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掲載日:2025年10月29日
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知事
本日私から2点、御報告をさせていただきたいと思っております。まずは、「11月14日は県民の日」であります。県民の日は、埼玉県が廃藩置県により明治4年11月14日に誕生したことに由来し、明治4年から数えて100年目の昭和46年に制定された日であり、今年で55回目となります。県民の日を記念して「県庁オープンデー」や、「記念フリー乗車券」などの県内各私鉄が乗り放題となるイベント、あるいは県内外のレジャー施設等がお得に利用できる「県民の日協賛行事」など、多彩な県民の日記念事業が行われます。是非、楽しみながら、埼玉県の魅力を満喫していただきたいと思っています。
「県庁オープンデー」について御説明させていただきます。まず、オープニングとして県警察音楽隊による演奏とカラーガード隊による華麗な演技が披露されます。また、さいたま市岩槻区出身で、ダンスボーカルユニット「TRF(ティーアールエフ)」のダンサーである「SAM(サム)」さんを埼玉県の魅力を全国に発信する「埼玉応援団」の新メンバーに加え、任命式を行います。さらに、来年11月に県で開催される「ねんりんピック彩の国さいたま2026」を盛り上げるステージイベントを実施いたします。このイベントでは、埼玉応援団に加わったSAMさんに全ての人が笑顔に、健康にそして長生きできるようにという思いが込められている大会オリジナルダンスをレクチャーしていただきます。埼玉県のマスコット「コバトン・さいたまっち」も踊りますので、皆さんも一緒に踊って、笑顔で健康を意識しながら楽しんでいただきたいと思っています。加えて、eスポーツやバーチャルの世界を体験できるブースが出展されます。バーチャルサイクリングやぷよぷよeスポーツなどを体験できるeスポーツ体験会や、埼玉バーチャル観光大使である「春日部つくし」さんとのおしゃべりタイム、アバターを操作して、埼玉の魅力を体感できるメタバース空間「バーチャル埼玉」の体験会を実施いたしますので、是非多くの方に遊びに来ていただければと思います。
次に、埼玉が誇る県産品を満喫できる企画を御紹介します。甘味としっかりとした食感が特徴の県育成新品種米「えみほころ」については、ステージイベントやブースで紹介します。また、狭山茶の販売であったり、叡明(えいめい)高等学校の茶道部さんによるお茶処では狭山茶の抹茶体験ができます。加えて、毎年大人気となるJAや県庁朝市出店者の会による県産農産物の販売であったり、自立を目指す若者の支援を養蜂を通じて行う「さいたまミツバチプロジェクト」から生まれた県産蜂蜜の販売など、多彩な県産品を楽しむことができるので、御満喫いただきたいと考えております。ほかにも埼玉の魅力が盛りだくさんです。県産食材を使用したグルメブースでは、狭山抹茶のジェラートや深谷ねぎが入った焼きそば、秩父名物のみそポテトなど、埼玉の味覚を楽しんでください。また、消防団車両や緊急災害支援車両、コバトンとさいたまっちが描かれたレーシングカーなど、働く車が大集合します。様々なスポーツが体験できるコーナーやステージショー、さらには知事室、議事堂の見学などもあります。ちなみに今回の出展数は、県庁各課が239ブース、県内企業が13ブース、総計252ブースと過去最大となりました。また協賛企業の皆様からは、本年も数多くの協賛品を頂戴いたしました。所定のブースで皆様にプレゼントさせていただきますので、ガイドマップ片手に様々なブースを巡ってください。なお当日は、周辺道路が大変混雑いたしますので、車での来庁は御遠慮いただき、公共交通機関を御利用いただきますようお願いいたします。
次に紹介するのは「記念フリー乗車券」です。埼玉高速鉄道、ニューシャトル、つくばエクスプレス、西武鉄道、秩父鉄道、東武鉄道の県内鉄道6社が県民の日を記念し、各社それぞれが指定する県内を中心とした路線で自由に乗り降りができる乗車券が販売されます。販売期間、乗車可能日などは、鉄道事業者によって異なりますので、詳細は県のホームページに掲載しており、「県民の日記念フリー乗車券」で検索していただき、是非とも御利用いただきたいと思います。そのほかにも、県民の協賛行事として、例えば世界一幸せな動物と言われるクオッカに日本で唯一会える「こども動物自然公園」では、入園料が無料となります。また、ムーミンの物語の世界を楽しめる「ムーミンバレーパーク」では、高校生以下のワンデーパスが無料になり、先着でオリジナルタオルのプレゼントもあります。そのほかにも、博物館や県営公園、県内外のレジャー施設など合わせて約60か所の施設が特典を用意しています。こちらも詳細は県のホームページに掲載しているため、「県民の日協賛行事」で検索いただき、御家族皆さんで楽しんでいただきたいと思います。
