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掲載日:2020年1月8日
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知事
新年明けましておめでとうございます。健やかに、皆様におかれましては令和初のお正月をお迎えになられたということと存じ上げます。お喜びを申し上げたいと思います。さて、新年最初の記者会見になりますが、私の方から新年の挨拶を兼ねて一言を申し上げます。昨年の埼玉県の10大ニュース第1位は、ラグビーワールドカップでの大成功でありました。熊谷ラグビー場から世界最高峰の試合と心からのおもてなしを、お届けをいたしました。そして大会主催者からは「ワールドリーディング」との高い評価をいただき、またマスコミの関係者の皆様からは「熊谷の神対応」というふうに称賛をされたと理解をしております。今年はいよいよ東京2020オリンピック・パラリンピックが開催をされます。昨年のラグビーワールドカップでの成果をしっかりと受け継いで、「ワンチーム埼玉」でおもてなしをさせていただきたいと考えています。是非とも成功に向けて、県民の皆様の御協力をお願い申し上げます。この東京2020大会でも多くのボランティアの皆様に御活躍をいただきます。会場までの道案内、あるいは地域の見どころなどの情報を御案内する、約5,400人の都市ボランティアをはじめ、「埼玉県版ホームステイ」として、海外選手の御家族や、あるいは大会関係者をゲストとして受け入れを行う671のホストファミリーのことであります。今後は「埼玉の神対応」と言われるように、全力で準備を進めたいと考えています。また、大会の開催前には気運を高めるためのオリンピック聖火リレーが開催をされます。遠くギリシャで採火されたこの火は、3月に福島県を出発し、121日間かけて47都道府県を巡ります。埼玉県での聖火リレーは7月7日から9日と、直前であります。東京都にオリンピックの聖火を引き継ぐ、正にクライマックスを作り上げる、盛り上げるために大切な期間であります。県内ルートは、開催都市である東京都を除くと、全国で最多の40市町を通ることとなります。聖火ランナーには65人の公募数に対して、約1万4,000人の方に御応募をいただき、東京都に次いで2番目に多い応募者数となりました。大変ありがたいことだと思っています。なお、パラリンピックの聖火ランナーは2月15日まで募集となっております。パラリンピックの聖火リレーは「はじめて出会う3人」が1組となってリレーを行う形式であります。こちらは、まだ間に合いますので、是非、御応募いただきたいと思っています。
さて、2020年の幕が開けました。人口増加が続いてきた本県も、間もなく人口減少に転じることとなります。全国一の速さで75歳以上の後期高齢者の皆様の数が増加しており、生産年齢人口は、減少をしていくこととなります。人口構造の変化によって、これまで我々が対応してきた枠組みでは、対応しきれない様々な課題が生まれていきます。例えば、働き手不足や、社会保障の受け手と担い手のバランスの問題、さらには医療や介護ニーズの増大に対し、税収減あるいは財源不足これらの課題が生じてくるものと思います。しかしながら、発想を変えればこの変化はチャンスでもあります。リチウムイオン電池の開発者で、ノーベル化学賞を受賞された吉野彰さんは、「技術革新によって、持続可能な社会が間もなく訪れる」と話され、成功の秘訣を「柔らかい発想と粘り強さ」と話されています。私も課題解決のためには、技術革新、そしてそれを担うための柔軟な発想ができる人材が必要だと考えています。「埼玉版スーパー・シティプロジェクト」のように、Society5.0に積極的に対応するとともに、シニアや女性、若者や外国人材など、多様な人材が活躍できる社会の実現、少子高齢化社会がもたらす弊害に対応ができる社会の実現に、粘り強く果敢に挑戦していきたいと思っています。本県の持つ様々な強みを生かしつつ、発展を行い、今、しっかりとした対策・基盤を作り上げれば、本県には輝かしい未来があると考えています。
