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掲載日:2024年3月26日

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答申第2号「建設業許可業者データ」の開示決定についての開示の実施方法(平成14年3月29日)

答申第2号(諮問第17号)

答申

1 審査会の結論

「建設業許可業者データ」について実施機関が開示決定し開示の実施方法として、MOディスクにより写しを交付したことは妥当である。

2 異議申立て及び審査の経緯

(1) 異議申立人は、平成13年8月13日、埼玉県情報公開条例(以下「条例」という。)第7条の規定に基づいて、条例上の実施機関である埼玉県知事(以下「実施機関」という。)に対し、「建設業者一覧」の開示を請求した。この際、公文書開示請求書の「開示の実施の方法」欄に「電磁的記録媒体に複写したものの交付(CD-Rに複写しての交付を希望)」と記載した。

(2) 実施機関は、「建設業許可業者データ」を請求対象公文書として特定し、平成13年8月24日付けで、開示決定を行った。当該公文書開示決定通知書には「求めることができる開示の実施の方法」欄に「文書又は図画の「1閲覧」及び「2写しの交付」と、電磁的記録の「1用紙に出力したものの閲覧」、「2用紙に出力したものの交付」、「3専用機器により再生したものの閲覧、聴取又は視聴」及び「4電磁的記録媒体に複写したものの交付」が求めることができる開示の実施方法となりますが、開示請求書の求める開示の実施の方法及び連絡調整の結果、電磁的記録の「4電磁的記録媒体に複写したものの交付」になります。」と記載し、「備考」欄において、「交付する電磁的記録媒体はMOになります。」と記載した。

(3) 異議申立人は、平成13年8月29日付けの異議申立書(以下「異議申立書」という。)により、実施機関に対し、開示の実施方法として請求人が求めた方法と異なる開示方法で開示したとして異議申立てを行った。

(4) 実施機関は請求人に対し、平成13年9月12日、県政情報センターにおいてMOを交付し開示の実施を行った。

(5) 当審査会は、本件異議申立てについて平成13年11月30日付けで実施機関から条例第22条の規定に基づく諮問を受けた。

(6) 当審査会の本件審査に際し、実施機関から平成13年12月20日付けの開示決定等理由説明書(以下「理由説明書」という。)の提出を受け、申立人から平成14年1月30日付けの反論書(以下「反論書」という。)の提出を受けた。

(7) 当審査会は、平成13年12月27日に、実施機関である建設業課の職員から事情聴取を行った。
なお、異議申立人は、当審査会に対する口頭による意見の陳述を求めていない。

3 異議申立人の主張の要旨

異議申立人が主張している要旨は、おおむね次のとおりである。

(1) 開示の実施方法として請求人が求めた方法と異なる実施方法で開示を実施した本処分は、知事が行う公文書の開示等に関する規則(以下「規則」という。)第5条第2号に定める「電磁的記録媒体に複写したものの交付が容易であるときは、当該電磁的記録媒体に複写したものの交付」に違反している。

(2) 埼玉県知事は、理由説明書において「全県庁での取扱として「業務上使用している機器を用いるのでなければ、交付が容易であるとは言えない。所有している課に機器を借りて複写をするのは交付が容易であるとは言えない。」との見解が示された。」と記述しているが、この記述こそが唯一の根拠であり、知事が単なる見解をもって運用することは許されない。

(3) 一般的器具に関し隣課機器の一時的借用などは一般的に行われていることであり、自課使用機器の利用以外は「容易でない」とする判断は極めてアブノーマルかつ意図的な判断である。実施機関は当初、隣課機器を借用して対応すると回答していた。本件処分は、社会通念上「容易である」ものを悪意を持って意図的に「容易でない」として部分開示決定したものと考えざるを得ない。

(4) MO読取装置は高価でありパソコン利用者に普及しておらず、また、MOディスク自体も1枚当たりの単価が高価であるという事実がある。条例第3条には、県民が県政に関する正確でわかりやすい情報を迅速かつ容易に得られるよう努めることが県の義務として定められており、当該「容易」の意味するところは、県民の利用手段および経済面を含むことは明らかである。

