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掲載日:2025年10月1日
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訪問日
令和7年8月1日(金曜日)
訪問地域
県央地域(北本市)
訪問先
令和7年6月、閉校した小学校の跡地をリニューアルし、コミュニティセンター、保健センター、教育センター、市民公益活動センター等を集約した北本市初の複合施設として開設されました。
市民が「つどい」「つながる」ことを目的とし、会議室、調理室、研修室、音楽室、屋内運動場など様々な設備があり、地域交流・学習・文化活動等の幅広い用途に対応しています。
指定管理者には、県内の各公共施設の運営実績がある事業者が選定され、これまでの経験に基づく知見を生かした施設運営が行われています。
知事が施設を視察し、施設を設置した北本市と施設運営を行う指定管理者との意見交換を行いました。
市民との交流
人口減少が進む中でも、「賢く縮む成長のためのモデル」として取り組まれていると伺いましたが、実際のところいかがでしょうか。
「とてもうまく回っている」と感じています。また、指定管理者を選ぶ際には、ただ施設を貸すだけでなく、成長につながっていくことを大切にしていました。
北本という場所について、どのようにお考えでしょうか。
新しく住み始めた方と昔から住んでいる方が、協力してまちづくりに取り組んでいると思います。
様々な施設が集まっているとのことですが、施設間の連携はいかがでしょうか。
市内では、マーケットやマルシェなどのイベントが盛んになってきました。施設の研修室や調理室を活用し、そこで作ったものをイベントで提供することができればと思っています。
施設として「自走」を目指していく、というお話を伺いましたが、それは参加する人だけではなく、運営する人もサポートしていくということでしょうか。
「実はマルシェを自分でやってみたい。だけど、やり方が分からない。」という方々をサポートしていきたいと思います。
研修や支援を受けることで、「マイクロビジネス」になり、その後はマーケットやマルシェなどに出店していくのでしょうか。
マーケットで試しに出店し、シェアキッチンでの反応を見てからお店を開くことを目指す方もいます。今後も、そうした挑戦を支える場づくりを進めていきたいと思います。
昭和48年に北本市で縫製工房として創業しました。
平成13年に高級オーダースーツ専門店「銀座英國屋」のグループ企業となり、年間3,500着のスーツの縫製加工を行っています。
「オーダースーツ仕立て補助券」は、北本市ふるさと納税返礼品としてトップクラスの寄付額となっています。
縫製業界では職人の高齢化が課題とされていますが、同社は社員の半数以上が30代以下であり、若手の縫製職人の育成にも注力しています。
知事が工房を視察し、代表者や工場長と意見交換を行いました。
スーツの縫製加工の説明を受ける
縫製業界は高齢化が進んでいるイメージがありましたが、工房を拝見した際、工場長をはじめ若い方が多くて驚きました。若い方は、子育てなど様々なライフイベントがあります。仕事の調整をはじめ、どのような取組をされていますでしょうか。
若い世代が安心して働ける環境を目指し、作業工程の柔軟な調整や誰かが休んだ際には周りがサポートする体制づくりに取り組んでいます。
職人の手作業が多い中で、機械などの活用はいかがでしょうか。
手作業が多い工程の中でも、例えばチャック部分の縫製にはミシンを活用しています。手縫いよりも正確で、より丈夫な仕上がりになります。
北本市の魅力について、いかがでしょうか。
地震などの災害が少なく、従業員が安心して暮らせる環境が整っています。また、東京に近く交通アクセスも良く、恵まれた立地に感謝しながら日々事業に取り組んでいます。
災害が発生すると、どうしても作業が止まってしまいます。その点、安心して日々の業務に集中できる環境が整っていると感じています。
県では、企業の価格転嫁を支援するために、無料のシミュレーターを県ホームページで公開しています。値上げについて、お考えはいかがでしょうか。
当社では、値上げを行う際には、その理由をお客様にしっかりと御説明するよう心掛けています。価格以上の価値を感じていただけるよう、サービスの質には徹底してこだわっています。
すばらしいですね。
お客様一人一人に最適な一着を御提供するための体制が整っているからこそ、値上げにも納得いただけると考えています。
令和6年10月、部品の物流倉庫の拠点として活用していた北本工場を国内唯一のストロングハイブリッド用トランスアクスルの生産拠点としてリニューアルし、再始動しました。
北本工場はモノづくり革新を具現化する第一歩のモデル工場としてゼロから立ち上げ、得られた知見を他の工場へ横展開することを目指しています。
DXによる業務効率化や機械化による作業負荷の軽減、食堂のリニューアル等、従業員が働きやすい職場環境の推進にも取り組んでいます。
知事が工場を視察し、役員や、工場長はじめ社員との意見交換を行いました。
工場内で部品の説明を受ける
女性やシニアの方々が働きやすい環境づくりについて、どのような取組をされていますでしょうか。
北本工場では、誰もが安心して働ける職場づくりを推進しています。特に、女性やシニアの方々にますます活躍していただけるよう、工程設計や環境整備に取り組んでいます。
DXについて、埼玉県でも「TX(タスク・トランスフォーメーション)」を推進しています。業務の見直しや効率化によって生み出した時間をどのように使うかが大事です。まず、御社のDXの取組はいかがでしょうか。
DXで生み出した時間の有効活用については、まだ道半ばではありますが、例えば品質管理において、従来の事後対応から、デジタル技術を活用した予防型の仕組みへと移行中です。発展途上ですが、成果が少しずつ現れ始めており、現場の意識も大きく変わってきています。
生み出した時間をどう活用するか、そしていかにトランスフォーメーションを実現するかは、県としても非常に重要なテーマだと考えておりますが、お考えはいかがでしょうか。
トランスフォーメーション、つまり「変化する」ことだと捉えており、現場全体でその意識を共有しながら取り組んでいます。今後の重要な課題として、全社的に企業風土や品質のあり方を見直し、トランスフォーメーションを進めていきたいと考えています。
現在、自動車業界はこれまでにない大きな変革期にあり、対応すべき課題は多岐にわたります。そのような中で、技術革新と市場の変化に柔軟に対応する力が求められています。一方で、海外への生産移管は容易ではなく、日本でのモノづくりが軸になることは変わりません。関係するサプライヤーの皆さまにも御協力をいただいている中で、既存拠点との距離や物流の観点からも、北本工場はとてもバランスの取れた立地にある、と考えております。
人口減少が進む中で、生産性の向上や消費地と生産地の関係性など、県としても大きな課題と考えております。企業の皆様による柔軟かつ前向きな対応は、非常に参考になりました。
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