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掲載日:2026年3月27日
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高橋 麻倫(モデレーター)
ここからは埼玉県内で官民連携のまちづくりを推進している方々からですね、官民連携のまちづくりの重要な視点や県内での取組事例をご紹介いただきます。
それでは御登壇の皆様をご紹介いたします。アイル・コーポレーション株式会社PPP推進部部長 神戸 明さん。続きまして、国土交通省総合政策局社会資本経済分析特別研究官 小林正典さん。株式会社官民連携事業研究所代表取締役 鷲見英利さん。それではお三方、よろしくお願いいたします。
最初にですね、お一人ずつ自己紹介も兼ねてご自身やご自身の企業が取り組まれていることについてお話をいただきたいと考えております。なお、鷲見さんにつきましては先ほどの発表で自己紹介していただいておりますので、今回は本日御登壇いただきます神戸さん、小林さんに自己紹介をいただきたいというふうに考えております。では最初にアイル・コーポレーション株式会社 神戸さんよりお願いできますでしょうか。
神戸 明(登壇者)
改めましてアイル・コーポレーション株式会社の神戸と申します。よろしくお願いします。当社は埼玉県内で指定管理者ですとかPPP全般をやらせていただいている会社なんですけれども、ちょっと変わった成り立ちでできた会社です。もともと60年前に浦和市さんがゴミ処理ですとか清掃ですとかそういったものをきれいにまとめる民間企業を作ってはどうかということで当時60年前の市長だった相川市長が地元の青年会に声をかけて、青年会のメンバーの出資で作られた会社になります。当初は浦和市の部長さんなんかが社長を歴任されるなど第三セクターのような立ち上げの会社ではあったんですが、そこからですね、やはりあまり皆さんがいらっしゃるところで言うのもあれなんですけれども。公務員の方だけで会社をやられると、なかなかうまく回らなかったということもありまして、今のオーナーが自分でやるということで一番最初の発起人だったオーナーが手を挙げて社長に就いたというところで完全民営化した会社になります。なので、そういった成り立ちの会社だったので、最初はもう指定管理とかではなくてですね、ビルメンテナンスを中心とした入札事業のみをやっていたんですけれども、時代の流れとともにPPP事業に取り組むようになりまして、今に至るというところでございます。ただPPP事業も当初は公募が出たら手を挙げて取るという形で私どもやらせていただいていたのですが、当時、黎明期ということもありまして比較的順調に仕事を取れていたんですけれども、今現在ですねPPPというと今回参加されている皆さんのような専門性を持った企業がたくさん入ってきていて、今までのように手を挙げて公募が出たから手を挙げて取りますというのでは取れない時代になってきています。ですので、私ども特殊なノウハウがある会社でもなくPPPを専門とやっている部署ですから、そのようなノウハウのある会社と連携をしながら自治体とお話をして、公募前からしっかり話をして、公募が出た後でも、PPP事業に取り組みたいという地域の皆さんにお声掛けさせていただいて私どもがどういった形でPPPに取り組めばいいよというアドバイスをさせていただきながら、よく大企業がやられるような代表として自分たちが頭を取って地元企業を下に連ねるのではなくて、私たちが地元企業を頭に立てる形で一緒にやりましょうということで地域のハブ機能としてやっていく形で指定管理やPark-PFI、PFIに取り組ませていただいている企業でございます。なので今回のお話はですね、どちらかというと成功事例がどうこうとかということではなくて、本当に現場感覚で自治体とお話ししながら進めてきましたので、そういったところの肌感的なものですとかお話しできればと思いますので、どうぞ本日はよろしくお願いします。
小林 正典(登壇者)
改めまして国土交通省の小林です。よろしくお願いします。いくつかスライドを用意させていただいています。私自身は埼玉県の行田生まれで、高校も熊谷ということもあって、今も埼玉と東京を行ったり来たりして生活をしております。元々国土交通省ですので、まちづくりとかインフラですよね、道路管理公園、この制度設計であるとか、今、官民連携を総合政策局で担当しています。それからいくつか県内の大学も兼任しておりまして、非常勤で、県内の若い人たちと一緒にまちづくりであるとか都市政策を一緒に勉強しています。元々パブリックプライベートパートナーシップという授業を1990年代アメリカに留学中、勉強したのがきっかけです。その時に官民連携とはどうやってやるのかというのを勉強しまして、いわゆるデザイン思考、デザインシンキングという本、私が教わったピーター・G・ロウというこの左側の先生なのですが、本を書いています。結局その官と民の考え方とかビジネスの進め方って全く違うので、それから地域の課題を解決するためには関係者が共感をし合う、理解をし合う、一緒に課題を設定する、アイデアをみんなで出し合ってプロトタイピングしてテスティングするという繰り返しなのだと、官民連携を最初90年代教わったわけです。それから右手がジェイン・ジェイコブスさんという人で、当時まだご存命で、授業で受けたんですけれども、彼女が言っているのはやはり地域ならではの地域資産ですよね。そこにある歴史とか景観とか文化を大事にしてコミュニティ経済を作るべきみたいなことを教わりました。今日的にも官民連携においてもそういう観点って大事なのかなと思っております。それから2000年日本で、現場で千葉県庁に出向したのですが、そこで当時官民連携はまだブームではなかったのですが、2004年から2008年までに柏市でTX(つくばエクスプレス)沿線のまちづくり公民学連携のまちづくりを担当しました。TXが開業する2005年より前に担当に任命されまして、東京大学、千葉大学、それから三井不動産、TX、民間企業ですよね. それから地域の住民、柏市役所、流山市役所と一緒になってですね、沿線のまちづくりをやったんですね。その時にアーバンデザインセンター柏の葉というUDCKという組織を立ち上げから関わりまして、今全国でもかなりの数のアーバンデザインセンターみたいなそういうプラットフォームが広がりつつあります。そういう現場での経験もあります。