最後に、「県民の日記念式典」について御紹介します。小中学校から募集した県民の日記念作文コンクールの表彰や、地方自治や保健衛生、地域コミュニティ活動など、様々な分野において、県民の模範となる功績を挙げられた方々への表彰を行います。受賞者は全体で個人が346、そして団体が45となります。県民の日当日は、県内各地で多彩な行事を行うので、県庁や、県内の様々な施設にお出かけいただき、楽しんでいただくとともに、埼玉のすばらしさを再発見していただける日になるとうれしいと思います。
知事
次に、「11月は埼玉県地産地消月間です!」についてであります。現在、本県の農業が国内外で非常に高い評価を得ています。梨については、9月に開催された日本野菜ソムリエ協会主催の「第4回全国梨選手権」において、県育成品種の「彩玉」が金賞・銅賞を受賞するなど、本県が3年連続で最多の受賞を果たすこととなりました。また、いちごについては、同協会の全国選手権において、令和5年2月から県内生産者が5回連続で最高金賞、日本一に輝き、本県は「もっともおいしいいちごを生産している県」として、全国ただ1つの「プレミアムいちご県」に3年連続で認定をされています。評価の高まりは、国内にとどまりません。川越市、所沢市、ふじみ野市、三芳町に広がる武蔵野台地において、江戸時代から続く「武蔵野の落ち葉堆肥農法」は、令和5年7月に、国際連合食糧農業機関(FAO)により世界農業遺産に認定されました。10月31日にイタリア・ローマで認定証授与式が執り行われるので、地域を代表して、三芳町の林町長が今、正にローマに向かわれているところであります。本県が誇る伝統的な農法が改めて世界に発信されるものと期待をしております。また、埼玉県は野菜の産出額が全国第8位と実は農業が盛んな県であります。「収穫の秋」と言われるように、これからの時期、多くの農産物が旬を迎えることとなります。その代表的な県産の農産物を紹介します。米は、県育成品種の「彩のきずな」が「令和6年度 米の食味ランキング」で5年連続6度目の最高ランク「特A」の評価を獲得しました。野菜では、全国第1の産出額を誇るさといも、ねぎ、第2位のほうれんそう、こまつな、かぶがこれから旬を迎えることとなります。是非、皆さんの食卓を本県の農産物で彩っていただきたいと思います。
次に、「地産地消の推進~近いがうまい埼玉産~」であります。本県は大消費地である首都圏の中央に位置し、消費地の中に産地があります。その立地優位性を生かし、「近いがうまい埼玉産」をキャッチフレーズに地産地消の取組を推進しています。このキャッチフレーズは、「産地に近く新鮮」、「生産者の顔が見えて安心」、「輸送距離が短く環境に優しい」という地産地消の3つのメリットを表すものであります。県では、旬を迎える農産物が豊富な11月を「埼玉県地産地消月間」と定め、農林業団体、民間企業、市町村などの協力のもと、県産農産物を県民の皆さんに、「知って」「買って」「食べて」いただく取組を集中的に実施させていただいています。
続いてこの「地産地消月間中のイベント」を御紹介させていただきます。中でも最大のイベントは、県内最大級の農林業の祭典「彩の国 食と農林業ドリームフェスタ」であります。今年度も昨年度に引き続き、熊谷市産業祭とのコラボ開催といたします。11月15日、16日の土曜日、日曜日の2日間、両日とも10時から15時まで、熊谷スポーツ文化公園のにぎわい広場で実施いたします。昨年度は延べ7万人もの方々に御来場をいただきました。今年度は昨年度以上の盛り上がりとなるよう準備を進めています。ブースでは採れたて野菜や新米の販売、農産物を活用したグルメも提供させていただくほか、5月に秩父ミューズパークで開催した第75回全国植樹祭の成果を追い風に本県が推進する「活樹」の取組もPRさせていただきます。15日は私も会場に赴き、県内農林業の発展に貢献した方を表彰する「埼玉農業大賞」「彩の国森林・林業表彰」の表彰式を行います。先ほども申し上げましたが、11月14日の埼玉県民の日に行う「県庁オープンデー」では、県庁朝市出店者の会などによる新鮮な農産物の販売や、あるいは新米の試食など、複数のブースを出展いたします。そして、今度は16日の日曜日になりますけれども、県庁の本庁舎北側道路では、県庁朝市が開催されます。県庁朝市は11月に限らず、毎月第3日曜日に開催していますので、是非足を運んでいただきたいと思います。また本県が大消費地東京のすぐ隣の産地という立地優位性を生かし、都内百貨店での県産農産物のPRなどを行わせていただきます。
