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ページ番号:284586
掲載日:2026年7月3日
中東情勢が不透明な中、燃料油・潤滑油や塗料、農業用資材などの石油等由来製品の供給不足を背景に、製造業、建設業、塗装工事業、運輸業、農林水産業など、様々な産業の事業継続に深刻な影響が生じている。県内でも、仕入れ価格の高騰や資材の調達難などによって、資金繰りの悪化、受注機会の喪失、工期の遅延、雇用の維持が困難になっているなどの声が上がっている。
中小企業・小規模事業者は、大量の在庫確保や優先調達が困難であり、供給不足の影響を最も直接的かつ深刻に受ける。我が国の産業を支える中小企業・小規模事業者等の事業の継続を支援し雇用を守るため、緊急かつ重点的な対策が必要である。
よって、国においては、下記の措置を講ずるよう強く求める。
記
1 石油等由来製品の安定的な供給体制を確保して流通の円滑化を図り、供給不足を解消するとともに、価格高騰への適切な対応を行うこと。
2 石油等由来製品の供給不足による影響を受けている中小企業・小規模事業者等に対し、緊急的な融資や助成制度の整備など、事業継続や雇用維持のための支援を拡充すること。
3 石油等由来製品の現場レベルの供給状況や代替品に係る情報を正確に把握し、迅速かつ継続的に提供できる体制を構築すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年7月3日
埼玉県議会議長 荒木 裕介
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衆議院議長 |
様 |
中東情勢が不透明な中、石油等由来製品の供給の不安定化と価格高騰が生じ、国民生活及び事業者の事業活動に深刻な影響が生じている。国民生活においては、食料品やごみ袋など生活用品の値上げや商品仕様の変更などの影響が生じ、また、医療・福祉の現場では、ゴム手袋などサービス提供に不可欠な物資が不足しており、今後の供給継続も懸念されている。さらに、資材の調達難や仕入れ価格の高騰、高価な代替品への切替えなどによって、中小企業・小規模事業者を中心とした事業者からは、資金繰りの悪化、受注機会の喪失、工期の遅延、雇用の維持が困難になっているなどの声が上がっている。
国は、石油等由来製品について、一部で供給の偏りや流通の目詰まりが生じているものの、年度を越えて供給継続が可能との認識を示している。
しかし、国の把握する供給状況と、国民や事業者が感じる実態に著しい乖離があるとの声が上がっている。国は、卸を介さない「直接販売スキーム」を設置したが、現時点においてその対象は限られており、国民生活及び中小企業・小規模事業者を中心とした事業者の事業活動を守るため、早急かつ抜本的な対応が必要である。
よって、国においては、下記の措置を講ずるよう強く求める。
記
1 石油等由来製品の安定供給を阻害している要因を早急に究明するとともに、実効的な解消策を実施すること。
2 中小企業・小規模事業者の現場における石油等由来製品の供給不足の度合いや、事業継続・雇用への具体的な影響について実態調査を実施し、正確な状況を把握すること。
3 石油等由来製品の供給や代替品に係る正確な情報を迅速かつ継続的に提供できる体制を構築するとともに、販売抑制や買いだめ、過度な在庫確保等が生じないよう、国民や業界団体に対し、具体的なデータに基づき、適切な情報発信を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年7月3日
埼玉県議会議長 荒木 裕介
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衆議院議長 |
様 |
燃料費、原材料価格や物流費の上昇、円安などにより、あらゆる消費財において物価高が続いている。令和7年平均の全国の消費者物価指数(総合指数)は、令和2年を100として111.9となり、前年比3.2%の上昇となった。
