埼玉県議会 県議会トップ画像

ここから本文です。

ページ番号:188615

掲載日:2023年12月18日

令和2年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(美田宗亮議員)

歯科保健医療の推進について - 障害者歯科診療体制の充実について

Q  美田宗亮  議員(自民)

言うまでもなく、歯、口腔の健康は食事や会話を楽しむために重要であります。また、身体的な健康だけでなく、精神的な健康や社会的な健康にも大きく関わるといわれております。生涯を通じて歯科疾患を予防し歯の喪失を抑えることは、高齢期を迎えての口腔機能の維持につながり、全身の健康の保持・増進の点からも重要です。
このため、本県では、乳幼児から高齢者までの全ての県民が生涯にわたって健康で質の高い生活を送ることができるよう、平成23年10月に自由民主党議員団が主導し、全会一致により埼玉県歯科口腔保健の推進に関する条例が制定されました。
その理念は障害のある人もない人も等しく当てはまるものであるはずですが、障害のある方の中には簡単に治療を受けることができない方がおられます。また、かかりつけの歯科医院で治療を受けていた方の中にも障害の程度や全身的な疾患をお持ちの場合、治療の継続が困難となり、途中で断られてしまうこともあるそうです。障害のある方がその程度に応じた施設を選択し適切な治療を受けるためには、地域で相談や治療のできる歯科医院を増やすことが重要であり、そして施設の情報を提供する仕組みが必要であると考えます。
また、障害のある方の治療においては全身麻酔を使用することも少なくなく、麻酔科医の配置や全身麻酔設備の整備、治療を行う歯科医院やスタッフにはより専門的な知識や技術が求められます。必然的に治療を行える施設も限られてしまいます。
そのため、埼玉県歯科医師会では障害のある方に必要な歯科医療を提供するため、平成13年4月に埼玉県歯科医師会口腔保健センターを開設しました。同センターにおける昨年度1年間の受診者数は7,150名、令和元年度末時点で延べ12万2,081名の治療に当たるなど、本県における障害者歯科診療の拠点施設としての重要な役割を果たしております。
このほか県内には、総合リハビリテーションセンター、社会福祉事業団が行う皆光園、そうか光生園、あさか向陽園、嵐山郷の五施設が障害者の歯科診療に当たっております。しかし、これら歯科診療の受診待機期間は年々延び続け、口腔保健センターにおいては何か月もの待機期間が生じていると聞いております。
そこで、障害のある方の歯科診療の体制をどのように充実させていくのか、保健医療部長の御所見をお伺いいたします。
今申し上げたとおり、障害者の受診待機期間が延びているのは、障害者手帳を有する医科的疾患の加療中、もしくは管理中の患者が増える中、歯科受入施設が先ほど述べた5カ所と県内に極めて少ないことが原因であり、患者が長期間待つことなく医療が受けられるよう早急に取り組むことが必要です。
そこで、小児専門病院として一般の医療機関では診療困難な子供の患者に対応し、全身麻酔下での歯科治療にも取り組んでいる小児医療センターの歯科の外来初診枠を拡充し、歯科医療を待つ子供の患者の対応をするべきだと考えております。
県立病院では令和3年4月からの地方独立行政法人化を目指しており、今定例会に関連議案が上程されております。そのうち高度専門政策医療の持続的提供と地域医療への貢献は、独法化後、県立病院が果たすべき役割として中期目標案に記載されております。新たな取組をやろうとすると医師の確保が課題となりますが、独法化することで優れた人材の確保ができることもメリットの一つであると、これまでの議会の中で病院事業管理者から答弁があり、大いに期待しているところです。
そこで、歯科医療が必要な患者の受診待機期間を短縮し、早期に治療を受けられるようにするため、小児医療センターの歯科の外来初診枠を拡充できないのか、病院事業管理者にお伺いいたします。 

A  関本建二 保健医療部長

障害者の増加に伴い、障害者の歯科医療提供体制の充実が求められていることから、障害者の歯科治療のほか、歯科保健相談や口腔衛生指導、口腔保健センター等への紹介を行う「障害者歯科相談医」の養成を進めています。
地域で歯科治療を受けることが困難な障害者に対しては、埼玉県歯科医師会口腔保健センター及び県立の5カ所の障害者歯科診療所において、歯科医療を提供しております。
議員お話のとおり、口腔保健センターなどに患者が集中し、治療までの待機期間が長くなっております。
これを解消するため、口腔保健センターでの治療が一定程度終了した患者については、できるだけ地域の障害者歯科相談医などに紹介していけるよう、埼玉県歯科医師会と協議してまいります。
また、さいたま市においては、障害者の歯科診療所の早期開設を目指して、検討を開始したと聞いております。
口腔保健センターの全患者数の約6割がさいたま市民であることから、障害者の歯科診療所開設は、待機の解消にも資するものと期待されます。
今後、さらに障害者歯科相談医の養成を進めるとともに、口腔保健センターなどと地域の歯科診療所との相互の連携を強化することにより、障害者がスムーズに治療を受けられるよう歯科診療体制の充実を図ってまいります。

A  岩中督  病院事業管理者

小児医療センターの歯科の外来初診枠を拡充できないかについてお答えを申し上げます。
小児医療センターの歯科は、入院中の患者さんに対して口腔内の疾患を原因とする重篤な合併症の予防処置を主に提供しています。
また、県歯科医師会口腔保健センターで対応困難な身体的合併症を有する患者さんについても、必要の都度依頼を受け、全身麻酔下での歯科治療に対応しています。
しかしながら、小児医療センターの常勤歯科医師は1名で、医療資源が限られており、現状では全ての御要望にお応えできていません。
議員お話しのとおり、県立病院は令和3年4月からの地方独立行政法人化を目指しています。
独法化のメリットを活かして医師を確保することで、高度専門・政策医療を提供し、地域医療へ貢献するなど、県立病院としての役割をより一層果たすことができるようになります。
一般の医療機関で診療困難な全身麻酔を必要とする子供の患者さんの受診待機期間を短縮し、早期に治療を受けられるようにする、そういった政策医療を実現することは正に県立病院の使命であると考えます。
歯科医師の確保を進め、小児医療センターの歯科の外来初診枠を拡充することについて、しっかりと検討してまいります。

 

 

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

 

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?