それから前職になりますけれども、持続可能なまちづくり、官民連携による例えばネットゼロであるとかレジリエントなまちづくりであるとか、そういうその進め方についてG7で都市大臣会合を担当しまして2022年からそういう持続可能なまちづくりのトラックができたんですね。2023年に日本で初めての開催の時に香川高松原則っていうのを作りまして、持続可能なまちづくりの原則をまとめました。それから最近はこういう官民連携のまちづくりの始め方ですね、どうやってプラットフォームを作ればいいのか、どうやって未来ビジョンを作ったらいいのか、というこの官民連携都市再生推進事業という事業を担当していまして、今全国各地域のお手伝いといいますか支援もこの数年やってきました。やはり先程来議論になってますが、この地域の課題、行政だけでは対応しきれないところを民間のノウハウなり知恵なり資金なりを活用してどうやっていったらいいのか、その組織づくりのようなことを国交省の立場でお手伝いをさせていただいています。
今日私も関連する資料をお配りしているのですが、今やっていることは総合政策局として官民連携をこれから取り組もうというスターター的な状況の自治体の方々に対して、例えば先導的官民連携支援事業といってこれは自治体提案の、これからどうやって官民連携したらいいのかというそういう自治体に対して提案をいただいて補助をするという、今実は来年度予算の公募中です。3月上旬までやっています。 それから例えば民間提案型、官民連携モデリング事業、これは民間が持っている技術とかノウハウを行政側に提案し、マッチングをするという事業ですね、それからスモールコンセッションの推進ということで、これもスモールコンセッション形成推進事業という要するに、これは行政が保有している空き家とか町屋とか廃校とか使われていない旧庁舎であるとか、これは20年30年民間に管理運営権を委託してコンセッションで交流施設・レストラン・宿泊施設に変える、というようなプロジェクトを応援する事業これも実は来月上旬まで公募中なんですね。今そういうことをやって国が黒子となってそういう環境整備を行って、自治体と民間の方々とのマッチングを支援するという仕事をやっております。
あと群マネということもキーワードでインフラの老朽化。これ結構待ったなしですよね。八潮で昨年大きな事故があったわけでありますが、上下水道管の管路だけではなくて、今それ以外のインフラ全てのマネジメント。これは横連携、水平連携で自治体間連携それから分野間連携で群として束ねてマネジメントしようと、こういう取組の応援とかもやっております。
それからこれ最後になりますが、官民連携でまちづくりなりインフラマネジメントしたことによって、どういう効果が出ているのか、官民連携はあくまでもツールでありますので、それを使って従来型の公共発注の仕方と違って、官民連携の方がじゃあどういう効果が出ているのか、こういう分析ですよね、データを使って官民連携の方が例えば賑わいができる人流が増える、あるいは消費が増える、地価が上がる、そういう効果が出ているのか出てないのか、こういう分析をお手伝いするようなプラットフォーム、SPIVE(スパイブ)っていうのですが、これも最近立ち上げました。こういうことをやっている者でありますので、今日はどうぞよろしくお願いします。
高橋 麻倫
先ほど鷲見さんの方は御紹介いただきましたので、鷲見さんも引き続きよろしくお願いいたします。本日のパネルトークのモデレーターを務めさせていただきます、改めまして高橋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 私はですね、ちょっと先ほども触れましたけれども、もともと自治体職員出身でして、私は千葉県浦安市というですね、ディズニーランドがある市で働いておりましたけれども、その時は市民活動であったらNPO支援、子育て施策も携わっておりました。 今回ですねこの自治体経験とともに、今この民間企業と自治体をつなぐという官民連携の世界で働いておりますので、双方の視点を生かして、皆様の御意見をまた伺っていければというふうに思っております。
先ほどもたくさん御意見いただきまして本当にありがとうございました。時間の都合でお伺いできなかった点もありましたので、今回もし時間があれば、先ほどの御質問も含めてお答えできればというふうに考えております。引き続きみなさんからの御質問・御意見はSlidoでいただいておりますので、こちらに沿って進めていければというふうに考えております。
早速一つ入っておりますけど、「自治体という業種は企業の経営者から見ると特殊と思われています。成約に時間がかかりすぎる、利益化が難しい、参入障壁が高いなどの理由が多いかと思います。大手企業はそこにコストをかけられるかもしれませんが中小企業はなかなか難しいと思います。このハードルをどのようにすれば乗り越えていけるのか知恵を絞っていきたいと考えています。」御意見みたいなところもありますけれども、確かに参入障壁っていうところはなかなか大手じゃないと難しいのではないかなと、この官民連携みたいなところを御想像される方も多いかと思うのですけれども、そこの部分ですね、大手でなくても中小企業でもベンチャーでもみたいなところは先ほどの鷲見さんのお話からもありましたけれども、会社の規模やテーマ、分野、扱っている商材によって変わってくるのかみたいなところですね、ぜひ皆様のご意見を伺えたらなというふうに思っています。ではまず、アイル・コーポレーションの神戸さんの方からお願いできますでしょうか。
神戸 明
今こちらに質問であるように「大手じゃないと」というところはあると思うのですけれども、確かに自治体とのお仕事って全然お金にならなくて、私なんかも営業しながら2年3年、時間をかけてやっている間はずっとお金が発生しないので、最初の頃は会社でもとにかく気まずいんですよ。やはり長年やっていることで数字になりますよということで、取れなかったらまた目も当てられないことになってしまうのですけれども。一応社内ではですね、将来的にその街が発展することで、私どもの会社はですね本当にいろんなゴミ処理からいろんなお仕事をやっていますので、その地域の発展が将来的にうちのお仕事になるということで納得いただきながらやっているところあります。 PPP推進部としてやっていますが、専門の部署として営業だけで特化でやっているわけではなくて、最初はちょっとマイナスの状態で仕事をしながら、取った後はそこから人をあまり増強せずに厳しい中で、カツカツでやっている状態ですので。そういったところでちょっとどこかしらに無理は出てしまうのですけれども、やっぱり利益化ですとか数字になるのは数年先って考えながらやって、それでやることでそれだけ自治体さんに対して官民連携事業をやることってそういうところで耐えてきた会社っていうのは多いので、そういうところからの評価、社会的な評価というのにつながるということで社内では理解いただいてやっているところでございます。
