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掲載日:2019年10月17日
Q 沢田 力議員(自民)
9月3日と4日の2日間、大宮ソニックシティで「ものづくり技能フェスタ2016」が開催されました。朝早くから数多くの親子連れが詰めかけました。厚生労働省の委託を受け、埼玉県職業能力開発協会によるイベントです。県立高等技術専門校や認定職業訓練校の生徒による実演をはじめ、鋳物や建築板金、和裁・洋裁、タカなどの技能士による実演、あるいは作品展示がなされ、参加者にものづくりの技能や精神を伝え、参加者がものづくりを体験できる企画でした。
ものつくりという言葉は大和言葉です。我が国は古くから技能や精神を尊び、製鉄業や織物業、製糸業などの産業が、また、細川紙や日本食などの世界に誇る文化が栄えてきました。ところが、昨今はこうした職人や製造業が受けない傾向にあります。今回4回目となったものづくり技能フェスタは、子供や青少年、あるいは大人までをも対象に、ものづくりへの興味関心を高める絶好の機会であると感じました。かつてベネチアやムスリム、あるいはスペインが繁栄を極めたものの、輸入品を右から左へ受け渡す中間貿易では長続きせず、製造技術などのイノベーションにたけた造船業のオランダ、綿織物業のイギリス、あるいは重化学工業のアメリカなどに追い越されていきました。
ピーター・ドラッカーが知識社会の到来を予言したのは昭和32年、もう60年も前のことです。ドラッカーは製造業に代わり、知識労働者の社会になると予言し、60年たった今日、確かに物からサービスに技術の機軸は移っている面もありますが、その一方で、第四次産業革命と言われるIOT、モノのインターネット、ビッグデータ、AI、人工知能などによる技術革新が進んで、併せて今年6月にパナマ運河が拡張されて地球規模での物流網が再編しつつあり、やはり現物取引、ものづくりそのものが人間の営みの基本だと確信します。
上田知事は、推進する先端産業創造プロジェクト、つまり航空・宇宙産業、蓄電システム、ロボット、ナノカーボン、医療機器などもまた未来を担うものづくりそのものだと思います。ですが、ものづくり技能フェスタでは、先端産業創造プロジェクトは一切紹介されていません。また、こうした機会は年に一度といわず、毎月、毎日行うべきです。もっと人の目に触れることで新たなデザインが付加され、もっと大きな効果が期待できます。ものづくりへの機運醸成を図るためにも、更に啓蒙すべきです。
そこで、産業労働部長に質問します。
埼玉県で培われてきたものづくりの技能や精神をしっかりと伝承発展すべく、もっと機運醸成を図るべきですが、いかがでしょうか。
A 立川吉朗 産業労働部長
ものづくりはあらゆる産業の基本であり、ものづくりの技能の向上や伝承は、今後の産業の持続的発展のために不可欠です。
先端産業も、加工やめっき、溶接などのものづくりの高度な技能なしには成り立たず、優れた技能者が最先端の技術を支えております。
その一方で、若者のものづくり離れが進んでおり、製造業や建設業などの中小企業の人手不足は深刻化しております。
若者がものづくりに関心を持ち、将来の職業として選択してもらえるようにするには、子供の時からものづくりに親しみ、その楽しさを体験することが必要でございます。
県では、埼玉県職業能力開発協会と連携し、ものづくりの魅力を広く伝える「ものづくり技能フェスタ」や「彩の国総合技能展」などの大規模な体験型イベントを開催しています。
また、県立高等技術専門校や市町村、商工団体などでも、ものづくり体験のできる様々なイベントを開催しています。
そこで、県のホームページを通じて、ものづくりを体験できるイベントの情報をまとめて発信するとともに、ものづくり企業の魅力や若手技能者の活躍の紹介など、ものづくりの魅力発信を充実してまいります。
また、小・中学生だけでなく、将来の職業を具体的に考える時期に当たります高校生がものづくりの魅力を実感できるよう、企業訪問や若手技能者と触れ合う機会を設けるなどの取組も検討してまいります。
こうした様々な取組により、ものづくりに対する関心を高め、さらなる機運の醸成に努めてまいります。
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