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掲載日:2023年12月6日

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三協ダイカスト株式会社 (戸田市)

亜鉛、アルミダイカストの鋳造と加工、3Dプリンターを軸に3Dデータ作製・試作品・開発・量産の提案を行い、日本のものづくりを支える企業

三協ダイカストは、亜鉛、アルミダイカストの鋳造と加工、金型製作及び3Dプリンターによる製作を行う企業で、創業55周年を迎えています。
1967年に松浦敬介氏により戸田市において亜鉛ダイカスト業として創業され、その後、鋳造後の仕上げ加工や旋盤加工などを手掛け、加工の幅を広げました。
1980年に本社工場を建設し、その後、マシニングセンタ、三次元測定機を導入し、1992年に戸田工場にアルミダイカストマシンを導入しています。
2002年に松浦眞吾氏が代表取締役に就任し、現在に至ります。
その翌年の2003年にRMS事業部創設し、3Dプリンターを活用したものづくりを開始しています。
ちなみに、ダイカストとは非鉄金属とその合金を溶解して金型に高圧・高速で注入し、圧力をかけて複雑な形状の製品を短時間に大量に生産する鋳造技術です。寸法精度や鋳肌の美しさが優れており、一般的には自動車関連部品やOA機器、家電用品などに広く使用されています。

        

                                    三協ダイカスト  本社工場                                                                       戸田工場

 

本社工場と戸田工場を案内していただき、ダイカスト事業部とRMS事業部の業務内容について丁寧に説明していただきました。
ダイカスト事業部においては、試作から金型製作、亜鉛、アルミダイカストの鋳造、各種加工及び各種表面処理までを一貫して対応しており、空圧制御機器、建築金物、医療機器、自動車部品、光学機器、その他精密機械部品と多分野にわたり製品を生産しています。
9割が空圧機器製品(コンプレッサーの部品)で、他には住宅金具、医療機器などで、基本は B to B で企業間取引となり、世の中の製造業を下支えしています。
多品種、少量生産にも対応しているのが企業としての特色の一つであるとの説明があり、工場内には数多くの金型が整理されて置いてあることを確認することができました。
工場内部はきれいに整理されているのはもちろんのこと、社員の動線や余分な待機時間が生じないよう一度に様々な工程に携われるように機器類が配置されるなどの工夫がされており、日々改善に努めている様子を案内していただきました。

 

        

                                                                    ダイカスト事業部の内部(戸田工場)

 

        

                                    ダイカスト処理された製品                                              整理されて置かれた金型の数々

 

ダイカスト鋳造を行う上での弱点として、金型への金属注入にあたり、どうしても空洞等が生じてしまうことがあるため、その部品に強度を求める際には、CTスキャナーによる非破壊検査も行えるように検査体制を整えています。お客様の求める水準に応じて、きめ細やかな対応が可能となっています。
また、検査部門では、各自の作業台にタブレットが設置されており、それを見ながら完成した製品の検査を行うことで企業の強みでもある多品種、少量生産にも適した形で製品管理がなされています。

 

     

             検査部門の様子

 

RMS事業部は2003年に発足し、近年、三協ダイカストにおいて力を入れている分野で、3Dプリンターを軸とした商品開発に際しての提案等を行っています。
お客様からの依頼に応じて、要望に応じた3Dデータの作製から手掛け、試作品の作製・開発、量産に向けて提案を行うことでものづくりの現場を支えています。
強度、精度、柔軟性、 耐衝撃性、耐熱性に優れた製品の提供が可能となっています。
試作品等も数多く展示されており、企業における商品開発において重要な役割を担っていることが実感できました。
最近では、映画や舞台で使用する小道具等の作製依頼もあるとのことで、様々な可能性を秘めた非常に奥が深い分野であることを実感しました。

 

        

                   RMS事業部に設置された3Dプリンター及び製品作製のための樹脂粉体(粉末) 

 

            

                                           3Dプリンターの試作品(多層球、恐竜、うさぎ)

 

ホームページにも3Dプリンターによる作品例が数多く掲載されていますので、是非ともご覧ください。
    【RMS事業部/作品紹介】 http://www.sankyodc.com/rms/gallery.html

 