今年の干支はねずみであります。皆様は、本県の子年生まれの方がどのぐらいおられるか御存知でしょうか。本県の子年生まれの年男、年女は合計で約62万になります。県の総人口に占める割合は8.5パーセントとなっており、十二支の中で三番目、中ぐらいかと思っております。ねずみは子だくさんであることから、繁栄の象徴とされています。また「ねずみのいる家には火事がない」というように災害に対する予知能力にも長けているといわれています。埼玉県の更なる繁栄に向かって、県民の皆様と「ワンチーム埼玉」でチャレンジをしていきたいと思っています。「日本一暮らしやすい埼玉」の実現に向けて、県民の皆様の御理解、御支援をよろしくお願いいたします。以上で私の御挨拶を終えさせていただきます。
毎日
幹事社質問を2点させていただきます。まず1点目ですけれども、新年を迎えて優先的に取り組む政策課題とその理由をお聞かせください。もう1点目は、2月定例会では新年度の予算案の提出が控えておりますが、初めて臨む編成、大野知事のカラーをどのように出すか、予算編成で重視する点や県民に訴えたい点をお聞かせください。
知事
最初の、新年に当たって優先的に取り組む政策課題の方からお答えをさせていただきます。昨年は、私が知事に就任して間もない時期でありましたけれども、CSF、いわゆる豚コレラが発生をし、更には現在でも復旧・復興半ばではありますけれども、台風19号が本県を直撃するなど、大きな災害に見舞われ、危機対応に追われました。補正予算でも対応いたしましたけれども、被害に遭われた方をしっかりとバックアップをする。それと同時に、同じような災害が起きないとも限りません。これが仮に発生したとしても、その被害を最小限に抑えることができるよう、県民の安全・安心を確保するような施策に、引き続き全力で取り組んでいきたいと思っています。また、先ほど申し上げましたが、今年は待ちに待ったオリパラ・イヤーであります。ラグビーワールドカップでも「神対応」として取り上げられましたけれども、この経験を生かしながら、オリンピック・パラリンピックでも「おもてなし」の心で皆様に楽しんでいただいて、世界中に「埼玉」を強く印象づけたいと思っています。そして加えて、オリンピック・パラリンピック、あってはならないことですけれども、例えばテロ、あるいはサイバー攻撃、これらの事象にきちんと対応ができるよう、セキュリティ対策についても万全を期していきたいと考えています。そして、政策でありますけれども、五大プロジェクトをはじめとした公約で掲げた政策についても、しっかりと着実に進めていきたいと思っています。少子高齢化という大きな変化に埼玉県は直面をし、世界で誰も経験したことがない、そんな状況に陥る可能性があります。今こそ新たな視点を取り入れて、充実させた施策を講じることが、埼玉県を更に大きく発展させるためには必要だと思います。公約は、私が知事に就任する前に、埼玉県を外から見たときに感じた、このような取組があれば埼玉県はもっと良くなるのではないか、あるいは変化の時期に当たって、埼玉県にはこのような施策を講じていくことが必要ではないか、こう感じたことを表したものであります。公約の中にはだからこそ、すぐに実現できるものもあれば、今、埼玉県が変化の中にあって、大きなビジョンとして提示しなければならない、つまり、1期4年だけではなかなか実現しにくいものも両方あります。現代が今、埼玉県が時代の曲がり角にあるとすれば、将来を見据えたビジョンを持って取り組むことが必要だということであります。現在、この令和2年度の予算編成作業等を行っている最中ではありますけれども、県の施策として更にブラッシュアップをしていくつもりであります。県民にとって最大の効果が得られるよう、県民目線で施策を講じ、「日本一暮らしやすい埼玉県」の実現に取り組んでいきたいと思っています。