高橋 麻倫
社内の評価というか理解が進んでいるからこそのそういう投資っていうところもあるかと思うのですけども。続いて小林さんに伺いたいのですけど、いろんな企業とこれまでこういう形で官民連携を進められているかと思うのですけど、同じような質問でですね、こちらの大手でなければいけないのか、中小企業でもベンチャーでもっていうところの可能性みたいなところについてぜひご意見いただければというふうに考えております。
小林 正典
官民連携って大企業だけが有利なのかというと、決してそうじゃないと思うんですね。例えば先ほどご紹介したインフラマネジメント、老朽化対策。例えばドローンだとか、360度カメラであるとか、赤外線カメラであるとか先端的な技術、これをスピーディーに実証実験やるというような、そういう例えば自治体に対する提案はスタートアップ的な中小の方で結構最近出てきたりされています。大企業のほうがむしろ慎重であったりする分野ってあると思うんですね、こういったインフラDXなんか例えばそうです。あるいはグリーンインフラということもやってるんですが、街中の生態系の保全であるとか、あるいは脱炭素化、この辺もスタートアップがさまざまな先端技術、ノウハウを提供して自治体と一緒にやるという事例を見てきています。むしろ大企業の方にですね、よく両利きの経営理論で経営学であるんですけど、大企業ほど既存のサービス、技術をどうしても守りがち。でもスタートアップの方が新しい提案を割とスピーディーにやるっていうのができるという、そういう有利な側面もあると思うんですよね。ですから大企業こそ、この官民連携の分野に、利益がちょっと低いからということではなくて、よく「知の進化と探索」というわけですね。既存の事業・サービスをどんどん深掘りする、あるいは改善するというだけではなくて、もっともっと新しいサービスを探索する。これはもちろんリスクがあって時間がかかることかもしれないんですけど、今日ご参加の企業の方、大手、中堅の方のその企業の方こそ、この官民連携の地域の課題解決のための新しい事業サービスを検討いただきたいなと思っています。行政サイドは、大企業だから中小だからっていうのは全く考えてないわけです。どういう企業の規模であれ地域の課題を解決するための新しいサービスを一緒になって取り組んでいきたいという考えでやっていますので、ぜひあの大企業も中小企業もスタートアップの方々も官民連携の領域に入ってきてほしいなと思っています。
高橋 麻倫
会社の規模というよりは本当に持たれているソリューションや製品、熱量みたいなところが重要というところかというふうに伺いました。鷲見さんについても先ほどの事例のところで、ベンチャー企業で本当にサービスのリリース間近から実例を作ったみたいなAnother worksさんの事例もありましたけれども、支援する側として特に大企業だからとか中小企業・ベンチャー企業だからみたいなところで区別しているものがあれば教えていただければと思います。
鷲見 英利(登壇者)
区別しているようで区別していない、区別していないようで区別しているいろいろあると思うのですけれど、我々特にうちの官民連携事業研究所も複数プロポーザルを取らせていただいていますが、やっぱりその実績の捉まえ方、これ結構大事な話かなと思っています。またちょっとテーマの中にもあった利益化。利益とはそもそも何なのか。ただ単純に行政でB2Gとして行政さんから入札プロポーザル獲得できたからお金が入ってくる、それだけが利益なのかというと僕間違っていると思っています。もちろん収益もあると思いますが。私、結構いろいろな企業さんの担当者、また代表とお話しすること、また彼らがよく育ってほしいという気持ちも含めて一緒に歩ませていただくんですが、その自治体の官民連携をやったからこそ出会う他の企業さんとか、またその実績もそうですよね。先ほどお話をした、入札をする前に官民連携でレベルがそう高くないレベル1としての実証実験やりましょうっていうのも非常に私は大事な話だと思っています。そういうことをやるから、その会社の持っているノウハウ、そのサービス、その商品がどう影響を与える、まさにそういったものを先ほどのプラットフォームで測っていくというのは大事な話かなと思うのですけど、そこがあるからこそ入札が取れるようになるし、より個性的な動き方ができるようになるというのはこれからの時代、私は必要な話だと思っています。またその個性的な動き方っていうのが、大企業さんが不得意な縦割りだから、結構、大企業さんと官民連携の話をするといい話をしてても「それちょっとうちの部署じゃないんですよ」って言われることがよくあったりする上でいうと、スタートアップや中小企業だからこそできること、それが実践的、実績的な話で個性的な結果を持っていること、それがうまく重なると利益やさまざまな手に入る宝物っていうのは、私は出てくると思っていますので。それを大事にしていかないといけない。一元的なものの見方はやめて、成長を考えていったほうがいいんじゃないかなと思いますね。
高橋 麻倫
成長を考えるということで。御質問が来ていますので、上の方がですねちょっと人気度が高いというか、皆さんがいいねを押していただいた質問になりますので上から拾っていければと思います。
2つですかね、御質問いただいています。まず1つ目、「市町村職員です。市町村が持っている地域課題を民間企業にアピールするにはどうすればよいでしょうか。例えば、リストアップしてホームページに載せればいいのでしょうか?」ということがまず1つ目の質問できております。 2つ目、「どの程度の粒度で地域課題を示したら民間企業はアクションを起こしやすいでしょうか」ということです。まず1つ目の市町村が持っている地域課題をどのように企業にアピールするか。それは行政職員、行政の視点でぜひこちら小林さんの方からお考えを伺えればというふうに思っております。
小林 正典
