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掲載日:2022年10月12日
Q 秋山文和 議員(共産党)
県立小児医療センターがさいたま新都心に移転し、3年が過ぎました。旧県立小児医療センターは、長年にわたり県東部地域をはじめ小児救急医療を支えてきました。老朽化、耐震化対策、総合周産期母子医療センター機能整備のため建替えが検討され、当初はがんセンター跡地への移転も報道されました。しかし、2011年、突如上田前知事のトップダウンで新都心へ移転が決定されました。県立小児の患者家族の中には、通院の困難から病院近隣に越してきた方もおられます。毎回の患者説明会でお母さんたちが泣きながら、「病院が移転したらうちの子は死んでしまいます」と訴えていました。この患者家族の皆さんと地元住民の皆さんの現在地存続を求める署名や請願書署名は計20万筆にも上り、埼玉県議会は議会請願を趣旨採択しました。
東部14市町が存続意見書提出を検討する中、2012年2月県議会冒頭で「患者や家族の皆様方の不安に応えるために、その機能の一部を何らかの形で現在地に残す」と前知事が表明し、その後、医療型障害児入所施設カリヨンの杜が設置されました。
私は先日、再びカリヨンの杜を視察しました。カリヨンの杜に対して県は、5年間土地無償提供、医師1人、看護師3人の派遣の支援を行っています。施設機能は60床ですが、稼働しているのは40床です。障害児の外来診療、リハビリは月曜日と木曜日のみ、救急は日頃通院している患者のみで、一般は受け入れていません。ショートステイ申し込みは毎月殺到し、十分に応え切れない状況です。障害児はいずれ18歳を超えます。障害者のため、残り20床も早期に稼働させなければなりません。しかし、20床を稼働させるためには、看護師が少なくともあと5名は必要です。現場は最大限努力していますが、現在のスタッフ体制ではこれ以上の拡充は考えられません。
知事は、上田県政の継承、発展を公約しておられますが、その機能の一部を何らかの形で現地に残すという前知事の約束を引き継ぐ決意についてお答えください。
このように、前知事の約束により建設されたカリヨンの杜は主に重症の障害児を受け入れており、経営が困難であることは建設前から認識されていました。知事、現在の土地無償提供、医師・看護師派遣にとどまらず、更なる支援強化をお願いしたい。御答弁を求めます。
県立小児の病棟が取り壊され、現在カリヨンの杜含め跡地として6万平方メートルの土地があります。周辺自治体の皆さんや障害者団体からは、障害児・者のための療育機能や入所施設が強く求められています。党県議団は、都立東大和療育センターを視察してまいりました。ここは2万平方メートルもの大型の公立療育センターです。重症の障害児のためのカリヨンの杜を発展させるのはもちろんのこと、知的障害や発達障害も含めた療育センターを新たに設置するなど検討をいただきたい。
移転の経緯からも県立小児の跡地は、障害児・者や難病の方のために使うべきと考えます。知事の御答弁を求めます。
A 大野元裕 知事
小児医療センターの機能の一部を何らかの形で現地に残すという前知事の約束を引き継ぐ決意についてでございます。
小児医療センターの移転については、当時から私も関心を持っており、知事就任後、担当部局からしっかりと説明を受けたところでございます。
小児医療センターをさいたま新都心へ移転すると平成23年6月に発表した後、患者御家族の皆様や地元の方々から、跡地に病院機能を残してほしいとの強い要望がありました。
そのため、平成24年2月に上田前知事は、跡地に病院機能の一部を残すことを表明いたしました。
患者家族の皆様へのアンケート調査や個別面談なども実施をし、跡地に残す機能を検討した結果、医療型障害児入所施設を整備することとなりました。
公募を経て、平成30年4月に社会福祉法人桜楓会が運営する「カリヨンの杜」が開院したところでございます。
上田前知事は、彼御自身が表明された約束を果たされたと考えており、私もその思いを引き継いでまいります。
次に、カリヨンの杜への支援強化についてでございます。
カリヨンの杜への支援については、議員お話しのとおり、開設に当たり必要となる病棟など建物の改修にかかる費用を県が負担し、用地及び建物は5年間無償で貸し付けているところでございます。
また、人的な支援としては、小児医療センターの医師1人及び看護師3人を3年間県から派遣をしています。
それぞれの支援期間の更新は、その時点で協議をすることになっております。
その他、小児医療センターの医師が月2回程度、カリヨンの杜で小児外科など3診療科の外来診療を行っています。
現在、カリヨンの杜では看護師の体制が十分ではないため、小児医療センターの新生児集中治療室を退院する低出生体重児のお子さんの受入れが、十分にできていない状況であります。
そのため、10月以降、新たに看護師2人を追加で派遣をし、より小さなお子さんの受入れを自立してできるよう、技術指導に努めてまいります。
今後も、個別の患者さんの受入れに関し頻繁に協議を行うなど、緊密な連携・協力体制を進め、カリヨンの杜を支援してまいります。
次に、跡地を障害児者や難病の方のために使うことについてでございます。
小児医療センターの跡地活用については本年3月から、庁内のプロジェクトチームを立ち上げ、検討を進めています。
検討の中では、高齢者向けの交通安全運転教育のための施設を中心に、福祉・医療・介護など「健康」をテーマにした施設なども、案として挙がっています。
私自身も現地の確認をさせていただくとともに、広く関係者の方々の意見を伺い、跡地活用の方向性を決めたいと考えております。
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