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掲載日:2024年10月8日
Q 須賀敬史 議員(自民)
自転車発祥の地とも言われる本県は、自転車保有率日本一に加え、日本一長い川沿いのサイクルロードを持ち、日本一平坦な県土を備えた自転車王国であり、自転車は通勤通学、買い物など日常生活の移動手段として活用されるだけでなく、スポーツやレクリエーションなど健康面、環境面でも良い乗り物として県民の多くが利用しています。
平成24年4月には、歩行者、自転車及び自動車等がともに安全に通行し、かつ県民が安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的として、埼玉県自転車の安全な利用の促進に関する条例が施行され、自転車交通安全教育の推進、啓発、広報活動の実施、自転車損害保険等への加入の努力義務などが規定されました。しかし、近年、自転車事故による高額賠償事例が全国各地で散見されるなど、自転車事故に対する社会的な責任の重みが増してきている状況にあります。
こうした状況を踏まえ、我が自民党議員団では埼玉県自転車の安全な利用の促進に関する条例を一部改正し、本県で自転車を利用する全ての人を対象に自転車保険の加入を義務化し、学校等における保険加入の確認と保険等に関する情報の提供について努力義務を規定しました。改正条例の施行からまだ半年ですが、自転車保険の加入状況に関する県政サポーターへのアンケート結果では、加入状況が64%にとどまっており、加入促進に向けて更なる啓発が必要な状況であります。
さて、本県における平成29年中、交通事故による人身事故件数は2万6,276件、負傷者数は3万2,022人で、どちらも7年連続で減少しています。しかし、交通事故による死者数は177人で、前年に比べ26人増加しており、全国ワースト2位でした。平成29年中の交通事故死者数177人と同数であった平成27年には、65歳以上の高齢者の死者数が81人であったものが、平成29年には95人へと大幅に増加しており、全体に占める高齢者の割合が半数以上となっています。
平成30年8月末現在の交通事故死者数は121人、前年同月よりも15人増加し、残念ながら全国ワースト2位を継続しています。そのうち自転車事故死者数は30人、残念ながらこれは全国ワースト1位であり、交通事故全体だけではなく、自転車事故でも死者の半数を占めるのが高齢者という状況です。
自転車の安全な利用方法を啓発する情報サイト、自転車の安全利用促進委員会によると、全国での高齢者による自転車事故は約2万件発生しています。出会い頭の事故が群を抜いて多く、またハンドル操作が制御できなかったり、意識と異なる方向にハンドルを切ってしまったりするハンドル操作ミスも高齢者事故の特徴です。また、ふらつきなどによる単独の転倒事故も年間600件発生しています。
普及が進んでいる電動アシスト自転車は、高齢者に多い事故を防ぐためにも推奨されています。その理由の一つに、低速時でもふらつきが少ないため、ハンドル操作ミスの防止に役立つというものです。また、力を入れてこがなくても簡単に発進でき、一時停止したり信号を守ったりするといった交通ルールを守りやすいという点も推奨理由の一つということです。
全国で最も早いスピードで高齢化が進むと言われている本県において、早急に高齢者の自転車事故対策を行う必要があります。
防災の分野では、地域の自主防災会から選任され、研修を受けた自主防災リーダーが地元自治会などで防災意識の向上や啓発を行っています。そこで、高齢者の自転車の交通事故死者数を減少させるためには、地域ごとの交通安全リーダーのような指導者的な方を養成し、高齢者の方々に対してきめ細かく交通安全の啓発や交通マナーの向上、推奨する自転車の情報提供を行うなどの活動を推進していくことが重要だと考えますが、どのような対策を実施していくのか、警察本部長の御所見をお伺いします。
A 富田邦敬 警察本部長
地域ごとの交通安全リーダー育成と議員からお話がありましたが、これは交通安全教育の一つと捉えているところでございます。
交通安全教育は、交通指導取締り、交通安全施設整備と並ぶ交通安全対策の柱でございます。
平成3年以降でございますが、当県におきまして、自転車乗車中の65歳以上の高齢者の死者数が年間30人以上となり、平成17年には39人に達しております。
そこで警察では、悪質な運転者に対する指導取締りは無論ですが、これと並行しまして、平成17年度より、老人クラブ等に働きかけ、高齢者に対し、自転車に対する交通法規や運転技能について理解していただき、さらにその知識を他の方にも広めていただくという自転車安全講習を実施しております。
平成29年度は122回、2,827人の高齢者の方に参加していただきました。
この他、平成22年より、県下全域から集まっていただいた高齢者117人による交通安全高齢者自転車大会も開催しております。
また、平成23年度より、主として高齢者の方に各警察署長が委嘱をし、交通安全に関する街頭での広報啓発活動等を実施していただく高齢者交通安全声掛け隊というものを設置しております。
平成29年度には、約2,100人に委嘱し、街頭等において、自転車の安全利用等のアドバイスを実施していただいたところでございます。
これらの結果ですが、自転車乗車中の高齢者の死者数は、平成29年は19人で、平成17年と比較すると、51.3%の減少となっており、同時期の全死者数が45.0%減少ですから、それよりも減少いたしました。
しかしながら、依然として19人の高齢者の方が亡くなっておりますし、また、議員御指摘にあったとおり、歩行者を含む高齢者の死者数全体は平成26年以降大幅に増加している状況にあることから、依然として深刻な状況が続いていると認識しております。
警察としましては、引き続き、まずは悪質又は危険な運転者に対する取締りを行いますが、並行して高齢者に対する交通安全教育を行い、交通安全に向け努めてまいりたいと考えております。
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