中東情勢の不透明化に伴う燃料価格高騰を受けて、国では、本年5月に、7月から9月の電気・都市ガス料金支援のため一般予備費の使用が決定され、今後への万全の備えのため、令和8年度補正予算により一般予備費が復元された。標準的な家庭では3か月で5,000円程度の負担引下げ効果になるとされている。また、国際情勢の変化に伴う経済への影響への対応に要する経費に使用できる「中東情勢等対応予備費」が創設され、本年3月に緊急的激変緩和措置として再開したガソリン等燃料油に対する補助の継続に当面は充てられる。そのほか、令和7年度補正予算においては、子育て家庭に対する物価高対応子育て応援手当も支給されるなど、国民に対し複数の物価高対策のための補助や支援が行われている。
補助等によるエネルギー価格の抑制や現金給付によって、家計負担は一定程度緩和されるが、我が国の財政状況から、このまま際限なく補助等を継続することは不可能であり、応急的な物価高対策は根本的な問題解決につながらない。近年、世界的なインフレ傾向や円安が続き、中東情勢も不透明な中、我が国の物価上昇は今後も続くと考えられ、現在の補助や支援などの応急的な対応だけではなく、今後は、物価上昇そのものへの根本的な対策として、物価上昇率と同等かそれを上回る国民所得の向上が必要である。
よって、国においては、現在実施しているような応急的な物価高対策に加え、国民の所得向上のための抜本的な経済対策を行うよう強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年7月3日
埼玉県議会議長 荒木 裕介
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衆議院議長 |
様 |
恵み豊かな川との共生のため、生活排水対策は重要であり、下水道や浄化槽等が整備されてきた。令和6年度末時点で本県の生活排水処理人口普及率は全体で94.3%に達しているが、市部に比べ町村部は普及率が低い傾向にあり、現在も約42万1,000人の県民の生活排水が未処理となっている状況である。
町村部など人口密度の低い区域においては、コスト面では集合処理(下水道、集落排水等)より個別処理(浄化槽)が優位である。また、個別処理については、水質保全の観点から、し尿しか処理できない単独処理浄化槽やくみ取り便槽から、全ての生活排水の処理が可能な合併処理浄化槽への転換を推進することが重要である。
合併処理浄化槽の設置費用については補助制度があり、国・県・市町村を合わせた公的補助の割合や上限額は国が定めている。しかし、昨今の物価・人件費高騰の影響により、国が定める補助基準額を設置費用が上回り、設置者の経済的負担が増加しており、転換の妨げとなっている。
加えて、近年の汚水の集合処理インフラの老朽化や急速な人口減少等を背景とし、維持管理コストの適正化や災害からの迅速な復旧といった社会ニーズの観点などを踏まえ、地域の実情に応じて集合処理から個別処理に転換する対応が柔軟に行えるよう、都市計画等に関する制度を見直すことも必要である。
よって、国においては、下記の措置を講ずるよう強く求める。
記
1 物価・人件費高騰による合併処理浄化槽の設置費用の上昇を踏まえ、補助基準額を引き上げること。
2 地域の実情に応じて汚水処理施設を柔軟に選択できるよう、都市計画法等の関連する法制度の見直しや、財政支援制度の検討を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年7月3日
埼玉県議会議長 荒木 裕介
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衆議院議長 |
様 |
人の日常生活圏におけるクマの出没や、クマによる人身被害が全国的に増加しており、本県でも令和7年度の出没情報件数は平成20年度以降最多である172件となった。特に近年では、人の多い市街地に出没する「アーバンベア」が大きな問題となっており、被害を防ぐため実効性ある対策が急務である。
国は、昨年9月に「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」に基づく緊急銃猟制度の運用を開始するとともに、同年11月に「クマ被害対策パッケージ」を、本年3月に「クマ被害対策ロードマップ」を策定し、緊急時の体制構築、クマの個体数の管理強化、人の生活圏への出没防止等の対策を推進している。
