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掲載日:2025年7月23日

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知事記者会見 令和7年7月22日

知事記者会見動画【全体:YouTube】
知事会見パネル(PDF:2,984KB)

 知事発表

埼玉未来大学 スマホで学べる地域社会活動【該当部分動画(YouTube)】

知事

  それでは私の方から何点か御報告させていただきます。まずは埼玉未来大学の新たなオンラインコースについて御報告を申し上げます。埼玉未来大学では、シニアの「学び直し」と「再チャレンジ」を応援するため、健康づくりやメンタルヘルス、マネープランなど充実したセカンドライフに必要な知識や、あるいは地域活動への参加、NPOやソーシャルビジネスの立ち上げや運営を学ぶコースなど、地域の担い手として生涯現役で御活躍いただくためのカリキュラムを御用意しています。現在、これらのカリキュラムにつきましては、通学での講座を中心に実施しておりますが、本年10月1日より50歳以上の方を対象に、いつでもどこでも学習可能なオンラインコースを開設いたします。50代の方の中には、「セカンドライフに漠然とした不安を抱えておられる」、あるいは「地域社会活動をしたいと考えているが、きっかけがつかめない」、さらには都内にお勤めの方の中には「通勤時間を活用していろんなことを学びたい」といった方々も多くおられるものと思われます。そのため、新たに開設するオンラインコースでは、そのような不安を抱えておられる方や、新たにチャレンジしてみたいという方に御受講いただき、現役世代のうちからセカンドライフを見通して、自分らしい生き方や働き方を見つめ直し、新しい自分を発見する、地域社会への参加や、NPO・ソーシャルビジネスといった新たな道を考える機会としていただければというふうに考えています。

  そこで新たに開設するオンラインコースの説明をさせていただきます。新たに開設するのは、「地域創造科アクティブコース」、「地域創造科地域ビジネスコース」、「ライフデザイン科セカンドステージ準備コース」の3つであります。最初の「地域創造科アクティブコース」は、NPO・ボランティア団体の設立・運営を目指す方を対象に、団体の立ち上げと運営に関する知識と心構え、事例から学ぶNPO・ボランティア活動、事業計画書の作成などについて、NPO・ボランティア活動支援の専門家から、あるいはNPO法人を運営されている方から学ぶカリキュラムとなっています。そして2つ目の「地域創造科地域ビジネスコース」は、ソーシャルビジネスの起業・経営を目指す方を対象とし、創業に向けた心構えやマーケティング、法人の設立と創業のノウハウ、ビジネスプランの組立てなどについて、ソーシャルビジネスの創業者や税理士などの専門家から学ぶカリキュラムとなっています。そして最後の「ライフデザイン科セカンドステージ準備コース」は、新しい居場所を創造するための自分探し、自分らしい働き方、定年前の準備、定年後のつながりづくり、あるいはセカンドライフの資金計画など、セカンドステージに向けた準備等について学ぶカリキュラムとなっています。各コースともに前期・後期課程を用意しており、定員はそれぞれ25名、前期は本年10月1日より、後期は12月1日から開始となります。申込みは本日7月22日から受付となりますので、是非御検討ください。

  次に、無料オンラインセミナー・基礎講座の配信について御説明します。先ほど申し上げた3つのオンラインコースの開設に先立ち、無料のオンラインセミナーや基礎講座を今日7月22日から2月28日まで配信をいたします。まず、無料オンラインセミナーは「50歳からの地域活動への導入セミナー」と称し、セカンドキャリアとしてアクティブに生きるための気付きと意識変容を促す講演、選択肢の1つとしてのソーシャルビジネスに関する講義、そして埼玉未来大学卒業生による地域活動の実践例の紹介を行う予定であります。そして、無料オンライン基礎講座は、新たに開設する3つのオンライン講座のいわゆるお試し版として、地域ビジネスや市民活動、50歳以上の自分らしい新たな就労について学ぶ講座となっています。まずは50代、現役のうちから退職後まで見据え、自分らしい生き方や働き方、地域との関わりなどを考えるきっかけとして、こちらの無料オンラインセミナー・基礎講座を御覧いただき、御関心をお持ちの方は是非10月開校のオンラインコースの方にお申込みをいただければと思っています。また、もっと学びたいという方には是非、埼玉未来大学へ通学しての講座もお勧めいたします。