続いて民間業者による「地産地消月間中のイベント・取組」であります。地産地消月間では、地産地消に御賛同を頂いたホテルや飲食店、小売店などが様々なイベントを開催していますので、一部御紹介いたします。11月11日火曜日には、ホテルブリランテ武蔵野で「埼玉県地産地消ブランド農産物を味わう集い」が開催されます。埼玉のおいしさがぎゅっと詰まったブランド農産物をふんだんに使用し、一流シェフが存分に腕を振るったコース料理なので、是非旬の味を体感していただきたいと思います。申込はブリランテ武蔵野で先着順にて受け付けているそうです。川越プリンスホテルでは、11月30日まで県産農産物を使用したオリジナルメニューがホテル内5か所のレストランやバーで提供されます。噛むほど味を生むコクの深さが特徴の「武州和牛」をはじめ、ねぎ、狭山茶など、本県の魅力あふれる食材が豊富に使用されております。是非埼玉の魅力あふれるメニューを御賞味いただきたいと思います。そして、セブンイレブンでは、11月18日から12月1日まで、「彩の国フェア」を実施し、県内約1,260店舗で県産農産物を使用した地産地消商品を販売するほか、今年は児童養護施設と「笑顔プロジェクト」を実施し、施設のこどもたちをねぎの収穫体験に招待し、そして売上の一部で商品を寄贈、こどもたちの塗り絵をイトーヨーカドーの店舗に掲示する取組が実施されるそうです。そしてピザーラでは、地産地消プロジェクトとして、県産ねぎを使用したご当地ピザ「ネギベエ」を11月14日から16日まで販売します。コモディイイダでは、都内・千葉県の店舗を含む83店舗で、11月15日、16日の2日にわたり、県産野菜を集中的に販売する「彩の国フェア」を開催いたします。
最後に、広報・キャンペーンについてお知らせします。埼玉わっしょい大使のエミッフィさんのラジオ番組に私がゲストとして出演させていただきます。先日収録いたしましたが、そこでは、県産のさといもの魅力を存分にお話しさせていただきました。放送は11月5日水曜日16時から、FMラジオ川越で予定されております。県西部地域が放送エリアとなりますが、ラジオアプリやインターネットラジオでの同時配信もありますので、是非視聴いただきたいと思います。次に、「埼玉わっしょい大使がおすすめ!旬の農産物プレゼント」であります。11月1日土曜日から30日日曜日までの地産地消月間中、インスタグラム、「埼玉わっしょい」のアカウントをフォローし、ゆずまたはさといもを使用した好きな料理などのコメントを投稿すると、わっしょい大使がおすすめする香り豊かな「桂木(かつらき)ゆず」や、あるいは日本一の生産量を誇る、旬の「さといも」が抽選で計10名に当たります。多くの皆様の御応募をお待ちしています。そのほか、県の広報紙「彩の国だより11月号」で、地産地消月間特集として県産の多彩でおいしい食材について紹介させていただく予定であります。また、埼玉農産物ポータルサイト「SAITAMAわっしょい!」では、県産農産物に関する最新の情報を広く発信しております。多くの皆様に、新鮮でおいしい旬の県産農産物を味わうことで「近いがうまい埼玉産」を実感いただきますようお願いいたします。
毎日
県庁オープンデーの(パネルの)ところに書いてあった「ねんりんピックの大会オリジナルダンスをSAMさんと一緒に踊ろう!」なのですが、これはSAMさんが振付けをしたとかそういうのはあったりするのでしょうか。また、これは大会中、ラジオ体操のようにみんなで踊るようなものなのでしょうか。
知事
SAMさんにつきましては御存じのとおり、ダンスボーカルユニットTRFのダンサーであって、これまでにダンスをするだけではなくいろいろな振付とか、コンサートのプロデュースも行うなど、ダンスクリエーターとして幅広く活躍する埼玉県の正にタレント豊かな方であります。このSAMさんについては、先ほど申し上げたとおり、ダンスを中心としたプロデュースなども行っていただいておりますので、今回、御紹介させていただきますけれども、ねんりんピックでみんなで踊れるような、そんなダンスを御披露いただくとともに、開会式などでもみんなで踊れる機会を作りたいというふうに思っています。そして、その振付につきましてもSAMさんにオリジナルで作っていただいたものでありますので、是非覚えていただいて、記者にも毎日踊っていただければと思っております。
日経