4 実施機関の主張の要旨

異議申立てに対する実施機関の主張は、おおむね次のとおりである。

(1) 条例を施行するに当たっては規則に定めのある事項の他、その細部については運用や解釈にしたがい実施していくことになる。見解についてはあくまでも運用や解釈と同義のものであり、条例を施行するに当たってその裁量の範囲内で示された事項だと理解している。

(2) 複写機などについては、一時的に借用することもあるが、大量の電子データの複写については、そのデータの移送の問題などがあり、一概に「容易でない」との判断がアブノーマルとは言えない。また、隣課機器の一時的借用による写しの交付の対応が可能である旨を回答したことについては、隣課にはCD-R記録装置は存在するものの、当該装置は「埼玉県魅力ある建設事業推進協議会」の所有物であり、県有備品ではなく、当該装置を他の事業の目的のために自由に使用できるものではない。当該回答は、隣課に機器が存在する事実のみをもって回答したものであり、このような状況を踏まえれば「容易」と判断することはできない。

(3) また、異議申立人は反論書で「部分開示決定が行われた」と主張するが、本件は、情報の開示方法についての問題であり、部分開示ではなく全部開示と認識している。

(4) 条例第3条の趣旨は、公文書開示制度のみでなく情報の提供に関する施策を拡充することによって情報公開を総合的に推進するよう県に対して努力義務を課しているものである。庁内においてはCD-Rは普及しておらず、これらの状況からMOにより写しを交付しても、それが第3条に違反しているとまでは言うことはできない。県は電磁的記録の交付媒体の標準としてMOを定めているわけでなく、今回の開示請求に対する個別の対応として、MOでの交付になったものでありその高価性について一般論として論じるものではない。

5 審査会の判断

当審査会は、本件事案について審査した結果、次のとおり判断する。

条例第18条第1項では、「公文書の開示は、文書又は図画については閲覧又は写しの交付により、電磁的記録については視聴、閲覧、写しの交付等その種別、情報化の進展状況等を勘案して実施機関の定める方法により行う。」と規定されている。そして、「実施機関の定める方法」は規則第5条に電磁的記録の開示方法として定められており、同条第2号において、「電磁的記録を専用機器により再生したものの閲覧、聴取若しくは視聴又は電磁的記録媒体に複写したものの交付が容易であるときは、当該電磁的記録の閲覧、聴取若しくは視聴又は複写したものの交付」と規定されている。これらの規定によれば、実施機関は、電磁的記録についてはその開示の実施方法として、電磁的記録媒体に複写したものの交付が容易である場合に、電磁的記録媒体に複写したものの交付を行うことになり、本件開示もこの方法によったものと解することができる。

次に、その交付する電磁的記録媒体に何を用いるかについては、規定には、特段の定めがなく、実施機関の裁量に委ねられているといえる。確かに、実施機関が開示の内容を実質的に損ねる、つまり、不開示と同視できるような開示の実施方法を用いて開示を実施するならば、裁量権の濫用と認められるものである。しかし、本件開示は、実施機関がそこに常備されている機械を利用し対応したものであり、かりに、これが請求人の要望と異なる実施方法であったとしても、裁量権の濫用とはいえない。

したがって、「建設業許可業者データ」について実施機関が開示決定し開示の実施方法として、MOディスクにより複写したものを交付したことは、規則第5条第2号に違反しているとはいえない。

また、本件開示は、実施機関が主張するとおり、条例第3条に違反しているとはいえない。

以上の理由から、「1 審査会の結論」のとおり判断する。

審議の経過

年月日

内容

平成13年11月30日

諮問を受ける(諮問第17号)

平成13年12月20日

実施機関より開示決定等理由説明書を受理

平成14年1月31日

異議申立人より反論書を受理

平成13年12月27日(第7回審査会)

実施機関より意見聴取及び審議

平成14年2月19日(第9回審査会)

審議

平成14年3月15日

実施機関より資料を受理

 

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