  最後に申込み、お問合せは、公益財団法人いきいき埼玉、埼玉未来大学事務局までお願いいたします。多くの方のお申し込みをお待ち申し上げております。

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夏休みは埼玉で遊ぼう!【該当部分動画(YouTube)】

知事

  次に「夏休みは埼玉で遊ぼう!」であります。夏休みシーズンがいよいよ本格的に始まり、どこに行こうかとお考えの方、悩まれている方も多いかもしれません。私から夏のお勧めお出かけ情報を御紹介したいと思います。埼玉の自然の中で、アウトドアスポーツでアクティブに体を動かしたり、ものづくりの現場である工場で多くの「発見」と「感動」を味わい、かつその前後に、周辺で観光や地元のグルメを御家族、友人と楽しんでいただくのはいかがでしょうか。まず、スポーツツーリズムから詳しく御紹介いたします。

  本県には気軽にアウトドアスポーツを楽しめるスポットがたくさんあります。埼玉に海はありませんが、豊かな河川や水辺があります。例えば、嵐山渓谷におきましては、槻川(つきかわ)におきまして、穏やかな流れと美しい自然の中でSUP(スタンドアップパドルボード)を楽しむことができます。また、長瀞町の宝登山(ほどさん)におきましては、1時間程度で登れるコースもあり、親子で山登りが楽しめます。さらには、荒川周辺のサイクリングコースからも近い秋ヶ瀬公園では、緑が広がる園内の木陰を気持ちよく走り抜けることができ、その後には荒川の開放的な眺望が楽しめます。今回、夏休みにぴったりの水辺のアクティビティはその魅力をお伝えするPR動画をYouTube「ちょこたび埼玉公式チャンネル」で公開しています。長瀞町のラフティング体験と秩父市内の周辺観光の動画であります。ここで少しだけ皆様にも御紹介させていただきたいと思います。

(動画再生)

  ただ今、長瀞町のラフティング体験と秩父市内の周辺観光の動画を御覧いただきました。皆さんは御家族で大声を出して笑い合う、そんなチャンスあるでしょうか。是非、他にも埼玉県内には様々なスポーツアクティビティ、スポーツスポットがございます。これらを巡って楽しんでいただきたいと考え、スタンプラリーも11月末まで実施しております。水辺・山のアクティビティとサイクリングの3つのジャンルで合計15か所のスタンプスポットがありますが、いくつか御紹介いたします。例えば、水辺のアクティビティでは、先ほど御覧いただいた長瀞町のラフティング体験の受付施設がスタンプスポットとなっています。また山のアクティビティでは、飯能市の天覧山展望台がスタンプスポットとなっています。ハイキングの後には近くのメッツァに立ち寄って埼玉の食材を使ったグルメはいかがでしょうか。サイクリングでは加須サイクリングセンターがスタンプスポットとなっています。渡良瀬遊水地では、晴れた日には空が遊水地の水面に反射する様子が美しく、埼玉のウユニ湖とも言われています。ここには遊水地を望みながら走る15キロのサイクリングルートがあり、体を動かした後は地元の加須うどんでお腹を満たしていただくのはいかがでしょう。このスタンプラリーは、スマートフォンから専用サイトにアクセスし、登録することで参加可能です。アプリのダウンロードは不要です。スタンプスポットを訪れると専用サイトの画面上に「スタンプを押す」というボタンが表示されます。右上のロゴマーク(パネルを示して)このスタンプ、これを獲得することができます。そして集めたスタンプ数に応じて、スポーツ体験チケットなど、抽選ですてきな賞品が当たります。また、バーチャル埼玉のアウトドアエリア内でもスタンプを獲得することができます。スタンプを4つ集めると応募できますので、夏休みを利用して、御家族と大いに笑い合い、元気になり、その上で、スタンプを集めていただきたいと思います。埼玉のアウトドアスポーツと周辺の観光を是非楽しんでいただきたいと思います。