地産地消の関連で、11月中旬に「農産物フェアin東京」を開催していて、昨年は知事がトップセールスで東京に行ったりということもあったかと思うのですけれども、昨年と比べた今年の特徴というのでしょうか、特にこの東京でのセールスというところにどのようなところに力を入れているのかというのがもしあればお伺いしてもよろしいでしょうか。
知事
昨年は東京でセールスをさせていただいたのは、いちごの「あまりん」と、それから2回だったと思いますけれども東京都の市場に行かせていただいて、仲買の方々に埼玉県産の野菜等を知っていただくとともに、扱っていただくことをお願いさせていただいたというものであります。今回は、さといもなど旬の野菜を直接消費者の方にアピールさせていただくというもので、特にさといもなどは日本一の生産量ですが、実は言われないと埼玉産と知らずに食べていた、こういった方々も多いので、様々な御提案をさせていただけるちょうど良い機会でもあります。実際とてもおいしい時期でありますので、この時期に、御提案した食べ方で食べていただくことによってより身近に、また埼玉産であるということを知っていただくことによって、安心で安全だということを是非御認識いただきたいと今回は思っております。
NHK
県民の日についてお伺いします。2点あります。今年は金曜日ということもあり3連休でいつも以上にいろいろと楽しい予定を立てやすいかなと思うのですけれども、この3連休になったということについて、どのようなふうに県民の方に過ごしてほしいかというのが1点目。そしてもう1点については、スパリゾートハワイアンズなど、県外からも「埼玉県民(の方に)来てください」というような誘致があると思います。県内で楽しんでほしいというものもあるかと思うのですけれども、この県外からのアプローチに対する率直な思いを聞かせていただけたらと思っております。
知事
まず、今回、金曜日に当たりますので、多くの公立学校がお休みとなり、結果として金・土・日曜日と3連休になります。県民の皆さんには県内で様々な入園料であったり、あるいは特典が受けられるキャンペーンが実施されていますので、公園やレジャー施設などで思い切り体を動かして遊ぶも良し、あるいは博物館で県の歴史や文化、自然に触れるのも良し、さらには美術館でゆっくりと芸術を堪能するなど、それぞれの過ごし方で堪能いただきたいと思っていますし、もちろん県庁オープンデーにお越しいただくのも大歓迎であり、ちなみに知事室では等身大(パネル)の知事がお迎えすることになろうと思っております。それぞれのやり方で県民の日を楽しんでいただきたいと思いますし、ただ「今日、県がかつて155年前にできた」ということは、是非思い起こしていただきたいと思っています。そして、埼玉県だけではなくて、県外の施設等でも今回特典がございます。スパリゾートハワイアンズなどにも是非お出掛けいただきたい。もちろん県内でお金を出していただくのもいいですけれども、埼玉県から一歩出ていただき、特に被災地であった福島県などとの関係というのも是非考えていただきたいと思っています。今年度、埼玉県は「地域ブランド調査2025」で、住みやすさではとても高いランクにいたのですが、観光という意味では魅力度ランキング最下位になってしまいました。そういった意味では、本来であれば埼玉県を見直してほしい、見つめ直してほしいと言うべきかもしれませんけれども、まずは県民の皆さんには固く考えず、「埼玉県民の日」を共に楽しんでお祝いしていただければ一番それで何よりかと思っています。
毎日
まず、バーチャルユースセンターが10月に本格稼働となりました。自分の分身であるアバターでオンライン空間に入り、自分が悩んでいることについて話してもいいし、ただほかの人の話を聞いているだけでもいいという場は、青少年には相性がいいのかなとも思うことが取材を通して感じることがありました。ただ、スマホでメタバースに参加する青少年が多い中、チャットに文字を入力しづらいという指摘も聞きました。また、個人的には、うなずく、笑う、泣くなど、多様なリアクション機能がもう少し分かりやすくあれば、ほかの人の話を聞いている最中に思いを伝えることができるのにとも思いました。知事としてバーチャルユースセンターに何を期待し、どのように発展させていきたいのか、参加者の声を受けて改善していく考えはあるのか、バーチャルな場からリアルな場にどのようにつなげていきたいのか、お考えをお聞かせください。
続きまして、先日県が発表しました県内市町村の2024年度の普通会計決算概要速報で、草加市と三郷市が、経常収支比率が100パーセントを超えていました。100パーセント越えは平成元年以来初とのこと、また、県内市町村の平均も95.1パーセントと過去最大とのことでした。市町村財政が厳しいやり繰りを迫られていることかと思いますが、知事の感想と、県として2市に助言なり、そういうことをすることがあるのかお聞かせください。