緊急銃猟の実施には、危害防止措置を緊急に講じる必要性や地域住民の安全確保等、4つの条件を全て満たす必要があるが、実施の判断を迫られた現場からは、確認や準備をしている間にクマが逃げてしまった、バックストップ(安土)がなく跳弾の危険があり実施を諦めたなどの声が上がっている。また、国は、緊急銃猟は市町村が行うものであり、射撃タイミング等の「銃猟行為」は捕獲者(ハンター)の専門性に委ねられるが、最終的な責任は市町村が負い、ハンターが民事上・刑事上の責任等の不利益を被ることは通常想定されないとしている。しかし、クマによる危険が差し迫った個別具体的な状況において、市町村やハンターが最善の判断を行うには負担が大きく、実施に関しては懸念の声がある。
緊急銃猟は運用開始から間もなく、実効性確保のために実例を踏まえた継続的な見直しが必要である。また、市町村やハンターの負担を軽減するため、クマ被害対策に利用可能な技術を有する民間事業者を積極的に活用していくべきである。さらに、クマの行動範囲が広く、都府県域を越えて移動するため、都府県単位での個体数調査や管理には限界があり、広域での管理体制や情報共有体制の構築が必要である。
よって、国においては、下記の措置を講ずるよう強く求める。
記
1 緊急銃猟の実施状況について検証を行い、ガイドラインの見直しや事例の共有、シミュレーションを含む訓練の実施など、市町村の実施体制整備の支援を十分に行い、負担の軽減を図ること。
2 緊急銃猟の従事に係るハンターの精神的・経済的負担を軽減するため、支援の拡充を行うこと。
3 ハンターの育成支援制度を整備し、十分な予算を確保すること。
4 地方公共団体が実施する人の生活圏へのクマの出没防止対策、クマの生息状況の把握や適正な個体数の管理について、財政支援を拡充すること。
5 クマ被害対策に活用可能な技術を有する民間事業者との連携を推進すること。
6 都府県域を越えたクマの個体数調査や管理、緊急時等の都道府県を越えた情報共有のため、国が主導する広域での管理体制や情報共有体制を構築すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年7月3日
埼玉県議会議長 荒木 裕介
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衆議院議長 |
様 |
クビアカツヤカミキリは、サクラ、モモ、スモモ、ウメなどのバラ科の樹木に寄生し、その幼虫が樹木の内部を摂食して枯らしてしまうなどの被害をもたらす特定外来生物である。分布拡大によって、農業や観光産業での被害、公園や街路樹での倒木事故等の影響が出ている。
本県では、平成25年に県南東部の2市で最初の被害が確認されて以降、年々その地域は拡大し、令和7年度末までに県内63市町村のうち56市町村で被害が報告されている。全国でも、平成24年に愛知県で被害が確認されて以降、17都府県で被害が発生しており、急速に被害が拡大している。
本県は、県内市町村に対し、農薬や捕殺による駆除に関する技術的助言や、被害木の伐採や農薬購入に対する補助を実施してきた。また、被害状況を早期に把握し、防除対策を効果的に推進するため、平成30年から県民参加型の集中調査を実施するとともに、生態や防除に関する情報発信や研修会の開催等を行っている。さらに、本年6月補正予算では、県管理施設における緊急防除や市町村における緊急防除の支援のため、11億871万円を計上した。
クビアカツヤカミキリの主な防除方法は、被害木ヘの農薬の散布・注入や伐採等に限られ、抜本的な方法が確立されていないことから、被害拡大に歯止めが掛からない状況が続いている。クビアカツヤカミキリは繁殖力が高く、被害が数十キロメートル以上離れた場所で飛び地的に長距離拡散する事例が相次いで確認されており、現在被害が確認されていない都道府県にも被害が拡大するおそれがある。そのため、地方公共団体単位での対応には限界があり、都道府県を超えた広域的な対策が求められる。
よって、国においては、下記の措置を講ずるよう強く求める。
記
1 クビアカツヤカミキリの効果的な防除方法確立のため、研究・開発を強力に推進すること。
2 地方公共団体が、都道府県域を越えて被害状況の共有や共同した防除の実施等が可能となるよう、関係省庁が連携して広域防除連絡体制の構築を主導すること。
3 地方公共団体が実施する被害調査、モニタリング、被害の未然防止や駆除等について、専門家の派遣、最新情報の提供等の十分な技術的支援や、防除費用、資材購入費への補助等の財政的支援を抜本的に強化・継続すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年7月3日