  さて次に、楽しく学ぶ工場見学です。埼玉県は交通利便性が良く、多くの企業の工場が立地しています。ものづくりの工程が見学できる工場も多いことから、公式観光サイト「ちょこたび埼玉」に専用の特設ページ「埼玉工場探検隊」を公開いたします。そして皆様には是非おすすめ工場の見学ポイント、見どころも解説されていますので、工場見学に行っていただき、そしてその前後には周辺の観光やグルメなども堪能していただきたいと思います。また、夏休みのお子様たちの自由研究にも使える「工場見学レポート」のワークシートもダウンロード可能で、見学可能な工場マップも掲載しています。今日はその中でも特におすすめの工場と周辺観光スポットを私から御紹介いたします。まずは川口市にある歯車の専門メーカーである「小原歯車工業株式会社」では、ロボットや自動車、医療機器など、様々な歯車、精密機械に欠かせない小さな歯車を製造しており、その工程を実際に見ることができます。さらに、クレーンゲームやラジコン型ロボットの操作も含め、実際に触れて動かす体験を通じ、「見るだけ」から「どうしてこうやって動くのだろう」と考え、気付きを得られる見学となっています。工場見学の際にはそこから車で10分ほどのところにある日本で唯一の体験型映像ミュージアムである「SKIPシティ 映像ミュージアム」で、映像の仕組みや歴史を学んでいただくのも良いと思います。あるいは(車で)20分足を伸ばすと「川口ハイウェイオアシス」で食事や買物を楽しむこともできます。またさいたま市大宮区にあります「独立行政法人造幣局さいたま支局」では貨幣や勲章の製造工程を見学することができます。館内には博物館も併設されており、大判・小判や記念貨幣、勲章やオリンピックのメダルなど、貴重な展示が見られるとともに、貨幣の重さ体験コーナーや写真映えする「お金シャワーフォトスポット」などもあり、楽しみながらお金について学べる施設です。その後は例えば、大宮駅周辺のご当地グルメ「大宮ナポリタン」を味わったり、造幣局から車で15分ほどの「鉄道博物館」で実際に昔走っていた蒸気機関車や、親子で乗車できるミニ運転列車、臨場感あふれる運転シミュレータなどを通じて、鉄道の魅力に触れるのはいかがでしょう。見学・予約などに関する詳細は「ちょこたび埼玉」サイト内の「埼玉工場探検隊」に掲載している各施設のホームページなどを事前に御確認いただきたいと思います。埼玉県には夏休みに楽しめる観光スポットがたくさんあります。本日紹介したアウトドアスポーツや工場見学などをきっかけとして埼玉の観光を満喫し、心に残る思い出をたくさん作っていただきたいと思います。

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一般国道140号の落石による交通規制について【該当部分動画(YouTube)】

知事

  次に「一般国道140号の落石による交通規制」であります。7月11日に秩父市で発生いたしました落石事故により、一般国道140号が全面通行止めとなっている件について、現時点での状況と今後の対応について報告いたします。まず、落石事故の概要ですが、7月11日金曜日夜10時頃、一般国道140号の秩父市大滝地内、この場所で発生しました。被害状況ですけれども、人的被害なし、道路への被害として舗装、ガードレール及び擁壁の損傷を確認しています。交通規制ですけれども、(パネルを示して)この地図の贄川(にえがわ)のところから道の駅大滝温泉の手前約8.5キロメートル、この区間が全面通行止めとなっています。ただし、この間には林道が存在しており、地元の方にはこの林道への迂回を御案内しており、孤立が発生しているという状況ではありません。また、道路上の落石や、落石により発生した樹木の撤去は既に完了していますが、現場調査の結果、道路の上の方の法面上、斜面上に不安定な岩塊が複数確認をされたため、この処理に向けて現在通行止めを継続しています。

  今後の対応ですが、通行止めの解除に向けた今後の対応ですが、調査によって確認した、(パネルを示して)ちょっと見にくいのですが、この上の方の地点ですけれども、そこにある岩塊への対応、そして落石防護ネット設置、さらには、これがちょうど岩が落ちてきて穴が開いたところですけれども、こういった道路施設の復旧、これはもう既に仮復旧は終わっていますけれども、交通の安全を確保することとなります。これらの工事によって安全が確保された後、通行止めを解除となりますけれども、現時点では4か月程度の作業の期間となる見込みであります。交通規制が長期化してしまうことから、対策として、現在建設中の大滝トンネルがありますが、そこを一般車両が通行できるようにした上で、暫定的に交通開放してはどうかと考えています。

