ページ番号:256030

掲載日:2024年6月28日

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令和6年度住民監査請求却下一覧

令和6年度受付分却下一覧表

番号

件名

受付年月日

結果通知日

1

新型コロナ発生届受理等に係る知事給料の返還請求不行使等に関する措置請求

令和6年5月7日

令和6年6月28日

1.新型コロナ発生届受理等に係る知事給料の返還請求不行使等に関する措置請求

請求の要旨

埼玉県の以下の行為は、違法である。

(ア)無効な5類定点発生届の受理及び報告、妊婦PCR検査費用助成に係る不当利得返還請求不行使、届出受理送信行為が占める知事の給料一部按分額不当利得返還請求権不行使並びに「新型コロナウイルス感染症関連情報」を掲載した広報紙「彩の国さいたま」(以下「広報紙」という。)バックナンバー掲載維持費用とホームページ維持費用支払

(イ)新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行(以下「5類移行」という。)後含む、無権限での埼玉県接種会場からのワクチンバス派遣と運営費支払

(ウ)川口市、越谷市、さいたま市、川越市及び熊谷市(以下「川口市等」という。)(丙)と接種実施医療機関(丁)を契約当事者とする知事と全国知事会が代理人(甲)として公益社団法人日本医師会(乙)と契約(以下「集合委託契約」という。)を締結する行為による、川口市等による無権限での埼玉県接種会場からのワクチンバス派遣と運営費支払並びに委託(以下「川口市等委託契約」という。)の相手先への委託料支払債務履行と委託先への委託料支払後無効な無権代理契約署名に従事した知事への給料一部按分額不当利得返還請求不行使

(エ)無権限での、4歳以下への接種を含む個別接種促進のためのハイペースで多数接種を行う医療機関に対する支援金(以下「ハイペース支援金」という。)のうち5類移行前の支給及び医療機関に対する不当利得返還請求権行使の不作為

(オ)憲法13条・25条・29条適用違憲・予防接種法1条・感染症法1条・新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下「特措法」という。)1条等違反・公序良俗違反・東京高裁平成4年12月18日判決を踏まえた平成6年改正予防接種法違反・憲法9条違反で無効な予算議決に対する固定費投入分損害賠償請求権不行使

違法な理由は、以下のとおりである。

(ア)集合委託契約に係る契約書は、特例承認で認可されたSARS-CoV-2ワクチンを厚生労働省(以下「厚労省」という。)通達文書(健感発0210-5号)で定義された新型コロナウイルス感染症に使用できる根拠となっていない。

よって、発生届受理や川口市等との委託契約、コロナワクチン接種実施、厚労省から川口市等に対する接種実施のための通知、新型コロナワクチンの特例承認などのすべての立法行為、行政行為、事実行為(政令、省令、通達等)は、違法違憲、無効であり、これらを前提とした国会、川口市等市議会、埼玉県議会によるPCR検査・発生届受理・ワクチン接種実施を含むすべての令和2年度から令和6年度までのコロナ関連予算議決も違憲違法・無効である。

(イ)ハイペース支援金支給dは行政行為である川口市等委託契約a、川口市等のコロナワクチン接種実施b、厚労省から川口市等に対する接種実施するための通知cを前提としているが、abcは重大かつ明白な瑕疵があるので違法無効となる。また、著しく合理性を欠きそのためこれに予算執行適正確保の見地から看過しえない瑕疵が存するので、これを看過した後行行為dは財務会計法規上の義務に違反する違法なものとなる。

請求措置内容

ア 違法な妊婦PCR事業補助金不当利得返還請求及び無効な5類定点発生届を受理し厚生労働大臣に報告した知事の給料及び固定費不当利得返還請求権行使

イ 5類定点発生届受理作業固定費投入した担当者への損害賠償請求権行使

ウ 広報紙バックナンバーとホームページの薬機法違反の記述に公金投入した担当者への損害賠償請求権行使

エ 無権限によるハイペース支援金事業の違法確認と不当利得返還請求

オ 無権限によるワクチンバス事業の違法確認及び担当者に対する損害賠償請求権行使

カ 知事による無権代理契約の無効確認、その他事由による委託契約無効確認及び支出に関して法律上の原因のないことの要件具備確認並びに知事自身の委託契約署名作業の占める給料一部按分額固定費不当利得返還請求権行使

キ 令和2年度から6年度までのコロナ関連予算議決の違憲違法及び無効確認による予算議決の法律上の原因がないことの確認と予算議決に投入された固定費分損害賠償請求権行使

ク 予防接種法、薬機法、医師法、医療法、生物兵器条約、製造物責任法、憲法及びニュルンベルク綱領の違法違憲性が問題解消されるまで定期接種任意接種の一時中断もしくは違法性の解消

ケ SARS-CoV-2ワクチンと厚労省通達文書(健感発0210-5号)で定義された新型コロナウイルス感染症(病原体がベータコロナウイルス属のコロナウイルス(令和2年1月に中華人民共和国から世界保健機関に対して、人に伝染する能力を有することが新たに報告されたものに限る。)であるものに限る。)の関係の解明

却下した理由

(1)法第242条第1項は、住民に対し、一定の具体的な財務会計上の行為又は怠る事実に限って、その監査と非違の防止、是正の措置とを監査委員に請求する権能を認めたものである。したがって、制度上、住民監査請求の対象は、地方公共団体の違法又は不当な財務会計上の行為又は怠る事実に限られており、それ以外の非財務的な事項についてまで対象とするものではない。

したがって、請求人が主張している、発生届受理やコロナ関連すべての立法行為、行政行為、事実行為、予算議決などの違法違憲性・無効性については、法第242条第1項の対象とならない。

(2)請求措置内容のアのうち不当利得返還請求については、その前提となる補助金支給に係る違法性・不当性、届出受理送信作業に係る違法性・不当性を疎明する事実証明書が添付されていないため、前提となる違法又は不当な財務会計行為は認められない。

なお、措置請求書の文中において、特定の人物の主張や請求対象の違法性や不当性と直接の関連性を有しない判例などが記載されているが、これらは請求人の主観であって、法242条第1項で規定する違法若しくは不当を証する書面に当たらない(以下同様)。

(3)請求措置内容のイの担当者に対する損害賠償請求権行使については、その前提となる5類定点発生届受理作業固定費投入についての違法又は不当な財務会計行為を疎明する事実証明書が添付されていない。

(4)請求措置内容のウの公金投入した担当者の損害賠償請求権については、その前提となる違法又は不当な財務会計行為を疎明する事実証明書が添付されていない。

(5)請求措置内容のエのハイペース支援金事業に係る不当利得返還請求については、次のとおりである。

地方公共団体の長又は職員がした財務会計上の行為(以下「当該財務会計行為」という。)とその原因となる非財務会計行為(以下「先行行為」という。)との関係において、先行行為が著しく合理性を欠きそのためこれに予算執行の適正確保の見地から看過しえない瑕疵がある場合は、当該財務会計行為者は先行行為者と協議等して瑕疵の解消に努めなければならず、重大かつ明白な瑕疵があって無効の場合にこれを無視して財務会計行為に及べば、当該行為は違法になる。

ここでの重大かつ明白な瑕疵の明白性とは、処分の外形上客観的に処分庁の誤認が一見して看取できる程度のものをいう。また、当該財務会計行為自体が違法である場合だけでなく、当該財務会計行為と先行行為との間に一定の関係がある場合には、先行行為が違法であれば当該財務会計行為も違法となる。

ただし、この関係は、先行行為が当該財務会計行為の直接の原因となるような「密接かつ一体的な関係」にあることを要する。

これを本件請求である、請求要旨ウ(イ)に記載する「先行行為abcは重大性明白性の要件を充足する瑕疵であるので違法無効となる。先行行為が著しく合理性を欠きそのためにこれに予算執行適正確保の見地から看過しえない瑕疵が存するので、これを看過した後行行為d(以下「本件財務会計行為」という。)は財務会計法規上の義務に違反する違法なものとなる」との請求人の主張についてみると、次のとおりである。

なお、請求書には先行行為が著しく合理性を欠き予算執行適正確保の見地から看過しえない重大かつ明白な瑕疵があるとの事実を疎明する客観的な事実証明書が添付されていないため、先行行為の重大かつ明白な瑕疵の有無については判断していない。

ア 請求要旨ウ(イ)aに記載する集合委託契約は、国のコロナ政策全般に関するものであり、本件財務会計行為を義務付けるものではなく、本件財務会計行為を目的に実施されたものではない。

イ 請求要旨ウ(イ)bに記載する川口市のコロナワクチン接種は、川口市のコロナワクチン政策として実施されるものであり、本件財務会計行為を義務付けるものではなく、本件財務会計行為を目的に実施されたものではない。

ウ 請求要旨ウ(イ)cに記載する厚労省の通知は、国のコロナ政策のために発出されたものであり、本件財務会計行為を義務付けるものではなく、本件財務会計行為を目的に実施されたものではない。

したがって、先行行為のいずれもが、本件財務会計行為の直接の原因と言えず、また、「密接かつ一体的な関係」があるとは言えない。

また、本件財務会計行為自体の違法性については、請求要旨ウ(イ)において主張が記載されているが、対象行為の前提に係る違法性について請求人の主張が述べられているのみであり、対象行為自体の違法性についての摘示はない。

さらに、対象行為自体の不当性については、対象行為との因果関係となる事実を証明するものがない。

よって、前提となる違法又は不当な財務会計行為は認められない。

また、ハイペース支援金事業の違法確認は、違法な財務会計行為の是正等に該当しない。

(6)請求措置内容のオの違法確認は、違法な財務会計行為の是正等に該当しない。

また、担当者に対する損害賠償請求権行使については、その前提となる違法又は不当な財務会計行為を疎明する事実証明書が添付されていない。

(7)請求措置内容のカのうち無効確認及び要件具備確認については、違法な財務会計行為の是正等に該当しない。

不当利得返還請求権行使については、上記(5)のとおり、その前提となる委託契約についての違法又は不当な財務会計行為は認められない。

また、知事自身の委託契約署名作業についての違法又は不当な財務会計行為を疎明する事実証明書が添付されていない。

(8)請求措置内容のキのうち、損害賠償請求権行使については、予算議決に投入された固定費が違法・不当であることを疎明する事実証明書が添付されていない。

また、違憲違法・無効確認、要件具備確認については、違法な財務会計行為の是正等に該当しない。

(9)請求措置内容のクの予防接種法等の違法違憲性が問題解消されるまで定期接種任意接種の一時中断については、違法性・不当性を疎明する事実証明書が添付されていない。

また、違法性の解消については違法な財務会計行為の是正等に該当しない。

(10)請求措置内容のケは違法な財務会計行為の是正等に該当しない。

以上のことから、本件請求は、法第242条第1項に定める住民監査請求の要件を具備しない不適法なものであると判断する。

お問い合わせ

監査事務局 監査第一課  財政的援助団体等監査担当

ファックス:048-830-4940

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