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掲載日:2019年7月11日

令和元年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(日下部伸三議員)

治安とプライバシーについて

Q   日下部伸三   議員(自民

今年の5月28日、川崎市で包丁を持った男がスクールバスを待っていた児童らを次々と襲い、19人が刺され、2人が死亡する事件がございました。平成13年にも大阪の池田小学校で刃物を持った男により児童8人が死亡し、15人が重軽傷を負う同類の事件がございました。私も3人の子供の父親ですが、全くいわれのない理由で子供を殺された親御さんの気持ちを考えると、加害者を生まない社会づくりのようなきれいごとを言っていてよいのかと思います。
そこで、質問いたします。こういう無差別殺人を防ぎようがない事件で片付けてはならないと思いますが、警察本部長の見解を伺います。
私は、こういう無差別殺人を防ぐには、テロ対策と同じ考え方に立つ必要があると思います。つまり、一旦事件が起こってしまえば多数の犠牲者が出ることは避けられず、情報収集により未然に防ぐしかないと考えますが、警察本部長のお考えを伺います。
現在、爆弾テロについては、爆弾の原料となる材料を購入する段階で身分の提示を求める制度になっていると思いますが、同様に刃渡り30センチ以上の包丁を2本以上同時に購入する場合には身分の提示を求める、あるいは医師の守秘義務との兼ね合いがございますが、児童虐待と同様、医療機関すなわち精神科、心療内科、メンタルクリニックなどから危険人物の情報提供を求めることも必要ではないかと考えますが、これらについても警察本部長の見解をお聞かせください。
日本では刃物による、アメリカでは銃による無差別大量殺人がなくならないわけですが、個人情報が当局によって厳しく管理されている北朝鮮や中国でも同類の無差別殺人はあるのでしょうか。分かる範囲で警察本部長、御教示ください。
個人の自由やプライバシーの保護が重要であることは言うまでもありません。誤解のないようにお願いいたしますが、個人の自由やプライバシーと治安は、ある意味では反比例することを私たちは受け入れざるを得ないのではないかとも思います。警察本部長の見解をお聞かせください。

A   富田邦敬   警察本部長

最初に無差別殺人に対する見解でございます。
警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、公共の安全と秩序の維持にあたることを責務としております。
法令に従い、このような事件の未然防止に向けた取組を推進することは、私達の責務と考えております。
川崎の事件は、現在、神奈川県警察が捜査中で、動機等については未だ明らかになっておりませんが、当県では、特に子供の安全を図るため、昨年6月関係閣僚会議で決定された「登下校防犯プラン」に基づいて、教育委員会、学校、保護者及び防犯ボランティア等の関係機関・団体が行う見守り活動と連携し、危険箇所を始め、集団登下校の集合場所やスクールバスの停留所などを含んだ場所の警戒、不審者情報の共有、迅速な対応等を推進しているところであり、今後ともこうした取組を推進してまいります。
次に情報収集による未然防止に関する見解でございます。
警察では、子供を対象とした事件の検挙に加え、県民の皆様からの通報、職務質問、その他の警察活動で把握した不審者情報を収集・分析しているところです。
典型的には、例えば、「家はどこ」とか「お菓子あげる」等の子供に対して声をかける声かけ事案と呼んでおりますが、これは将来、略取・誘拐、性的犯罪等重大犯罪の前兆となりうるものとして、不審者情報として収集しております。
その結果、法令違反がある場合は検挙いたします。
そこに至らない場合でも特定した場合は、警告を行っております。本年5月末現在では、106人に警告等を実施したところであります。昨年に比べて9人多い状態でございます。
先程申し上げましたが、警察と学校は、この不審者情報の共有を図っており、本年5月末現在で、警察から学校へ提供した情報が362件、逆に学校から警察へいただいた情報が215件でございます。
昨年より多くなり、情報共有も活発化しております。
引き続き、情報収集・分析、関係機関による情報共有を進めるとともに検挙、警告を進めてまいります。
次に刃物購入時の身分確認及び医療機関からの情報提供に関する質問でございます。
複数の包丁を購入する者などに対する身分確認でありますが、包丁については、その用途により様々な種類のものが使い分けられており、複数のものがセット販売されることも多く、また、柳刃包丁など刃渡りの長い包丁も食材の調理に有用であることへの配慮が必要となります。
議員御指摘のとおり、硫酸、塩酸等の劇物、あるいは尿素等の爆発物の原料となりうる物質につきましては、ホームセンターや薬局等に対して、毒物及び劇物取締法や警察からの要請に基づきまして、管理の徹底や販売時の本人確認等をお願いしているところです。
これらと比較しましても包丁は、どこの家庭にもある日常的な道具でありまして、その購入に際して、身分証の提示を求めることになりますと、一般社会に及ぼす影響が非常に大きくなります。
現在、銃砲刀剣類所持等取締法においては、業務その他正当な理由がある場合を除き一定の刃体の長さを有する刃物の携帯を規制しています。警察としましては、同法に基づき、本来の目的外に刃物を持ち歩く危険な行為などの取締りを徹底してまいります。
なお、医療機関からの情報提供については、基本的に医療の観点から御判断していただくことと考えております。
北朝鮮、中国での無差別殺人でありますが、これは、お答えする立場にございません。
個人の自由、プライバシーと治安は反比例するが見解はいかがかでございますが、民主主義国家の警察として、個人の自由とプライバシーを尊重しつつ法令に基づき警察活動を推進してまいります。 

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。  

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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