埼玉県議会議長 荒木 裕介
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衆議院議長 |
様 |
北朝鮮が拉致の事実を認めた日朝首脳会談から20年以上が経過したが、帰国を果たした拉致被害者は5人にとどまり、いまだ拉致問題の解決には至っていない。
本県は、令和6年12月に、全国に先駆けて「埼玉県拉致問題等の早期解決に向けた施策の推進に関する条例」を議員提案により制定し、県内主要メディア等を通じた啓発など、拉致問題の風化を防ぎ、解決への気運を醸成する取組を行っている。また、本年2月に、本県議会は「北朝鮮による日本人拉致問題に対する理解を深めるための広報啓発を推進する決議」を行い、これらの取組への最大限の支援を行うことを明らかにした。
一方、国では、本年3月19日の日米首脳会談で、高市首相は、拉致問題の即時解決について、引き続きの理解と協力を求め、トランプ大統領から全面的な支持を得た。また、5月19日の日韓首脳会談で、高市首相から拉致問題の即時解決に向けた李大統領の引き続きの理解と協力を求め、両首脳は、その取組の重要性について一致した。
5月30日の「全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会」では、高市首相は、金正恩委員長との首脳会談を始め、あらゆる選択肢を排除せず、私の代で何としても突破口を開いて、拉致問題を解決すると決意を述べた。
拉致問題の被害者等や家族が高齢となる中で、人命に関わるこの問題は、一刻も早く解決しなければならない人道問題である。
よって、国においては、政権の最重要課題である拉致問題について、早期の日朝首脳会談の実現を見据え、国際社会と緊密に連携しながら、あらゆる手段を尽くして取り組み、いわゆる特定失踪者等の拉致の疑いが排除できない方も含む拉致被害者等全員の即時一括帰国を実現させるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年7月3日
埼玉県議会議長 荒木 裕介
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衆議院議長 |
様 |
親族や友人等の身近な人に対し、無償で介護や日常生活上の世話などの援助を行う「ケアラー」の負担が深刻な社会問題となっている。ケアラーが抱える問題は、心身の疲弊にとどまらず、社会的孤立や経済的困窮、学業や就業の機会喪失など、人生の様々な局面に重大な影響を及ぼしている。
本県は、全てのケアラーが健康で文化的な生活を営むことができる社会を実現することを目的として、令和2年3月に、全国初のケアラー支援に関する条例として「埼玉県ケアラー支援条例」を議員提案により制定した。その後、ケアラー支援に関する条例制定の動きは全国の自治体に広がっている。
国では、令和6年に「子ども・若者育成支援推進法」が改正され、国・地方公共団体等が各種支援に努めるべき対象として「ヤングケアラー」が明記された。また、「経済財政運営と改革の基本方針2025」においても、ケアラーを支援する地方公共団体への支援や、民間団体と連携した若者支援が示された。
しかし、現在のケアラーへの支援は、介護、障害、子育てなどの制度の枠組みごとに分かれている上に、地域によって支援内容にも差が生じており、制度の隙間からこぼれ落ちてしまう人がいる。介護をしながら働く、育児と介護を同時に担う、認知症の家族や医療的ケア児のケアを行う、高齢者が高齢者のケアを行うなど、ケアラーの置かれている状況は様々であり、年齢や状況で区切るのではなく、全てのケアラー一人一人に寄り添った包括的な支援を継続的に行うことができる体制が必要である。
よって、国においては、下記の措置を講ずるよう強く求める。
記
1 年齢や状況で区切ることのない、全てのケアラーを対象とした包括的な支援のための基本法の早期整備を図るとともに、ケアラー支援に係る総合的な計画を策定すること。
2 介護保険法や障害者総合支援法など、ケアラーの存在が想定される既存の法律について、ケアラー支援の視点を取り入れた見直しを検討するとともに、制度に分断されない包括的な支援の在り方を構築すること。
3 「予防」の視点を取り入れ、ケアラーが困難な状況に置かれる前に支援が可能となる仕組みの構築を図ること。