先ほどのお話にも出たのですが、やはり日常的になんかこう構えて「私たちの行政はこういう課題があるのだけどどうでしょうか」、あるいはホームページに載せるとかそういう形式的なものじゃなくてやはり官民連携が進んでいる地域って結構頻繁に地域プラットフォームというのがあるんですよ。内閣府と国交省が設置を推奨している県単位、県内のさまざまな、埼玉県であれば63の市町村、それから金融機関、民間企業、あるいは大学が集まって、官民連携の課題を共有する、それを議論するという場があるんですね。埼玉県がどこまでやっているかっていうのは、私は詳しいところは分からないんですが、やはり定期的に頻繁にそういうプラットフォームの場を活用する、そういうことが有効なのかなと思うんですよね。ですからあまり形式にならず、インフォーマルなプラットフォームのネットワーキングでもいいと思うんですね。そういったことをうまく活用している都道府県だと、行政はこういう悩み、課題を持っているんだということで民間と出会う、新しい契約なり、新しい官民連携による課題解決型のプロジェクトが生まれるところをいろんな場で見ています。埼玉県がどこまでそれがやっているのか私は詳しいところは分かりませんが、自治体単位でもいいと思います。ご自身の自治体で官民連携を、こういう悩みがあるんだけど、こういう官民連携やりたいんだけどということで、自治体で開いてみてはどうでしょうかね。それはその行政区域の中だけの企業じゃなくて、市町村外の金融機関なり民間事業者なり、結構オープンなプラットフォームの活用というのが大事なポイントかなと思います。
高橋 麻倫
そうですね、確かにホームページというと構えてしまうところが、なかなかチャレンジしにくかったりですとか、お伺いしにくかったりというところはあるかと思いますね。今日のような交流会みたいなところで、ぜひ交流を深めていただければと思います。
続いて鷲見さんに、この1つ目の質問のところ追加でお伺いしたいんですけれども。自治体側からも御相談いただくことあると思うんですね、自治体が企業にアピールするにはどうしたらいいでしょうかみたいなところ。先ほどの企業版ふるさと納税の話もありましたけれども、自治体からこの質問を受けたときに鷲見さんがアドバイスされていることがあればこちらもお願いいたします。
鷲見 英利
すごくよく出てくる質問ですね。私は大阪から今日来たんですけれども、大阪でも有名な市が「ホームページに上げているんですけど企業が集まりません、 どうしたらいいでしょうか」、本当に出てきます。先ほどのお答えでもありましたけれども、ホームページに出せばいいって話だけれどもなんでもなくて、いろんな国の制度や、そういった利活用していくということは非常に大事な話ではあるんですが、そのうちの私ねあえて言うと2つだけかな。やっぱり大事なのは「広報」なんですよね。行政は広報力が弱すぎる。これっていうのは何かというと市外、市内、またあえて言うと庁舎内の伝達等を含めた広報力が弱いというところが、実はこれ、企業から逆にするとビジネスチャンスだと思っていて。先ほども連携で、事例で私ちょっと示させていただいたAnother worksという副業のプラットフォームの会社が一番多くしているだろう副業人材の輩出は広報なのです。やっぱり行政は広報が弱い、だからこそそういった広報が弱い部分を民間のスペシャリティのある人材のノウハウを活用して、それが市の中に定着するようにアドバイザーとして活躍するようにということは、最初の奈良県三宅町からそれは入れさせていただいたのを覚えていますね。という意味では広報をしっかりするという意味では、あえて言うと全般的に「こんな課題困っています、ホームページ出しました、集まってください」ではなくて。やはり一つ一つのレベル1からの官民連携を「うちの町はこの企業とこういうことをやりました、この企業とこういうことをやりました」10個ぐらい、また10個そのレベルが高い話じゃなくて簡単なレベルも含めて、それを合わせて「あの官民連携とこの官民連携がこんな結果、合わさってこんな結果になりました」含めて、やはりそこをどんどん作り、出会い、広報していく。この流れが私は必要な話だと思っていまして。やはり動いたもの、もちろん考えて動いて結果を出すというのは非常に大事な話なんですけど、それをしっかりやれている自治体というところをアピールしていくことが、いろんな企業さんを集める私はきっかけになるだろうなと思っています。
もう1ついうとSDGs官民連携プラットフォームという内閣府のプラットフォームを我々伴走させていただいていまして、そういう意味では中間支援会社と言われる存在もこれから大事だと。中間支援会社を育てるということも大事なキーワードの一つです。というそれこそ皆様のイメージを言うと仲人なのか通訳者なのかそういった立場だと思いますが、我々もそれに類似するようではあるのですが、そういった企業さんとのコンビネーションも自治体にとっても非常に大事な話かなと思いますね。
高橋 麻倫
広報というところのキーワードも出ましたし、レベル1の優しい官民連携の実例を掲載するというところも確かにキーポイントかなと思います。
続いて2つ目の「どの程度の粒度で地域課題を示したら民間企業はアクションを起こしやすいでしょうか」というところですね、企業目線で神戸さんにお答えいただければなというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
神戸 明
粒度に関しては、あまり地域課題をアピール、地域課題を示しているという自治体ってあまりある印象はないんですよ。基本的に他の質問のところでもあるんですけれども、例えば一番下の質問ですね、「マイナスとプラス」って話なんですけれども。基本的にマイナスがあるから何かをしようとしてプラスにするということなので、これから「こんなことやります」っていうところアピールしている自治体があると、じゃあそれが課題なんだなということで私の方はいつも認識して動いているので、「何かをやります」とアピールしていただければそこは拾いやすいかなと思います。なので埼玉県だとガバメントピッチを実施されているんですけれども、それなんかまさに自治体と企業のマッチングにはすごくいい機会なんだろうなと思うし、私どもガバメントピッチの方は提出まではいかなくても埼玉県内の官民連携に取り組もうとしている事業者はある程度見ていますので、そういうところで気になればアクションを起こしてくるというところが多いと思いますので。本当に意味があるかないかとかではなくて、そういうのを片端からやってみるというのはすごく大事だと思います。