知事
埼玉県バーチャル(ユース)センターにつきましては、ほかになかなかない試みでもあり、我々としては正直まだトライアルから一歩出たところであります。ただ、居場所がなくて孤独を感じるとか、あるいは孤立しているこども・若者が比較的、少なくとも私たちの世代に比べれば、バーチャルな世界、携帯を通じた世界というものはなじみやすい世界であるというふうに考えています。そして、このよりなじみやすい世界において、なかなか外に出られないけれども家の中に居ながらに、バーチャルという空間において、自分のことを全てさらすといったことなしに、要するに匿名で交流などを通じてスタッフと信頼関係を構築することによって、安心して気持ちを表現してくれるように、すぐは難しいかもしれませんけれども、なるとか、あるいは、バーチャルに入ってきたこども・若者同士が人間関係を作るとか、こども・若者が直面する困難な課題が深刻化することを防げる、あるいはより良い方向に行くような、そんな居場所に発展させたいというのが私の願いであります。10月に本格運用を開始して、それ以降延べ100名を超える方々に御利用いただくなど、さらには、利用者の中から個別の相談につながった事例などが徐々に生まれているところであります。バーチャルでの継続的な利用により、スタッフとの信頼関係が深まればちょっとした相談ができるとか、あるいはなかなか周りに信頼ができる大人がいなくても、こういったところで出会うことができるなど、意向に応じて専門支援機関につなげるようになればいいなというふうにも思っています。また、御指摘いただいたリアクション機能などについては、参加者の声にきちんと耳を傾け、より利用しやすくなるよう、今後も引き続き機能改善を行っていきたいと思います。いずれにしても先ほど申し上げたとおり、本格運用といっても、まだほかに前例がない中で、私たちも手探り状態でより良いものにしていきたい、ただ、ある程度やはり手応えは感じ始めているところではありますので、これをより利用しやすく、あるいは、あらゆるこども・若者が安心できる、そんな形にしたいし、それを今度はリアルの場で、より具体的な相談につながるとか、あるいは人がつながることができるとか、そういったものにつなげることができればいいなというのが、今我々が願っていることであります。
そして2つ目の、普通会計における経常収支比率の件でありますけれども、経常収支比率は、財政構造の硬直度を示す1つの指標であります。令和6年度の普通会計決算の速報値ですけれども、県内市町村の平均で95.1パーセントと前年度の決算を0.7ポイント上回ることとなりました。全体的な傾向としては、税収を初めとする一般財源は増加しています。しかしながら、社会保障関連経費の増加による扶助費をはじめ経常的な支出の増加が収入の増を上回る、こういった状況になっており、残念ながら財政の硬直化が進展していると言わざるを得ないと思います。仮にこの傾向が続きますと、地域の実情に応じた独自の事業を実施することが困難になり、予算編成にも支障をきたすこととなります。市町村の財政運営については、それぞれの市町村で様々な努力を行っているものと考えていますが、県としては、御指摘のあった草加市あるいは三郷市をはじめとし、特に経常収支比率が高い市町村に対しては、ほかの市町村よりも丁寧にヒアリングを行い、財政分析や対応策について助言をさせていただいているところです。加えて、県職員が財政分析の支援を行う総合コンサルティング事業の活用を促しており、草加市の場合には、この事業によって伴走支援を既に開始したところでございます。この事業、三郷市はまだ活用していただいておりませんけれども、事業へのエントリーを働き掛けてまいりたいと考えております。
時事
東北地方でクマによる人的被害が注目を集めていますけれども、埼玉県内でも山間部周辺で熊の目撃情報が出ています。今のところ県内でクマに人が襲われるようなことは起きていませんけれども、もし仮にクマに遭遇した際の注意点など、県民への注意喚起を知事の方からお願いしたいです。
知事
