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掲載日:2026年2月6日

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NPO活動体験レポート 第7回 特定非営利活動法人NPUサイエンスアカデミア

代表理事の野澤 直美さんにお話を伺いました!

写真:代表理事の野澤 直美さん【代表理事の野澤 直美さん】

設立経緯を教えてください。

私が客員教授を務める日本薬科大学に「子ども大学※」の依頼があったことがきっかけでした。最初は一日薬剤師体験などをやっていましたが、将来全員が薬剤師になるわけではないので、環境に関する実験を取り入れたのが活動の始まりです。

今、実験をあまりやらない学校が増えており、実践的なスキルが欠けている学生たちが多いと感じています。そのため、小学生くらいからの人材育成が必要であると考えています。

そこで、自身の退職後もこの活動を継続し、こどもたちの科学する心を醸成したいという思いから、当時の学部長や高校の先生方の賛同を得て、約2年の準備期間の後、令和元年5月に法人を設立しました。

※子ども大学…2002年にドイツで始まった取組で、埼玉県では平成22年度から開校を推進しています。大学のキャンパス等で大学教授や専門家が講師となり、こどもの知的好奇心を刺激する講義や体験活動を実施しています。

日頃の活動について教えてください。

自治体や学校からの依頼を受けて実施する「夏休みの実験講座」や「薬物乱用防止教室」、法人が自主的に実施する「秩父サイエンスアカデミー(実験教室及び研究発表会)」が主な活動です。

私が秩父の生まれなので、自然豊かな秩父地域のこどもたちが自然の仕組みを理解することで、観察力が高まり、科学への興味が深まることを目指して活動しています。

また、実験には必ず親御さんにも参加していただきます。親子で一緒に体験してもらうことで、家庭で科学について話す機会を増やし、こどもの科学する心を醸成したいと考えています。

写真:インタビューの様子(1)

苦労したことや、大変だったことを教えてください。 

「秩父サイエンスアカデミー(研究発表会)」では、毎年新しいテーマや発表者を見つけることが大変です。広範なネットワークを持っていないと情報は入ってこないので、人とのつながりが不可欠です。大学に籠っていたら見つかりません。

他には、「秩父サイエンスアカデミー(実験教室及び研究発表会)」への参加を呼びかける労力です。秩父管内の小学校へチラシを配布するのですが、なかなか集まりません。二次元コードでの申し込みシステムを導入しても、人数的には変わらない状況です。

他の地域では募集定員の2倍に達するほど盛況なのですが、秩父地域では定員に達したことがありません。準備した実験道具が余ってしまうこともあるので、どうやって募集をかけるかが今後の課題です。

写真:インタビューの様子(2)

今後の目標を教えてください。

活動に参加したこどもたちが将来、一人でも科学に興味を持って、あるいは科学分野でリーダーになってくれたらと思います。必ずしも学者にならなくていいので、例えば学校の先生として、科学の面白みを次の世代に伝えられるような人間に育ってほしいと思います。

地域活動への参加に二の足を踏んでいる方へのメッセージをお願いします。

大学や自治体、教育委員会などとの連携が重要だと思います。活動には資金面での課題もありますが、補助金や表彰制度を活用することで、活動を継続することができます。実際に補助金をもらった際には、備品の購入や弁当代、役員の旅費などに充てることができ、助かりました。資金面だけでなく、様々な連携や支援を得るために、働きかけをしていただければと思います。

[取材日:2025年12月17日]

当センター職員がNPO活動(地域活動)を体験しました!

体験したNPO活動(地域活動)は?

秩父サイエンスアカデミーの実験教室及び研究発表会の運営を体験させていただきました。

秩父サイエンスアカデミー(実験教室)

令和7年11月22日(土曜日)、埼玉県立秩父高等学校(以下、秩父高校)にて「秩父サイエンスアカデミー(実験教室)」が開催されました。

秩父サイエンスアカデミー(実験教室)とは、環境問題に関する講義と実験を行う小学生向けの実験教室で、毎年異なるテーマで開催しています。今年は「海の酸性化」をテーマに、二つの講義と実験が行われました。

9時から受付が始まり、小学生10人とその保護者らが集まりました。

写真:当センター職員が受付及び参加費の徴収をする様子【当センター職員が受付及び参加費の徴収をする様子】

一つ目の講義は、特定非営利活動法人秩父百年の森(以下、秩父百年の森)島﨑さんによる「森と海の関わり」です。

両者は一見独立しているようにも思えます。しかし、実際には海から蒸発した水分が雲となり森に雨を降らせ、その雨水が地中を流れやがて海へと戻っていく、というように水を介して森と海はつながっているそうです。さらに、地中を流れる過程でたくさんのミネラル分を蓄えた水は、植物プランクトンのエサとなり、豊かな海をつくるそうです。

写真:講義をする島﨑さん【講義をする島﨑さん】

二つ目の講義は、特定非営利活動法人NPUサイエンスアカデミア(以下、NPUサイエンスアカデミア) 野澤さんによる「海の酸性化の原因と影響」です。

二酸化炭素が大気中に増えると「地球温暖化」、海水に溶け込むと「海の酸性化」が起こるそうです。海水はアルカリ性のため酸性の二酸化炭素が溶け込みやすく、酸性化すると生態ピラミッドの最下層である植物プランクトンが減少します。すると、ピラミッドの頂点であるヒトが最終的に被害を受けてしまうそうです。 

大人が聞いても難しいと感じる瞬間があった中で、こどもたちは頷きながらお二人の講義を聴いていました。

写真:講義をする野澤さん【講義をする野澤さん】

約50分の講義を終え、実験が始まりました。「海の酸性化」の原因である二酸化炭素が持つ、三つの性質を調べます。当センター職員はこどもたちの実験補助をさせていただきました。

ペットボトルで重曹とクエン酸を反応させ、二酸化炭素を発生させます。そこにロウソクを入れると、一瞬で火が消えました。これが一つ目の性質です。

写真:ロウソクの火が消える瞬間【ロウソクの火が消える瞬間】

二つ目は、重さです。会場の空気を入れた袋と二酸化炭素を入れた袋を天秤にかけると、二酸化炭素を入れた袋のほうに傾きました。空気よりも重いことがわかります。

写真:天秤が二酸化炭素を入れた袋のほうに傾く様子【天秤が二酸化炭素を入れた袋のほうに傾く様子】

三つ目は、酸性を示すことです。海水と同じ弱アルカリ性である木灰に、ストローで息を吹き込みます。すると青緑色から少しずつ、酸性を意味する赤みが強くなっていきました。

写真:息の代わりにボンベで二酸化炭素を吹き込む様子【息の代わりにボンベで二酸化炭素を吹き込む様子】

最後に入浴剤(バスボム)を作ります。入浴剤をお風呂に入れると二酸化炭素が発生します。二酸化炭素が皮膚から吸収されると、毛細血管が拡張し、血流が良くなるそうです。

親子や友達どうしで「何色がいい?」「青色がいい!」と楽しそうなのが印象的でした。

写真:こどもたちが入浴剤を作っている様子【こどもたちが入浴剤を作っている様子】

【主催】NPUサイエンスアカデミア、秩父高校【共催】日本薬科大学、秩父百年の森【後援】秩父郡市の教育委員会

秩父サイエンスアカデミー(研究発表会)

令和7年12月20日(土曜日)、秩父看護専門学校にて「秩父サイエンスアカデミー(研究発表会)」が開催されました。

秩父サイエンスアカデミー(研究発表会)とは、秩父の森や自然をテーマに研究を重ねた社会人や小中高生たちによる研究成果の発表と意見交換をとおし、秩父の森や自然に対する理解を深めることを目的とした事業です。

今年は7報の発表がありました。秩父地域の自然について知見を深める貴重な機会なので、とても楽しみでした。

12時に集合し、打合せと会場設営、資料準備を始めます。

写真:運営スタッフの皆さんと資料を組む様子【運営スタッフの皆さんと資料を組む様子】

受付が始まると、続々と聴講者がやってきました。発表が始まる頃には会場はほぼ満席で、途中参加のかたに向けて追加で椅子を出すほどの盛況でした。

写真:当センター職員が受付及び資料配布をする様子【当センター職員が受付及び資料配布をする様子】

小学生から企業まで、様々な分野の発表があり、質疑応答も活発に行われました。毎年開催できているのは、野澤さんの人脈、人望によるものだと感じました。

各発表は以下のとおりです。

<発表1>うら山のカエル〜色違いのアズマヒキガエルについて〜(皆野町立国神小学校)

<発表2>オオキンケイギクについて(秩父高校)

<発表3>両神山の未来のために(秩父高校)

<発表4>第3のみつの研究〜ウメの優位性とその課題〜(埼玉県立秩父農工科学高等学校)

<発表5>ドローンの社会実装を目指した秩父市の取り組み(秩父市先端技術推進課)

<発表6>活樹で拓く埼玉林業経営の未来〜「地籍調査」から「荒川流域圏連携」のロードマップ〜(株式会社ウッディーコイケ)

<発表7>飯能地方のモモンガの生態(埼玉県立名栗げんきプラザ)

写真:発表1の様子 写真:発表6の様子

【主催】NPUサイエンスアカデミア、【共催】日本薬科大学・秩父百年の森、【後援】秩父市、埼玉県秩父農林振興センター、秩父看護専門学校

NPO活動(地域活動)を体験した感想は?

秩父サイエンスアカデミーの実験教室と研究発表会の業務を体験させていただきました。

実験教室では、大人も楽しめる興味深い講義と懐かしさのある実験を通じ、有意義な時間を過ごすことができました。こどもたちが真剣な表情で難しい講義に取り組む姿勢に大きな刺激を受けました。

研究発表会では、幅広い年代の来場者で満員となり、NPO法人の活動が地域に根付いていることを実感しました。秩父地域の恵まれた自然の中でこどもたちの知的好奇心がさらに刺激され、将来の研究者が育つことを願っています。

このような活動は地域活性化と人材育成に意義があり、NPO法人の可能性を強く感じた貴重な体験でした。

[体験日:2025年11月22日、同年12月20日]

お問い合わせ

企画財政部 秩父地域振興センター 総務・防災・県民生活担当

郵便番号368-0042 埼玉県秩父市東町29番20号 埼玉県秩父地方庁舎1階

ファックス:0494-24-1741

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