4 地方公共団体が地域のケアラーの実情に応じた支援を安定的に実施できるよう、必要な財政措置を十分に行うこと。
5 ケアラー支援に関する国民の理解を深めるための普及啓発を推進すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年7月3日
埼玉県議会議長 荒木 裕介
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衆議院議長 |
様 |
新型コロナウイルス感染症の5類移行後も、感染後の後遺症(罹患後症状)に苦しむ罹患者は多く、強い倦怠感や頭痛、思考力低下などにより、日常生活に深刻な支障をきたしている。
特に児童生徒(患児)への影響は深刻である。身体的苦痛のみならず、長期欠席や学業の遅れなどの支障が生じ、教育を受ける権利が脅かされている。また、後遺症には寝たきりに近い重症例もあり、患児・患者を看病する家族の精神的・経済的負担は非常に大きい。
国においては、これまでも調査研究等に努めてきたが、医療機関によって対応状況が異なることや、学校・職場の理解不足から、患児・患者が孤立するケースが後を絶たない。また、現行の福祉サービスや公的支援の要件に合致しにくい「制度の狭間」も浮き彫りになっている。
よって、国においては、後遺症に苦しむ患児・患者が適切な医療を受け、学びを継続し、安心して生活できるよう、下記の措置を講ずるよう強く求める。
記
1 病態解明に向けた臨床研究を加速させ、客観的な診断基準や治療法を早期に確立すること。また、専門外来を設置する医療機関や自治体の相談窓口に対し財政支援を行うこと。
2 学校現場等へ最新の医学的知見を周知すること。また、オンライン授業の活用や柔軟な学習評価、進級・進学で不利益が生じないための配慮など、学びの継続を保障すること。
3 長期にわたり通学・就労が困難となった患児・患者に対し、障害者手帳の交付や障害年金等の公的支援が円滑に適用されるよう、認定基準の明確化や運用の弾力化を図ること。
4 医療、教育、福祉、労働等の関係機関が一体となったワンストップ型の支援ネットワークを地方自治体において構築できるよう、必要な支援を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年7月3日
埼玉県議会議長 荒木 裕介
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衆議院議長 |
様 |
我が国では、出生時の体重が2,500グラム未満の低出生体重児が、約10人に1人の割合で生まれている。このうち、出生体重が1,500グラム未満の極低出生体重児は、出生直後からNICU(新生児集中治療室)での高度な医療が必要とされるが、生後早期に母乳をあげることで、免疫力を高め、壊死性腸炎・慢性肺疾患・未熟児網膜症等の疾病リスクを低減できるとされている。
しかし、早産や帝王切開などにより母親の健康状態が整わず、十分な母乳が得られない場合がある。そのため、ドナーから寄付された母乳である「ドナーミルク」を適切に保管しNICUの乳児に提供する「母乳バンク」の仕組みは極めて重要である。
現在、我が国では、一般社団法人日本母乳バンク協会と一般財団法人日本財団母乳バンクの2法人が国内3か所の母乳バンク拠点の運営を担っているが、ドナーミルクの法的位置付けは定まっていない。また、国の科学研究費補助金による研究事業の調査によると、9割以上のNICUが母乳バンクの必要性を感じている一方で、費用面や手続面での導入ハードルがドナーミルクの利用拡大を阻んでいるとされている。さらに、ドナー登録施設がある都道府県が限られており、施設数が不足していることも課題である。
よって、国においては、必要とする乳児にドナーミルクを十分提供できるよう、下記の措置を講ずるよう強く求める。
記
1 ドナーミルクの法的位置付けを早急に明確化すること。
2 ドナーミルクを安定的に供給するため、母乳バンクの運営、ドナーミルクの殺菌処理及びドナーの検査等に対する支援を行うこと。
3 ドナー登録者数を増やすため、ドナー登録施設の拡充を支援するとともに、産婦健康診査時や産後ケア等での周知機会の拡大を進めること。
4 ドナーミルクの重要性及び正しい知識について、医療現場及び国民に対し広く普及啓発を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年7月3日
