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掲載日:2025年9月18日

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風しん(3日はしか)について

  1. 概要
  2. 症状
  3. 治療
  4. 感染経路・潜伏期間
  5. 予防
  6. その他

1 概要

風しんは、マトナウイルス科ルビウイルス属に属するRNAウイルスである風しんウイルスによって引き起こされる急性感染症です。

主にくしゃみなどのしぶきによる「飛沫感染」によって広がります。

感染後2~3週間の潜伏期間を経て発症します。「発熱」や「全身の小さな赤い発しん」、「リンパ節(主に首、後頭部、耳の後ろ)の腫れ」を三主徴とし、一般的には軽症で自然に回復することが多い感染症です。

世界的には、WHOが風しん排除を目標に掲げており、各国で対策が進められています。西太平洋地域(日本を含む)では乳幼児への風しん含有ワクチン導入率が高く、罹患率が大幅に低下しています 。

日本国内では1990年代前半までは周期的な流行がありましたが、予防接種の拡大により流行は減少しました。しかし、平成16年(2004年)、平成24年(2012年)~平成25年(2013年)、平成30年(2018年)~平成31年(2019年)には成人男性を中心とした全国的な流行が発生し、先天性風しん症候群(CRS:Congenital Rubella Syndrome)の報告がありました(下記:先天性風しん症候群(CRS)参照)。

妊娠中はワクチン接種ができないため、免疫がないまたは十分でない妊婦さんの場合、本人や周囲のかたが風しんにかからないように予防に努めることが非常に重要です。

2 症状

症状

感染後2~3週間の潜伏期間を経て発症します。「発熱」・「発しん(全身の小さな赤い発しん)」・「リンパ節の腫れ(主に首、後頭部、耳の後ろ)」が三主徴です。半数でしか発熱が認められないこともあります。一般的には軽症で自然に回復することが多い感染症です。

発熱・発しんは数日で消失しますが、リンパ節の腫れは3~6週間続きます。成人では関節炎症状も認められることもありますが、基本的には自然に回復します。感染しても発症しない(不顕性感染)こともあり、小児では 30~50%、大人では15%程度と言われています。

発症しても症状の全てが揃わない場合も多くありますが、脳炎や血小板減少性紫斑病等の合併症を認めることもあり、入院加療を要することもあります。

先天性風しん症候群(CRS)

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先天性風しん症候群(CRS)は、⾵疹に対する免疫がない、または⼗分でない妊婦さん(特に妊娠20週頃まで)が⾵疹ウイルスに感染すると、死産や流産、または出⽣児に先天性⼼疾患、難聴、⽩内障の三徴を含めた様々な症状を示す症候群のことです。

先天性風しん症候群(CRS)自体の治療法はありません。心疾患は疾患により軽度であれば自然治癒することもありますが、手術が可能になった時点で手術を行います。白内障についても同様です。

先天性風しん症候群(CRS)の予防は、妊娠前に十分高い抗体価を持つことです。ワクチンで防ぐことができるため、妊娠を希望する場合は、妊娠前にワクチン接種を受けることを積極的に検討しましょう。

妊娠中はワクチン接種ができないため、免疫がないまたは十分でない妊婦さんの場合、本人や周囲のかたが風しんにかからないように予防に努めることが非常に重要です。

3 治療

特異的な抗ウイルス薬がないため、発熱や倦怠感などの症状に対して対症療法を行います。

4 感染経路・治療

多くの場合、近くで患者が咳やくしゃみをした際にウイルスが周囲に舞い、そのしぶきを吸い込むことによって感染します(飛沫感染)。潜伏期間(感染から発症するまでの期間)は14~21日(平均16~18日)とされています。発疹の出現前後1週間は患者からウイルスが排出されていて、発症前でも感染する可能性があります。

5 予防

飛沫感染を防ぐには、マスク着用や咳エチケット、手洗いなどの対策が有効です。また、風疹はワクチンで防げる病気なのでワクチン対策が基本となります。現在はMR(麻しん・風しん混合)ワクチンが用いられています。定期接種として、満1歳(第1期)と就学前1年間(第2期)の2回の接種が行われています。対象のお子さんは、かならず予防接種を受けましょう。