本当に毎日のようにクマに関する報道がなされています。埼玉県の場合ですけれども、本年の4月から昨日までのツキノワグマの出没情報件数の速報値は112件となります。10月に入ってからは36件、112件のうちの36件が10月に入ってからということで急増しています。このままいきますと、これまで最も出没情報件数が多かった令和5年度の年間144件を上回っていく、そういうペースです。10月の出没36件についてですが、そのうちの29件は住宅地付近など人の生活圏での目撃情報となります。市町村別では、秩父市の46件が最高で、次いで飯能市の26件、横瀬町の13件、小鹿野町の12件、皆野町の5件、寄居町の4件、東秩父村3件、本庄市2件、長瀞町の1件となっております。我々といたしましても、しっかりと市町村と協力しながら対応していきたいと考えていますが、県民の皆様にお願いがございます。3点、お願いしたいと思っています。まず、クマの生息域にはむやみに立ち入らないでください。やむを得ず山に入る場合には、単独行動を避けて、鈴あるいはラジオなど音の出るものや適切なクマ撃退スプレーなどを携帯する、などの対策をお願いいたします。県内のクマの出没場所は、「埼玉県ツキノワグマ出没マップ」として県ホームページで随時更新しておりますので、御確認いただきたいと思います。2つ目になりますが、人の生活圏においては、クマを誘うようなもの、クマの誘引物については、適切に管理をお願いいたします。具体的には、柿などの放置された果樹やペットフード、家庭菜園での作物、夜間に出された生ごみなどが熊の餌となりかねません。しっかりとした管理をお願いいたします。そして3つ目、万が一、クマと遭遇してしまった際には、落ち着いて距離をとるようにしてください。至近距離で出会った場合には、両腕で顔面や頭部を覆い、すぐうつ伏せになって首を抑えるなど、致命的なダメージを最小限にとどめる行動を取っていただきたいと思っております。まだまだクマが出る可能性があるシーズンが残念ながら続きます。是非皆さんの命をしっかりと御自分で守っていただけるよう改めてお願い申し上げます。
日経
先般、(10月)24日に高市新首相の所信表明演説が行われまして、その後初めての(知事定例)記者会見ということで、改めて知事のお考えをお伺いできればと思います。若干、先日の記者会見と重複する部分もありますが、その点は御容赦いただければと思います。ちょっと分けて質問させていただければと思うのですけど、まず1点目は、やはり知事がかねてから要望している税の偏在是正についてですけれども、高市首相は「税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築に取り組む」と、このように言及しました。改めてですが首相発言への期待感であったりとか要望であったりとか、そういったお考えをお伺いできればと思います。
知事
まず高市首相の所信表明演説については、私たち、地方自治体全体だと思いますけれども、大変興味深くというか関心を持って受け止めさせていただきました。その中でも、総理がおっしゃった経済財政対策、物価高対策、これが最初の方に来ていたと思いますけれども、ここについては、私たち大変期待をしているところであります。そして、ガソリン税などの対策に伴う財源についても、国及び地方自治体の安定財源の確保という言葉も入りましたので、単純にガソリン税がなくなるだけではなくて、地方の財源ということもしっかりと考えていただいているということについて感謝をしたいと思っていますし、経済対策、本当に喫緊の課題であり、物価高が多くの国民に影響を与えていることについて、私たち地方としても、国が何らかの措置を行うときには、迅速に対応したいと思っていますし、具体的に総理は地域の実情に合った的確な支援を速やかに届けるということを、推奨メニューを示した上で言っておられますので、仮にそういったことになった場合には、県として迅速な対応をさせていただきたいと思います。他方、注文というわけではないのですけれども、総理も「物価上昇を上回る賃上げが必要ですが、それを事業者に丸投げしてしまっては事業者の経営が苦しくなるだけです」とおっしゃっています。全くそのとおりだと思っており、是非、政府には、事業者、民間にお願いするのであれば、まずは公定価格をしっかりとインフレ率や、あるいは民間の給与のレベルと同じぐらいを反映したものに、まず公定価格をしっかりと上げていただきたいということをお願いしたいと思っています。そしてもう一つは、その前の物価高対策のところですけれども、7月に参議院選が行われました。これがいつになるのかは分かりませんけれども、迅速にということなのでお待ち申し上げたいと思いますが、既に国民は、参議院選でいろいろな議論があってから4か月待たされています。是非、我々としても、一番国民に近い、県民に近い自治体としては、これらを切実に考えているので、是非、早急に補正予算を組んでいただきたい。これが2つの地方からのお願いというか悲鳴だというふうに捉えていただいてよろしいかと思っています。そして、次に御質問にございましたが、偏在是正についてのお話しがございました。