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掲載日:2020年2月14日

ようこそ知事室へ 埼玉県知事 大野元裕

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知事記者会見テキスト版 令和2年2月13日

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令和2年2月13日(木曜日)

知事発表
令和2年2月定例会付議予定議案について

令和2年4月1日付け組織・定数改正について

令和2年2月定例会付議予定議案について(PDF:4,008KB)

令和2年4月1日付け組織・定数改正について(PDF:174KB)

知事

今日は、(招集)告示をさせていただきましたので、(2月)定例会に関する御報告、予算に関する報告をさせていただきたいと思います。まず、令和2年の2月定例会でございますけれども、本年2月20日木曜日に招集をすることといたしました。今定例会に提案する議案でありますけれども、計51件であります。予算が21件、条例が18件、財産の取得が1件、事件議決が6件、基本的な計画の策定等が5件、この計51件になります。

今回の予算は、私が編成する初めての予算となります。令和2年度のこの当初予算案は、災害対応をしっかりと行っていくこと。そして、オリンピック・パラリンピックを契機に本県が未来に向けて大きな一歩を踏み出していくこと、この2つの思いを込めて「安心・元気のスタートアップ予算」という名前をつけさせていただきました。多くの事業の目的を明確化し、しっかりと取り組んでいくために、私は柱として3つを立てました。一つ目の柱は、「安心・安全しっかり確保」であります。昨年発生いたしました台風第19号や豚熱は、本県に甚大な被害をもたらしました。被害に遭われた県民の皆様に対しては、改めてお見舞いを申し上げます。近年、自然災害は激甚化、頻発化しており、県民の皆様の人命や財産を守るため、安全・安心を確保する施策を全力で取り組んでまいります。そして、二つ目の柱は、「持続可能な成長・発展」であります。いよいよ来年度は、オリンピック・パラリンピックの開催の年になります。本県においても、オリンピックのバスケットボール、サッカー、ゴルフ、射撃、そしてパラリンピックの射撃と5競技が行われ、国内外から110万人ものお客様が訪れるのではないかと見込まれています。この好機をとらえて、本県の魅力を世界にしっかりと発信をするとともに、伴走型の創業支援や海外市場の開拓など、本県経済をしっかりと成長させていただきます。そして三つ目、「誰もがいきいき活躍」とさせていただきました。人口の増加が続いてきた本県も、間もなく人口減少の局面に突入いたします。一方で、人生100年時代を見据えたシニア世代、子育て世代、外国人など、誰もが活躍できる社会を構築していかなければならないと考えています。そのために必要な施策を着実に推進してまいります。一般会計の予算額は1兆9,603億1,500万円となり、前年度比で3.8パーセントの増加となりました。これまで最大であった平成10年度を超える、過去最大の予算規模となっておりますが、これは昨年の台風第19号の被害を踏まえた災害対策などに関わる予算をしっかりと計上させていただいたためであります。さらに、国の総合経済対策に合わせた補正予算を同時に提案をさせていただきます。議会には急施の議案として早期の議決をお願いしており、議決いただけるのであれば13か月予算として、切れ目のない公共事業の実施につなげていきたいと考えています。

まず、「安心、安全しっかり確保」のうちの危機管理体制の強化について御説明させていただきます。最初は埼玉版FEMAであります。災害によって起こり得る被害や事態を想定したシナリオをあらかじめ作成し、関係機関とこのシナリオに基づいて図上訓練を繰り返す。このことによって、実効性のある関係機関との協力体制を築いていく。これが埼玉版FEMAであります。併せて、災害対策本部が立ち上げられた際には、その各支部へのタブレット端末の整備など災害情報の収集・共有のための予算も入れ込ませていただいております。一方で、「埼玉県・市町村被災者安心支援制度」を拡充して、災害救助法が適用されない市町村の半壊世帯に対して半壊特別給付金50万円を支給することで、被災者の早期の生活再建を後押しをすることといたしました。なお、国の制度を拡充し、半壊世帯に対しても支援対象とするなどの要望は国に対して現在行っているところであります。また、CSF、豚熱に関しましては、今年度から実施しているワクチン接種や養豚農家の支援を引き続き行い、さらなる豚熱の発生を防止していく所存であります。

二つ目は「防災・減災対策の充実」です。令和2年度当初予算と国補正予算に対応した令和元年度2月補正予算を合わせた13か月予算での公共事業費については、対前年度比13.5パーセント増となる1,168億3,064万円を確保し、防災・減災対策を強力に推進するつもりであります。「橋りょうの耐震補強・更新」「無電柱化」の引き続きの推進とともに、「県土強靱化緊急治水対策プロジェクト」におきましては、堤防上面、堤防の上のところですね、この舗装や、平坦性の確保、あるいは河川の水位を低下させるための樹木の伐採や河道の掘削、さらには浚渫、そして台風第19号の被災を教訓とした河川インフラの強靱化なども行わさせていただくつもりであります。その中でも、例えばこの入間川流域緊急治水対策プロジェクトにおいては4億2,000万円を計上していますけれども、国の予算とも合わせた(後に削除)補正予算等の額を含めると、プロジェクトの総額としては17億3,100万円を計上させていただくなど切れ目のない対応とさせていただきました。特にこれは、やはり甚大な被害を受けた入間川流域に対して安心でいていただくということを、我々も第一に考えたためであります。