埼玉県議会議長 荒木 裕介
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衆議院議長 |
様 |
令和8年度から、高校生等の授業料に充てる高等学校等就学支援金制度が拡充され、年収にかかわらず、高等学校等に通う日本人等の生徒を対象に、公立高校については11万8,800円、私立高校については45万7,200円を上限額として、高等学校等就学支援金が支給される、いわゆる高校授業料無償化が開始された。
家庭の経済状況にかかわらず、全ての意志ある生徒が安心して教育を受けることができるよう、家庭の教育費負担の軽減を図ることは重要である。その一方で、私立高校の授業料無償化により、施設やカリキュラムが充実し、学校独自の教育方針に基づいた専門性の高い教員の採用や、クラブ活動等で学校独自の取組が行える私立高校の人気が高まり、公立高校の志望者が減少することが懸念されている。他方で、公立高校は教育基盤として今後も重要な役割を果たしていく必要がある。公立高校の進学者が減少し統廃合の流れが加速すれば、私立高校の少ない地域においては生徒の選択肢を狭めることにつながりかねない。
国は、本年2月、「高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン)」を示し、都道府県は地域人材育成の中心となる高校を支え、生徒の学びを支援するため「高等学校教育改革実行計画」(以下「実行計画」という。)を策定するものとされた。実行計画策定後においては、その着実な実現により、公立高校と私立高校が対等に教育環境を整備し、地域全体における高校教育の維持向上を図ることが重要である。
よって、国においては、私立高校と対等となるよう公立高校における教育環境の整備を図り、居住地域や公立・私立の別にかかわらず、生徒が自分に合った魅力ある高校を選択できるよう、持続可能な高校教育制度を設計するとともに、都道府県が策定する実行計画を実現するための十分な財政支援を継続して行うよう強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年7月3日
埼玉県議会議長 荒木 裕介
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衆議院議長 |
様 |
愛知県一宮市で令和7年5月、妊婦が車にひかれて死亡し、緊急帝王切開で出生した子には重篤な障害が残るという痛ましい事故が発生した。運転手は、死亡した妊婦に対する「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(以下「自動車運転死傷処罰法」という。)違反(過失運転致死)で起訴されたが、事故当時に胎児であった子に対する自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)での起訴は行われていない。
一般に、胎児は、刑法や自動車運転死傷処罰法において客体である「人」そのものではなく、母体の一部を構成するものと解されている。交通事故に関する下級審裁判例では、妊婦が被害を受け、その後出生した子に死亡又は傷害の結果が生じた場合、母親に対する罪とは別に、子に対する業務上過失致死傷罪の成立を認めた事案が見られるものの、その数は少ない。
上記事故の被害者家族は生まれた子も被害者として扱ってほしいと切実に訴えており、この思いに賛同するオンライン署名は13万筆を超えている。こうしたことからも、現行制度の在り方に対する見直しを求める国民の意識の高まりがうかがわれる。
出生前に胎児の発育状況が把握できるようになるなどの医療技術の進展や、胎児を独立した被害者として扱うべきとの声などを踏まえると、交通事犯等に係る処罰規定や刑事訴訟法の被害者参加制度において、胎児の法的地位の見直しが必要である。
よって、国においては、交通事犯等において、母体への加害行為により胎児にも影響が及び、出生後に傷害や死亡の結果が発生する事案について、関連する法制度や議論を精査し、胎児の法的保護に係る規定の整備に向けた検討を進めるよう強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年7月3日
埼玉県議会議長 荒木 裕介