  大滝トンネルですけれども、(パネルを示して)先ほどのこの赤い部分が140号の通行止めとなっているところで、この間を結ぶこの紫の部分です、ここにつきましては7月16日水曜日午前7時から緊急車両とスクールバスの通行が可能な状態になっています。ここにつきましては、今工事中ではあるのですけれども、私も昨日、実際に現場に行って確認してまいりました。その結果ですけれども、トンネルの中は凸凹がまだある状況ではありますが、砕石を敷き、そして、ならした区間については改善されていました。私としても、この中を全部通ってみましたけれども、確認した結果、暫定的な開放を決断することといたしました。現在1日でも早い暫定的な交通開放に向け、昼夜問わず、鋭意工事を行っている最中であります。このような緊急的な工事を早急に御対応いただいている地元の建設業者、測量設計業協会の皆様には心から感謝を申し上げるとともに、安全を第一に1日でも早い利用開始をお願いいたしました。なお今後、警察や消防などとも安全対策を調整し、7月30日水曜日午前10時に、対面通行で24時間通行を可能とする予定であります。ただし、あくまで工事中のトンネルを暫定的に活用するものであるため、安全上の観点から歩行者、自転車やバイクなどの二輪車などについては通行を御遠慮いただきます。また、暫定供用に当たって利用者の皆様に幾つかお願いがあります。今回の措置はまだ舗装が終わっていません。砂利道での暫定的な活用となるため、大滝トンネル内は時速15キロメートル以下の最徐行での通行を確実に守っていただきたいと思います。また、車両間隔を確保するなど、安全第一での通行をお願いします。県民の皆様には引き続き御不便をお掛けすることとはなりますが、大滝トンネルの暫定的な活用と通行止め解除に向けた現道の復旧を早急に進めてまいりますので、御理解、御協力をよろしくお願いいたします。

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日経

  まず埼玉未来大学について、開校は令和2年、2020年なのでコロナ禍の開校だと思うのですけれども、これまでの未来大学の取組の成果について、知事の御見解というのでしょうか、振り返っての御見解というのをお伺いできればと思うのですけれども。

知事

  これまでも、この未来大学の講座については行ってまいりましたが、イメージとして、もしかすると県内の市町村や大学でシニア向けに行っている講座をイメージされる方も多いかもしれないのですけれども、どちらかというと県内の市町村や大学で行っているものは、生涯学習だとか、高齢者福祉だとか、健康づくり等を目的とした、いわゆる趣味や教養、健康増進、こういったものに関するものがほとんどだったと理解しています。他方でこちらの埼玉未来大学では、まだまだセカンドライフとして自分たちの力があると、そう思っていただける方に地域の担い手として御活躍いただく、あるいは創業していただく、こういったことを目的としたカリキュラムであります。こういった、これまで人生経験や社会の経験がある方がここで受講されているということは、その後、即戦力につながることが期待されるわけですけれども、卒業生の約8割は既に地域活動を実践しているというふうな統計を聞いています。その意味では、私は、想定した我々の期待あるいは目標、目的というものが実現しているのではないかというふうに評価しているところです。また、これからのオンライン(コース)については、まだやったことがないので、ここについてはどういう形になるのかというのを試してみるしかないと思っています。

日経

  次、2点目は落石に関してですけれども、大滝トンネル自体はまだ現状工事中ということですけれども、改めて今現在どういった工事が進行中なのかということ、本来であれば、いつ頃の供用開始を目指していたのか、そういった基本的なところをお伺いできればと思います。

知事

  大滝トンネルでございますけれども、トンネルのいわゆる貫通そのもの、本体工事は令和7年3月に既に完成しています。現在はトンネル内の排水の施設だったり、舗装だったり、あるいは照明、非常用設備などの工事をしているところであります。昨日も実際に見てみたのですけれども、電気等については工事用の電気が点いているという状況なので、本格的な状況にはなっていません。また砂利道ですので、まだまだガタガタしている感じはありますし、仮にやってはいませんけれども、スピードを上げたり乱暴な運転をすると、石が跳ねるとかそういった危険な状況もないわけではないということなので、最低限、ただし、生活や緊急道路として140号は大変重要なところでありますので、制限付きではありますけれども供用するということであります。なお、関連工事としてトンネルの山梨側と秩父側がありますけれども、秩父側で大規模な法面の掘削工事を実施していますので、これができないと本格完成にはなりません。この工事の完成には、まだ複数年要する見込みとなっておりますが、早期完成に努めてまいりたいと考えています。

日刊工業

  「ちょこたび埼玉」の埼玉工場探検隊について1点お願いします。周辺のグルメだとか観光スポットを巡れたり、地域への波及効果があるのはよく分かったのですが、受け入れる工場側でのプラスの効果はどういうところを期待しているのか、知事の御見解をお伺いできればと思います。