高橋 麻倫
ガバメントピッチも埼玉県の施策としてすごく効果的だというふうに我々も伺っておりますので、自治体側もそうですし、企業さん側もですね、自身のソリューションサービスで解決できそうだけではなくて、参加していただくことによってネットワークも広がるかなというふうに考えております。今その課題のお話が出ましたのでちょっとその課題のつかみ方みたいなところにお話を伺えればと思います。
真ん中の質問ですね、「自治体側がどんな課題を持っているか、どうやって見つければいいですか?」という御質問ですけれども。確かに課題を見つける、これは自治体側もそうですし、企業側もそうだとは思うんですけれども。相手側の課題、自治体目線でいくと企業の課題、企業が一緒にやってくれるようなことを探すことや、企業目線で言うと自治体側の課題ですね。双方の課題、一緒に組めそうなことをどういうふうな形でその種を見つけにいくかというところが非常に難しいかなというふうに思っているんですけど。この種の見つけ方みたいなところですね、ぜひお三方にポイントがあればお伺いできればなというふうに思っております。そうしましたら反対側で鷲見さんから伺います。
鷲見 英利
簡単な話でパスしやすい言い方をあえてさせていただくと、自治体の課題って隣の町の自治体も課題だったりするんです。皆さん1,700あって一つの自治体さんしかその課題持っていませんということはありえません。皆さんご存知な話で言うと子育て、高齢者政策、防犯、防災、観光振興、産業振興、空き家対策、さまざまあると思うんです。連携協定、官民連携について広報されている記事を見ると大体分類されるし、「とある自治体がこういう課題を持っているからこういう動きになりました」というのは認識することができる。それを全部集めて「わが街だったら、わが企業だったら何を解決できるのか」さえ理解すれば。埼玉県内の自治体とお話しする時に「あちらのところではこういう連携協定されて、うちだったらこういう解決できるんですけどお宅こういう需要ありますか」って聞いたら「あるある」って言われることが私はよくある話かなと思っています。ですので、情報の集め方次第だと思います。それを集めてどう生かすかが私は結構大事な課題を持っているか否かという話なのかなと感じますね。
高橋 麻倫
続いて小林さんの御意見を伺えればと思います。
小林 正典
行政側、自治体側が持っている課題を、民間企業が行政の人に聞いてじゃあ本当に正しい課題が見つけられるかというと必ずしもそうじゃないと思うんですよね。割と本当の深刻な課題はじゃあ誰が感じて持っているかというと、やはりそこに住んでいる人だと思うんですね。やはりこの地域の、そこの行政区域の本当の深刻な待ったなしの課題っていうのは何なのかっていうのを共有する、共感する場作りがやっぱり大事なのだと思います。今年度ですね草加市で官民連携のまちづくりに取り組んでまいりました。これは草加松原、獨協大学前のまちづくりと、それから越谷のレイクタウンのすぐ下のですね、柿木・青柳エリアのグランドデザインづくりの官民連携のまちづくりやってきたのですが、いずれもフルオープンで地域住民の方が誰でも参加できる、学生も参加できる、シニアの人でもまちづくり団体でも誰でも参加できるというワークショップを積み重ねてまいりました。やはりそういうところから本当のその課題というのを行政も民間も気づくというのをたくさん見てまいりました。ですからやはりいかにオープンな、フラットな、誰でも意見を述べられる、誰でも提案できるというところから、本当の課題を行政と企業と地域が共有できて本当の課題をセッティングできるのかなって思っています。そういうまちづくり、官民連携のまちづくりが、みんなができているかというと必ずしもそうじゃない気がするんですよね。形式的な会議、行政がこういう課題を民間に投げかけ、行政が考える課題で提案を募集する、サウンディングをするっていうのが、たまにやはりそういうのを見受けられるのかなと思うんですよね。ですからその課題の設定の仕方をいかにオープンにフラットに、そういう場を作ってやっていくかというところが大きなポイントかなというのは思っています。
高橋 麻倫
広く地域住民の声を聞くということですね。神戸さんにお伺いしますけれども、先ほどの自己紹介の中でも地域の企業を束ねて先頭になって事業を推進していくというようなお話がありましたけれども。一緒に連なっていくときにどういう事業を一緒にやっていくかみたいなところもポイントかと思うんですけれども、その視点で持っていく相手先、自治体側であればどういうふうに種というか課題を見つけられているのかというところですね、今現在で進められているところも踏まえて是非お考えを伺いたいです。
神戸 明
これはですね、先ほど鷲見さんがお話しされたことに近いところもあるんですけれども。自治体の課題、やはり近しいところってどこでも同じような課題があるなというのはありまして、基本的に他の県の、私の方だと例えば指定管理とかPPP、官民連携をやっていますけれども、こういう企業が他の県だとか全国的にこういう取組をしましたという自治体の成功事例を調べています。
同業他社が他県で成功している事例を埼玉県内のどこかの自治体ではめられるかなというところではめた時に、おそらくそれってまだやはり記事になっているような成功事例というのはなかなか他ではやっていないことが多いので、それをこの埼玉県に持ってくるというスキームでいろんなところに話を持っていっています。なので最近でいうとPark-PFIもそうですし、耕作放棄地問題ですとかもやはり農業の勉強をしていると、「この自治体ではこういう課題解決をしました」というのがあるので、他県の自治体の成功事例を見てそれを持っていくという形ですね、入り方は。
高橋 麻倫
最初に1つ事例があると横展開というか実績があると安心感がありますよね、やはりそこは重要ですよね。
では続いてですけれども、真ん中の「官民連携を進める上で企業の求める自治体職員とはどのような人でしょうか。やる気ありますが、求める能力のようなものありますか」ということなんですけど、人にフォーカスを当てたところの御質問を伺っていければと思います。 やはりこう官民連携を進めるためには熱量のある職員や、キーマンとなる方との接点というところが大事かと思いますけれども、そういう方とどのように出会うのかっていうところですね、今までのケースを踏まえて皆様にお伺いできればなというふうに思っております。もう一回神戸さんの方からお渡しして鷲見さんの方までお願いいたします。