定期接種の標準的な接種期間

第1期:生後12月から生後24月に至るまで
第2期:小学校就学前の1年間
※定期予防接種について詳しくは、お住まいの市町村役場の予防接種担当窓口にお尋ねください。

定期予防接種の対象者以外のかた

定期予防接種の対象者以外のかたは、任意に自費で接種することとなります。一部の市町村では助成制度があります。また、埼玉県では風しん抗体検査事業を行っています(下記参照)。特に妊娠中のかたの感染を予防するため、次のような方は接種をご検討ください。(抗体価が十分であると確認できた方を除きます。)

(1)妊婦の夫、子どもその他の同居家族
(2)10歳代後半から40歳代の女性(特に、妊娠希望者又は妊娠する可能性の高い方)
(3)産褥早期の女性

※注意:妊娠中は予防接種を受けることができません。また、予防接種後2~3か月は、妊娠を控えましょう。なお、任意接種(MRワクチンなど)については、かかりつけ医などの医療機関にご相談ください。

※風しんの単抗原ワクチンは生産量が少ないため、ワクチン接種を希望される場合は、麻しんにも効果のあるMRワクチンを接種されることをお勧めします。

6 その他

感染症法・学校保健法に基づく取り扱い

風しんは感染症法における五類感染症の全数把握対象疾患であり、先天性風しん症候群(CRS)も同様に五類感染症の全数把握疾患です。学校保健法では第二種感染症に分類されています。

予防接種の追加措置について

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昭和52年(1977年)に中学生女子を対象に風しん単価ワクチンが集団接種として始まりました。平成6年(1994年)には男女幼児にも拡大、平成18年(2006年)からはMRワクチンの2回接種体制が始まりました。しかし、その過程で一部の世代(特に男性)に接種の機会がなかったため、平成以降も成人男性を中心とした流行が繰り返されました。平成24年(2012年)から平成25年(2013年)にかけての風しんの流行では、男性は20歳代から40歳代、女性は20歳代のかたが多くみられました。そして、風しんにかかった場所として最も報告が多かったのは「職場」でした。職場内で感染を拡げないために、職場での対策も重要となります。

そこで平成31年(2019年)度から令和初期までの3年間、昭和37年(1962年)4月2日~昭和54年(1979年)4月1日生まれの男性を対象に「第5期」として抗体検査及び予防接種を無料で提供する追加措置が行われました 。令和6年(2024年)11月までに、この対象者のうち約32.4%が抗体検査を受け、7.0%が予防接種を受けたという実績があります 。

※風しんの追加的対策は令和7年(2025年)3月31日をもって終了しました。なお、令和7年(2025年)3月31日までに抗体検査を受検し陰性だった方のうち、「ワクチンの偏在等に起因して接種対象期間内に定期の予防接種を受けられなかった」と考えられる方は特例措置の対象となる可能性があります。詳細はお住まいの自治体にお問合せください。また、埼玉県では風しん抗体検査事業を行っています(下記参照)。

埼玉県風しん抗体検査事業

埼玉県では風しん抗体検査事業を行っています。

妊娠を希望される女性やその配偶者、低抗体価の妊婦の配偶者は、県やさいたま市、川越市、越谷市及び川口市が実施する「風しん抗体検査」を受けることで、ご自身に風しんの発症や重症化を予防できる免疫があるかを確認することができます。

この事業の対象者は、検査日時点で埼玉県内の市町村(保健所設置市であるさいたま市、川越市、越谷市及び川口市は除く。)に住民登録がある方で、要件の全てに該当する方です。
ご希望のかたは、下記でご自身が対象者としての要件を満たしているかご確認ください。

 

埼玉県風しん抗体検査事業 詳細はこちら(別ウィンドウで開きます)

 

抗体を持たない又は抗体価が低い妊娠前期の女性が風しんにかかると、心疾患や白内障、難聴など先天性⾵疹症候群(CRS)の子が生まれることがあります。

妊娠中の女性は予防接種が受けられないため、抗体を持たない又は抗体価が低い妊娠中のかたは、可能な限り人混みを避け、不要不急の外出を控えるようにしましょう。

妊婦の周りにいる方は、たとえ症状が軽いといわれる風しんであっても、風しんにかからないように予防対策を行い、妊婦にうつさないようにすることが非常に重要です。

 

お問い合わせ

保健医療部 感染症対策課 感染症担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎4階

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