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掲載日:2024年3月26日

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答申第1号 「埼玉県国民健康保険診療報酬審査委員会名簿(任期 平成13年4月1日から平成15年3月31日)」の部分開示決定(平成13年12月6日)

答申第1号(諮問第1号)

答申

1 審査会の結論

「埼玉県国民健康保険診療報酬審査委員会名簿(任期 平成13年4月1日から平成15年3月31日)」について実施機関が不開示とした部分のうち、本件異議申立てに係る診療科名(代表区分が保険者及び公益のもの)は、開示すべきである。

2 異議申立て及び審査の経緯

(1) 本件異議申立人(以下「申立人」という。)は、平成13年4月6日、埼玉県情報公開条例(以下「条例」という。)第7条の規定に基づいて、条例上の実施機関である埼玉県知事(以下「実施機関」という。)に対し、「埼玉県国民健康保険診療報酬審査委員会名簿(診療科名入り)任期2001年4月から」の開示を請求した。

(2) 実施機関は、「埼玉県国民健康保険診療報酬審査委員会名簿(任期 平成13年4月1日から平成15年3月31日)」を請求対象公文書として特定し、平成13年4月17日付けで、診療科名(代表区分が保険者及び公益のもの)並びに勤務先の名称、郵便番号、所在地及び電話番号並びに自宅の郵便番号、住所及び電話番号は個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができるものであり、条例第10条第1号に該当し不開示であるとして、部分開示決定(以下「部分開示決定」という。)を行った。

(3) 申立人は、平成13年6月14日付けの異議申立書(以下「異議申立書」という。)により、実施機関に対し、部分開示決定により不開示とされた部分のうち、診療科名(代表区分が保険者及び公益のもの)に係る部分について開示すべきであるとして異議申立てを行った。

(4) 当審査会は、本件異議申立てについて平成13年7月6日付けで実施機関から条例第22条の規定に基づく諮問を受けた。

(5) 当審査会の本件審査に際し、実施機関から平成13年7月31日付けの「開示決定等理由説明書(以下「説明書」という。)」の提出を受け、申立人から同年9月7日付けの「開示決定等理由説明書に対する反論書(以下「反論書」という。)」の提出を受けた。

(6) 当審査会は、平成13年9月18日に、実施機関である国保医療課の職員から事情聴取を行った。さらに、当審査会は実施機関から同年11月7日付けの資料(以下「資料」という。)の提出を受けた。
なお、異議申立人は、当審査会に対する口頭による意見の陳述を求めていない。

3 当事者の主張及び審査会の判断

(1)診療科名と特定の個人を識別することができる情報

申立人は異議申立書において「勤務先名称、所在地、電話番号、自宅住所、電話番号などと異なり、診療科名のみでは個人を特定することは困難である。」と主張している。

これに対して、実施機関は説明書において「診療科名の欄は、委員が医師の場合はその診療科の、そうでない場合は委員の職業等の記載がある部分であり、個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができるものである。識別が困難であるかどうかを問わず、個人が識別され得る限り、原則不開示としているものである。」と主張している。

たしかに申立人が述べるように、診療科名のみでは特定の個人を識別することはできない。しかし、条例第10条第1号の「特定の個人を識別することができるもの」の範囲は、氏名その他の記述等により識別される特定の個人情報の全体であると解せられる。したがって、各々の委員の氏名に対応して記載された診療科名は、特定の個人を識別することができるものであると認められる。

(2)代表区分が保険医の委員の診療科名の開示

実施機関は、代表区分が保険医の委員(以下「保険医代表委員」という。)の診療科名は開示をしている。このことについて、申立人は異議申立書において「診療科名が特定の個人を識別する情報であるとするならば、(保険医代表委員の診療科名についても)開示は慎まれるべきである。」と主張している。

これに対して、実施機関は説明書において「保険医代表委員については、国民健康保険法で委員になる者を保険医か保険薬剤師に限定していることから、その診療科名は、法令若しくは他の条例により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報(条例第10条第1号ただし書イ)であると判断し、開示したものである。職業が限定されていない保険者及び公益代表委員の診療科名を開示しないこととの間に矛盾はない。」と主張している。