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衆議院議長 |
様 |
本県では、犯罪や交通事故の増加に歯止めをかけ、県内治安の回復を着実なものとしていくため、警察官や会計年度任用職員を増員し、パトロールや取締りの強化などに努めてきた。また、全国最多を誇る自主防犯活動団体に対する積極的な支援を行うなど、関係機関及び団体との協働による事件・事故の抑止対策を推進している。
こうしたことにより、令和7年の刑法犯認知件数は過去最多であった平成16年と比較して約3割となる53,471件となり、人身交通事故件数も長期的には減少傾向を示しているなど、県内の治安回復傾向は継続している。
しかしながら、犯罪の種類ごとの認知件数を見ると、殺人、強盗をはじめとする重要犯罪は全国3位、侵入窃盗をはじめとする重要窃盗犯は全国1位、振り込め詐欺をはじめとする特殊詐欺は全国6位であるなど、全国的に見て、本県の治安情勢は依然として厳しい状況にある。
さらに、本県警察官1人当たりの人口負担及び刑法犯認知件数負担は全国1位であり、令和7年度及び令和8年度には、合わせて警察官350人の増員が措置されたものの、人身安全関連事案への的確な対処、特殊詐欺対策をはじめとした犯罪対策の推進、交通事故防止対策の推進、サイバー空間の脅威への的確な対処、凶悪・重要事犯の迅速な検挙、暴力団や匿名・流動型犯罪グループ等の犯罪組織の壊滅、テロ・災害等緊急事態への的確な対処等、様々な課題に対処するためには、いまだ警察官が不足している現状にある。
今後も、事件・事故を減少させ、更なる県内治安の改善を図り、県民が安全で安心して暮らせるまちづくりを実現するためには、警察官の増員による人的基盤の強化が必要不可欠である。
よって、国においては、本県の厳しい治安情勢を踏まえ、いまだ警察官の過重負担が深刻な本県に対して、なお一層の警察官増員を措置するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年7月3日
埼玉県議会議長 荒木 裕介
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衆議院議長 |
様 |
本県では、犯罪や交通事故の増加に歯止めをかけ、県内治安の回復を着実なものとしていくため、人的基盤を強化し、パトロールや取締りの強化などに努めるとともに、自主防犯活動団体に対する積極的な支援を行うなど、官民一体の犯罪抑止活動を推進している。
しかしながら、平成17年以降連続で減少してきた刑法犯認知件数は、令和4年から増加傾向が継続している。
また、特殊詐欺は、令和5年から認知件数・被害額ともに増加傾向で推移し、令和7年は、認知件数・被害額ともに過去最多を更新するなど、厳しい情勢となっている。
現在、本県警察官1人当たりの人口負担は617人、同じく刑法犯認知件数も4.50件といずれも全国1位であり、多様化する警察事象に対応する警察官が不足している現状にある。
今後、将来にわたって、事件・事故を減少させ、県内治安の改善を図り、県民が安全で安心して暮らせるまちづくりを実現するためには、人的基盤の強化と共に事件事故への早期対応に欠かせない警察車両の充実強化が求められる。
警察法第37条及び同施行令第2条では、警察車両の購入に必要な経費は国庫が支弁すると規定されているが、本県の県費警察車両の割合は約4割を占めている。
また、県費車両の更新整備は、原材料費の高騰、安全装置の義務化、脱炭素化に対応したハイブリッド車の導入等による車両本体価格の上昇によりままならない状況にあり、さらに、全体的な車両老朽化に伴い、修繕料等の車両維持経費も重い負担となっている。
よって、国においては、本県の厳しい治安情勢及び県費支弁による負担が高い現状を踏まえ、国庫支弁による警察車両の充実強化を措置するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年7月3日
埼玉県議会議長 荒木 裕介
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衆議院議長 |
様 |