三つ目は「県民の安全強化」であります。狭あい化が激しい越谷警察署の改築と、それから仮称になりますけれども、川口北警察署の建設のための準備を始めたいと考えています。それぞれ令和7年度、8年度の開署に向けて、設計や用地の取得を行います。また、「交通事故の防止」のために必要な装置やシステムについても、予算をしっかりと計上させていただきました。併せて「サイバーセキュリティの強化」として、サイバー攻撃から重要情報を守るために県と市町村とが共同で運用している自治体情報セキュリティクラウドの更新について、着実に準備を進めていきます。この準備に当たりましては、高度化する新たなサイバー攻撃に対処するために、AIを活用したセキュリティ対策を検討するほか、警察本部においてもサイバー犯罪等に的確に対処できる捜査員をしっかりと養成していく。そのための予算を、計上させていただきました。また、他方で水道水の安心安全を強化するとの観点から「高度浄水処理施設の整備」を進めてまいります。高度浄水施設とは、オゾンと生物活性炭の作用によって、従来の処理では除去することができなかった有機物、あるいは(除去が)難しかったアンモニアなどを取り除くことができる技術であります。令和8年度にかけて大久保浄水場及び吉見浄水場から整備を行い、(その後)全ての県営浄水場に高度浄水処理を導入していくことで、より安全で良質な水を安定的に供給をしていきます。なお、新三郷浄水場については、すでに整備済みであります。

四つ目は「医療体制の充実」であります。令和2年度は「後期研修医の獲得・定着」に力を入れてまいります。まずは、県外の大学病院から県内病院へ指導医と専門医をチームで派遣してもらうなど、後期研修医の指導環境の整備を行ってまいります。また、日本最大規模の後期研修医になる方に対する合同説明会への参加や臨床研修医向けのセミナーを通じて、本県の魅力をPRしてまいります。併せて、後期研修医研修資金の枠を拡大させていただき、即戦力となる後期研修医の獲得に努めてまいります。また、県の東西2か所にある救命救急センターに、365日24時間体制の「ドクターカーの広域運行拠点を整備」し、重篤な救急患者の救命率の向上や後遺症の低減を図っていきます。他方、県立病院におきましては、小児移植医療の充実や先進的がん医療の提供など、それぞれの病院の専門分野における機能の充実を図ってまいります。

次に2番目の柱、「持続可能な成長・発展」の一つ目、「オリンピック・パラリンピックの成功に向けた取組」であります。オリンピック・パラリンピック期間中のイベント「EXciting SAITAMA」は、IOC公認のライブサイトと埼玉のPRエリアで構成されており、県民に大会を身近に感じていただくとともに、埼玉の魅力を世界に強く発信してまいります。5,400人の都市ボランティアの皆様には、昨年ラグビーワールドカップでも高い評価を得た「熊谷の神対応」のレガシーを引き継ぎ、競技会場への道案内や、県内の見どころなどの埼玉の魅力をしっかりとPRしていただきたいと考えています。関連イベントでも埼玉の魅力を発信する一方で、テロ災害に備えるための予算もしっかりと計上し、県民やお客様の安全を確保してまいります。

二つ目は「埼玉の魅力発信」であります。オリンピック・パラリンピックの開催、渋沢栄一翁が新一万円札の顔になる、あるいは大河ドラマの主人公に選ばれた、こういったことを好機と捉えて、本県ならではの観光資源を活用し、民間事業者と連携をしながら、戦略的な観光振興を行っていくつもりであります。例えばでありますけれども、渋沢栄一の出生の地である深谷市と連携をし、市・県が歩調を合わせてPRや情報発信を行うことにより、相乗効果で気運醸成と観光振興を図ってまいります。また、本県にはほかにも、令和3年度に没後200周年を迎えられる塙保己一や荻野吟子といった偉人がいます。そして、くしくも令和3年は、埼玉県が誕生してから150周年になります。令和2年度には「埼玉150周年記念事業」として、特設ウェブサイトの開設や、1年前イベントの実施などを通じて150周年の周知を図るとともに、先ほど申し上げた「3偉人関連事業」なども併せて本県の魅力を発信する。特に、埼玉県北部をPRしていきたいと思っています。