国民健康保険法第88条によれば、国民健康保険診療報酬審査委員会(以下「審査委員会」という。)は、都道府県知事が定めるそれぞれ同数の保険医及び保険薬剤師を代表する委員、保険者を代表する委員並びに公益を代表する委員をもって組織されている(第1項)。これらの委員は都道府県知事が委嘱する(第2項)ものであり、さらに当該委嘱のうち保険医及び保険薬剤師を代表する委員並びに保険者を代表する委員については、それぞれ関係団体の推薦によって行うもの(第3項)となっている。

したがって、保険医代表委員については保険医及び保険薬剤師以外の者が委嘱されることはありえない。保険医代表委員の診療科名について、実施機関は資料において「実地のレセプトの審査にあたり、スムーズな審査が行えるようレセプト件数の傾向に合わせた委員構成と、先端医療などの特殊な分野等にも対応ができるよう、特定の診療分野にも偏りのない委員構成を配慮して、各関係団体には、診療科名を付した推薦調書を出すようにお願いをしている。また、審査の都合から名簿に『診療科名』が必要なので、関係団体が推薦調書に記載した『診療科名』をそのまま、診療報酬審査委員会委員名簿の『診療科名』に転記している。」と述べている。

請求対象公文書である「埼玉県国民健康保険診療報酬審査委員会名簿(任期 平成13年4月1日から平成15年3月31日)」においては、保険医代表委員の診療科名は、当該委員が保険医の場合は「小」「内」「外」「整」「胃」「産」「精」「眼」「耳」「歯」等と記載され、保険薬剤師の場合は「調剤」と記載されている。これらの記載は、保険医代表委員が保険医又は保険薬剤師であることを客観的に説明する情報であり、条例第10条第1号ただし書イに該当するとして実施機関が開示したことは妥当である。

(3)保険者及び公益代表委員の診療科名と条例第10条第1号ただし書イの該当性

申立人は反論書において「審査委員会の委員の選任は、診療者側、保険者側、公益側の構成をとることで、審査の公平・適正を担保することが法的に予定されている。さらに、各委員はそれぞれ相当な資格や学識・知見を有することが期待され、その資格は公益代表以外の委員については関係団体の推薦によって担保されている。法律で設置を義務づけられた法定機関が、誰によって構成され、その事務が適正に行われることが期待しうる人的構成であるかどうかは、その審査内容が適正であるかどうかと同じく、常に主権者である国民の検証に晒されることによって試される。」として、条例第10条第1号ただし書イにより開示すべきであると主張している。

当審査会は、保険者及び公益代表委員の診療科名が条例第10条第1号ただし書イに該当するかについて、以下のとおり判断する。

条例第10条第1号ただし書イの「公にすることが予定されている情報」とは、将来的に公にする予定の下に保有されている情報(具体的に公表が予定されている場合に限らず、求めがあれば何人にも提供することを予定しているものも含む。)をいい、ある情報と同種の情報が公にされている場合に、当該情報のみ公にしないとする合理的な理由がないなど、当該情報の性質上通例公にされるものも含むと解せられる。

実施機関が提出した資料によれば「審査委員会が行うレセプト審査は主に専門の診療科ごとに行われ、件数の多い内科、外科、歯科等は地域ごとに担当の委員がいて、その担当地域を順番にローテーションして受け持っている。審査委員会の会長及び会長代行が公益代表の委員から選ばれるほかは、代表区分によって審査委員会での役割に差はない。」とのことである。

審査委員会の委員は保険医及び保険薬剤師、保険者、公益の3種類の代表により組織されているが、各委員の役割は代表区分に関係なく同一である。さらに、診療科名と審査の関係についても、代表区分による違いはみられない。したがって、保険医代表委員の診療科名と保険者及び公益代表委員の診療科名は同種の情報であり、保険者及び公益代表委員の診療科名のみ不開示とすることに合理的な理由は認められない。

したがって、保険者及び公益代表委員の診療科名は条例第10条第1号ただし書イに該当する情報と認められる。

以上のことから、本件異議申立てに係る診療科名(代表区分が保険者及び公益のもの)は、「1 審査会の結論」のとおり、これを開示すべきであると判断する。

審議の経過

年月日

内容

平成13年7月6日

諮問を受ける(諮問第1号)

平成13年7月31日

実施機関より開示決定等理由説明書を受理

平成13年9月10日

異議申立人より反論書を受理

平成13年9月18日
(第4回審査会)

実施機関より意見聴取及び審議

平成13年11月2日
(第5回審査会)

審議

平成13年11月7日

実施機関より資料を受理

平成13年11月13日
(第6回審査会)

審議

 

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