知事

  これらのまず工場については、埼玉県は先ほど申し上げましたとおり、非常におかげさまで交通の便が良いとか、あるいはその出荷する際の都合とか、あるいは優秀な人材が多いといったことで、多くの工場に集まっていただいたり、あるいは元々非常に優秀な中小企業が多いということで、こういった企業さんがお集まりいただいているということがございます。こういった企業さんにつきましては、地域貢献、さらにはCSR、そして、それぞれ大変優秀にもかかわらず、必ずしも知られていないといった、きらりと光る工場もたくさんありますので、そういったところに人が来ていただけるというのは、非常に私はPRや企業の姿勢を示すことにもつながるのではないかというふうに考えています。例えば、笛木醤油さん、これは醤油を木の樽で作っている醤油屋さんですけれども、こういったところを見ていただいたり、大豆や麹(こうじ)などを見ていただくことによって、例えばこどもたちに伝統的な醤油づくりの良さなどを知ってもらえることによって、結果として伝統的な醤油づくりについてはPRができるのではないかと思っています。また、例えば行田の足袋のきねや足袋株式会社などでは足袋づくりの様子だったり、あるいは羽生市の武州中島紺屋などでは藍染の体験ができるなど、地域の伝統との融合といったものが提供できるので、それは恐らく産品や工場の付加価値というものを高めることができるのではないかと思っていますので、我々としては、それぞれのブランドに対するロイヤリティも含めて、双方にWin-Winの効果があるのではないかというふうに期待しているところであります。

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 幹事社質問

参院選の結果について 【該当部分動画(YouTube)】

日経

  まず1点目、今般の参院選の結果についての受け止め・御見解を教えてください。

知事

  まずはこの度の参議院議員選挙において県民の大きな期待を担って当選された議員の皆様に心からお祝いを申し上げるとともに、県民の期待に対してしっかりと応えていただけるようお願いしたいと思っています。埼玉県で今回の選挙、投票率ですけれども、まず56.88パーセントと前回の参議院議員選挙を6ポイント以上上回ることとなりました。県選挙管理委員会をはじめとした啓発活動の効果もあり、投票率が向上したことは良い傾向とは考えますが、国政選挙であることに鑑み、あるいは他の地域との平均にはまだいっていませんから、まだまだ向上させなければならないと考えています。今回の選挙では、各党が給付や減税など当面の経済政策を主な公約に掲げて戦ったと理解していますが、その結果、与党が大きく議席を減らし非改選を合わせても過半数に届かないこととなりました。衆議院でも少数与党となっていることから、今後は様々な政党間の合従連衡が行われることになるのだろうと思います。選挙戦も終了したので、あえて今回の選挙の感想と懸念を申し上げると、報道機関のアンケートによれば、今回の選挙における有権者の関心は第1に物価高・経済対策、第2に少子高齢化、第3に年金・社会保障というふうに報道でありました。ただ、こういった関心に正面から応えるような政策論議は見られず、目先の議論や分かりやすい言葉だけが先行したように私には感じられました。例えば物価高に国民が苦しむ中で、給付や減税は大切だと思います。大切ではありますが、なぜ国民が苦しむかといえば、経済政策がうまく機能しなかったということだと私は思います。そうだとすれば、物価高に苦しみ、あるいは社会保障費等の財源が厳しい中でいかにして例えば給付や減税を実現するのかといったことについては、きちんとした議論が避けて通れないと私は思います。すなわち給付にしても減税にしても、生産年齢人口が減少する中で、いかにして経済を回すかが本来は大きなトピックにならなければいけないのに、本格的な議論については深まらなかったと。人間の体で言えば根本的な治療が行われずに、結局目先のポピュリズム的な議論あるいはモルヒネを打ったというのでしょうか、先延ばしにしたというふうにしか今回見えなかったというのはちょっと残念でありました。と申しますのも、参議院は熟議の府を掲げています。今後は政党間の合従連衡も想定される中で、目先の政策や空虚な言葉だけが先行するのではないということを是非強く期待したいと思っています。特に8月は、令和8年度の政府予算の概算要求が行われる時期となり、予算編成の議論がスタートをいたしますが、予算は政策の基礎となります。各党におかれては国家の将来を見据えた真剣な対応を求めたいと思います。先ほども申し上げましたが人口が減少する中でも、例えばDXなどの手段を用いて労働生産性を上昇させることで持続的な経済を構築するとか、あるいは価格転嫁を円滑に進める、こういった取組なしに給付か減税かというのは、残念ながら私は政治家として無責任だと思います。本県では、おかげ様でこれら先駆的な取組をやってはいますけれども、経済は埼玉県だけで完結しませんので、国の抜本的施策は不可欠であります。物価高対策が必要となる中での社会保障をどうするのか、人手不足はどうするか、トランプ関税といった近視眼的な課題にとどまらず、厳しさを待つ外交安全保障をどうするかなど緊要な課題は山積しています。また常に申し上げていますが、東京都への税源偏在による地域間の財政力格差の拡大は、行政サービスの地域間格差をもたらす大きな原因となっており、地方の衰退を防ぐためには早急に地方税体系の見直しも必要です。また、高度経済成長期に集中的に整備されたインフラ全体の整備、老朽化が進む中で、1月の八潮市の陥没事故で顕在化した、インフラの種類によっては点検・補修・更新の方法すら分からない、こういった現状にどう対応するのか、財源の在り方をどうするのか、こういったことは私たちが避けて通れない課題だと思います。今すぐ取り組まなければ我が国の将来に大きな禍根を残すことにもなりかねない課題に対して、手をこまねくことなく熟議の府らしく真正面から検討・議論をしていただきたい。これを各党に地方の立場から強く求めていきたいというふうに思います。