三つ目は「埼玉経済の成長支援」です。新たな産業を育成し、本県の「稼げる力」を強化するため、「先端産業創造プロジェクト」を引き続き推進してまいります。新たな産業だけではなく、500社以上ともいわれる数多くの会社を設立した渋沢栄一翁にちなんで、「渋沢栄一創業プロジェクト」を推進してまいります。令和2年度には、このプロジェクトの下、スポーツ関連産業のベンチャー企業等に対して、プロスポーツチームや専門家、あるいは先輩起業家の協力を得ながら、ビジネスマッチングや資金調達など伴走型の支援を行ってまいります。さらに、創業後には販路の拡大などに課題を抱える企業も多いと聞いています。そこで、ビジネスマッチングの機会をより多く創出するため、起業家や様々な企業が交流する「渋沢栄一起業家サロン」を検討してまいります。昨年11月にオープンしたジェトロ埼玉と連携をして、「海外ビジネスを展開する県内企業への支援」も充実させてまいります。中でも、人口約19億と言われる巨大市場、今後も高い成長が期待されるハラール市場への進出も応援してまいります。一方で、今後、成長する余地が非常に大きいと考えている「スポーツ産業の成長支援」のため、まずは県内の実態や国内外の先進事例等を調査・分析し、具体的な支援策の検討を行ってまいります。

四つ目は「スマート農林業の推進」であります。農業従事者は高齢化が進んでいる。そんな中で、農作業の省力化や効率化、あるいは熟練の匠の技の見える化などが求められています。そこで「スマート農業の推進」として、「スマート農業技術の実証」、「未来型果樹園の実証展示」、そして「スマート農機の普及実装」といった事業を、露地栽培、果樹栽培、施設園芸といったそれぞれの営農形態に応じて実施し、スマート化を促してまいります。また、航空レーザやドローンレーザなどを活用した森林資源調査の実施や丸太自動認識システムなどを導入することを支援し、「スマート林業の推進」にも力を入れてまいります。

五つ目は「未来を見据えた基盤づくり」であります。まずは、「埼玉版スーパー・シティプロジェクトの推進」であります。これは、人口が減少し、75歳以上の高齢者人口が全国一のスピードで増加していく埼玉県が直面する多くの社会課題、深刻な課題に対応していくために、市町村の地域特性を踏まえ、まちづくりの方策を検討・提示していく事業であります。埼玉版スーパー・シティのコンセプトは、三つに集約されます。都市機能を集約する「コンパクト」、IoT、AI、5Gなどの新技術を活用する「スマート」、そして災害に強いインフラの整備を目指す「レジリエント」の三つであります。令和2年度には、市町村ヒアリングで共有した課題について、希望する市町村に専門家を派遣していく市町村支援と、プロジェクトの推進に向けた調査・検討を行ってまいります。埼玉版スーパー・シティは、将来に向けたまちづくりを行っていくものであり、10年後、20年後を見据え、市町村や県民、民間企業、あらゆる関係者と共に、将来にわたり安心で魅力あるまちづくりに向けた道筋をつけていきます。次に「あと数マイルプロジェクトの推進」のうち、「公共交通・鉄道関係」についてであります。将来の人口や需要、新技術の動向などを把握し、これまでの経緯等を踏まえつつ、公共交通の利便性向上策について有識者等による会議や必要な調査を実施し、検討を進めてまいります。「道路関係」においては、未接続となっている幹線道路の整備や、開かずの踏切などの道路と鉄道が交差する箇所で、渋滞が生じている箇所の解消に努めます。また、春日部駅付近での道路と鉄道の立体交差化も引き続き実施してまいります。

次に、三番目の柱「人生100年時代を見据えたシニアの活躍推進」であります。まず、「人生100年プロジェクト」の推進のうち、「健康長寿埼玉プロジェクトの推進」であります。これについては、コバトン健康マイレージのスマートフォンアプリの機能追加やシステムの改修を行い、参加者の拡大を図ってまいります。ウォーキングだけではなく、様々な場面でポイントが貯まる仕組みを導入するとともに、プッシュ通信機能によって、健康やスポーツイベント等に関する様々な情報を発信してまいりたいと考えています。また、参加手続きを簡素化することによって参加者を拡大し、健康寿命の延伸と医療費の抑制を図ってまいります。さらに「彩の国いきがい大学」は、これまでも生涯現役を支援する場としてまいりましたがこれを刷新します。大学の名称を「埼玉未来大学」へと変更し、健康長寿の実現や社会参加の促進を図るライフデザイン科と、志あるシニアを徹底支援し、地域の担い手となっていただく地域創造科の2科体制といたします。他方、「シニアのいきいきとした活躍支援」として、県民活動総合センターにワンストップ窓口を設置し、例えばボランティアあるいは就労の希望、さらにはセカンドキャリアセンターによる就業支援など、それぞれがすべてワンストップで済むような、そういった多方面からのシニア支援を実施してまいります。

次に二つ目、「子育て応援埼玉」です。まず、「待機児童対策の充実」として認可保育所等の整備によって新たに5,300人分の受入枠を拡大する予定であります。あわせて短時間労働のニーズが高い潜在保育士向けの貸付制度を新設し、県内保育所に保育士さんに就職していただく。こういった支援を行います。また、「病児保育の充実」につきましても力を入れてまいります。これはニーズが多いものの経営が苦しくなりがちな病児保育施設でありますので、整備費用の助成によって整備を促進するとともに、送迎システムのモデル事業を実施します。次に、「私立高校における教育費の負担軽減のための助成」であります。本県はすでに年収約609万円未満の世帯まで授業料の実質無償化を図るなど、全国トップクラスの補助を実施してまいりました。令和2年度にはこれを年収約720万円未満の世帯にまで授業料の実質無償化枠を拡大します。その上で、私立高校における教育費負担軽減をさらに充実してまいります。これによって、県内に住んでいる県内私立高校に通う生徒の2人に1人が授業料実質無償化となります。一方、「児童養護対策」を充実させるため、熊谷児童相談所の建て替えと一時保護所の新設を一体的に行います。令和2年度は設計を行い、令和5年度の開設を見込んでいます。さらには里親委託の制度の推進もしっかりと行ってまいります。

