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掲載日:2023年7月14日

令和5年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(松井弘議員)

これからの商工会・商工会議所の在り方について

Q 松井弘 議員(自民)

本県経済を支える小規模事業者は、物価高騰や少子高齢化の進展などに伴う働き手の不足など、大変厳しい状況に置かれています。このような状況の中、小規模事業者にとって身近な相談窓口である商工団体の役割がますます高まっていると思っています。新型コロナウイルス感染症の発生により、窓口では企業の相談件数も増大し業務的には厳しい時期もありましたが、現在、コロナ禍からの回復が進む中、商工会・商工会議所といった商工団体は、会員、非会員にかかわらず事業者の発展を支援する組織として経営の向上や金融、労務、税務などの事務相談と幅広く現在も支援を行っています。
しかし、商工団体が主に支援を行っている小規模事業者の数は減少傾向であります。その理由として、事業承継者がいないことや大型店などとの競合により廃業や閉店と、毎年、小規模事業者の減少が見られます。廃業や閉店が増加することで、商店街活動の継続や防犯の一助にもなる街路灯の維持ができなくなるなど、大きな支障が出ることも懸念しています。地元の朝霞市においても、同様の状況であると改めて実感をしています。
また、マンションの一室で活動し、オフィスや店舗を持たないベンチャー企業など新たな形態で活動する事業者が増えているのも事実です。しかし、こうした事業者においては、商工団体に加入しないケースも少なくありません。今後も小規模事業者の減少が続き、さらには商工団体に入会しない事業者が増加していくこと、商工団体が地域の事業者を発展させる組織としての役割を十分に発揮していけるのだろうかと不安を感じています。
県は、平成19年10月に大型店・チェーン店の地域商業貢献に関するガイドラインを制定しました。ガイドラインでは、地域商業貢献の基本的事項の1つに、商店街・商工団体への参画を上げており、現在、商工会・商工会議所としても地域社会への貢献を求める加入を働き掛けています。しかし、なかなか理解を得られず、加入していただけないのが現状です。また、加入していただいても翌年には退会してしまったり、会費の減額などを申し出る企業も多いのが目にとまります。県のガイドラインにもありますように、商店街・商工団体への参画に向けた県としての働き掛けが重要と考えます。
商工団体がこれまで以上に事業者の持続的な発展、ひいては地域の商工業の振興に役立つ組織となるためには、事業者の様々なニーズにしっかりと対応していくことが不可欠であるとも思いますが、それぞれ地域で状況に違いはあるものの、各商工団体も加入促進などに取り組んでいるところではありますが、同時に社会の変化の中で商工団体の地域における在り方自体が問われている時期とも感じています。
そこで、知事に伺います。
小規模事業者の減少や経営形態の多様化が進む中、商工団体に求められる役割や在り方についてどのように考えているのか。また、県として今後どのような支援を行っていくのか、御所見を伺います。

A 大野元裕 知事

商工団体は、地域の「身近な相談窓口」として、一般的な経営相談や税務、金融など、中小企業・小規模事業者が抱える様々な課題に応じて、きめ細やかなサポートを行い、事業者支援の中心的役割を担っています。
また、コロナ禍においては、県と一体となって飲食店の感染防止対策などに取り組んでいただき、現在は喫緊の課題となっている価格転嫁の円滑化について、「パートナーシップ構築宣言」の登録促進に御協力を頂いています。
このように、商工団体には公益性の高い事業を県と連携して実施するなど、行政を補完する役割も求められています。
他方、商工団体の支援が幅広く行き渡るようになるためには、より多くの事業者に加入していただくことが必要です。
そのためには、事業者の視点に立って、商工団体がこれまで以上に魅力ある組織になっていただくことが必要と考えます。
商工団体の平均会員組織率は、長らく減少傾向が続いておりましたが、コロナ禍にあった令和2年度から4年度にかけて上昇に転じました。
コロナの影響を受けた事業者からの経営、金融などの相談に対応した結果が、組織率の上昇にも表われているのではないかと認識しています。
昨今の物価高騰や人手不足などの課題に加え、DX・GXといった新たな潮流への対応など、事業者を取り巻く環境は大きく変化しています。
こうした変化に直面する中、商工団体がこれまで以上に支援機能を強化し、事業者から必要とされる組織になることが不可欠です。
今後も、県経済の発展に向け、引き続き商工団体には地域経済を第一線で支えていただきたいと考えています。
次に、商工団体に対して、県としてどのような支援を行っていくのかについてであります。
現在、県では、各商工団体に対し、管内の小規模事業者数に基づいて経営指導員等の定数を算出し、その人件費を補助しています。
これに加え、経営革新計画の策定件数や創業支援件数、会員の増加数などの実績に応じて補助額を加算し、商工団体の意欲的な取組へのインセンティブとする仕組みを導入しています。
また、県では、こうした業務実績を取りまとめ、グラフなどにして提供しており、各商工団体には、他団体との比較の中で自らの状況をよく認識し、業務改善に取り組んでいただくよう促しています。
現在、商工団体がより意欲的に取り組むために、効果的な補助制度について商工会等とともに協議会を設置し、議論を重ねているところであります。
県といたしましては、商工団体が行う事業者支援の取組をしっかりと後押しをすることにより、中小企業・小規模事業者の「稼ぐ力」を高め、地域経済の持続的な発展へと結び付けてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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