そして関連すると思いますけれども、予算編成の御質問がありました。令和2年度の当初予算は「日本一暮らしやすい埼玉の実現」、「『誰1人取り残さない』SDGs施策の推進」、そして「厳しさを増す財政状況を打破するための行財政改革」の3つの基本方針をもとに編成をしております。同時に、先ほど申し上げましたが、今年いよいよ開催となる東京2020オリンピック・パラリンピックや災害対応など、県民の安心・安全を確保する施策については、優先的に取り組むことといたします。また、5大プロジェクトをはじめ公約で掲げた施策についても、着実に進めてまいります。一方で、予算には限界もあります。特に厳しさを増している財政状況の中にあっても、持続可能な県政運営を可能にするためにも、行財政改革が不可欠であります。今月から、各部局長と集中的に議論する機会があるため、再度、これらの私の思いなどを予算案に反映できるように、しっかりとブラッシュアップをしてまいります。令和2年度の当初予算は、私にとって初めての予算であると同時に、「日本一暮らしやすい埼玉」の実現に向けた重要な一歩として、自らの施策を反映していきたいと考えています。県民の皆様には、このような形で提示させていただく予算を御理解をいただけるよう、しっかりと説明責任を果たし、全力で取り組んでいきたいと思います。
テレ玉
今の年頭の御挨拶にもありましたけども、改めてですね、今年オリンピックを迎えますけれども、知事御自身としてその期待感を、どのようなふうに期待されているのかというのを改めて伺えますでしょうか。
知事
1国民として、オリンピック・パラリンピックに対しては、大いなるワクワク感、期待を持っています。そしてまだ選手がすべて確定したわけではありませんけれども、埼玉県からも多くの有望な選手が選ばれるのではないか、あるいは選ばれたというふうに聞いております。是非、この埼玉県、国体では男女総合そして女子4位でしたけれども、埼玉県はとても優秀な選手が揃っているので、この日本の地で開催をされる、特にその中でも埼玉でも東京に次いで、4会場で5種目(後に「5競技」に訂正)が行われますので、埼玉出身の選手に活躍をしてもらいたいなと思っています。なお個人的ですが、私は防衛大臣政務官の時に、自衛隊の体育学校を所管していて、ちょうどロンドンオリンピックでした。その時、自衛隊体育学校所属の選手はメダルラッシュになりましたので、私が知事である以上、埼玉県の選手はたくさんメダルを取ってくれるものと期待をしています。
テレ玉
先ほど予算の関係のお話がありました。また今後ですね、知事審査も始まると思いますけども、5大プロジェクト今お話ありましたけれども、具体的にですね、どのプロジェクトに力を入れていきたいというふうに思われるのかというのを改めてちょっと伺えますでしょうか。
知事
5大プロジェクトと名付けたように、少子高齢化をはじめとする多くの変化に対して、埼玉県が取り組んでいくものを優先的に取り上げたのが5大プロジェクトであります。ただ、先ほど申し上げたとおり5大プロジェクトの中には、例えば長寿社会を構成するためのプロジェクトや、あるいは女性の社会進出のように、すぐにでも取り組めるものと、それから長期的なビジョンに基づくものがありますので、時間的には優先順位はありますけれども、しかしながらどれも政策の優先順位という意味ではどれも政策が極めて重要なものばかりだというふうに考えておりますので、5つというのはなかなか大きい数かもしれませんけれども、しっかりとそのすべてに対して取り組んでいきたいと思っています。
共同
年末のことですけれども、カジノ、IRの関係で東京地検が捜査で秋元議員を逮捕し、その他にも捜査の手が今、国会議員の複数の方に及んでいるっていうような報道が続いてます。まずその事件に関する知事としての受け止めと、埼玉ではIRを誘致するしないということに関しては、基本的にはしないという、これまでするような前向きなことって表明はなかったと思うんですけれども、改めて県として、IRに関してどういうふうなお立場と考えていらっしゃるのか教えてください。
知事
まず最初の点については、捜査中であることもあり、全般的なコメントは控えさせていただきたいと思っておりますけれども、仮に、外国企業から何らかの便宜の供与目的として金銭の授受があったということであれば、当然の話でありますけれども、これは政治家として、説明責任を負うと同時に、その責任を果たさなければいけない大きな問題であるというふうに考えております。そして2番目のIRに関してでありますけれども、IRについては、様々な経済効果が見込まれる一方で、例えば常習性等の弊害や、様々な問題も指摘をされているところであり、私は埼玉県として、この問題について議論が成熟したとは思っておりませんので、現時点で、例えばIR誘致をするとか、そのようなことを私の方からイニシアチブを取るつもりはありません。