そして三つ目は「誰もが活躍できる社会の実現」であります。県内に在留する外国人が孤立しがちになる一番の原因は、やはり日本語の理解が不十分である。そこに壁があると感じています。そこで「世界のSAITAMAプロジェクト」の「外国人との共生社会の実現」の中で言葉の壁に着目したプロジェクトを行ってまいります。例えば学校という信用性が高い場所を利用して、外国人親子を関係団体による支援の輪の中に引き込み、日本語講座や地域住民との交流会などを行う学校を核とした外国人親子を支援するモデル事業を実施してまいります。そして、その成果を県内各地に広げてまいります。「共生社会プロジェクト」では、女性が働きやすい環境の整備に引き続き取り組んでまいります。多様な働き方実践企業の対象を正社員だけではなくて、非正規雇用者にも拡大するほか、新たに男性の育児休業取得実績や残業時間の削減などの働き方改革に関する項目を認定に当たり加えることによって、企業の取組の質の向上を図ります。また、「女性のキャリアアップ支援」におきましては、女性キャリアセンターにおいて営業職育成プログラムや業界団体と連携したセミナーの実施などで、経験やスキルを生かした再就職、M字カーブ回復を図ってまいります。その他になかなか実態が表に出にくい「LGBTQの実態を調査」し、どのような支援が必要なのか検討してまいります。そして、いわゆる「就職氷河期世代への支援」でありますが、これは本県では、国に先行して行っております。令和2年度においては、先行実施のノウハウを生かした求職者支援と受入企業支援を両輪で展開をし、丁寧なマッチングと定着の促進を図ります。そして、新たな就業の機会を拡大する観点から、県としても、県就職(後に「職員」に訂正)採用試験をこの世代を対象として実施をしてまいります。

そして次に三本柱とは別でありますが、同じ目的に対して部局の垣根にとらわれず、県庁一丸となって、横串を刺して問題解決に取り組んでいく「ワンチーム埼玉の施策の推進」であります。まずは「埼玉版SDGs」。私が掲げた「日本一暮らしやすい埼玉」の実現は、「誰1人取り残さない、持続可能な社会」を目指す「埼玉版SDGs」の実現でもあります。SDGsの実現のためには、あらゆるプレーヤーが参画し、経済・社会・環境の3側面を「三方よし」の考え方で取り組んでいくことが必要です。そのため、部局横断かつ官民協働でSDGsを推進する全県的な体制を作っていく。そのために「ワンチーム埼玉」で取り組んでまいります。まずは県庁において、SDGs庁内推進本部を立ち上げます。そして、経済団体、大学、金融機関、行政等で構成するコンソーシアムを設置し、官民協働でSDGsを推進する全県的な体制を作ってまいります。また、シンポジウムやセミナーの開催等によりSDGsの意識の醸成、理解の向上を図るとともに、経済、社会、環境の3側面を踏まえた具体的な取組を支援してまいります。さらにSDGsを推進する企業・団体を登録する制度を創設し、プレーヤーの参画を促してまいります。これらの取組によって、「埼玉版SDGs」をワンチーム埼玉で実現してまいります。

ワンチーム埼玉の二つ目は、「不断の行財政改革」です。厳しさを増している財政状況の中にあっては、持続可能な県政運営を行うため、ICTの活用とペーパーレス化を進めるなどによって行財政改革をさらに進めていかなければなりません。「ICTの活用」におきましては、業務に関する情報をAIに蓄積し、県民の皆様からの問い合わせに素早く対応する「業務アシスタント」の導入を進めてまいります。また、多くの外国人と接触する機会がある福祉事務所や児童相談所で翻訳アプリ搭載のタブレットを活用する「AI音声翻訳による多言語対応」などを進めてまいります。そして、すでに実施し始めておりますけれども、「会議等のペーパーレス化」、「テレワークの推進」も引き続き推進してまいります。そして『スマートステーション「flat(フラット)」』。これは新しい事業ですが、ICTの活用などによって、これまで各所属で対応していた定型業務などを集約して効率的に処理するオフィスを設置します。そして、そこには健常者と障害者がともに働く場をつくり出してまいります。私はかねてよりプリズム効果、すなわち一つ一つの投資が単純な足し算に留まらず、それ以上の効果を生む。例えば「1+1=3」になるような取組を積極的に推進してまいりたいと何度も申し上げてまいりました。「ICTの活用等による業務の集約化・効率化」を図るだけではなくて、職員が創造的な仕事に取り組めるような、こんな事務空間を創設する。そしてさらに「障害者が活躍できる場所」をそこに作っていく。この本事業はまさにプリズム効果事業の代表例であり、この事業の御紹介をもって令和2年度当初予算(案)の説明とさせていただきたいと思います。

そして予算に加えて、組織定数の改正について御説明いたします。「令和2年4月1日付けの組織・定数改正」に当たっては、「日本一暮らしやすい埼玉県の実現」に向けた施策に対して組織、定数とも重点的に配置をいたしました。埼玉県が抱える課題に向き合い、未来への責任を果たすための取組を実現し、発展させていく視点であります。まず、知事部局の組織改正の概要でありますけれども、災害対応の強化のために、危機管理防災部に災害対策課を設置いたします。そして機動的な対応によって、災害対応機能を拡充してまいります。また、春日部駅付近連続立体交差事業を推進するために、鉄道高架建設事務所を新設いたします。そして、ラグビーワールドカップ2019日本大会の終了に伴い、ラグビーワールドカップ2019大会課は大変活躍してまいりましたが、廃止をいたします。続いて、定数改正の概要として安心安全の取組について一層推進を図ることとしています。CSFへの対応のために、家畜保健衛生所などに10人。台風19号からの復旧の加速のために、県土整備事務所などに12人を増員いたします。また、児童虐待防止対策体制の強化のために児童相談所7所に児童福祉司や児童心理司、総勢59人を増員いたします。その他、持続可能な発展・成長する埼玉県を作るため、SDGsの推進や各種プロジェクト等の実施に対して重点的に人員を配置してまいります。この結果、組織は99課122所から、1所増加し、99課123所になります。また、定員は81名増員となり、現行の6,776名から6,857名になります。次に病院局の定数でございます。病院局の定数については、循環器・呼吸器病センターの体制強化、がんゲノム医療の提供体制の整備、医療安全の取組強化のため、定数を17名増員とし、2,411人を2,428人といたします。なお、その他の企業局、下水道局、そして行政委員会等については組織定数の変更はございません。

読売

今予算の説明されてましたけれども、今一、独自色とか目新しさに欠けるかなという印象があるんですけども、その点についての知事の受け止めとですね、あと自己評価。月並みな質問ですが、点数を付けると何点くらいかというこの2点についてお聞かせください。

知事

予算編成に当たっては、部局の垣根を廃止して、ワンチーム埼玉で施策を推進すること、あるいは、以前からお話していますけども、プリズム効果。すなわち一つ一つの投資が足し算だけではなくて1+1が3になるような取組を積極的に推進するという観点を入れさせていただきました。また、例えば日本一暮らしやすい埼玉県の実現についてはSDGsの実現であって、あらゆるプレーヤーが参画し経済・社会・環境の「三方よし」の考え方が取り込んでいく必要があるために、部局横断かつ官民協働でSDGsを推進する体制を構築する、こういったワンチーム埼玉の特徴を出させていただきました。そして、行政改革についてもワンチーム埼玉で行う。業務に関する情報をAIに蓄積するとか、県民の皆様からの問い合わせに素早く対応する業務アシスタントとか、あるいはICTの活用、そして知事室から始めたペーパーレス化などによって行財政改革を進める、これらもワンチームの特徴が出ていると思っています。そしてスマートステーション「flat(フラット)」に代表されるようにICTの活用によって、職員が創造的な仕事に専念でき、また様々な方々が活躍ができる。そういったプリズム効果を出してきたつもりであります。そして、その他の、例えば公約に含まれているような事項については、先ほど御説明をさせていただきましたけれども、重点課題については、スタートアップと銘を打ったように、今回をまずは第一歩にさせていただいて、今後、私の任期の間に、まずは礎を作れるようなそんな体制を今回は作らせていただきました。点数についてですけれども、当然今、非常に厳しい財政の中でやらなければいけないこと、そしてもっとやりたいことも正直あります。ただその中で様々な知見を集めながら、効果の高いものを作っていったという意味で申し上げれば、80点をつけられるんじゃないかと思っています。

毎日

児童虐待防止体制の強化や私学助成の拡充、過去十年で最大となる公共事業費の確保などがありますけれども、知事としては教育や福祉分野、また防災分野にやはり重点的に取り組むという意識がおありなのかなと思うんですが、改めて、ここに力を入れた思いをちょっとお聞かせいただきたいんですけれども。

知事

まず、災害対策についてはですね、昨年台風19号という災害に見舞われたり、あるいは私が就任してすぐにはCSFが発生するなど、危機管理対応に追われました。この台風19号について申し上げれば、埼玉全県を襲う災害としては、60年以上発生していなかったものが起き、また過去10年を見てみると埼玉だけではありませんけれども、日本全国で未曾有とも言われるような災害が相次いでいます。そのような中で、我々は災害対策に対して、しっかりと対応しなければいけないというふうに感じました。そこで補正予算でも対応しましたけれども、被害に遭われた方々をバックアップするとともに、今後においても同じような災害が起きても被害を最小限に抑えることができるよう、安心安全を確保するという意味がございます。また、オリンピック・パラリンピックについては、元気でですね。この埼玉県では東京に次いでオリンピックの、あるいはパラリンピックの競技会場となりますので、そこはしっかりと支えていきたい。そして、不安のない形で実施をさせていただきたい、そういった思いが込められております。

毎日

知事の公約で掲げられた5大プロジェクトの予算額については約143億円という額になっていますけれども、小規模なのかなという印象を受けるんですが、この額について知事のお考えを聞きたいんですけれども。

知事

はい、ありがとうございます。公約関連の予算につきましては5大プロジェクト合わせてで言えば、重点的に取り組む項目も合わせてであれば、156億円。5大プロジェクト関連で143億円というふうになっております。これら中には、既存の事業を拡充して対応するものもありますので、全部でいくらかってちょっとなかなか難しい、申し上げるのが難しいところがありますけれども、多いか少ないかの御判断はお任せをいたしますが、他方で必要なところに効果を上げるために、最少限の予算を積むというのが予算の基本だというふうに私は思っています。その意味では5大プロジェクト、あるいは、公約関連のプロジェクトについて、これを実現するためのスタートアップとして、今年度、実効的に行うために必要な最少限の額を積み上げさせていただいたというふうに思っておりますので、お示しを既にさせていただきました工程表をふまえて、どこの部分が予算化されてるかという点について是非、御注目をいただきたいと思っておりましたので、全体をいっぺんに今年度積むわけでありませんので、そこは御理解をいただきたいと思っております。

産経

大野知事、昨年の知事選で上田県政の継承と発展を掲げて当選されましたけれども、今回の予算案では、どのあたりに上田県政の継承と発展を意識された部分があるのかなということで、教えていただけますでしょうか。

知事

先ほどちょっと申し上げましたけれども、例えば災害とか、こういった関連については、やはり去年発生したことを踏まえて対応しなければいけないものがあって、これは当然それまでと同じであってはいけないので、やはり変わってまいりました。そして、私の公約関連、5大プロジェクト等については上田県政を前提にしたものもありますけれども、そこで変化したものも当然ありました。そして三つ目には、上田県政の継承として、これをより発展させる。継承しながら発展するというもので、例えば意識したものとしては、人生100年プロジェクトの中の例えば、コバトン(健康)マイレージをよりブラッシュアップするといったところだとか、あるいはその上田県政において国よりも早く進められた女性のウーマノミクス。これについては、これまで推進してきたものをやはりPDCAサイクルをまわしていくというのは当然必要でありますので、そのようなチェックをしながら、先ほど申し上げた就業だけではなくて、例えば営業職や、それぞれの企業さんとタイアップしたセミナーを行うことで、意欲ある女性に実質的に働く機会を拡充させるような、そんな取組にさせていただいたということで、継承を意識しながら、よりよいものにさせていただくようなそんな予算を作らせていただいたところでございます。あともう一つ。当然、上田県政で一生懸命行ってきた行政改革。これも不断に進めたいと思っています。

日経

公共事業費が1,000億円を超えるのが、11年ぶりだと思うんですけど、財政状況が厳しい中でこれだけ公共事業費を支出することについて知事の考えを教えてください。

知事

この公共事業費のまず中身を見ていただきたいと思いますけれども、公共事業費については、補正予算と合わせてではありますが、令和元年の台風第19号の対応、その復旧復興に関わるものもございます。早急にこれらの復旧復興を進めていくと常々申し上げているとおり、これは当然含めなければならないというふうに考えていただきたいと思っております。また、これらの公共事業につきましては、一般論としてですけれども、公共事業そのものがすべて悪い訳ではなくて、あるいは御批判を受けていると私は考えておりません。そこは必要なものについては、しっかりと作っていくということが必要だと思っています。そしてそのようななかでも、例えば、直接の復旧復興ではありませんが、例えば河川などで言えば、先ほどの入間川のところでお示しをさせていただいたとおり、この緊急治水プロジェクトについては、国と連携しています。というのは、今回は多くの地域で本川との合流地点や、あるいはそれぞれの支川と支川の合流地点。こういったところが弱くなって越水したとか、こういった地点がありました。これは本川を管理している国との連携のもとに進めるべきものであって、国側だけでは駄目だし、県側だけでも駄目です。したがって、県と国とがしっかりと調整をついたところについては、なるべく早期に安心を確実なものにさせていただくという意味で、公共事業に対してもお金をつけさせていただいたというところであります。

時事

7ページのオリパラの成功に向けた取組についてお伺いしたいんですけれども、約29億円かかっていて、オリパラの時期に7月8月で、たくさん県外からの人が来て県内外の人がお金を使って経済が回るというところイメージできる、成功というイメージができるんですけれども、イベント的な一過性のものではなくて、それがどう県の継続的な持続可能な成長・発展に繋がっていくのか。長期的な目線でどう繋がっていくのかどうかどうお考えですか。

知事

まずオリンピックの期間そのものはもちろんその期間はですね、いろんなイベントがあったり、盛り上がると。これは御理解をいただけると思います。その事前に関しては、例えば、我々は聖火リレーだとか、実は今からもうすでに都市ボランティア活動やホームステイ等についても進めています。そしてこれだけではなくて、これをきっかけとして例えば様々に発信するものがあって、それは文化事業もそうですし、あるいはそのオリンピックの時には夏色花壇等の埼玉の花を飾って見ていただくとか、いろんなその細かい小さなことかもしれないけど積み重ねがたくさんあるものがございます。そして終わった後について申し上げると例えば、小学校・中学校等の児童・生徒さんにオリンピックに来て、観戦をしていただくということをやりますけれども、実はそれだけではありません。事前に学習をして、そしてオリンピック・パラリンピックが終わった後に今度は事後の学習において、それを議論をしていただくとか、そういったオリンピック・パラリンピックの期間を挟んだプロジェクトをいくつも行っております。そして最後になりますけれども、今度はそれをきっかけとして、外国人に対しても埼玉県の良いところ知っていただいて、例えば(埼玉)WABI SABI(大祭典)というのは、毎年開催していますけれども、そういったことを継続をさせていただきたいと思っておりますので、オリンピック・パラリンピックのレガシーを狭義ではなくて、より広い形で、埼玉県のPRする機会、そして子供たちに考えていただく機会。そして、オリンピックをきっかけとして、例えばスポーツやあるいは、文化を振興する機会とさせていただきたいと思っています。

東京

高齢化を受けて、社会保障関連経費が年々増えており、貯金にあたる基金、財政調整するための基金が取り崩されている状況なんですけれども、それに対する知事の受け止めと対応策ということ、何か考えてらっしゃることがあれば教えてください。

知事

毎年毎年ですね、特に社会保障関連経費、もちろんそれだけではありませんけれども、非常に増えてきており、行政として自由になる経費が徐々に減ってきていることも事実であります。そのような中だからこそ、先ほど私が申し上げてるように、1+1が3になるようなプリズム効果、あるいは行財政改革、こういったことを進めていく必要があるというふうに考えています。他方で、これは健康保険や高齢者の福祉、子供といった社会保障費だけではなくて、例えば、人口が減っていく一方で、インフラが老朽化していくとか、そういったところの支出も今後見込まれていくところであり、徐々にこれらの基金については、厳しくなることは我々も認識をしているところであり、これ予算全体として、予算全体というのは、歳入も歳出もという意味です。全体として考えていく必要があると思っており、だからこそ、我々はこういった改革に取り組むと同時に、例えばスーパーシティのような将来においてのコストを下げることができるようなまちづくり。これ今だけではありませんから、多分我々が見通す、中期的な将来においてもっと厳しくなってくるので。そこで、よりコストを下げることによって、例えば交通政策、インフラ政策こういったものに対する経費を下げていくことができるプロジェクトを私は長期的に提唱しているつもりであります。

毎日

基金に関連してなんですが、今回今年度の基金残高のほうが、見込みではありますが、505億。毎年、大体600億ぐらい取り崩しても、大体600億超は戻せていたと思うんですが、昨年と同じこの時期に出された見込み額は735億。505億と、230億も違うんですが、ここまで戻せなかったことについて、知事としてどうお考えでしょうか。

知事

御指摘のとおり、現時点ではまだ見込みであって、確定ではありません。これについてはまだ今後、詰めていく必要がありますけれども、一般論として、まず当初予算においては、歳出は余裕を持って、予算として編成することが基本であります。他方で歳入については硬く見積もるというのも基本であり、つまり逆になると、お金がなくなってしまいますので、一定程度不用額が出ることが前提として当初予算で基金を充当しています。そういった中で、見通しでありますので、それが最終的に記者の言葉で言う戻す額が大きくなったり、小さくなったりというのは、毎年生じていることであります。現在精査中でありますので、正確なことは申し上げられませんけれども、しかしながら御指摘のとおり、見込み額で平成30年度は、例えば、令和元年度を比較した場合に戻し分が少なくなっているというのは、おそらくそういった傾向になるんだろうというふうに思っています。この一番大きな要因としては、同じ時期。その年の同じ時期で、例えば平成30年度と令和元年度で比較した場合に、歳入。つまり税の入ってくる部分。この上振れ部分が実は大きく異なっています。平成30年度やその他の年は大体300億円以上これが戻ってきていますが、令和元年度はこれはまだ、先ほども申し上げとおり精査中でありますけれども、60億とか70億とかそのレベルで、そうするとその前の年と比較して、歳入だけで300億近く違うということになって、これが一番大きな要因であります。

毎日

そこまで違うということなんですが、これからどんどんそういう歳入が上がってくる、税収が上がってくるということが、じゃあそんなに期待もできないと思いますし、社会保障費をどんどん膨れ上がっていくと思いますが、この中でもう500億。ここから多少増えるとしてもやっぱり600億を切った。本当は理想としては、1,000億ぐらい基金は、500億の2か年分。1,000億が理想だと財政課の方が言われてましたけど、その半分ぐらいしかない現状に対して、危機感というような何か。ちょっと知事のお考えを。

知事

まず、財政が極めて厳しいことについては全くそのとおりで、我々は、職員全員これを共有しているというふうに考えています。そしてその一方で、先ほど申し上げたとおり、これからも歳出分、特に社会保障費等については、厳しい状況が容易に考えられますので、そこで現在とそれから将来にわたっても、それを軽減するような策を提言させていただいているところであります。そしてその一方で、1点ちょっと記者と私で認識が違うのは、歳入そのものが、これからも増えない事はそうかもしれませんけれども、歳入の見込みそのものが下がるというのは意味が違うと思います。我々は、歳入は固く見積もる。したがって、戻ってくる部分というのは、その固く見積もった分と実績のところでありますので、実際の確かに、例えば税収が増えてこないというのはわかりますけれども、この歳入の上振れ分が減るというのは、必ずしもそれはイコールではないということであります。今年度も我々としては固く見積もって、歳入については考えているつもりであります。他方で、過去においては、数年連続で歳入の戻し分の上振れ部分が大きくなってきたというのは、これはこれまでの実績としてそうでありましたので、令和元年度分については、まだ先ほど申し上げた精査中ではありますけれども、景気動向等も含めて、我々のそれまでの年とは、同じではなかったということだと思っています。そしてそれに加えて申し上げれば、どの程度の基金が一番良いのかというのは、これは結果論になりますので、必ずしも言えませんけれども、もちろん多ければ多いほど、我々にとっては楽になります。しかしながら、今厳しい状況を踏まえながら、なお一層の行政改革等に努めていく必要があると思っています。

毎日

財政課の方で戻せなかった理由に、当初の想定より税収が伸びなかったとおっしゃられたんですけど、じゃあ、今後そういうことも、ある可能性の方が高いんじゃないかと私は思うんですが、そういうことはない…。

知事

そこはわかりません。我々は固く見積もっていて、それから過去数年間はどんどん増えていったことが現実です。ところが去年は減ったと。ただ、この差の部分については多くなるか。どんどん大きくなることが、これからは考えられるというふうに我々考えていません。歳入自体は厳しくなることはそうだろうと思っています。

読売

児童虐待防止対策についてお伺いします。新しい予算の方でも熊谷児相に一時保護所を新設したり、あとは児相の人員を増やしたりと対策強化を行っていると思います。ただ、一方で依然として、この対策を行っても児相の人員が少なかったり、後は一時保護所が結構満杯だったりという状況だったりと、この前朝霞の市長たちが要望書を提出したということもあったと思うんですけど、そういう課題も抱えながら、今後知事としては子供の命を守るためにどのような意気込みというか考えで臨んでいきたいかお聞かせ願えますか。

知事

児童虐待の通告が年々増加し、特に平成25年以降は急増しています。これは平成25年から平成30年度までの数字でありますけれども、5年間で3倍という状況で、これはそれまでの伸びとは全く違うペースで伸びてきていることは事実であります。そうなると当然な話ですけれども、児童福祉司が足りなくなる。もしくは1人当たりの負担がものすごく増えていくというのはこれはもう、想像に難くないと思いますけれども、この対応件数についても実は73件と平均でいうと、都道府県の中でも実は最も多くなっています。したがって、その児童福祉司の増員が急務となっています。ただその一方で、簡単にはこの資格を持った人はどんどん増えるわけではないということも御理解をいただきながら、我々としては積極的に増やしたいと思っていて、例えば今年度は(児童福祉司等が)42名増員となりましたけども、この予算でお願いしている人員については、59名とさらに拡大をしているところでありますが、その前の年はしばらくは、(職員定数条例の改正を伴う規模での増員は)実はゼロだった(後に「していなかった」に訂正)のです。ずっと増員は。そういった中で急に増やしてきているというのが、今の現状であって体制強化に努めているところです。また、アンバランスというかですね、地域によっての差が相当あって、北部地域では、やはり地域的な広さも、それから負担も含めて、やはり解消が必要だということで、熊谷児童相談所の老朽化、狭隘化に対応するために一体的に(児童)相談所と(一時)保護所を整備しようというのが今回の予算に入っています。そしてそれだけではなくて、先ほど申し上げたように急増していますので、これからの今までの計画とやっぱり変えていかなきゃいけないということもあるので、児童相談所の管内人口や相談対応の件数や必要な職員数などを推計しながら、10年先を見据えた、まずは調査分析を行う必要があり、それに基づいて今も増やしてますけれども、しかし新たな児童相談所の設置や、あるいは人員の増員。こういったことも含めて検討していく必要があると思っています。それだけではなくて、実は子育て環境が多様化、複雑化している中では、児童相談所の機能強化に加えて、いろんなニーズが地域から、きめ細かい対応も求められていることも事実です。そこで、例えば本県では、都道府県レベルでは最初になりますけれども、例えば医師会だとか歯科医師会だとか弁護士会とか、こういった様々な所見を持った13の機関にお集まりをいただいて、埼玉県児童虐待防止対策協議会を設置したところであります。こういったその数だけではなくて、将来の分析とそれからきめ細かい対策。これらを合わせて一丸となって子供たちが安心できるような埼玉県にしていきたいと思っています。

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