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掲載日:2023年12月14日
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訪問日
令和5年10月20日(金曜日)
訪問地域
県央地域(鴻巣市)
訪問先
「働きたい気持ちがあってもなかなか一歩がでない」「身近な地域で働きたいが条件が難しい」。株式会社チャレジョブは、そんなママ達や障害がある方の就業環境を整備した交流拠点、「Bista 花のまちこうのす」を開設。就労支援とともに地域交流や地域ブランドの創出で街の活性化を目指しています。
Bistaの1階は、季節のクレープや自家焙煎珈琲をテイクアウトで提供するBista Cafe。また、障害特性に配慮した職場環境の充実を目指す企業向けにサテライトオフィスを整備し、専門スタッフが常駐してサポート。2階は、エディブルフラワー(食用花)の養液栽培の植物工場となっており、地域で障害者雇用の新しい働き方や雇用を生み出すオフィス創りを展開しています。
訪問先では、エディブルフラワーの栽培やBista Cafeなどを視察し、代表やBistaで働く方々と意見交換を行いました。
サテライトオフィスで働く方々と触れ合う
土曜日には人が並ぶ列ができているとのことですが、日曜日はどうですか。
働くママを最優先にしていますので、日曜日はお休みにしています。
お子さんの都合もたくさんあると思いますので、お母さん方のシフトを調整するのは大変ではないですか。
運動会の時期などは、臨時休業させていただくことが多いです。
鴻巣で事業を展開されていますが、何か御縁があるのですか。
私は、もともと鴻巣の出身です。
障害者のグループホームやサテライトオフィス、母子家庭の入居や小規模保育施設、さらには、医療的ケアが必要なお子さんをお持ちのお母さんが働ける環境などを作っていきたいと考えています。
私どもは、このような環境をつくることにより、埼玉県、鴻巣市を日本一住みやすいまちにできたらと思っております。
日本一住みやすいまちということでいえば、私は、埼玉版スーパー・シティプロジェクトを進めています。高齢者等が歩いて暮らせるコンパクトなまち、仕事と住むところが近接しているまちなど、そうした市町村が取り組むまちづくりに県が補助するというスキームです。
お話を聞いて、正直、「我が意を得たり」と感じたところです。是非、頑張っていただきたいと思います。
また、武藤代表のお話から、地域に対する愛情を感じました。
創業106年を迎える「切れる鋏・板金機械・板金工具」の総合メーカー、鍛冶屋職人集団。熟練工ハサミ鍛冶職人が、顧客からのイメージを形にして更なる作業効率の向上に貢献しています。
年間60を超える展示会に出展し、多くのユーザーと向き合う姿勢が評価され、手造りにこだわった製品の市場を拡大してきました。
金切バサミは手作りの総手打ちにこだわり、素材加工から完成まで全て自社工場にて品質第一の責任生産体制を取り、より使いやすく、より効率的に仕事ができるよう、顧客の要望に傾聴し、一品特注品やオーダーメイドにも対応しています。
「社員の成長は社の繁栄」に通ずると、職人の育成に注力し、切れ目のない採用で人材を確保して、幅広い世代に技術や技能を継承しています。
訪問先では、工場での作業工程を視察し、代表や従業員と意見交換を行いました。
工場内で手打ち製造工程の説明を受ける
本日は、大変勉強になりました。二つの全く異なる素材を合わせて精度、強度を出すというのは、とても大変な技術だと思います。正直、拝見してその凄さが分かりました。
技術を備えた人材の育成が必要だと思いますが、どのようにされていますか。
このような職人作業は、昔から「俺の背中を見て覚えろ」というものがありますが、今は、そのような形だとなかなか人は育ちません。丁寧に分かるまで、コミュニケーションを取りながら教えるといった形での人材育成に努めています。
ものづくりというのは、出来上がった完成品を見て喜びがあると思うのですが、その喜びにたどり着く前、仕事を覚える前に若い人が辞めていってしまうことがあるかと思います。人材の確保と維持について御苦労されているのではないですか。
やはり、技術を身に付けるまでには時間がかかり、それなりの鍛錬が必要になります。失敗したら責めるのでなく、やり直しを繰り返しながら、次はもっと上手くなろう、技術を身に付けようという気持ちを自分自身の中に落とし込んでもらえるように教えています。
ものづくりというのは、キツイ、汚いというのがどうしても付きまといますが、当社では若い人材も育っていますので、技術を継承して行きたいと思っています。
御社の製品は少量多品種ですので、取引先からの発注の対応、在庫管理が大変なのではないかと感じたのですが、何か工夫をされていますか。
当社の製品は、ほぼ手づくりなので、納品までに時間がかかるということを御承知いただいた上で御注文いただいています。長いものだと7か月ほど納期がかかるとお伝えしても、それでも直徳の鋏が欲しいと言っていただける方がいらっしゃる。そういったお客様に支えられています。
職人さんは、自分の手に合ったものが欲しいと、一丁一丁を特注で注文いただくことも多いです。
代理店さんなどから購入した方から、もう少し刃を薄くしてほしいという要望があれば、一度戻してもらい、削ってお返ししています。何度もやり取りすることもあります。お客様が納得されるまでやらせてもらいます。そのときは時間がかかりますが、次に欲しいと思われたとき、また直徳の鋏を選んでいただけます。
素晴らしいですね。
引き続き、この地域を代表する技術をお持ちの企業として、将来に向けた持続的な発展をしていただきたいと思います。
花き生産農家は200軒を超え、花の一大産地として全国に名高い鴻巣。一方で、生産・流通で発展した街の中には花がなかったことから、活動を開始しました。
花の街として多くの観光客を引きつけているビクトリア市(カナダ)と友好都市を結ぶ盛岡市からハンギングバスケットのメンテンナンス技術を習得し、生活の中で花を愛し、楽しむ習慣の定着に向けて、20年間、活動を続けています。
ハンギングバスケットを中心に街の空間を花で彩り、鴻巣駅前や運転免許センターまでのフラワーロードなどの花装飾を手掛けるなど、市民・事業者・行政との協働による「花いっぱいのまちづくり」に貢献しています。
また、花の維持管理を行う鴻巣市の花ボランティア「フラワーフレンズ」の活動への協力を通じ、参加するボランティアのメンテナンス技術の向上にも寄与しています。
訪問先では、ハンギングバスケットへの寄せ植えなどを視察し、代表や会員と意見交換を行いました。
ハンギングバスケットへの植え込みの実演を見学
今、行田で花手水をやっていますが、若い人が多く訪れて写真に収め、それが自然と広がっています。ハンギングバスケットも、これだけ素晴らしい、美しいものがあるので、うまくSNSなどでPRしていけるとよいのではないでしょうか。
コロナ禍においては、お祝い事がなく、葬儀も家族葬になってしまい、残念ながら花が売れなくなってしまいました。コロナが収束しても、今なお戻ってきていません。これからどのように工夫して花を売っていくかということは、県の課題でもあります。
我々も、知恵を絞ってアイデアを考えたいと思います。
外国では、バレンタインデーに花を贈る習慣があるので、そういう運動が定着するとよいと思います。
市でも、転入者や御結婚された方に、花の引換券をプレゼントしています。
水やりなどの管理は大変ですね。
真夏の暑い日は、一日に2回水やりをすることもあります。
土、日、祝日、盆暮れがないので、大変です。
暑い中や寒い中でも、植栽や水やり、草取りをやってくださる方々がいて、それできれいな花壇を維持できるので、感謝しています。そういう方々がいて、我々もあると思っています。
今回のふれあい訪問では、たいへん心が休まる瞬間を頂き、ありがとうございました。引き続き、鴻巣市、埼玉県を花で飾っていただき、人々の心を豊かにしていただけたらと思います。特に、コロナ後なので、皆さんが前を向いて行けるような、そんなまちづくりをお願いできればと思います。
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