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掲載日:2022年10月12日
Q 秋山文和 議員(共産党)
知事は、さきの選挙で「日本一暮らしやすい埼玉を実現する」を公約に掲げ、見事当選されました。心よりお祝い申し上げます。開かれた民主主義と立憲主義を守るその立場を堅持し、県民誰一人として取り残すことのない県政を期待します。
また、知事は県政運営の柱として、県民目線、県民が主語を掲げました。県民のための県政を断固貫いていただきたいと思います。
さて、県が発表した令和元年度埼玉県政世論調査結果中間報告速報では、暮らし向きについて「楽になった」が0.8ポイント減って5.2%、「苦しくなった」は2.3ポイント増加して36.8%という回答が寄せられています。理由としては、「賃金など収入が増えない」が1位、次いで「税金や保険料など支払いの増」「物価上昇など生活費の増」が続いています。県政への要望については、1位が「高齢者の福祉を充実する」、その後「医療サービス体制の整備をする」「災害から県民を守る」が続きます。
そこで、知事に伺います。知事は、こうした県民の暮らしの実態をどう受け止め、県政への要望に対して知事の言う「県民が主語」をどう貫くおつもりか、決意をお示しください。
次に、県庁舎建替えに関わり、伺います。
県議会では、6月定例会において県庁舎建替え等検討特別委員会が設置されております。この問題は、選挙戦においても有権者の関心の高かったテーマでした。知事はマニフェストにおいて「1期4年の間には建替えに向けた着手はしない」と明言し、さらに具体的にとして、「特別支援学校、児童相談所の拡充に力を入れたいと考える」と述べています。我が党は、知事のこうした見解に賛同するものですが、県庁舎建替えについて改めて御見解をお示しください。
続いて、日米地位協定の見直しについて伺います。
先日、沖縄県の玉城デニー知事より、他国地位協定調査報告書(欧州編)が送られてきました。他国地位協定調査を実施し、今回はドイツ、イタリア、ベルギー、イギリスの現地調査を実施したとのこと。同協定の見直しに対する理解を広げることが目的です。報告書の総括では、「こうした国では自国の法律や規則を米軍にも適用させることで自国の主権を確立させ、米軍の活動をコントロールしている」とあり、一方、「日本では原則として国内法が適用されず、日米で合意した飛行制限等も守られない状況や、地元自治体が求める地域の委員会設置や米軍機事故の際の主体的な捜索、基地内への立入権の確保等が実現していない状況であり、NATO、ヨーロッパとは大きな違いがある」と結んであります。
ところで、さきの6月定例会で党県議が、米軍横田基地の整備で発生した土砂が本県の米軍所沢基地へ大量搬入されている問題をただしたところ、県職員の立入りが認められないことなどについて前知事は、「米軍の基地内に国内法が適用されないことは問題である」と答弁されました。
大野知事に伺います。米軍所沢基地への土砂搬入について、米軍に対して法令、条例の尊重と米軍所沢基地全面返還を強く求めること、さらに日米地位協定の見直しを断固求めることについて、御答弁をお願いします。
A 大野元裕 知事
県民のくらしの実態をどう受け止め、県政への要望に対して「県民が主語」をどう貫く決意かについてでございます。
令和元年度の県政世論調査では、「昨年と比べた暮らし向き」が「苦しくなった」と回答した方の割合が増加し、県政への要望事項として、「高齢者の福祉を充実する」、「災害から県民をまもる」などが入りました。
その要因は一概に断定できるものではありませんが、私自身も、選挙期間中、生活の先行きに懸念があるとの声を多くの県民の皆様からお伺いいたしました。
本県は今、75歳以上の高齢者人口が日本一速いスピードで増加し、高齢者世帯や単身世帯の孤立化が進んでいます。
一方、若年層も格差の拡大は深刻な状況にあります。
また、地球温暖化に伴う気候変動により、巨大台風の襲来や首都直下地震をはじめ地震災害の発生も懸念される状況にあります。
県民の皆様は、こうした情勢の変化を敏感に感じ取って、漠然とした不安を感じておられるのではないかと思っております。
私は選挙期間中、県民が主語で、県民のために、県民の立場に立った県政を行うことを皆様にお約束をしてまいりました。
私の思いは、県政運営に当たり、すべての判断基準は多くの県民の利益が最大になることを常に意識していくことでございます。
来月中には、県内をくまなく巡る「ふれあい訪問」に加えて、私自ら現場に出向き、県民の多様な意見を直接お伺いをする「どこでも知事室」を新たに実施したいと考えております。
その中で、県政全般や各地域で関わる課題などのほか、重点的に取り組むとした公約に関しても忌憚(きたん)のない率直な意見交換を行い、漠然とした不安の所在を含め、課題解決のための処方箋をつくっていきたいと考えております。
現場主義を貫き、県民の誰一人も、どの地域も取り残すことのない社会をつくり、「日本一暮らしやすい埼玉県」の実現に向けて、全力で県政に取り組んでまいります。
次に、「県庁舎の建て替え」についてでございます。
私は知事選挙において、「1期4年の間には建て替えに向けた着手はしない。限られた財源は建て替えよりも公教育・警察などの次世代のための投資を優先させる」と訴えてまいりました。
県庁舎は当然新しい方が良いと思いますが、限られた財源の中で、より県民ニーズが高いものがあれば、それを優先するべきと考えております。
仮に建て替えるにしても、大きな財政負担を伴うので丁寧な議論をしていく必要があります。
多くの意見を聞く必要があることを考えれば、1期4年の間に建て替えに向けた工事に着手することはありません。
県庁舎建て替えの議論については、県民参加を重視し、多様な県民ニーズを把握し、慎重な検討を加えてまいります。
次に、米軍所沢基地への土砂搬入について、米軍に対して法令・条例の尊重と、米軍基地全面返還を強く求めることについてでございます。
米軍基地として残っている所沢通信施設への土砂搬入について、国からは、本年2月に「在日米軍が施設内で事業を行う場合、日米地位協定上、国内法令は適用されないが、一方で米軍は日本国の法令を尊重しなければならない義務を負っている」との回答がありました。
これを受け、県では、国に対し国内法令に定める基準を満たすよう、埼玉県基地対策協議会を通じて2月と4月に加え、8月にも要望を行ったところであります。
あわせて、所沢通信施設の全面返還についても、これまでも粘り強く国に対し働き掛けてまいりました。
その長い活動の積み重ねの結果、平成24年に日米合同委員会で東西連絡道路用地の返還が合意され、本年度中の道路完成に向け、現在工事が進められております。
所沢通信施設への土砂搬入や全面返還については、引き続き、所沢市とともに県基地対策協議会を通じて、国に対し強く要望を行ってまいります。
次に、日米地位協定の見直しを断固求めることについてでございます。
ドイツやイタリアなどの地位協定には、国内法令の適用や基地への立入り権が明記されているなど、我が国の地位協定とは大きな違いがあります。
私は県民のため、基地周辺の生活環境の保全や安全の確保が重要だと考えています。
このため、米軍基地の諸問題の解決に取り組んでいる渉外知事会において、本年7月に日米地位協定の見直しにつき、本県として要望を行っております。
今後も渉外知事会などを通じ、国に対し日米地位協定の見直しを働き掛けてまいります。
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