県内ビジネスの海外展開支援について 【該当部分動画(YouTube)】

日経

  県内のビジネスの海外展開に関する知事のお考えをお伺いしたいです。加工食品であったり農産品をはじめとした海外展開の機運は今高まっているところですが、その一方で足元では米国の通商問題の影響等もあり、その中で新たな販路を模索する必要が出てきています。この中で、成長性の高いグローバルサウスの市場などへの開拓というところは県内でも関心が高いかと思います。こうしたASEAN、アフリカなど新興国へのビジネス展開の支援について、知事のお考えであったり、抱負がございましたらお聞かせください。

知事

  埼玉県は海外にとっても魅力的だろうと考えられるお酒、麺、お茶、そして工芸品などが数多くあります。例えば新興国では、将来伸び代が大きい市場だというふうに我々は捉えており、中長期的な成長戦略を立てる際には、視野に入れなければなりません。これまでも、マレーシア、タイなどで販路拡大への支援や政府機関との関係構築を行ってまいりました。そして今年度には、ベトナムを訪問したいと思っていますが、所得や人口の伸びが大きくビジネスチャンスが期待できることから現地バイヤーとのマッチングを行い、商談の場を設けることで、恒常的な商流につなげていきたいと考えています。また私自身も県産品の魅力をしっかりと現地で伝えたいと思います。他方、昨年度、輸出に有望な品目や輸出先の調査を行ったところ、先ほどお話があったアフリカなどについては、国によっては競合がない、あるいは少ない状況ではあるものの、物流や商流が未整備であり輸出には課題が多いという結果が出ました。そこで例えばですけれどもアフリカとの貿易については、これまでも、実は日本だけではなく多くの国がアブダビだとかドバイ、あるいはジュベル・アリなど、貿易路に位置する大規模な港があります。そこから三角貿易を行っている、これはUAEの位置付けですけれども、このUAEを例えば貿易のハブとして足掛かりとするなどこれまでも行われてきました。そこで埼玉県としても、今後、UAEとの三角貿易を含めた交易について、もちろんUAEそのものの市場もそうですけれども、今後の可能性を検討していきたいと考えています。

読売

  参院選に関することで御質問させていただきます。今回の参院選、埼玉選挙区では現職2人が落選し、新興政党が躍進した激動の選挙だったと言えると思いますが、県内の有権者の投票行動について知事の分析がございましたらお願いいたします。

知事

  まず有権者の皆様には、数多く投票していただきました。それは良い傾向だったとまず思っています。その上で申し上げれば、それぞれの政党や候補者については、私自身コメントするつもりはありませんけれども、ただ全体の大きな流れとしては、既存の大きな政党に対する不信感というものがあったのではないかと思いますし、それを受皿にしたのが新たな、どちらかというと新興勢力と言うのでしょうか、そういった政党が伸びたのではないかと思いますし、またキャッチーな、報道などではポピュリズム的とも書かれていますけれども、そういったものが受けたというのは否定できないのだろうというふうに思っています。ただ、先ほど申し上げたとおり熟議の府ですから、先ほど申し上げた我々のような期待もあるということは一言申し上げたいと思っています。

