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掲載日:2026年10月6日

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特定非営利活動法人新座子育てネットワークインタビュー(令和8年度)

特定非営利活動法人新座子育てネットワークインタビュー

新座市を拠点として、妊娠期から18歳までの子どもと子育て世帯を支援する「特定非営利活動法人新座子育てネットワーク」。埼玉県初の休眠預金等活用法に基づく資金分配団体に採択されるなど、その顕著な活動内容について、竹内事務局長からお話を伺いました。(取材日:令和8年9月10日)。

「特定非営利活動法人新座子育てネットワーク」について

基本情報

  • 法人名:特定非営利活動法人新座子育てネットワーク
  • 代表者:坂本純子代表理事
  • 所在地:埼玉県新座市菅沢一丁目4番5号
  • 活動歴:平成11年に任意団体として発足し、平成15年からNPO法人として活動している。
  • ホームページ:https://www.ccn.niiza-ksdt.com

定款に記載された目的

この法人は、地域の子育て中の家族とそれを支援する地域住民や関係機関そして社会に対し、子育て・子育ち環境の向上に資する活動を広く行い、社会全体の子育て・家庭教育支援の充実と次世代育成に寄与することを目的とする。

主な活動内容

  • 地域子育て支援センター(るーえん、セサミ)、子育てのひろば(わとと)
  • 利用者支援事業(みーて、すてっち)
  • 指定管理運営(新座市児童センター、福祉の里児童センター)
  • 休眠預金活用事業
  • こどもの居場所、子どもひろば
  • 父親支援、ひとり親支援
  • 新座ICTくらぶ、デジタル推進委員(こども・若者)プロジェクト
  • 人材育成・教育研修・開発事業ほか

主な受賞歴

  • 埼玉県 孤独・孤立対策「令和6年度つながるSAITAMA大賞」受賞(令和6年)
  • 公益社団法人程ヶ谷基金「令和4年度男女共同参画・少子化関連顕彰(活動部門)優秀活動賞」受賞(令和4年)
  • 厚生労働省「第7回健康寿命をのばそう!アワード」母子保健分野「厚生労働省子ども家庭局長賞(団体部門)優良賞」受賞(平成30年)
  • 内閣府「第1回子どもと家族を応援する日本功労者」内閣総理大臣表彰(平成20年)

インタビュー・活動の様子

新座子育てネットワークは、どのようにして始まったのでしょうか?

新座子育てネットワークが任意団体として発足したのは、平成11年です。当時、子育てをしていた坂本代表が、当事者として自分たちの困りごとを何とか解決をしていこうとサークルのような形で集まり始めたのが、新座子育てネットワークの出発点になります。

昨今のようにインターネットも普及していなかった時代なので、公民館などで集まり、他のお母さんにも何か教えようとか手遊びの歌をビデオに撮って配布する活動から始まりました。

今でこそ、子育て支援センターというと全国にいっぱいありますが、当時はまだなかったので、国の制度に先駆けて、当事者たちが困っていることを解決するために、それぞれ活動をしていたという状況です。そのうち、そういった活動が全国にぽつぽつと出てくるようになっていき、子育てひろば全国連絡協議会などができ、それから国が子育て支援拠点を整備していく流れでした。

新座子育てネットワークは平成15年にNPO法人化しまして、現在、活動を始めて27年目に入ったところです。

新座子育てネットワークの理念について教えてください

この法人の定款で掲げる目的にもありますが、地域の子どもを育てる家族と子ども、地域住民など、みんなで子育てを助けていきましょう、というのが理念になります。お母さん1人に任せきりにせず、地域、社会全体で見守り助け合うというところを大切にしています。

高齢者・大学生・中学生・小学生の多世代交流の「子どもひろば」の様子

竹内事務局長が携わることになったきっかけは何ですか?

約10、11年ほど前ですが、子育て支援拠点で働きたいと思って、求人に応募したのが始まりです。きっかけは息子の病気でした。

新座市に引っ越してきてすぐ、小学校の入学健診で息子に病気が見つかったんです。手術をしないと5年以内に数パーセントの人が亡くなるという命に関わる病気でした。それまでは、大きく生まれて、普通に育って、ご飯もいっぱい食べて、風邪もひかない健康な子だなと思っていたのに、そんな病気が隠れていたのかと考えると、「子どもって生きているのが当たり前じゃないんだな」と思ったんです。

私たちも今日事故に遭うかもしれない、いつ死ぬか分からない。そう考えたときに、息子はたくさんの人にお世話になって、手術や入院、治療などを乗り越え、元気になったので、それを恩送りしたいという気持ちが一番強くありました。そんな思いです。

それで、子育てのために何かしたいと思っていたところ、新座子育てネットワークの子育て支援拠点で求人募集を見つけ、今に至ります。子育て支援拠点では3年ほど働き、その後、事務所に異動になりました。

