トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 令和2年6月定例会 > 令和2年6月定例会 一般質問 > 柿沼貴志(県) > 令和2年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(柿沼貴志議員)
ここから本文です。
ページ番号:179699
掲載日:2020年7月6日
Q 柿沼貴志 議員(県民)
私のここまでの質問の原点には、私の地元の生徒も通学し、髙田教育長も指揮をとられた昼夜開講2部制の吹上秋桜高校の現実があります。昨年度、3年生、4年生は総勢152名でスタートを切りましたが、進路決定できた生徒は107名。大学、専門、就職以外の「その他」に分類された生徒は18名でした。また、そもそも次のステップを見出せず、残念ながら途中で学校を去っていく生徒もいます。先ほどの「その他」と合わせて毎年50名近くの生徒が、次のステージが決まらないまま学校を去っているのです。
私は、様々な問題を抱える生徒たちにとって、高校は社会に出るための準備をする最後のとりで、チャンスになっていると考えています。ここで先を見出せないと、ひきこもりや貧困問題につながってしまいます。埼玉県は、誰一人取り残さない決意として、不登校の生徒も受け入れる体制をとっておりますが、受け入れたからには全ての生徒を次のステージに送ってあげる責任があると思います。吹上秋桜高校には生徒への手厚い支援体制を構築するために、福祉、労働、医療、保健、警察と幅広いネットワークが求められております。この学校にこそ、入学した生徒を誰一人取り残さない教育が待たれているということを、教育長が一番理解しているのではないでしょうか。
また、教育相談部の主任の先生は、夜間勤務にもかかわらず、ほとんど午前中から出勤して、夜は9時過ぎまで生徒と向き合っております。スクールソーシャルワーカーは一日6時間で週2日配属されます。配置校のほかにも2校担当しています。スクールカウンセラーは週に一日の勤務です。このように本県の誰一人取り残さない教育実践は、先生の強い責任感と深刻な労働条件で成り立っているのです。
平成29年9月の定例会において、我が会派の松坂議員の質問に対して、時の教育長は「スクールソーシャルワーカーが教員とともに対応することが重要と考えています。教育委員会としても、これまで以上に福祉部局との連携を密にし、生活保護や就労支援、医療などにもつなげ、生徒を取り巻く環境の課題を解決したいと考えております」と答弁しております。この答弁から3年たっておりますが、教育委員会は専門職としてスクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーの常勤化などを打ち出しているわけではありません。当時の認識のままであると捉えられても仕方のない状況です。
入学した全ての生徒に対して、豊かな学校生活と家庭生活の実現を支援し、社会人として自立した生活を送ることができる若者の育成を目指すために、まずは手厚い支援体制による埼玉県版の「チーム学校」のモデル校を設置してみてはどうか考えます。吹上秋桜高校に常勤のスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー及び就労支援アドバイザーの加配を行い、手厚い支援体制を整備してはいかがでしょうか。誰一人辞めさせない、誰一人も進路未決定者を出さない、このことを単に学校現場に任せてしまうのではなく、生徒、保護者、地域としっかりと向き合い、教育行政の責任として必ず実行していただきたいと考えますが、これまでの豊富な経験も踏まえ、教育長の責任ある答弁を求めます。
A 高田直芳 教育長
吹上秋桜高校には、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー及び教育相談員を配置するとともに、就職支援のための就職支援教員及び就職支援アドバイザーを配置しております。
県といたしましては、モデル校の指定ということは考えておりませんが、議員御指摘の趣旨を踏まえて、各学校の課題に応じて、必要な支援ができるよう、引き続き努めてまいります。
校長のリーダーシップの下、教員とそれぞれの専門職員、保護者が連携し、チーム学校として、多様な生徒に対応した指導体制を構築するよう、県としてもしっかり支援してまいります。
再Q 柿沼貴志 議員(県民)
手厚い支援体制による埼玉県版「チーム学校」のモデル校をということなんですけれども、私は結果が大事だと思っています。今、教育長が吹上秋桜高校の2部制を立ち上げてからちょうど10年がたったんです。しかし、毎年のように2桁以上の生徒が進路未決定のまま学校を去っている現状があります。結果は出ていないとは言いませんけれども、進路未決定者がゼロになるまで努力する必要があると私は考えています。正に教育長の現場主義が貫かれるときだと思いますけれども、システムを変える必要があると思いますが、今、私の伝えた現状をどのように捉えて改善して、進路未決定者を出さないように次のステージにつなぐのか。
もう一度、専門スタッフの常勤化、職務内容の明確化、加配も行うつもりがあるのかどうかを含めて、教育長の答弁をお願い申し上げまして、再質問とさせていただきます。ありがとうございました。
再A 高田直芳 教育長
先ほど申し上げましたように、吹上秋桜高校には、他の学校にも比して、多くの外部人材を手厚く配置しているところでございます。
外部人材活用に係る成果と課題について整理をし、経過を見ていく必要があるのだろうと思っております。
議員御提案のモデル校ということは考えておりませんが、県立高校それぞれが、様々な外部人材を活用しながら、教職員と一体となったチーム学校となるよう、引き続き、積極的に取り組んでまいります。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください