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掲載日:2022年3月30日

令和4年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(高橋政雄議員)

国防と文化・芸術

Q   高橋政雄 議員(自民)

私は、埼玉浦和の地に生まれ育って半世紀以上、その間、世界を旅して様々な文化・芸術を見てまいりました。私たちの日本の文化もすばらしいのでありますが、特にヨーロッパの長い歴史に裏打ちされた美術、音楽、建築などには、とても驚かされています。ここ数年、コロナ禍にあって外国へ出掛けられないでいるのは、とても残念です。もっと欧米の文化・芸術に触れたいと思っているのだけれども。
2年前、知事への一般質問で、埼玉県の魅力発信について述べさせていただきました。東京の北隣に心美しい人たちが住んでいる埼玉県。その質問の中で、日本が位置する東アジアにおける隣国の中国と韓国など、お付き合いの仕方について触れさせていただきました。
先週2月24日、今後の世界を変える重大事件がありました。同じ隣国、ロシアのウクライナへの軍事侵攻です。日本の東隣にはアメリカ、西隣には中国、そして北隣、ロシア、私たちの国土は、世界の三大軍事大国と接しております。特に軍事派遣中のロシアと、覇権をうかがう中国の、日本とは異質な政治体制と軍事力を見るときに、とても大きな脅威を感じております。
我が国の軍備・防衛力の警備強化を急がなければなりません。つけ入るすきを与えてはいけないのです。国民一人ひとりの教育力を磨いて、軍備力増強とともに人を磨き、特に文化・芸術を通して歴史を探り、世界を見詰める大きく深い思考を持つ人々を育む地方の力が求められていると考えます。
少々違う視点から人や世界を考えてみたいと思います。
最近の私たち日本では、一人ひとりが社会の集団生活から、かつ家庭内でも単身孤立、つながりの希薄化が進んでいるように見えます。もっとも、これは日本に限ったことではないかもしれません。
人々の孤立化とともに、世界の多くの国々についても同じような傾向が感じられる。ひとりよがりの国が増えているように感じています。自分がよければ、人はどうでもよい。また、自分たちの国がよければ、他国はどうでもよい。そんな考え方の結果、将来は他人の不幸は自分の不幸に、他国の不幸は自分たちの国の不幸になると私は思います。
近隣諸国から畏敬と羨望の眼差しを持って見詰められる国、尊敬される国、それにはそこで暮らす一人ひとりの豊かな文化・芸術が必要だと思います。それが最大の防衛力でもあります。そんなことを考えていくと、最近の世界の人や国も文化度、芸術度が著しく低下してきているのだとも考えられます。
長々と話をしてまいりましたが、その良質な文化・芸術を育てるには長い年月が必要であります。世界に誇れるものをつくるために日本から、いや埼玉県から知事を先頭につくってまいりませんか。優れた国の防衛力は、強力な軍備力と優れた文化人ですよ。大野知事のお考えをいただきたいと思います。

A   大野元裕   知事

まず、「国防と文化・芸術」のお尋ねについてでございます。
ロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻は、国連憲章、国際法の明白な違反であり、人道的観点からも断じて容認できるものではありません。
政府においては、邦人の確実な保護や我が国の影響に関する対策について万全を尽くしていただきたいと考えております。
さて、御存じのとおり、アメリカ合衆国の国防に強い影響力を有する元国防次官補ジョセフ・ナイ ハーバード大学特別功労教授は、ソフト・パワーを国力の一つと考え、物理的な防衛力と並んで重視いたしました。
また、「文明の衝突」を著した故サミュエル・ハンチントン ハーバード大学教授は、文化の国際的な理解の重要性を説きました。
これらを振り返るとき、高い文化を共有し、理解することは国際的な相互理解を深め、ソフト・パワーを高めることにより、国防の重要な部分を形成すると言えるのだろうと思います。
地方としてできることの一つは、議員お話しのとおり、「良質な文化芸術を育てること」であり、その素地は、伝統芸能など長い歴史の中で受け継がれてきた独自の文化資源であり、その武器は、御指摘のとおり人であります。
例えば、ユネスコ無形文化遺産に登録された細川紙、秩父祭の屋台行事と神楽、川越氷川祭の山車行事をはじめ、小鹿野歌舞伎、大宮の盆栽、秩父銘仙など、古くから、文化が人々の間に今も息づいています。
県としても、引き続き後継者の育成や活動を支援することで、保存・継承につなげてまいります。
また、彩の国さいたま芸術劇場では、故蜷川幸雄芸術監督の下、「彩の国シェイクスピア・シリーズ」など先駆的で特色ある取組を国内外に発信をし、高い評価を得てまいりましたが、来月からは新たに近藤良平氏を芸術監督として迎え、様々な人やジャンルが交流・交差する「クロッシング」をテーマに、新しい文化芸術を発信してまいります。
特に、近藤氏が長年演出してきた障害者ダンスチーム「ハンドルズ」の舞台は、共生社会の理念を体現するものとして、文化芸術の大きな力を感じさせてくれます。
あらゆる年代の多様な県民が参加する多彩な文化芸術が、世界に誇れるものとして育まれるのみならず、着実に国際理解を促進できるよう、私自ら先頭に立ち、広報にも努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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