令和5年10月21日(土曜日)から22日(日曜日)にかけて戸田市役所を中心にして行われた「商工祭」(戸田市商工会主催)に足を運んだ際に、工業産品展示の一角に三協ダイカストの出展ブースがあり、3Dプリンターによる作品の数々を今回の企業訪問に先立って直接見ることができました。
その中でも名刺ケースは、デザイン的にも優れており、出展ブースにいた若手社員に話を聞くと、「強度において通常の使用であれば問題がない。」とのことでしたので、市販化されれば是非とも購入したいと思える一品でした。
なお、3Dプリンターで作られた作品は原材料と同じで白色ですが、塗装や研磨などの処理も可能です。
今回の企業訪問の中で、「自社で開発した商品等を消費者に直接販売できるようになればよいと考えているが、量産するのは難しいのが実情である。ただし、自社商品を扱えるようになれば、実際に商品を手にしてもらうことにより、自社の技術力を直接体感してもらえることとなり、仕事発注の依頼が増えることにもつながる。今後の検討課題である。」との話があり、非常に参考になりました。


        

                                                         「商工祭」(R5.10.21、R5.10.22に開催)での出展ブースの様子

 

「商工祭」の会場において戸田市経済戦略室のブースを訪れると、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向け、とだ SDGs パートナーとなり、戸田市とともに取り組んでいくことを宣言している企業の紹介があり、その中の一つに三協ダイカストの名前を発見しました。
宣言内容の一つとして、「目標12:つくる責任つかう責任」に関連して、ダイカスト製品は原材料の98%をリサイクル材の二次合金を使用しており、二次合金は鉱石から新しい地金を製造することに比べ、非常に少ないエネルギーで製造できるため、地球や環境に優しい製造がおこなわれていることが宣言されています。
持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた企業の姿勢が、このような形で分かりやすく外部に示されており、非常によい取組だと思いました。

 

【参考/とだSDGsパートナー】
        https://www.city.toda.saitama.jp/soshiki/214/keizai-sdgspartner.html

                宣言証のロゴマーク               (戸田市/「とだSDGsパートナー」制度について)

 

        https://www.city.toda.saitama.jp/uploaded/attachment/62509.pdf

                      宣言証                      (戸田市/三協ダイカスト株式会社の宣言内容)

 

その他にも、シニア活躍推進宣言企業認定、彩の国工場の指定、多様な働き方実践企業認定などといった埼玉県が行う様々な指定や認定を受けています。
企業訪問した際には、それらの認定書等が掲示されていましたので、いくつか紹介させていただきます。
例えば、県ではシニアの活躍の場の拡大を推進しており、その一環として「シニア活躍推進宣言企業」の認定をしています。
三協ダイカストでは、「シニアの技術・経験を生かす」の項目に関しては技能・知識を継承する仕組を構築すること等を宣言するとともに、継続雇用の上限年齢を70歳以上に引き上げていることを宣言し、「シニア活躍推進宣言企業プラス」の認定を受けています。

 

        https://www.pref.saitama.lg.jp/a0813/kakudai-jigyou/kakudai-jigyou.html

                   認定書                     (シニア活躍推進宣言のホームページ)

 

【参考/左:彩の国工場(埼玉県)、右:工業見える化プレート事業(戸田市)】

    彩の国工場2    https://www.pref.saitama.lg.jp/a0812/a14.html

                    本社前に掲げられた看板等                       (埼玉県/彩の国工場のホームページ)

 

【参考/多様な働き方実践企業】
        https://www.pref.saitama.lg.jp/workstyle/diversity/about.html

              掲示された盾               (埼玉県/多様な働き方実践企業認定制度とは?)

 

早い段階から3Dプリンターを軸としたものづくりに関する様々な提案等を行っているということで現場を見させていただき、今後のものづくりの現場において必要不可欠な技術であるとともに非常に可能性を秘めた分野であることが実感できました。
また、3S(整理・整頓・清掃)活動や改善検討を社員一丸となって継続的に取り組む姿勢や、3Dプリンターの活用による新たな商品開発等においても若手社員の意見等を積極的に取り入れて活かそうとする姿勢は、さらなる発展の可能性を感じさせるものでした。
ご対応いただきました三協ダイカスト株式会社の松浦代表取締役、ありがとうございました。

 

三協ダイカスト株式会社

  • 所在地:【本社】戸田市美女木4-3-5
                  【戸田工場】戸田市美女木4-4-1 
                  【RMS事業部】戸田市美女木4-4-1 戸田工場2階
  • ホームページ:http://www.sankyodc.com/
    ホームページ(RMS事業部):http://www.sankyodc.com/rms/

お問い合わせ

企画財政部 南部地域振興センター  

郵便番号332-0035  埼玉県川口市西青木二丁目13番1号 埼玉県川口地方庁舎2階

ファックス:048-257-0529

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