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掲載日:2025年7月30日
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知事
私の方から今日は「埼玉県のESG債の発行」について御説明させていただきたいと思っております。埼玉県では現行の埼玉県5か年計画において「埼玉版SDGsの推進」を計画の全施策を貫く横断的な視点として位置付けており、その推進に必要な財源を確保するとともに、全国の皆様に本県の取組を御理解いただくことを目的とし、「埼玉県ESG債」を発行しています。この「埼玉県ESG債」は、環境問題と社会的課題の両方の解決を目指すサステナビリティボンドであり、令和4年度に都道府県として初めて発行し、それ以降、毎年度発行しているものであります。調達した資金の使途や、管理・運営体制については、株式会社 日本格付研究所により最上位の評価を頂いており、令和4年度の発行からこれまで延べ1,300者を超える投資家の皆様に御購入いただいております。
この「埼玉県ESG債」について、今年度のポイントと発行の概要を御説明させていただきます。法人投資家向けにつきましては、多様なニーズに対応するため、5年債と10年債の2つの年限により発行することとしています。また、個人投資家向けについては、ニーズを踏まえて5年債として発行し、昨年度、多くの個人投資家から購入希望があったことから、発行額を昨年度の20億円から30億円へと増額するとともに、一部についてはインターネットで販売させていただきます。発行額については、法人向けが270億円、個人向けが30億円、合計300億円となっています。利率が決まるのは来月8月8日の金曜日となっており、募集期間については、法人投資家向けが8月8日まで、個人投資家向けが8月12日から28日までとなっています。ただし、販売状況によっては募集期間終了前に販売終了となる可能性があり、御購入いただけない場合もあることから、御購入の検討はお早めにお願いしたいと思っています。法人の場合には1千万円単位、そして個人の場合には1万円単位で購入することができますので、御興味のある方はパネルに記載の取扱機関にお問合せいただきたいと思います。
次に、主な充当予定事業ですけれども、ESG債の発行で調達した資金は、5か年計画で掲げる埼玉県の目指す将来像につながり、環境改善効果や社会的な便益の増加が見込まれる事業に充当する予定であります。まずグリーンプロジェクトとしては、「災害・危機に強い埼玉の構築」に向けて、河川改修やあるいは調節池のほか、砂防関係施設の整備を計画的に行います。また、身近な緑の保全を通じた「豊かな自然と共生する社会の実現」や森林管理道、作業道の整備促進により「儲かる農林業の推進」を図ります。
次に、ソーシャルプロジェクトといたしましては、「災害・危機に強い埼玉の構築」に向け、衛星系防災行政無線を再整備し、消防防災力の充実を図るほか、橋りょうの計画的な点検や耐震補強なども実施してまいります。また、「子育てに希望が持てる社会の実現」に向けて、放課後児童クラブの整備を進める市町村に対し助成し、就労などをしている保護者の子育てを支援するほか、「未来を創る子供たちの育成」に向けて県立高校のバリアフリー化を行うことで、安全で快適な学習環境の整備充実を図ってまいります。
これまで「埼玉県ESG債」で調達した資金の充当状況や事業効果などについては、「埼玉県ESG債インパクトレポート」として県のホームページに掲載してございますので、御覧いただきたいと思います。また、「埼玉県ESG債」の目的や趣旨に御賛同いただき、投資の表明をいただいた法人投資家名を県ホームページで掲載するほか、先ほど申し上げたインパクトレポートの方にも掲載させていただきます。これによって、法人投資家にとっても、SDGsに対して積極的に取り組んでいる法人であることをPRできるメリットもあると考えています。なお、私が「県政運営の基本方針」や「本県のSDGsの取組」などについて説明を行う、いわゆるIR動画を8月上旬に県のホームページで公開する予定であり、埼玉県ESG債の購入を検討いただく際の参考としていただきたいと思っています。最後になりますが、「埼玉県ESG債」は、本県の環境問題、社会的課題の解決につながる事業の財源となることから、多くの方々に取組を御理解いただくとともに、購入を通じて「埼玉県版SDGsの推進」に是非御協力いただきますようお願い申し上げます。
日経
知事発表に関連して2点質問がございます。まず1点目ですけれども、こちらのインパクトレポート等の詳細を読み込めば記載があるかとは思うのですけれども、ここであえてお伺いしたいのですけれども、実際に、特に法人の方での購入件数というのは、足元でやはり増えているのかどうかというところがもしあればお伺いしたいなというところが1点と、同じくこの法人投資家向けですけれども、この購入することのメリットというのがどういうところにあるのか、ここをお伺いできればと思います。
知事
具体的な購入件数については後ほど部局の方からお答えさせていただきたいと思っております。メリットの方でありますけれども、2つメリットがあるのではないかというふうに考えています。1つ目は「埼玉版SDGs」の更なる推進であります。県政運営の基礎となる埼玉県5か年計画においては、基本姿勢として「埼玉版SDGsの推進」を掲げ、全施策を貫く横断的な視点として反映しています。SDGsに向けたグリーンプロジェクト及びソーシャルプロジェクトの財源として、「埼玉県ESG債」を発行することで、県民や県内企業はもちろん、全国の幅広い投資家の皆様に対して本県の魅力・取組を是非御理解いただき、「埼玉版SDGs」を更に推進したいと思っています。そして2つ目には、投資家の拡大が期待できることであります。昨年8月に発行した「埼玉県ESG債」は58の法人に投資いただきましたが、そのうちの29者は初めて埼玉県債を購入されるという投資家でありました。この法人投資家のもちろん個人もそうですが、拡大につながること、この2点が県にとってのメリットだというふうに考えております。
企画財政部
法人投資家が増えているかというところですけれども、金利の安定状況ですとか、あるいはESG債の社会的、対外的な説明ぶりというものを踏まえまして、たくさんのお問合せを頂いておりまして、需要増というものを見込んでいるところでございます。
日経
もう1点お伺いして恐縮なのですけれども、逆に発行する側の企業にとってもやっぱりCSRの取組というのを、対外的に公表するようなメリットというのもあるかと思うのですけれども、そういった点でも利点があるという理解でよろしいでしょうか。
知事
企業側のメリットというのも私はあると思っております。サステナビリティボンド、いわゆるESG債につきましては、一般論としてまず、市場においても高く評価をされてきて、グリーン(プロジェクト)だとかソーシャル(プロジェクト)だとかサステナビリティ(ボンド)だとか、こういった分野において、企業がそれぞれ投資をされるということについては、当然、その企業が社会的な役割を果たす上で大きなPRポイントになるということでありますので、先ほどおっしゃられたCSR、企業の社会的責任といった面からの問題がまずあると思っています。それから2つ目には、特定の事業に投資していただくということになりますので、企業にとっても株主に対して説明ができ、また法人投資家の場合には先ほど申し上げたインパクトレポートに加えてホームページに掲載させていただくということで、埼玉県の取り組むSDGsに貢献しているということをPRするというメリット、この2つがあると思っております。もちろん利率というものもあるでしょうけれども、どちらかというと、前者の方がやはり大きな魅力になってくれるのではないかと期待しています。
時事
社会課題解決のソーシャルボンドと環境分野のグリーンボンドを組み合わせて、2022年に都道府県で初めて発行したものだと思うのですけれども、まだ数年しか経っていないですけれども、何かこう解決した課題とかあれば教えていただければと思います。
知事
毎年インパクトレポートの方に入れさせていただいておりますけれども、実は今回テーマとして掲げたもののみならず、様々な緑化の推進であったり、あるいはこれまでも橋りょうや調節池のいわゆる建設等に役立たせていただいてまいりましたので、県民の安心・安全、災害、こういったものを防ぐとか、あるいは将来に向けて持続的な発展をより確かなものとするための緑化等を進めたといった実績がこれまでも出てきておりますが、具体的にはインパクトレポートを御参照いただければと思っております。
日経
総務省が今年度、地方公務員の兼業であったりとか、副業の環境整備に向けた通知を出しました。この副業というのは、利益相反であったりとか長時間労働をいかに防止するか、そういった課題がある一方で、官民連携が進めやすくなったり、あと新卒の地方公務員の就職希望者というのを増やしたりといったメリットもあるかと思います。こうした足元の議論についての知事の御見解をお伺いできればと思います。
知事