テレ玉
今年はですね、知事になって初めての年末年始、お正月だったと思いましたが、ゆっくり過ごせたんでしょうか。そのあたりはいかがでしょうか。
知事
実は選挙の前から1日も休暇がなく、年末、本当に久しぶりに休暇を取ることができました。働き方改革を進める立場としては、本当はもっと積極的に休暇を取りたいんですが、なかなかそうもいかず、危機管理対応に追われたこともありましたので、本当に久しぶりにゆっくりとした時間を過ごすことができました。また正月の1日には、テレ玉さんの質問でございますので、1日には、夜に恥のかき初めをさせていただきまして、ちょっといつもとは違う正月を過ごさせていただきましたが、おかげさまで英気を養うことができました。これからオリンピックイヤー頑張っていきます。
テレ玉
知事からもお話をいただきましたけれども、弊社の番組に御出演いただきまして、どうもありがとうございました。ネット上でも大変好評だったようですけれども、知事御自身、歌われていてどのようなお気持ちだったかというのを改めて伺えますでしょうか。
知事
私は上田県政の継承と発展を申し上げましたが、実は上田前知事から言われていたのは、上田前知事もこのテレ玉さんの歌謡祭が一番プレッシャーがかかったというふうに言っておられました。私も同様の意見を継承しております。
埼玉
県の防災ヘリによる山岳遭難救助の有償化を始めてから2年が経ちましたが、この2年の実績から、目的とした無謀な登山を抑止するというところについての効果は図られているとお考えでしょうか。
知事
防災ヘリコプターによる救助の有償化については、もう皆様御存知かもしれませんが、平成22年7月の防災ヘリ墜落事故を踏まえて、危険が内在する山に赴いた登山者が遭難した場合に救助活動にも危険が伴う。このような観点から一定の受益者負担を求めるという趣旨で議員からの提案によって、条例が改正され、平成30年1月から施行されました。これまで約2年間が過ぎたわけでありますけれども、9件の有償による救出事案が発生いたしました。ちなみに手数料はいずれもトラブルがなく納付されており、防災ヘリの有償化という制度そのものは定着をしてきたというふうに考えています。なお、この後平成30年1月からと申し上げましたが、実は平成29年度の1月ということになりますけれども、26、27、28年度に比べて発生件数、あるいは遭難者の数も若干減ってはいますけれども、そんなに大きな数ではないというふうに考えています。現時点で全体の母数も少ないので、一概にすべてが言えるとは考えていませんけれども、他方でこの制度のねらいの一つは無謀な登山の防止であります。救助を行った隊員の方から聞いたところ、遭難者は標準的な装備、つまり軽微な無謀な登山であったわけではないというふうに聞いているところから、一定の効果は出てるのではないかというふうに思っています。他方、防災ヘリコプターによる救助の有償化が、その無謀な登山の減少に繋がったけれども、山岳遭難件数そのものの減少に繋がったかについては、先ほど申し上げたとおり、一概には申し上げることはできないけれども、無謀登山が減少していることは認知しておりますので、結果として事故の減少に繋がっているのではないかというふうに我々は信じたいと思っています。いずれにいたしましても、埼玉県の山々も、山ですから厳しい自然環境の中にあります。是非、登山をされる方におかれましては、マナーを守り、そして万全な態勢で安全第一で楽しんでいただきたいと思っています。
朝日
予算の関係なんですけれども、行財政改革というのは具体的にどういうふうに進めていきたいとお考えでしょうか。
知事
行財政改革については、すでに知事室においてペーパーレス化が進められていますけれども、AIや、あるいはRPAこういったものを使いながら、様々な仕事の負担の軽減を図りながら、IT化を進めていくというのがまず一つだと思っています。それからもう一つはすでに改革推進課が、これまでも進めてきたことではありますけれども、それぞれの行財政改革の中でのPDCAをまわしながら、何を行ったかではなくて、どのような成果が上がったかを主として検討を進めていきたいと思っています。具体的な中身につきましては、今まだ予算の折衝中ですので申し上げられないところもありますけれども、明確に2月の時点ではこれとこれをやりますということは御報告させていただきたいと思っています。
テレ玉
年末年始にかけてですけど、県内の学校のスポーツに関しての活躍というのも光ったと思います。高校サッカーが昌平高校で、高校ラグビーが浦和高校、そして箱根駅伝で東京国際大学も5位という活躍をされていますけども、知事御自身、県内の学校の活躍というのはどういうふうに御覧になってきたんでしょうか。
知事
御指摘のとおり、年末年始にかけて駅伝、バレーボール、ラグビー、あるいはサッカー、非常に埼玉県を勇気づけてくれる多くのことがありました。特に、ラグビーでは浦和高校が悲願の全国大会での初勝利を挙げるという快挙でした。そして、続く2回戦も勝利をしてベスト16入りを果たしました。優勝候補であった桐蔭学園との対戦の中では、劣勢ではありましたが、しかし堂々と最後まで戦って、観ているものに対して感動を与えてくれました。さらには、サッカーでは昌平高校が、これも初でありますけれども、ベスト8に入ってくれて、前年度の王者、青森山田高校、これは私も実は、埼玉スタジアムで青森山田の戦いを観たことがありますけれども、非常に優れたチームですが、この青森山田高校に3点を奪われながらも、後半2点奪い返し、体格の差もありながらも堂々と互角に戦った。いや、互角以上じゃなかったかと私は思いますけれども、確かに負けてしまいましたけれども、勝敗を超えた素晴らしい試合を見せてくれました。これらの大学、あるいは高校においては、チーム、さらには仲間のために活躍した方々が、困難に立ち向かう勇気を与えてくれたというふうに思っており、スポーツの持つ力の偉大さを痛感したところであります。今後は、私たち県庁職員もワンチームとなって、そして困難な挑戦に対して立ち向かう。そんなことを大学生、高校生が教えられましたから、これを持って日本一暮らしやすい埼玉県の実現に努力していきたいと思っています。
埼玉
知事は昨日、仮面女子の猪狩ともかさんを新たにSAITAMA PRIDEスペシャルPRサポーターに委嘱されましたが、今年はいよいよ本番の東京2020大会の年ですが、SAITAMA PRIDEスペシャルPRサポーターの皆さんにどのようなことを期待されますでしょうか。
知事
埼玉県においても、オリンピック・パラリンピック、是非とも盛り上げたいというふうに思っています。この気運を高めるために発信力の高い方々に対してSAITAMA PRIDEスペシャルPRサポーターになっていただいています。皆さんの中にはメディアやSNS、あるいは県が主催するイベントやテレビ、ラジオで出演をしていただいて、そして是非とも埼玉での開催を盛り上げていただく。そういったことを期待しています。昨日委嘱をさせていただいた猪狩ともかさんは不慮の事故で負った障害を今乗り越えて、アイドルとして再び活動をしながらも、パラスポーツにも果敢に挑戦をされているという方であります。ポジティブに人生を切り拓いていくその勇気と姿勢は、私はパラスポーツの素晴らしさや、あるいは埼玉における、今回のオリンピック・パラリンピックを盛り上げるPRサポーターとして本当にふさわしい素晴らしい方だと思っておりますし、ひいては共生社会の大切さまでも我々に教えてくれる方だというふうに思っています。是非、これらのPRサポーターには盛り上げるだけではなくて、今申し上げたような共生社会の大切さや、あるいはスポーツの持っている力を伝えていただく。そんな役割を担っていただきたいと思っています。
東京
昨日の仕事始め式の中で、ペーパーレス化大作戦と称して、今年の4月から全庁的に拡大するとお話をされていらっしゃいました。その狙いとして、収納場所の削減や効率的な資料の作成というところを挙げてらっしゃったかと思うんですけれども、その中で、文書の保存期間の見直しというような言葉も発言されたかと思うんですけれども、今、国の方では桜を見る会ですとか、モリカケの問題とかで、公文書がなくなるというような、よく紛失してるかと思うんですけれども、知事のデータを含めた公文書の取扱いの考え方を改めて伺いたいと思います。
知事
私はまず知事としての前に、一政治家として申し上げるのであれば、特定秘密保護法の際のいわゆる監視の機構を議会側に置くということについて、議論の中の中心的な役割を果たさせていただき、自民党とも話合いをしながら、情報監視審査会を打ち立て、そして情報監視審査会が始まってからは、実はあそこで一番長い期間メンバーだったのは私。衆参を合わせて、私であります。そういった意味では情報管理の在り方とそれから本来は国民のものである情報をどうバランスを取るかということについて、一政治家としてもこれまで考えてきたつもりであります。その上で申し上げると県の情報についても、もちろん貴重な個人情報や人事情報のような決して外に出すことができないものも中にある一方で、本来これらの情報や政策決定過程については、県民のものであります。この県民の皆様に対して、しっかりとお答えをしたり、後々政策の決定過程を検証するということは、私は行政執行部としても常に意識をしなければならないことだと思っています。そのような観点の上に立ってペーパーレス化大作戦は、もちろん行政コストを削減するとか、あるいはそれらの資料を置く場所が必要なくなるとか、そういったこともありますけれども、その一方で、場所が必要がなくなるということは、逆に言うと保存期間等も含めて、文書の取扱い方については、もう一度見直す必要があるのではないかというふうに常々感じております。現時点では、先ほど申し上げたとおり、まだ来年度の予算編成の途中でありますので、全てを申し上げることはできませんけれども、既に担当の部署において、これらの検討を始めるよう指示をさせていただいたところでありますので、今後このようなペーパーレス化によって、より県民の皆様に開かれた政治ができるかどうか、行政ができるかどうかということを真摯に検討したいと思っています。
朝日
今の件で、その保存期間の見直しというのは延ばすという意味ですかね。
知事
今申し上げたとおり見直しでありますので、必ずしも延ばすかどうかまだ分かりませんけれども、ただ先ほど申し上げた物理的な制約は取り払われるわけですよね。今後。あるいは、情報が例えば、電子ファイル化されれば、逆に今の神奈川県のハードディスクドライブの問題でもそうですけれども、その扱いというのは当然変わってくるわけですから。これは単に長さを延ばすか延ばさないかだけではなくて、その情報管理も含めて、文書の取扱いの在り方を根本から見直さなければならないのではないかという問題意識を有してるということであります。したがって、一概に延ばすとか短くするとかそれだけではありません。
共同
年末から立憲民主党、国民民主党が合流の議論を続けていて、報道で見る限り、思ったよりもやはり議論が錯綜しているという印象があります。今知事は、既に離党されていて、無所属の身でありますけれども、選挙では両党の支援を受けていて、かつて民主党、国民民主党に所属していた方として、今の合流理論をどういうふうに見られている。合流の流れというか、議論を両党どのようになるべきだというふうに一政治家としてお考えでしょうか。
知事
まず、知事として申し上げれば、県政は国の政党の枠組みとは直接関係しないと思っているので、そこについてはコメントは避けますが、ただ一政治家としてという話でありますので、申し上げれば、国民の皆様にとって選択肢が多いということは、あるということはとても大事だし、しかもその選択肢が、次に盛況になるような形であるというのはやはり望ましいことだと民主主義上思っておりますので、そういった意味では、国民にとって現実的な選択肢が増えるということはいいことだというふうに思っています。
共同
それは合流について、肯定的に見ているというそういう趣旨で捉えて…。
知事
先ほど申し上げたとおり一政治家として民主主義という観点からはいいと申し上げているわけで、合流の様々な要件がある中での多分克服すべき問題もあると思いますけれども、それらについて今報道で私も見てはいますけれども、ただその個別の問題について今関わってるわけではありませんので、合流の一つ一つの是非については、私としてコメントできる立場にはありません。
産経
冒頭で、東京五輪を迎えるに当たって「埼玉の神対応」を目指していきたいとおっしゃっていましたけれども、具体的にどのような対応をして、他県との違いとか出していきたいのかっていうのを教えていただきたい。
知事
もう御存知かもしれませんけれども、ホストファミリーを介してのホームステイ等については、他県にない取組であります。そして、先ほど申し上げましたけれども、7月の7日から9日にかけて行われる聖火リレーについては、40もの市町を巡るという、これも他県にはない取組であり、しかも東京オリンピックの直前ですから、これを盛り上げる、更にはオリンピックが終わった後のパラリンピックの競技が埼玉県でも行われ、いわゆる東京オリンピックのレガシーを作る直前のですね、役割を担うという意味では埼玉県はとても重要な役割を担っていると思いますので、その盛り上げをまずやりたいということ。そして2つ目には、おもてなしでありますけれども、先ほどの熊谷で、本当にボランティアの方々が関係者の方とともに、偉大な仕事をしてくれました。これをやはり、是非続けたい。特に100万人以上の外国人(後に「観戦客」に訂正)がお越しになるというふうにも言われています。この中でも、万が一のテロやですね、あるいはその偶発的な事故を避けながらも、彼らに、訪れた方々の立場に立った、そういったおもてなしを繰り広げられるようなことをさせていただきたいというふうに思っています。
産経
知事は今年、一部新聞のインタビューで埼玉版FEMAの立ち上げについて年内を目途に具体化すると語っておられました。昨年は台風19号や豚コレラ、CSFの対策などが発生しましたが、今一度どのようなプロセスで進めていくのか、教えていただけますでしょうか。
知事
埼玉版FEMAについては、すでに議会等でも申し上げているとおり、事前にしっかりとした準備を行うことが危機管理の要諦であるという観点に鑑み、県の場合には、実働部隊が持たない、もしくは非常に限定されている中で様々な関係する部署、あるいは外の機関とどのように連携をしていくかということをシナリオ作りながら検証していく。そしてそれを図上演習をしていくというそういったことを申し上げさせていただいております。可能であれば、本年中にいくつかのケースについてのシナリオを作るところまでは是非ともやっていきたいと思っています。というのは、これは時間をかけて、ちなみにFEMAのこのシナリオづくりは終わりはありません。いろんなかたちで想定がある限りずっと続いていくし、いわゆる机上演習も続いていきますけれども、したがって、いつまでというのは終わりがないので言えないんですけれども、少なくとも今年には、いくつかのシナリオを作っていきたい。というのは、大変残念ではありますけれども過去10年ぐらい見ていると、ほぼ毎年のようにどこかで尋常ではない、自然災害の被害が起こっています。これらに対して、やはり可能な限り万全な1人でも多くの方の命を救えるような、そんな体制を作りたいという思いから急ぎ、作っていただきたいというふうに関係する部署に指示をしているところであります。
産経
そのシナリオとは、一般的にいう災害の他に今回のような豚コレラ、伝染病ようなシナリオを想定されるんでしょうか。
知事
どこまで手が伸ばせるかというところあると思いますけれども、まずは災害が、今回水の災害でありましたけれども、自然災害を想定したいと思っています。ただ、そのあと可能であれば、パンデミックや豚コレラのような人間に直接被害はないけれども、といったことをその優先順位を付しながらシナリオ作っていってほしいと思っています。
テレ玉
ちょっと知事の立場はちょっと離れてしまうかもしれないんですけども、この間の中東情勢について、アメリカとイラクの関係というのがこれまでにないほど緊迫をしていますけども、中東の専門家としてどのようにちょっとご覧になってるかというその印象というのを伺えますでしょうか。
知事
少し意外であったのは、通常、アメリカが中東において様々な事態を起こす時は、選挙イヤーは避けるというのは定説です。今回、ソレイマニ司令官を殺害しましたけれども、これは多分、イランの国内で一定のパトリオティックな愛国主義的な感情はあると思いますけれども、実はその翌日にハッシュドシェバービーというイラク側のシーア派の組織を空爆をしました。これは非常に私は深刻だと考えています。というのは、アメリカが主体となって、イラクでイスラム国を撃退できたのは、このハッシュドシェバービーというマリキ元首相の武力・武装勢力です。それから、イランが影響している人たち、これが奇妙な連携関係ができたんです。このハッシュドシェバービーのおかげで。ところがこのイスラム国を封じ込めるための鍵となる組織を空爆してしまったがために、これは修復に時間がかかります。だとすると、一般論で考えると、先ほど申し上げたガソリン価格に響いてくる可能性があるので、本来であれば私はアメリカは今は手出さない時期だったんだと私は思っています。ただ、私はアメリカの専門家ではありませんけれども、アメリカはおそらく、というかトランプ政権はおそらく、これを行っても再選が可能であるという計算を踏んでいて、特にラストベルトのウィスコンシン、ミシガンそれからピッツバーグ、この3つに併せてミネソタ。このぐらいは取れるとすれば勝てるというふうに踏んでいる。だからこそ、対外的に冒険主義に出ても構わないと考えたのではないかというふうに、すいません知事ではなくて、一専門家として私の見解を述べさせていただきます。
毎日
地下鉄7号線の延伸について伺いたいです。まず、年末のさいたま市長の会見の時に、さいたま市長がですね、延伸の判断は基本的に実現する方向だと、1日も早い事業着手を目指したいという言葉がありましたが、この発言への受け止めをまずお伺いしたいんですが。
知事
地下鉄7号線の延伸については、これまでも地域の住民の皆様等から非常に熱い要望をいただいてまいりました。他方でこの地下鉄7号線については、今後の負担を含め、さらには事業の採算性を取るために、さいたま市における今後の周辺地域の発展等についても課題となるというふうに言われてきたところであります。県としても、あと数マイルプロジェクトの中で公共交通が埼玉県にとって、とても大きな武器であることに鑑みれば、この利便性の向上を進展させること、あるいは県内の交通困難地域のアクセス向上を目指すことはこれは全体としてのコンセンサスはあると思っています。他方で先ほど申し上げた地下鉄7号線についてはまだまだ問題もありますので、現在設置されている(後に削除)有識者の会議や、あるいはさいたま市との間で行われている協議会等に我々も協力していますので、そこでの議論を是非進めていきたいし、進める上での必要な調整を図っていきたいというふうに考えています。交通政策審議会の答申では、先ほど申し上げた沿線開発等の話もありますけれども、答申の頃と状況も若干変わってきていますので、そこを踏まえて、関係者との調整を今後進めていくこととしたいし、市長のそのような発言については、しっかりと受け止めさせていただきたいと思います。
毎日
予算負担ですけれども、上田前知事は延伸については消極的だったのかなと思いますが、今後県が負担する可能性、あるいは市側と予算負担について協議をする可能性はあるんでしょうか。
知事
一足飛びに予算負担について協議をするというところまではまだいかないと思います。先ほど申し上げたように、必要な調整を行うということが今の私たちの目の前にある問題でありますし、必要な調整を行う上では、先ほど周りの環境・要件も変わったと申し上げました。当時860億とも言われた浦和美園から岩槻までの事業費についても、同じであるかどうか、あるいは先ほど申し上げたビーバイシー、採算性の問題についても同じであるかどうかも含めて、それらの環境も変わってきていますので、これらの調整をまずは進めることが第一だと思っていますので、それを行わないうちに費用負担まで立ち入ることはできないと思います。
毎日
改めて事業費なり何なりをもう一回再検討するっていうようなことを…
知事
再検討の必要があればですね。これも含めて調整と申し上げましたけれども、まず調整をさせていただきたいと思います。
では、今年もよろしくお願いします。ありがとうございました。
(終)
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