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掲載日:2023年11月1日
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春から夏にかけて、野鳥は繁殖シーズンを迎えます。
この時期、人が地面にいるヒナを見つけて、巣から落ちて迷子になっているか弱っていると思い、
保護するケースがよく見られます。
しかし、そのヒナは迷子になったり、弱っているのではありません。
巣立ちしたばかりのヒナ(=巣立ちビナ)は、しばらく親鳥と一緒に暮らし、
エサの取り方や飛び方などを学びながら成長していきます。
巣立ちビナは、上手く飛べずに地面に降りて休憩したり、親鳥が運んでくるエサを地面で
待っていることがあります。
巣立ちビナを保護することは、親子を引き離すことになってしまいます。
手を出さないで、そっとしておいてくださるようお願いします。
大半の巣立ちビナは保護する必要がない元気なヒナです。親鳥はヒナを残してエサを取りに行きます。
親鳥が近くにいたり、エサを運んできたりすることがありますので、手を出さないでください。
人が近くで見ていると、親鳥はヒナに近づくことができません。
近くに親鳥の姿が見えなくても、親鳥とヒナは鳴き声でコミュニケーションをとっているので心配ありません。
近くの木の枝にとまらせてください。
外敵から襲われる恐れがある場合は、カップ麺などの底の深い空き容器に入れて、
ヒモなどで近くの木の枝に吊るしてください。
雨のかかりそうな場所に設置する時は、容器の底に水抜きの穴を空けてください。
また、その際、手で触って人のにおいがついても問題ありません。
野鳥のヒナを世話するには、数時間おきのエサやり、保温など大変な労力がかかります。
また、保護したヒナが途中で死んでしまうことも少なくありません。
巣立ちビナはエサの取り方のほかに、飛び方や外敵からの身の守り方、
仲間とコミュニケーションをとる方法などを親鳥から学んで成長します。
人が親鳥に代わって、これらのことを教えて、自然の中で自立していけるように育てるのは、
とても難しいことです。
巣立ちビナには、次のような特徴がみられます。
スズメの巣立ちビナ
ツバメの巣立ちビナ
【写真提供:WRV(野生動物救護獣医師協会)】
野鳥は数羽ふ化しても、全部が巣立って成鳥になれるわけではありません。
小さく弱いヒナは、他のヒナとの生存競争に負けて巣から落ちてしまうことがあります。
野生動物の中には、小さな野鳥を捕えて食べて生活している動物もたくさんいます。
「かわいそうだ」と思う気持ちは大切ですが、自然界は食物連鎖で成り立っています。
自然のルールと思い、むやみに人が介入しないことが必要です。
巣立ち前のスズメのヒナ
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