事務局長の普段のお仕事内容について教えてください

現在は、事務局長として働いて5年目になります。今年度から事業部制になっており、本部事業部、子育て支援拠点事業部、児童センター事業部という3つの部に分かれているので、これらを統括する立場にあります。また、児童センターは市からの指定管理で運営しているため、市との報告会に参加をしたり、法人全体の事業が計画通り進んでいるかの確認をしています。

主な活動内容について教えてください

子育て支援拠点が3カ所、児童センターが2か所の計5か所の現場があり、それぞれにスタッフがおります。職員の規模としては、常勤とパート・アルバイトを合わせて、約50人です。事務所の職員は10人ほどです。

その他、埼玉県「こどもの居場所づくり支援事業」やこども家庭庁「はじめの100ヵ月の育ちビジョン」をはじめ、行政からの委託事業も数多く手掛けております。

事業をお任せいただけるのは、これまでの実績と信頼の成果です。埼玉県の事業は、開始以来7年間継続して受託しており、毎年の確実な運用と報告体制により選ばれ続けています。

「子どもひろば」で子どもたちと一緒に昼食をとる様子

県内初である資金分配団体として活動されている休眠預金活用事業について教えてください

一般財団法人日本民間公益活動連携機構(JANPIA)の休眠預金等活用事業で、埼玉県では初めてとなる資金分配団体に採択されました。2024年度に採択されまして、2025年3月末に契約、事業開始となっています。事業名は、「多様な子どもたちのための持続可能な居場所づくり@埼玉県」といい、事業期間は3年間です。

どのような目的で、この事業に応募したのでしょうか?

私たちは、先ほども申し上げた、県の委託事業である「こどもの居場所づくり支援事業」を7年間行っております。そのなかで、こどもの居場所を新たにやりたい人へ県から任命されたアドバイザーを派遣したり、セミナーや相談会などを実施してきました。

一時期はブームでこども食堂が増えましたが、高齢の方が退職後に開催したり、「子どものために何かしてあげたい」という思いだけで始める方が多く見られました。そうすると、なかなか続けることが難しかったり、思いだけでノウハウがなかったり、そういった課題が見えてきました。

そこで、この資金分配団体として掲げたのは、「継続的に、質の高い、こどもの居場所を育てていきたい」という目標です。

去年、一昨年ぐらいから、若い人でも、こどもの居場所を始めたいという方が現れてきて、アドバイザー派遣を依頼される方も増えています。そのなかには、継続のため事業化をしたいという方も増えてきました。休眠預金事業は、実行団体も含めて大きい助成金がいただけるので、そういう方たちに、長く続けてもらうための足場を固めてもらうため支援できればと考え、応募しました。

以前は実行団体としても活動されていますが、資金分配団体へ挑戦した背景を教えてください

休眠預金事業の開始以来、埼玉県に資金分配団体がない状態が続いていました。JANPIA設立当初から、資金分配団体の公募説明会のお知らせも届いていました。休眠預金事業も始まったばかりでしたので、まずは実行団体も経験してから、資金分配団体に挑戦するのが順当だと考えました。そもそも埼玉県には資金分配団体がなかったので、休眠預金の原資には埼玉県民の眠っていた預金等も相当いっているはずなのに、埼玉県では1円も活用されないのはどうなんだと、代表には思うところがあったようです。

実行団体のときと比べて、どのような難しさがありますか?

この事業に関しては、プログラムオフィサー(PO)がいますので、私は見守る立場ですが、実行団体のときとは、関わり方が全然違うと感じています。

実行団体から「こういうことに困っているんだけど、どうしたらいいですか」と聞かれたときに、「これです」という答えを出すわけではないのですが、色んな選択肢を出してあげないといけないんです。他の団体ではこういう話もしていましたよ、こういう例もありますよ、といった知識と情報をいっぱい自分たちの中に落とし込んでいかないといけない。それが難しいと思います。

また、国民の皆さまのお金を使っているので、コンプライアンスやガバナンスはかなり厳しい事業になります。私たちが実行団体をやっていたときよりも資金活用に関してはさらに厳密になっていると感じています。一方で、柔軟性や機動力もあったりします。

本事業の現時点での手応えはいかがですか?

この事業は3年間の事業で、今ちょうど中間報告の時期にきています。この1年で実行団体の皆さん、それぞれのペースで成長されています。各団体が掲げた目標への情熱は、皆さんとても熱いです。研修費がなかなか出せない団体も多いのですが、遠方のここぞと思う活動へ視察に行ったり、専門家に謝金を出して助言を仰いだり、職員の皆さんの力量を高めるための資金活用もできています。

また、行政や他団体など様々なところに事業の周知・連携を進めていることも、毎月実施するミーティングからわかります。実際に連携が進み、イベントの共同開催も決まったところもあります。このような連携が、地域全体・埼玉県内に広がっていくことを期待しています。

活動をするうえで、大切にしている信念を教えてください

私たちNPOの役割は、課題を発見して、いち早く分析して、ソリューションを提示し、NPOなりに試して見せる、体現する点だと思います。実際、私たちは子ども子育て分野で、それを積み重ねてきました。

県の「こどもの居場所づくり支援事業」は、私たちの問題意識とタイミングが合い、シンクロしましたが、大抵は国や行政はNPOが苦心惨憺した後に、動き始めます。課題を前に竦むのではなく挑む姿勢が大事で、NPOに求められているのは、そういう姿勢だと思います。

活動をされていて良かったと感じる瞬間はありますか?

新座子育てネットワークでは、ひとり親支援事業を5年間継続しており、2か月に1回のフードパントリーや相談会・交流会を開催しています。配布できる食料の量には限りがあるものの、利用者からの「助かりました」、「楽しみにしていました」といった声が活動の糧となっています。単なる物資支援にとどまらず、交流を通して直接お話を聞き、地域のお困りごとに寄り添える支援体制に大きな意義とやりがいを感じております。

私は今、「子どもひろば」という小学生対象の事業にも携わっているのですが、子育て支援拠点で働いていたときの利用者だった0~3歳の子たちが、今、小学校4、5年生になって、子どもひろばに来ることがあります。その子どもたちは、私のことを覚えてはいないですけれど、名前を見て「あ、あの子だ」と分かったり、送迎してくれるお母さんに会って「久しぶり!」と声をかけてもらったり、長く活動をしていると、こういうつながりもあるんだなと思います。

児童センターの報告書などを通じて、知っている子どもたちの名前を見かけると、「この子は、まだ元気にやっているんだな」と感じられて、そういう子どもたちの成長が見られるのが、本当に嬉しいです。

また、小学生のときに、こどもの居場所を利用していた子が、中学生になって、逆にボランティアとして参加してくれることもあります。子どもが大きくなって、支える側になる。そのような循環も段々とできているかなと思うと、活動のやりがいを感じます。

新座市商工会青年部の協力で実施したひとり親支援事業のクリスマス会の様子

認定NPO法人を目指しているとのことですが、きっかけは何ですか?

昨年度から、とても力を入れて、認定NPO法人を目指し始めました。実は、これまでは、あまり寄付をお願いしたことがなかったんです。もちろんありがたく寄付をいただくことはありましたが、基本的には、委託金や自分たちで開発したプログラムを提供することで資金を得て、活動をしてきました。

ですが、代表もそろそろ引退を意識しており、次の世代へ引き継ぐ準備として、安定した基盤を確立するため、認定格を取得しようと考えたのがきっかけです。今までは、代表が力強くグングンと法人を引っ張ってきてくれたのですが、その代表が引退した後のことを考え、私たちが今やっている活動を色んな人に知ってもらい、応援をしてもらいたいと思っています。

認定NPO法人になれば、寄付者への税制上の優遇措置というメリットはもちろん、企業にとっても社会貢献のパートナーとしてご支援いただきやすくなります。さらに、法人税等の優遇により、活動に充てられる資金の増加にもつながります。こうした体制強化を目指し、昨年度注力した結果、おかげさまで「2年で200人」という寄付者の目標を、わずか1年で達成することができました。

最近の課題というと、やはり世代交代になるのでしょうか?

ちょうど、どこのNPOもそのような時期だと思います。NPO法が成立してから、たくさんの法人ができ、増えてきたなかで、やはり今まで長く活動をしてきたところは、代表が強いリーダーシップで引っ張ってきてくれたところが多いと思います。

私たちも色々なNPOさんに話を聞きますが、やはり同じように、世代交代がなかなか難しいというお話をよく聞きます。皆さん、中間層がいないとか、そういった課題は共通していると思います。私たちも実は、創設当時からいるスタッフは代表も含めて4人しかいないんです。結構、内部は変わっていたり交代があったりしますので、やはり世代交代が直近の課題かなと感じています。

今後の抱負について教えてください

「困っている方に手を差し伸べ、その支援を社会全体へ広げていく。」そんな活動を今後も続けていきたいです。

一人ひとり抱える事情は異なりますが、現場で見えてくる共通の課題に対して、私たちにできる支援を形にしていきます。草の根の支援で生まれた小さな解決策を、やがては国全体を動かすような大きな取り組みへと広げていくことが私たちの理想です。


長い活動歴に加え、先駆的な取組が多く、社会的な評価も高い、新座子育てネットワーク。その源流にあるのは、今まさに困っている人を助けたいという温かくも力強い想いなのだと感じることができました。

子育てに関わる人々に寄り添いながら、社会全体への影響も与えていくことで、より良い子育て環境を実現していこうとする姿勢が心に残りました。新座子育てネットワークの皆さま、インタビューにご協力いただき、どうもありがとうございました!

※本記事の掲載内容は取材時点の情報です。

お問い合わせ

企画財政部 南西部地域振興センター  

郵便番号351-0025 埼玉県朝霞市三原一丁目3番1号 埼玉県朝霞地方庁舎2階

ファックス:048-451-1113

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