先ほどお話しがあったとおり、地方税のメニューについては、「税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築に向けて取り組みます」という言い方でお話しをいただきました。令和7年度の与党の税制改正大綱、あるいは「骨太の方針2025」を受けて、「地方税制のあり方に関する検討会」が開催され、検討が進んでおりました。そういった中で、地方の税制についての「体系」という言い方をされましたので、我々としては、抜本的な、あるいはその大きな見直しがされることが期待されるというふうに思っています。特に我々がずっと申し上げているのは地方法人課税で、隣にある東京との格差が極めて大きなことになっており、しかもこれは、特別法人事業譲与税制度が創設されたときに、創設当時1.2兆円の格差であった、地方交付税等の算定における財源の超過額が、1.2兆円の格差であったのが、今、実は2兆円と約倍近くに令和7年度でなっているので、当時の本来正した、修正したときよりももっとひどくなっているという状況なので、法律の附則に基づき、やはりここは国として、しっかりと偏在是正をしなければならない、先ほど申し上げた特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律の附則第九条で「政府は、この法律の施行後適当な時期において、この法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする」と法律に書いてあるので、これを是非やっていただきたいというふうに思っており、今回、体系を見直すということであれば、この部分については、必ず盛り込んでいただくことが必要であるというふうに考えており、埼玉県といたしましても、これは東京を別にターゲットにしているわけではなくて、国に対してこの税制の体系について、偏在是正を是非お願いしたいと思いますし、総理がおっしゃった所信表明の中に含まれているので、ここは是非やっていただきたいと思っております。
日経
もう1つ所信表明演説の関連でお伺いしたいのですけれども、特に日本維新の会が提唱する副首都構想ということに関連し、高市首相は「首都及び副首都の責務と機能に関する検討を急ぐ」という発言がありました。こちらについても、受け止めであったり、埼玉としても何らかのアクションを起こしていくのかとか、そういったところのお考えがあればお伺いしたいです。
知事
今回、総理がおっしゃった言い方は非常に私としては関心がございました。いわゆる「大阪都構想」といった言葉は使わずに、「首都の危機管理機能のバックアップ体制を構築し、首都機能分散及び多極分散型経済圏を形成する観点から、首都及び副首都の責務と機能に関する検討を急ぎます」というふうにお話しをされました。ちょっとワンクッションあるというか、危機管理のところを強調されたのだろうというふうに思います。ちなみに2010年頃で、今はちょっと分かりませんけれども、国会議員の中で最大の議員連盟で副首都に関する国家危機管理国際都市NEMICというものがこの議連でありました。私はそのときの危機管理分野の座長であって、正に副首都や首都機能の分散とか、日本版FEMAとか、それを当時取りまとめを議連で行っていて、地域をどこにするかは別で、ただ大阪は当時手を挙げていたことは事実であります。そういった意味では、たしか高市総理もお入りになられていたと思うので、そういったその危機管理の構想から副首都についてお話しをされたのだろうというふうに、私はこの話を聞いたときに、ストレートに(日本)維新(の会)の言葉を使わずにおっしゃったので、なるほどなと正直、思いました。そういった意味から言うと、我々、もちろん埼玉県も非常にいい場所ではあるのですけれども、首都の機能、それから危機管理に関する司令塔機能を万が一首都に何かあったときにどこに置くか、さらには、このバックアップについては経済機能も考えています。経済的な中心地が万が一の場合、どこに置けばいいか。こういったところのバックアップを置くというのは、国がしっかりとした構想を持たなければならない分野であり、我々埼玉県としてもこういった議論であれば、当然、地方組織も含めてどのように関与するかということについては前向きに捉えなければいけないというふうに感じるお話しのされ方だったというふうに、これは私個人の印象でありますけれども、当時、先ほど申し上げた危機管理の責任者をやっていた者とすれば、当時の議論がまたそこでしっかりと反映されるような政府になってくれたのかなという意味では、個人的にはちょっとうれしい思いもいたしました。(終)
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