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掲載日:2019年10月17日
Q 松澤 正議員(自民)
本県では昭和50年代、増え続けるバイクによる暴走行為に対する指導として始まった高校生にバイクの免許を取らせない、買わせない、乗らせないといういわゆる三ない運動を推奨しています。この運動は、高校生の命、輝かしい将来を守るため、保護者の集まりである全国高等学校PTA連合会から要請されたものと承知しております。
しかし、昭和50年代当時と今とでは社会情勢も大きく変わっています。確かにバイクの事故に伴うリスクとしての本人のけが、事故被害者の補償等は高校生にとっても一生の負担となるため、高校生をバイクに乗せることに不安を感じるというのも理解できます。しかしながら、法で免許を取得可能となる年齢に達した者に免許を取らせないという指導は、在学中だけバイクを遠ざけることでリスクを回避するという事なかれ的指導と受け取ることもできるのではないでしょうか。高校卒業後も生涯を通じて交通社会に生きる高校生にとって、真に役立つものなのか疑問であります。
高校生は日頃の通学、生活においても交通社会から得られる体験を通してルールを遵守し、慣れ、適応していくことが大切なのではないでしょうか。そして、高校を卒業して社会に出れば、多くの人はバイクや自動車を運転することになります。不安だからという理由で、そのときまでバイクを遠ざけることは、結果として道路交通法や安全運転を学ぶ機会を奪うことにつながっているのではないでしょうか。バイクは危ないものと一面的に捉えて遠ざける教育が、真に高校生の命、輝かしい将来を守り、交通事故から守ることにつながるのか、今真剣に議論するべきであると考えます。
高校生活の3年間を社会に出るまでの猶予期間と捉え、この期間に交通社会の一員として責任を持って行動する健全な社会人を育成することが重要です。選挙権年齢が18歳以上に引き下げられ、今の高校生は在学中に主権者となります。高校生本人が自ら考え、保護者の同意があれば、法で認められているバイクの免許取得を許可し、道路交通法や安全教育を学ばせ、バイクの乗車を認めるべきではないでしょうか。
そこで、教育長にお伺いします。現在、県教育委員会では「高校生活にバイクは不要」と記載されたリーフレットを毎年新入生に配布していますが、見ようによってはバイクイコール悪と受け止められる記述や、今の社会情勢にそぐわない表現が使われています。
当時と今とでは社会情勢が大きく変わっている中で、現在における三ない運動の効果についてどのように考えているのか、教育長にお伺いします。
三ない運動は廃止すべきであると考えますが、今後についてどうお考えか、併せて御所見を伺います。
A 関根郁夫 教育長
まず、いわゆる「三ない運動の効果について」でございます。
この運動を進めた背景には、高校生の自動二輪車等の事故死傷者数の増加がございます。
高校生の自動二輪車等事故死傷者数は昭和50年代に増加しつづけ、昭和55年にはピークとなる1,557人でありました。
翌年の昭和56年にこの運動を進めた以降は、減少傾向をたどり、平成27年は88人にまで減少しております。
このように、高校生の命を守るという点では、効果があったものと考えております。
次に、「三ない運動」を廃止すべきと考えるが、今後についてどう考えているかについてでございます。
議員御指摘のとおり、この運動を始めてから35年が経過し、交通網や社会情勢など、高校生を取りまく情勢は大きく変化しております。
また、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられるなど、高校生の自立を促すことが求められております。
在校中のみならず、生涯を通じて交通事故の当事者にさせないためには、発達の段階に応じた交通安全教育を積み重ねるとともに、高校生においても、交通安全について自ら考えさせることが大切であると考えております。
今後の「三ない運動」については、関係者等を入れた検証組織を立ち上げ、これまでの自動二輪車等に関する生徒指導について幅広く検証するとともに、この運動の在り方について検討してまいります。
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