二 保健医療部長
福祉職を志す青年を積極的に育成するため、県立大学の定員増を検討すべきではないかについてお答えを申し上げます。
議員お話のように、児童相談所など福祉の分野で活躍できる質の高い人材の育成は、埼玉県立大学に課せられた大きな使命の一つです。
県立大学では、社会福祉子ども学科において、児童福祉司の任用資格である社会福祉士の養成に力を入れて取り組んできました。
この春、県立大学を卒業した学生の社会福祉士試験合格率は75.4%で、全国平均の55.5%を約20ポイント上回っております。
新卒の合格者数43人は、全国の公立大学の中で5番目に多い数です。
県の児童相談所で働く卒業生も多くおります。
県立大学ならではの少人数によるきめ細かな指導が、こうした成果に結びついています。
一方、社会福祉子ども学科の学生は県外出身者が多いこともあり、卒業生の半数以上が県外で就職している実状がございます。
県立大学では今年度から、県の児童相談所で活躍する卒業生を招いた就職説明会を開催するなど、県内の児童相談所で働くことのやりがいや魅力を学生に伝える取組をしています。
福祉職の確保のため県立大学に対し、まずは、社会福祉士試験対策の一層の充実を促すとともに、県内の児童相談所で働くことを希望する学生が増えるよう、協力を求めてまいります。
再Q 秋山文和 議員(共産党)
児童相談所の強化についてですね、私はこの児童相談所設置及び人員、4万人に1人から3万人に1人へ182人の増員。これ2022年までなんですね。そうすると年間60人をどうしても採用しなければなりません。そういうスピード感と、それから先週、鈴木正人議員に対して、「全国では人口58万9,000人に1カ所の児童相談所がある」と、このようにおっしゃいました。そうすると埼玉県に引き直すと、最低でも12カ所が必要となってくるんですね。
ですから、私、1回目の質問の中で、知事は児相の増設を公約しておられますが、その計画を具体的にお示しをいただきたいと、このように申し上げたんですけれども、「早急に検討する」と、こういうお答えをいただきましたが、早急に検討といいますと年間60人、そして直ちにとは言いませんけれども、最低でも4カ所、平均でいいという話もないわけですから、それ以上を是非目指すべきではないかという点で、着任早々で大変多事にわたっていると思いますけれども、是非この児相の強化についてですね。そうすると、最低でも春日部市には必要ではないかという話に多分なるんだと思うんですが、そのあたりの御決意のほど御答弁をお願いします。
再A 大野元裕 知事
児童福祉司を2022年度までに182人の増員、3年で割れば60人の増員となります。国全体で2022年度までに、約2,000人を増員するとしており、他の自治体も採用を拡大することから極めて困難な課題です。
子供たちを虐待から守るためには、児童福祉司の質を維持することと同時に、数を確保することが重要であると考えるところであり、全力で取り組んでいきたいと思っております。
2つ目に、全国の児童相談所の管内人口の平均が60万人であるならば、最低でもあと4カ所必要なのではないかとの質問です。
現在、県所管として7カ所、さいたま市所管として1か所の計8カ所の児童相談所が県内に設置されています。
私は、虐待事件に迅速かつ適切に対応するためには、少なくとも現状の児童相談所の数では足りないと考えています。
しかし、県所管の児童相談所をいくつ設置すべきかは、中核市である川口市、川越市、越谷市の設置意向や今後の虐待件数の動向などにも関連すると考えています。中核市に児童相談所設置の意向があれば県として支援することも含めて、総合的に判断したいと思っています。
管内人口や所管区域、相談対応件数などを丁寧に分析しながら、児童相談所の設置の検討を鋭意進めていきたいと思っています。
最後に児童相談所の設置でございますが、秋山議員からは春日部市が適当ではいかとの意見をいただきました。
児童相談所の設置場所について、現段階では、どこの市、どこのエリアとは申し上げられませんが、新規の設置を含め増設を鋭意進めていくことを明言させていただきます。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください