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掲載日:2019年7月12日

令和元年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(永瀬秀樹議員)

密集市街地の改善について

Q   永瀬秀樹   議員(自民

県内には国の基準には該当しないものの、老朽化した木造の建築物が密集し、狭あいな道路や袋路状道路が多く、公園などの公共施設が不十分な、大規模地震時に被害が想定される比較的小規模な住宅密集地が多く点在しています。県はこうした住宅密集地の改善に向け、平成28年に埼玉県住宅密集地改善連絡会議を設置し、準防火地域の指定や感震ブレーカーの配布、緊急避難ルートの整備など燃えないまちづくりに取り組んできました。しかし、県の調査によれば、現在さいたま市を除く62市町村の7割が住宅密集地の対策について未着手で、住宅密集地がどこにあるかすら分からない状況であり、取組が進んでいるとは言えないのではないでしょうか。
住宅密集地の改善を図り、県民の安心・安全な暮らしを守るためには、県がこれまで取組と成果を検証し、改善率、改善目標年度、具体的な取組等について新たに広域的な観点から密集市街地整備方針を策定し、今後の方向性や枠組みを示し広く発信するとともに、市町村への技術的、人的、財政的な支援や国への働き掛けを行い、計画性とスピード感を持って取り組むことが必要と存じますが、いかがでしょうか。
次に、危険密集市街地の解消についてお伺いします。
危険密集市街地とは、2012年に国土交通省が公表した地震時等に著しく危険な密集市街地のことで、17都府県で約5,745ヘクタールあると公表されました。県内では唯一、川口市芝地区の2地区に54ヘクタール存在します。国の公表後、川口市では住宅市街地総合整備事業等の取組を行い、解消に努めていますが、一向に解消は進んでいません。
一方、2012年の公表時、1,683ヘクタールの危険密集市街地があった東京都は、密集市街地を含む改善が必要な地区を平成32年度までの10年間、不燃化特区と定めて古い住宅の解体や建替え費用を補助するなど独自の制度を設けて解消を図り、316ヘクタールまで減少させています。
また、全国最大の2,248ヘクタールの危険密集市街地を抱えていた大阪府では、大阪府密集市街地整備方針を定め、整備主体である市に対して土木事務所に密集市街地担当を配置、民間事業者への働き掛けや密集市街地対策プロジェクトチームの設置、市に対する府の補助の拡大など技術的、人的、財政的な様々な支援を行い、約363ヘクタールを減少させました。
一たび火事が起きれば簡単に燃え広がるおそれがあり、地震などで倒壊が起きやすく、防災上大きな課題を抱える川口市芝地区の危険密集市街地の一刻も早い解消に向けて、県もより一層の技術的、人的、財政的な支援をすべきと考えますが、いかがでしょうか、都市整備部長の御所見をお聞かせください。

A   和栗   肇   都市整備部長

まず、県が広域的な密集市街地整備方針を策定し、計画性とスピード感を持って取り組むことが必要と考えるがいかがかについてでございます。
東京都や大阪府の密集市街地は、密集度合いなど特性の類似する地域が広域的に分布しており、都や府が一律に密集市街地対策の方針を立て、その改善に向けた取組を進めております。
一方、県内の住宅密集地は、いわゆるミニ開発や旧市街地の密集地などであり、比較的小規模ないわゆる住宅地として点在している傾向にあります。
このため、都や府のような一律の方針に代えて、それぞれの地域の実情にあった計画を策定することが、県内の住宅密集地対策に、最も有効であると考えております。
そこで、県では、県内の全市町村へ働きかけ、平成28年度に「住宅密集地改善連絡会議」を設置し、先進的な取組や制度を市町村と共有してまいりました。
この連絡会議の中で、各市町村に対し住宅密集地の把握状況を確認したところ、議員お話しのとおり、7割の市町村が地区を特定していない状況でございました。
このため、地域の実情に詳しい市町村が主体的に取組めるよう、平成30年度に県が、住宅密集地の特定基準や計画策定の考え方、改善手法の事例などを盛り込んだ「住宅密集地改善の手引き」をとりまとめました。
今後、県ではこの手引きを活用し、各市町村による地区の特定や改善対策の推進を支援するとともに、県の職員が市町村に出向き、地域の実情にあった支援を進めてまいります。
次に、川口市芝地区の危険密集市街地の一刻も早い解消に向けて、県もより一層の支援をすべきと考えるがいかがかについてでございます。
県内では、唯一、川口市芝地区が国の公表した「地震時等に著しく危険な密集市街地」になっております。
密集市街地は、ひとたび火災が起きると、次々と燃え広がる危険があると指摘されています。
川口市では、危険密集市街地での延焼防止に効果のある道路拡幅を中心に改善を進めております。
危険密集市街地の改善を推進するためには、そこにお住いの方々に危険密集市街地における危険性のご理解とご協力をいただくことが何より重要です。
東京都や大阪府では、民間事業者などを活用して、危険密集市街地の改善の必要性や各種助成制度の住民説明を行っており、効果を上げていると伺っております。
今後、県といたしましては、危険密集市街地の危険性をご理解いただくために、必要に応じて、川口市が行う住民説明会などへの参画や全国事例の中から川口市に適合する成功事例を紹介するなど、人的支援や技術的支援を行ってまいります。
なお、県の新たな財政的支援の創設は難しいところでございますが、現在、市で取り組んでいる事業費が確保できるよう、あらゆる機会をとらえ国へ要望してまいります。
県では、連絡会議などをより一層活用し、川口市をはじめ県内の市町村とともに、密集市街地の改善に向け、積極的に取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。  

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