神戸 明
自治体の担当者と最初にアクションを起こすということはあまりなくてですね。鷲見さんも先ほどずっと言っていた企業版ふるさと納税、うちのやり方ちょっと限定的な話なのですけれども、企業版ふるさと納税って100万円寄附しても実質支出10万円で済むよっていうところがあるので。10万円の寄附で100万円寄附したことになれば首長との直接の接点になります。なので首長さんに御挨拶をするシーンで当社の事業スキームですとかお話ししていくと、自然とその担当者紹介するよという形で、総合政策の方ですとか、そういった部門の方を紹介していただいて、そこの方とお話をしながら、何かその地域課題っていうのを拾いながら。なので最初に「こういう事業をやりたい」とか「こういう提案があります」という伝え方はしなくて、本当にフラットな話し合いの場で「何かマッチングできることないかな」というスタンスではいっていますので、この質問でもあるように、企業側からやる気のある自治体職員に対してこういうのをやっている・求めるというよりも、話しながらお互いに探っていくというところもありますので。管財系の事業だとかそういうのがあるとなかなか接触はしにくいのかなというのは感じています。
高橋 麻倫
まさに先ほどの小林さんのフラットな場というところも通ずるものがあるのかなというふうに伺っておりました。続いて小林さんの御意見は いかがでしょうか。
小林 正典
すごくいい質問で、また同時に答えが難しい質問だと思うんですよね。じゃあこういう人が官民連携の成功のモデルが何なのかというと、決して一つのモデルというか回答はないように思うんですよね。ただやはり一つ言えるとすれば、官民連携ってすごく難しいですよね。民間のいろんな提案を聞き取る、首長あるいは幹部の方々と調整をする調整能力であったり。それから分野も横断しますよね、まちづくり、子育て、それからインフラマネジメント、環境の問題、エネルギーの問題、交通の問題、いろいろ官民連携って幅広いテーマになってくると思うんですね。ですからやはりテーマも分野横断的ですし、調整能力も必要ですし、上司とみんなの説得も必要になってきますし、そうするとあらゆる人をつなぐ力というか、調整能力ですね、つなぐ力、あとやはり柔軟性も大事だと思うんですよね。ですから何か特別な能力が求められるものではないと思います。何か新規性のある今までにないアイデアを見つけて、これまでにない官民連携のプロジェクトを求められているかというとそうではないと思っていまして。これまでにもあったようなアイデアかもしれないけれども、いろんなステークホルダーをつないで企画案をまとめて進めていく実行力だと思うんですよね、本当の自分たちの地域のことを考えて。首長さんとか幹部だとか民間企業みんないろいろ意見が違うと思います、これは当然だと思います。いろいろ意見が違う中で本当の地域のことを考える、そういう能力と実行力ある人がやっぱり求められているんだと思いますね。そういう人をみんなで育てていけるようなことができたらいいなと思います。とても難しいですけど簡単なことじゃないんですけど、やっぱりそういうことかなと思います。
高橋 麻倫
難しい御質問だと思いますけど鷲見さんにも続いてお伺いできればと思いますけれども、そういう一筋縄ではいかないというか、なかなかキーマンと出会うことが重要と知りつつもなかなか難しいところはあると思うんですけど、今までの官民連携の事例の中でどのように出会ってきたかみたいなところをぜひお伺いできればと思います。
鷲見 英利
せっかくなので私は違う視点で出会い方の話をさせていただくと、よく前提としてとある企業から自治体に話しに行ったと、「とある担当の方とお話したけど全然進まないんです」って言われる話がよくあります。そういう意味では「適した方」と会わないといけない。また適した方とは何かというと、先ほど小林さんおっしゃる通りで、一番大きいのは調整力だと思っていて、それこそ庁内における調整なのか、あとあえて議員との調整なのか、あともう一つ言うと自治体における市民組織との調整なのか、さまざまなそこの顔も利いて調整ができる方っていうのが、スーパーな方、変態な方と言われる由来だと思うんですが。ちなみにそういった方々っていろんな自治体の中に1人か2人か3人かいらっしゃるんです。じゃあその方とどうやって出会うのか。私はやはり、そういった方々の特徴は「仕事ができる方の隣には仕事ができる方がいる」という原則で言うと、ネットワーカーが結構多いんですよ。やはりとあるところのスーパーな方と出会ったらその方からどんどん紹介していただくっていうのが私は結構必勝パターンだと思っていまして、よく私はスーパーな方から別のスーパーな方をたくさん御紹介いただいてさまざまなところに行きます。もちろんそういった方々の紹介だけじゃなくて、首長から「こいつはすごいんだ、こいつに何でも言ったらいいんだ」みたいな話で紹介されることも多いんですが。やっぱり皆さんの必勝パターン、今後そのようなスーパーマンと出会っていくって話で言うと、スーパーマンはどこか見つけないといけない、その見つけた方からスーパーマンを紹介いただく、というのが私は一番のパターンで、その方々というのはネットワーク力がすごくあるし、交渉力もあるし、さまざまそういった方と出会えるだろうと思います。
高橋 麻倫
「仕事のできる人の横には仕事ができる人がいる」ということでそういうネットワークっていうところが重要ということですね、ありがとうございます。
はい、いろいろ御質問もいただいておりますけれども。先ほどのキーマンや熱量の高い方と出会うことがプロジェクトの推進に関わってくるというお話でしたけれども、全員が全員確かにそういう方であれば、こんな質問しないのかなっていうところはあるかと思いますので。そうじゃない方っていうのはあれかもしれないんですけど、なかなか現場の中で苦戦されている方、やはり仕事が増えるとなかなか難しいなと思われる、なかなかマイナスにネガティブに考えられる方もいらっしゃると思います。ただそれっていうのは自治体と企業の文化の違いや価値観の違いというところはあると思うんですね。そこについて価値観が違っていたりとかスピード感がそれこそ企業と自治体は違うところはありますけれども、その中でも一緒に共創していくプロジェクトを一緒に進めていく中で、違う文化、違う価値観を持った方々との進め方でポイントとなるところ、皆様の今までの御経歴とかも含めてですね、文化の違いみたいな価値観の違いというところを、乗り越えたきっかけや、ポイントみたいなものがあればお伺いできればというふうに思っております。神戸さんの方からお伺いしていきます。
神戸 明
基本的に民間企業と行政というのは価値観というかいろいろな仕事の進め方も全て違いますので、そもそも違うものだという前提でお話をしないといけないと思っています。決定に関する決裁権限も、例えば自治体の中で市長・町長ですら決めることはできても決裁はできないというのが事実ですので、基本的にそこの時間軸の違いを理解した上で、一本だけ、これだけは外さないという「軸」を持って話を進めていくというのが今まで必ずやってきたことですね。その軸というのが例えば「ここであればこの基本方針のここだけは絶対やらなきゃいけない」ということ、あとの周りのことは、事業はやはりいろいろな壁だとか、決裁者の違いで決裁の都度壁が出てくるっていうのはあるので、その都度、変えながら進めていくので、根本的なところだけを変えずに行くっていうことだけやっていれば大丈夫だと思います。
高橋 麻倫
軸を持っていればその他は結構柔軟に対応いただけるってことですね、ありがとうございます。続いて小林さんに伺っていきます。
小林 正典
一言で言うとやはりコミュニケーションだと思うんですよね。お互い考えも目指す時間軸も違う中でどうやって歩み寄るかというと、とにかく対話を続けることに尽きると思うんですね。私もさっき冒頭自己紹介で御紹介した柏の葉のまちづくりは2004年から始めて2008年までやったんですが。今でこそ20年経って割とうまくいっている事例としていろいろなところで紹介されるんですが、最初の2年3年は苦労の連続というか悩みの連続で、自分の中でもうまくいかないことばかりでやはり悩んだんですよね。地元の市役所の方であるとか県庁の内部もそうですし、それから民間企業の方々も最初は誰も全く相手にしてくれなくてどうしたらいいのかなっていうのを悩みました。やったのがさっきのUDCKというプラットフォーム作りだけじゃなくて、経営サロンって言って今でも続いているんですけど、毎月1回最終週の水曜日にみんなで集まる異業種交流の懇親の場ですね。いわゆる飲み会なんですが、そこで官も民も地域の人もみんな集まって、お互いの悩み、言いたいことを言い合うような場を作って、未だに続いていると伺っていますけれども、やっぱりそういうコミュニケーションの、継続的なコミュニケーションの環境をどう作るかに尽きると思います。そうするとやっぱりオフィシャルの、フォーマルな会議だと本音ってなかなか言い出しにくいですよね。ですから本音をみんなで共有しあって、そういうところからお互いの考え方が少しずつ歩み寄ることができるのかなと思っていまして、まあそういうことも誰が作るかということですよね。なかなかそういう場って首長とか幹部の人がゴーサイン出してくれないことが多いんですけど。そういうことを柔軟にできる人を決めてそれを続けていくことかなと思います。
高橋 麻倫
そういう場を継続するというところがやっぱり大事ですよね、対話というところですね、ありがとうございます。続いて鷲見さんいかがでしょうか。
鷲見 英利
今お二方からお話を伺っていて、「役割分担」そして「コミュニケーション」が大事だと。それと含めて私の考えの中で言うと、双方が取る「利益」、先に利益化の話がありましたが、お金だけじゃないですよ。利益とはそもそも何なのかということをやはり追求するべきだと思っています。官民連携するにあたってもお金を使わない官民連携をやります、それをやるにあたってレベル1、レベル2と難易度を上げていく話で、展開性というのは大事な話なんですけど、まずはその労少なく功のある事業として官民連携をするにあたって、行政としては「地域住民の誰の何が幸せになった」というのは結構大事な話、企業にとっては「その商品がどう役に立った、それが広報として日本国中に広がっていくような広報を打てました」ということが大事なのか、そういう意味では「得られるものは何か」というのはしっかりそこはコミュニケーションと役割分担は話をしてまとめないといけないのかなと思います。それが悪い例というのが、握手だけの連携協定という話があります。 だからそういう意味ではお互い目指すべきところというのはしっかりコミュニケーションをしてしっかり狙っていく。それを見据える話で言うと、じゃあレベル1をしながらレベル2はこういった形でいきたいよね。やはり労少なく功のある事業ができるとその次に多少汗かいても面白いことができるというのが官民連携の良い特徴なので、そういったものを私はどんどん広げていきたいなと思います。
高橋 麻倫
「目指すべきところをずらさない」というところは神戸さんと同じく軸を持っておくというところと、親和性が高いのかなというふうに伺っておりました。お三方ともやっぱり目指すべきところであったりとか軸であったりコミュニケーションというところを大事にされているということですけれども、ここに集まっていらっしゃる方々、この後埼玉県内でいろいろ官民連携の事例を作っていきたい、埼玉県と一緒にやっていきたいという思いの方が多いと思うんですけれども、そんな方たちにですね、この後官民連携を進めるにあたって、今皆様からいろいろキーワードはありましたけれども、ここだけは抑えておくべきポイントがあればですね、ぜひご意見いただければなというふうに思っております。実践経験がある神戸さんの方からまたこちらも伺ってまいります。
神戸 明
今の質問の話と同じなんですけれども、とにかく全く行政と自治体は考え方が違うものだという前提で行くことは必ず抑えておかないといけないのかなと思います。特に民間なんかはどんどん新しいことをやって事業を成功させようという気持ちでやるんですけれども、すごい言い方をすると行政ってよく言うのが「前例がない」っていう言葉、逆に民間企業の中で「前例がない」なんていう言葉でNGされることなんてなかなかないじゃないですか。それぐらい行政と民間って違うものなんだっていう認識を持った上でやることが一番大事だと思うので。本当に違う生き物と言ったら失礼な言い方になってしまうんですけれども、全く違うと思ってやってください。
高橋 麻倫
そうですね、確かに前例があるなしで捉え方が違うのが文化の違いかなみたいなところは私もすごく実感しました。ありがとうございます。続いて小林さんお願いできますでしょうか。
小林 正典
皆様今日集まっていらっしゃる方々は官民連携をやっていらっしゃる方、あるいはこれから何としても頑張ってやっていきたいと思っている方々ばかりだと思うんですね。これ大事だっていつも思っていることは、やはり「失敗を認める」そういう文化をどう作るか、意外と大事だと思っていて。やはりすぐにこの官民連携ってうまくいくわけじゃないんですよね。試行錯誤を重ねて実証のPOCも失敗はあると思います。上司の方もですね、官民連携の担当が多少うまくいかない時でもですね、少しは、半分は目をつむっていただいて、半分はどうしてうまくいかないのかというところですよね、それを一緒に共有をして時間をかけながら成果を目指していくという風土といいますか、そういう環境をどう作るかだと思います。ですからトライアンドエラーを繰り返してやっていると、何かきっかけで「これがうまくいくんじゃないか」というコツも見えてきますし。やっぱり見ていて思うんですけど、やはり3年ぐらいは最低必要かなと、そのPOCにしてもですね。その中でやはり少しきっかけが見えてくる、うまくいく方法論が、その地域ならではの方法論が見えてくると思うんですね。そこまでいかに辛抱強くプロジェクトを継続していくかというところがポイントかなと思います。そのトライアンドエラーということと、あとは何と言っても皆様それぞれ深刻な課題を抱えていると思うんですよね。それを乗り越えるために地域の将来のために未来のビジョンをみんなで作っていく。その課題を共有してビジョンをみんなで共有できたら割とその多少のエラーを見守ることができるような環境も作れると思うので。みんなでそこの地域の将来図を作っていく、その中で辛抱強く継続していくということが一番大事なところかなと思っています。
高橋 麻倫
追加でもう一つだけ小林さんに伺いたいんですけど、先ほどのエピソードの中で失敗が続くこともあるっていうところや、時間軸が長くなってしまうというところもありましたけれども、途中で立て直しというか進め直しみたいなところもある種必要な能力かなというふうには思うんですけど、今までの実例を踏まえてどのような形で立て直し、進め直しされていたかっていうところをぜひお伺いできればと思います。
小林 正典
難しい質問なんですよね、立て直すっていうのはですね。私が経験した範囲で言うと、やはり最初はチームを組みますよね、官民連携で。官と民とそれぞれ、やはりうまくいかないと、ちょっと違う人を入れるとか、新しいアイデアを加えるという柔軟性が必要になってくると思うんですね。ガラッとメンバーみんな変えちゃうとまたゼロからのスタートになっちゃうので、いかにチームを柔軟に拡充していくかというところが結構大事だと思っていまして、それは今までやってきた中で意識してやってきたことかなと思うんですよね。やはり2年3年やってうまくいかないと自然消滅しちゃう事業も結構見てきました。そういうところは最初のチーム編成というかメンバー、あるいは最初の仮説にこだわっちゃうところが強くあると思うんですね。最初設定した仮説もやりながらちょっとずつ変えていっていいわけですよね。うまくいかなければやり方を変える、仮説を変える。それをうまくいくところまで、メンバーも多少入れ替えながら、続けていくことだと思います。だからそれを一人のキーマンというか、さっき鷲見さんも言っていたスーパーな人というか、やはりなるべくチームを少し入れ替えつつ、でもキーマンとなる人がずっとそのプロジェクトをコーディネートできるような人はどうしても必要だと思うので。そのチームの柔軟性、考え方の柔軟性というところかなと思います。
高橋 麻倫
なかなか難航してきた時は全部メンバーをリプレイスするというところもあるかと思うんですけど、柔軟なチーム編成や考え方を持つというところも立て直し・進め直しに必要なところかなというふうに伺いました。ありがとうございます。続いて鷲見さんに移ります。
鷲見 英利
この数年間で私、新しいキーワードがありまして。これは、行政と民間企業との関係で言うと「共育(きょういく)」関係だと思うんです。共に育む。だから、今後たぶん自治体もどんどん時代が変わっていくので変化していきます。社会情勢が。たぶん、自治体も変わっていかないといけないけどまだまだ旧態依然のところもたくさんあります。企業もそうです。 先ほど人口減・労働者不足で人も入らなくなってくる、新しい人材の獲得の仕方を考えないといけない、行政との取引、民間同士の関係・取引も考えないといけない。そういう意味では学ばないといけないもの、そういうものだということを認識し、官には民の考え方を、民には官の考え方を入れていかないといけない時代がまさに目の前にきている。ということは何かというと、それを教えていく、その官民連携によって学んで勝ち取って、獲得していくような状態というのを私は作っていかないといけないものだと思っていまして。そういう意味では先ほどお話がありましたが、私、小難しい話いきなりすごく大きな社会課題を官民連携でやろうと思っても難しいんですよ。そんなすごい汗かいてクタクタになって1年頑張りました、じゃあ来年も頑張りましょう、やりたい人なんていないですよ。そういう意味ではよりイージーな形で「労少なく」っていうところをまず組み立てていって、労少なくが1年できたからこそ翌年はちょっと難しくしていきましょうっていうところ。それでやりながら理解をしてお互いのことが分かって、そこにもう一つ大事なのは、個人的な育成にもつながっていくんですね人材の。僕がよく言われるのは「鷲見さんと一緒に取引をして一緒に活動してすごくワクワクするような事案がたくさんあって嬉しいです。うちの息子にその話をしたら『パパってすごいね』って言われて嬉しいんです」こういう気持ち、僕は大事だと思っていて、みんな英雄じゃないですけれど、ヒーローじゃないですけれど、そういう気持ちになって取り組んでいき、イージーでも多少難しくてもそれを乗り越えていく。それをお互い官と民がいいパートナーになって育んでいくことが、実は先ほどの「前例のない」という仕事でも受け入れやすい環境にもなっていくんじゃないかなと私は思っていまして。そういう理解を双方ともしていく相互理解の世界が官民連携の一番のキーワードだろうと思いますね。
高橋 麻倫
お時間も来てしまいました。たくさん御質問いただいておりましたけれども、この後の交流会でもですね、皆さん御登壇の方々いらっしゃいますので直接聞いていただければというふうに思っております。それでは本日のパネルトーク終了いたします。御登壇のお三方に今一度大きな拍手をお願いいたします。