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掲載日:2025年4月22日

令和4年度終了研究課題(化学物質・環境放射能担当 R3~4 原子力発電所事故10年後における生態園での環境放射能の現況及び変遷)

(化学物質・環境放射能担当:落合、伊藤、大塚、蓑毛、堀井、竹峰、渡辺)

平成23年3月の福島第一原子力発電所事故により、ヨウ素131、セシウム134、セシウム137といった人工の放射性物質が環境中に飛散し、一部は埼玉県に到達した。事故から10年が経過した令和3年3月においても、半減期の長いセシウム137は環境中に残留しており、長期に渡る環境への影響が懸念されている。事故後、埼玉県においても、放射性物質による環境への影響を把握するために環境放射能水準調査、県独自の環境放射能調査及び空間線量調査が実施されてきた。センター生態園では、平成23年度から土壌、水質、底質、動植物等多種に渡る環境試料について継続的に放射能濃度が測定されてきた。センターの研究事業としても、地目別の土壌における放射性物質の化学的形態及び深度分布状況、水系における放射能濃度の変動及び移行状況を調査しており、生態園にある放射性物質の環境動態についても知見が蓄積されている。そこで、これまでの調査内容について現況を確認するための調査をするとともに、深度方向や水平方向の放射性物質の分布についても詳細に調査をし、生態園での環境放射能の蓄積・移行状況について総括することを目的とする。

令和3年度調査で放射能濃度の減少傾向が確認されなかったマツモ及び林地の土壌について令和4年度に調査を行ったところ、マツモ以外の動植物及び池の水質は調査を開始時点から放射能濃度が減少していることを確認した。

《研究の概要》(PDF:233KB)

令和6年度研究審査会コメント

  • 半減期を得ることも重要な課題であるが、本課題では、環境中の濃度変化が少ないことから、生物体内の濃度変化から物質収支を求め、生長に伴う収支を求めることも可能である。また論文として投稿する際にも、生長に伴う収支を仮定して、それから求まる濃度と比較することが高評価につながる。
  • 事故発生後から継続実施されている貴重な調査であり、地域的な環境・安全管理の点からも学術的観点からも有用な成果を生みだしている。
  • 福島原子力発電所事故から10年間にわたって行った環境放射能モニタリングの結果から、変遷と現状が見て取れる。地域の住民にとって有益な記録であると思います。
  • 評価の難しい生物での放射性物質の動態について検討をされており、貴重なデータが得られている。県内での放射性物質の挙動の例となり、放射性物質への県民の不安を払しょくできるデータとなっている。

お問い合わせ

環境部 環境科学国際センター 研究企画室

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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