時事

  投票率についてお伺いします。56.88パーセントと前回から6ポイント以上上昇したことについて、先ほど県の啓発の結果もあると思うという話がありましたけれども、今回政治への関心が高まった要因としてどのような点があるのか、もう少しお伺いできればと思います。 

知事

  今回、まず1つ目は県選挙管理委員会の投票率向上に対する取組がある程度結果として出たというのもあると思っています。実際には選挙の期日が3連休の中日になりました。ある意味レジャーとか、そういったところで厳しい状況にあったわけですけれども、今回の選挙に当たって、県選挙管理委員会ではタレントの本田望結(ほんだみゆ)さんを起用して、テレビ埼玉、YouTube、TVer(ティーバー)などで投票を呼び掛けたほか、「選挙カレッジ生」や、本年5月に「選挙啓発の連携・協力に関する協定」を締結した共栄大学と連携して街頭啓発活動を行うなど、様々な取組を行っており、こうした取組も投票率の向上に貢献した部分があったのではないかというふうに思っています。ただ、先ほど申し上げたとおり、本県の投票率は全国平均の58.51パーセントよりも下回っているので、更なる努力が必要だと思っています。他方、国民の皆様の選挙への関心というものについては、今回、得票を伸ばした政党は先ほどのどちらかというとニューカマーというか、新しい政党だというふうに申し上げましたけれども、どちらかというと統計的に見るとSNSでの投稿回数が多いとか、そういった新たな媒体を使った政党が比較的伸びたということと併せて考えれば、そういったSNSを活用したというのが関心の惹起(じゃっき)につながった可能性はあるのではないかというふうに考えています。他方で、私どもの周りで聞きますと、入れたい政党がいないとかですね、まだそういった声も正直多いところもありますので、まだ状況は流動的なのかもしれませんけれども、私はこういった投票率が上がることはとても良いことだと思いますので、様々な媒体において議論は活性化していただきたいというふうに思っています。

時事

  もう1点、今、新興勢力の躍進が見受けられたという話がありましたけれども、参政党について、参政党が今回議席を伸ばしましたけれども、どのように受け止めてらっしゃるのかということと、今後の政局というかパワーバランス全体について、どう影響を見てらっしゃるのか教えていただければと思います。

知事

  参政党については以前もお話をさせていただきましたけれども、選挙技術的に優れたところがあるなというふうに私は印象を持っています。今後、この参政党の方々が党としてどのような形で、党のマネジメント、さらには政策の実現につなげていくのかというのを我々といたしましても関心を持って見ていきたいと思っています。いずれにいたしましても県としては、どの政党にもかかわらず、埼玉県として、しっかり取り組んでいただきたい施策をそれぞれの党の方々にしっかりとインプットさせていただいて、県の課題についても御理解を頂きたいと考えておりますので、その限りにおいては、参政党であろうと他の党であろうと私は同じだというふうに思っています。そして2つ目のパワーバランスというのは、与党、野党というそういう意味でいいですか。今回の参議院だけを見ると、今のところ数の差は僅かでありますので、一定の枠組みを構築することによって、何らかの動きというものが出るというふうに見ており、今の与党が軸となる方が数としては楽なのかもしれません。ただ、これはもう国会の中での衆議院側でも今の与党は少数与党ですから、どちらも合わせて恐らく合従連衡が行われていくことになるのだろうと見ています。ただ、県といたしましては、こういった権力争いをやっているさなかにも、とても大切な事項がたくさんあります。目先ではトランプ大統領が独自に設けられた期限なるものが8月1日にやってまいりますし、また今、概算要求の時期であり、来年度どのように私たちの生活が構築されるかといったこともあります。また合従連衡を行うためには、どこかと組む必要があると思うのですけれども、その組む相手はどちらかというと、給付やあるいは減税かという手法は別として、物価高対策の目先の話に追われているところが少なくとも公約としてありますので、そこをどうされるか、どのように対応を与党がするのか、あるいは野党がまとまるにしても、それぞれ手法が違いますので、どうされるかといった議論が今後起こると思いますが、先ほど申し上げたとおり、極めて重要な8月の概算要求の時期、そして大きな変化の時期でありますので、そちらにしっかりとした議論を、特に参議院ではやっていただきたいというふうに強く我々としては思っていますし、正直言うと懸念を持っているというところであります。

NHK

  先ほどの質問に関連するのですけれども、参議院選挙についてお伺いいたします。今回当選された4人について、埼玉県は先ほどおっしゃったように八潮の事故についての今後の修復の手法とか財源など課題もあるというお話がありましたけれども、また、保育士の公定価格の格差など、知事が国に訴えてきたことがいくつかあると思うのですけれども、どんなことをとりわけ取り組んでいただきたいか期待感を教えてください。

知事

  先ほど、この選挙に関する私の感想と言うのでしょうか、あるいはその期待というのでしょうか、(それら)については、申し上げたつもりでございますので、そこにほぼ出ているというふうにお考えいただいてよろしいかと思います。目先だけの分かりやすいスローガンでは取り組みきれないような極めて重要な課題が今山積をしていますし、特にこの8月の(国の令和8年度予算)概算要求の時点で、是非、我々としてはやっていただかなければならないと思いますので、給付にせよ、あるいは減税にせよ、これらの物価高対策の基には経済政策、財政政策がありますので、ここにしっかりと取り組んでいただきたい。これが一番、我々としては大きなことであります。他方で、先ほどお話になられた八潮の例えば資金の問題であったり、あるいはいわゆる公定価格に関わる地域格差の問題であったり、これについては新人の方もおられますので、そういった議員の先生方に対しても丁寧に御説明をさせていただきたいと思っていますし、そのような機会を今後近いうちに設けさせていただきたいというふうに思っています。

東京

  参院選について、参政党をはじめとして、外国人問題というものを訴えていた政党は一定の支持を集めたかなと思います。以前の会見でもお話がありましたけれども、選挙結果を踏まえて改めて、その問題についての受け止めをお願いできますでしょうか。

知事

  外国人問題が以前申し上げました、定義が良く分からないのですが、仮に入管やあるいは移民政策、(移民政策)というのは日本の言葉であるのか分かりませんが、移民政策であったり、あるいは領事政策といったことであるとすれば、これは国の所管でありますので、今回こういった主張をされた政党も多かったので、これはこの後、しっかりと国で議論をしていただくべきものだと思います。他方で外国人問題が、定義によると思いますけれども仮に、外国人による犯罪とか治安の問題であるとすれば、我々としては令和5年に県警察に対して私の方から県南部の治安の強化をお願いしたときにもこの場で明確に申し上げましたけれども、そこは全く今回の選挙を受けても、当時の令和5年から今も変わりません。つまり、国籍、民族にかかわらず、しっかりと治安については維持することが必要であり、これは国籍や人種、門地の問題ではないというふうに考えています。

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 その他質問

八潮市内道路陥没事故について 【該当部分動画(YouTube)】

TBS

  来週、陥没事故発生から半年がやってきます。現在分かっている範囲でお話できることがあれば、今後の見通し、復興、補償、課題はいろいろありますけれども、今後の見通しと現状、何かあればお話いただければと思います。

知事

  まずはこの八潮の問題に関しましては、半年前に起こった事故ではありますけれども、今もなお、様々な影響を及ぼしている、現在進行形の課題だというふうに考えており、お亡くなりになられた方の悲しみも含め、また周りの方の影響も含めて、様々な形で県がこれからも優先して取り組まなければならない、そういった事案であるということは変わりがないということをまず申し上げたいと思います。その上で、近く第三者の専門家による委員会が開催されるというふうにも聞いておりますし、また6月議会におきまして、いわゆる補償等に活用ができる予算もお認めいただいていますので、ここについては地元の方々との協議というものを早急に進めさせていただきたいというふうに考えているところでございます。いずれにしても、本格的な復旧や通行止めの解除については、残念ながらまだまだ数年を要するというところでございますので、ここにつきましては、しばらくお待ちをいただきたいと思っているところであります。また国に対しては、引き続き交渉、あるいは要望を続けているところでございまして、特に未解決の更新の問題、あるいは点検のやり方や頻度、そして、万が一事故が起こった場合の負担、これについては、国に対して引き続き問題提起をさせていただきたいと思いますし、国の方からも課題として受け止めているというふうには何度もお話をいただいていますので、これを進めてまいりたいと考えています。(終)

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お問い合わせ

知事直轄 報道長  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎1階

ファックス:048-830-0029

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