本県では、政令市を除く県内市町村の公立小・中学校及び義務教育学校に在籍する小学校第4学年から中学校第3学年までの児童生徒を対象に、埼玉県学力・学習状況調査(以下「県調査」という。)を毎年度実施している。県調査では、国語、算数・数学、英語(中学校第2学年及び3学年)についての調査のほか、「やりぬく力」や「自己効力感」といった非認知能力や、「プランニング方略」や「努力調整方略」といった学習方略を測定している。また、項目反応理論(IRT)を採用し、全ての問題に同一尺度で難易度を設定するとともに、小学校第4学年から中学校第3学年までの同一の児童生徒を継続して追跡することで「学力の伸び(経年変化)」を正確に測定することが可能となっている。
一方、国は、国・公・私立学校の小学校第6学年の児童及び中学校第3学年の生徒を対象に、全国学力・学習状況調査(以下「国調査」という。)を毎年度実施している。国調査は、国語と算数・数学については毎年度、英語(中学校第3学年)と理科については3年に1度程度、実施されているが、同一児童生徒の学力の伸びを測定するものではなく、非認知能力については、質問紙調査の項目を通じてその傾向を把握し、学力調査の結果との関連を分析しているものの、個人の経年変化を追跡する形での測定は行っていない。また、IRTは令和7年度における中学校第3学年の理科についての調査から導入されたばかりである。
非認知能力や学習方略など多面的な評価は、学校現場の指導改善に有効であり、また、個人の長期間の経年変化を追う県調査の方式は、児童生徒一人一人の状況を緻密に把握し、学力向上につなげるため非常に有用である。
よって、国においては、県調査のような児童生徒一人一人の「学力の伸び」を把握する学力調査を全国で導入するとともに、各都道府県独自の調査導入や調査結果のデータ分析に係る費用について十分な財政支援を行うよう強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年7月3日
埼玉県議会議長 荒木 裕介
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衆議院議長 |
様 |
自転車は、身近な移動手段として多くの人々の生活に定着しており、近年では環境負荷の低減や健康増進の観点から、その活用の重要性が一層高まっている。一方で、本県では年間1万3,000件を超える自転車盗が認知されており、その対策は喫緊の課題となっている。
現行の自転車防犯登録制度は「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律」に基づき都道府県ごとに運営されており、登録情報は各都道府県警察のデータベースで管理されている。そのため、盗難車両が都道府県境を越えて流通・放置された場合は所有者情報の照会に長い時間を要し、円滑な返還手続が阻害されている。また、都道府県境を越えた転居時の登録変更手続が煩雑であるほか、登録料や登録の有効年数などが都道府県ごとに異なり、利用者にとって制度が分かりにくいなどの課題がある。このような分散管理体制は、システム運用における非効率性を生み、行政コストの増大にも繋がっている。
加えて、個人が登録情報にアクセスすることができず、近年増加しているインターネットを介した個人間売買において問題となっている盗難品の流通の抑止に活用できていない。
都道府県ごとに分散しているデータベースを国が一元化し、全国どこからでも即時の照会を可能とするなど、デジタル技術を最大限に活用した制度とすることが、防犯のみならず国民の利便性向上の観点からも必要である。
よって、国においては、下記の措置を講ずるよう強く求める。
記
1 都道府県単位で管理されている登録情報を統合し、警察機関が全国の情報を即時照会できる一元的なデータベースを構築し、システム運営の効率化とコスト低減を図ること。
2 登録料や有効年数などの制度を全国一律とし、国民に分かりやすい制度とすること。
3 国民がオンラインで効率的に新規登録、住所変更、譲渡、抹消等の手続が完結できる仕組みを整備すること。
4 個人間売買における盗難品の流通を抑止するため、プライバシーに配慮しつつ、個人が容易に車体番号等から盗難届の有無を確認できるシステムを構築するとともに、関連法制度を整備すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年7月3日
埼玉県議会議長 荒木 裕介
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衆議院議長 |
様 |