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掲載日:2021年10月11日

平成30年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(清水義憲議員)

介護の人手不足を補う外国人技能実習制度について

Q   清水義憲  議員(自民

6月定例会で埼玉県高齢者支援計画(第7期)に対する決議がなされました。その内容は、埼玉県高齢者支援計画(第7期)については、様々な課題が浮き彫りとなった。特別養護老人ホーム等整備事業費について予算の執行は認めるものの、特別養護老人ホームの新設に当たっては、介護職員不足により施設を新設しても空床が生じるという悪循環に陥ることのないよう、当該新設事業者から施設の整備計画とともに、介護職員の採用計画の提出を求め、実効性について県が担保した上で事業を実施するよう強く求めるというものでした。
介護人材を確保するために埼玉県でも予算をかけて様々な施策を打ち出していますが、介護人材の確保は万全というにはほど遠い状況と言わざるを得ないと思います。
そのような折に、7月25日に日本経済新聞の1面のトップ記事として「ベトナムと日本の間で介護人材の受入れについて合意があった」と大きく報道されました。少子高齢化や労働力不足に伴い国の経済成長の鈍化が危惧される中で、労働力の担い手として外国人労働者を考える人が多くなっていると感じています。私も今後は、労働力の担い手として外国人労働者に頼るしかないのではないかと思っている人間の一人です。
私は、昨年の11月、ベトナムに出向き、その間技能実習生としてベトナムの方を日本に送り出すための教育機関を視察させていただきました。そこでは、100人近くの女性が合宿をしながら毎日日本語の勉強と介護の実習を行っていました。ふるさとを遠く離れ勉強と仕事の日々は大変だろうと思いましたが、皆さん明るく元気な方ばかりでした。
さて、ベトナムと日本では経済連携協定により介護福祉士候補者の受入れを行っておりますが、この規定は大変厳しいものです。他方、ベトナムの方が日本で介護の仕事をするためには、技能実習生という制度もあります。最近では様々な職種で多くの外国籍の方が技能実習生として日本で働いています。平成29年12月の時点では、技能実習制度は一般的な職種で77職種、職種の中を細分化して139の作業が対象として決められていますが、介護には特別な要件があります。
要件には、技能実習生に関するもの、実習実施者に関するもの、技能実習に関するもの、管理団体に関するものなどがありますが、私が一番ネックになっていると感じているのは言葉の壁です。実習生は来日前に日本語能力試験N4に合格していることが必要で、なおかつ来日1年後にはN3の試験に合格しなければ帰国させられてしまいます。実習生は、日本語や介護技能の習得が順調にできれば5年間日本で働くことができます。しかし、それらがうまくいかず1年間働いただけで帰国となれば、実習生として来日するために多額の借金をして準備をしている人も多く、借金だけが残るということになりかねません。
送り出す相手国としてもそのような悲惨な状況は極力避けたいために、自国民を日本へ送り出すことに二の足を踏むということもあるようです。そのような中、ベトナム政府が重い腰を上げたというのが報道の裏側ではなかったかと思います。
日本政府も今後、介護の技能実習生について要件の緩和や、在留期間の延長なども検討していくとの話も聞いております。どの都道府県でも介護人材の不足する中、本県も他県に先んじて技能実習生受入れの研究をしていかなければ、本県が遅れをとることも考えられます。一歩進んで、県が積極的に国内の管理団体と協力して介護人材不足に悩む多くの施設、法人のために道を開く先進的な施策を考えるべきと思います。
そこで、質問します。外国人技能実習生の受入れについて、今後県としてどのように取り組む考えがあるのか、福祉部長にお伺いします。

A   知久清志   福祉部長

外国人技能実習制度については、法改正により昨年11月に対象職種に「介護」が追加されたところです。
これを受けて、本年7月に宮崎県に初めて2名の中国人技能実習生が来日しました。
本県の施設でも、来年3月に初めて技能実習生を受け入れると伺っています。
介護の技能実習制度については、まだ始まったばかりであり、まずは制度への十分な理解が必要となります。
そこで、県では、本年8月に社会福祉法人の施設長などを対象として、技能実習制度に関するセミナーを開催しました。
このセミナーでは、技能実習生の受入窓口となる監理団体の代表者を講師に迎え、制度に関する最近の動向や受入施設に求められている役割、費用などを詳しく説明し、制度に対する理解を深めていただきました。
具体的に受入れを検討している施設に対しては、併せて個別相談会を実施したところです。
今回のセミナーを受けて、技能実習生の受入れに向けて実際に取組を始めた施設も出てきております。
一方で、施設にとっては、利用者との意思疎通や介護記録の作成など、受入れに当たっての課題がございます。
そこで、埼玉県社会福祉事業団が運営する県立嵐山郷では、受入れノウハウを蓄積し県内施設のモデルケースとなるよう、現在、技能実習生を受け入れる準備を進めております。
また、日本語教育や住居費など人件費以外のコストがかかるため、施設の費用負担も大きなものがあります。
さらに、東南アジアの介護人材は、高齢化が進むドイツやオーストラリアなどでも受入れが増えており、そうした中で優秀な人材を確保する工夫も必要です。
本年7月には、埼玉県老人福祉施設協議会、埼玉県介護老人保健施設協会などの関係団体で構成する介護人材確保対策検討委員会を立ち上げ、外国人介護人材の受入れについても検討を始めました。
県といたしましては、技能実習生の円滑な受入れに向けどのような支援が必要なのか、現場の声を聴きながらしっかりと対応してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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