まず地方公務員の兼業につきましては、職員の自己実現のニーズの高まりに加えて、高齢化や人口減少など社会情勢の変化を背景として、兼業できる環境を整備することが求められております。こうした環境整備を進めることによって、公務職場の魅力の向上が図られるほか、職員が兼業を通じて得られたスキル、行政サービスに還元することも期待できるのではないかと考えています。また埼玉県の場合には、タスク・トランスフォーメーション、TXの取組を推進しており、このTXでいわゆるデジタル化等によって生み出した時間を、アップスキリングや時間外勤務の縮減などに活用することとしているのは、これまでもお話してきているとおりですが、勤務時間外に様々な活動が行いやすい環境整備を進めています。その一方で、兼業の場合には、任命権者の許可制とされているところ、地方公務員は全体の奉仕者であるという性質上、公務能率の確保や職務の公正の確保に支障がないことなどを確実に確認した上で許可する必要があろうかと考えています。今回の総務省の通知の内容を踏まえた許可基準の策定を今後進めたいと考えています。
日経
まだ動き出した議論ではあるかと思うのですけれども、実際にこの検討というのは、例えばどういうスケジュール感で進めていくのかというのが、もし今、現時点でお考えがあれば、お伺いできますでしょうか。
総務部
まだ具体的にスケジュールが引けているわけではないのですが、今職員にどういったニーズがあるのかアンケートを取っておるところですので、その結果などを踏まえて検討してまいりたいと考えてございます。
日経
細かいところで大変恐縮なのですが、アンケートを取っているというのは、今年度取っているということでしょうか。
総務部
今、正に取っているところです。
日経
米トランプ政権の関税交渉が15パーセントという条件での合意を迎えました。今後についての知事の方針だったり、また、今の御見解であったりをお伺いできればと思います。
知事
まず、見解というか所感からまず申し上げさせていただきます。トランプ大統領は8月1日から日本からの輸入品に対して25パーセントの相互関税を課すと表明をしてきていましたが、政府による交渉の結果、7月23日に一定の合意がなされ、本県の基幹産業である自動車に対する関税率も含めて15パーセントまで引き下げられるというふうに聞いています。当初示されていた関税率よりも低い税率で合意に至ったのは、政府の粘り強い交渉の結果ではないかというふうに受け止めていますが、15パーセントの関税自体は、これまでにない高い関税率であるのみならず、合意文書がなく、関税の全容が必ずしも判明しているわけではない上、アメリカの対応が今後変化していく可能性もあるのではないかとも指摘をされているところ、状況をこれで、めでたしめでたしとか、良かったとかそういう話ではなくて、引き続き注視をする必要があるのではないかというふうに感じているところであります。また対応についてですけれども、アメリカの関税措置の影響は1つの県だけにとどまりません。やはり全国的な課題だと思いますので、まずは国において、全国一律の対策を講じるべきものであると考えています。これまで参議院議員選挙がありましたけれども、これが終わりましたので、今後、国の補正予算の動きも出てくる可能性もあるのではないかと思いますので、国の動きを注視したいと思っています。他方で県の方ですけれども、以前からお話をさせていただいておりますが、県としては、直ちに手を打てるよう、また県内の企業に対する影響が最小限にとどめられるようにすることが大切だと申し上げてまいりました。金融機関へのヒアリングであったり、四半期経営動向調査を行い、トランプ関税の県内経済への影響についてまず把握した上で、と言っても今はまだ先ほど申し上げたように完全に判明したわけではありませんので、8月1日以降可能な早い時期に、そういったことを調査した上で、強い経済の構築に向けた埼玉県戦略会議については適宜開催をさせていただきたい、とメンバーには既にお話してありますので、これを開催するなど、経済団体や事業者のお声を伺いながら、必要に応じて適切な対応を検討してまいりたいと思っています。なお、現時点ではそういった要望が強いとは思いませんけれども、仮にそれまでに何かが必要になるという場合には、特に資金繰り等で、運転資金が必要となる場合の資金繰り支援等に「経営あんしん資金」等で対応をさせていただいて万全な形で臨むとともに、これは予防的措置ですけれども、トランプ関税の影響ということでこれまで進んできた、例えば、労務費を含めた適切な価格転嫁が止まってしまう、いわゆるその下請けにしわ寄せが行くといったことがないよう、ここについては力を今から入れていきたいと思っています。
埼玉
昨日の国会議員連絡会議において、トルコ共和国との相互査証の免除協定について現状を踏まえた慎重な検討を行い、必要に応じ一時停止措置を講じることを要望されたと承知しております。県民の安心安全というところに対してかと思うのですが、このタイミングで要望をされた知事のお考えについてお聞かせください。
知事
まずこのタイミングでというところですけれども、実は5月に2度ほどこの話はしておりまして、5月13日の知事会見で、埼玉県内の外国人の入管問題にということで御質問いただきました。もちろん入管行政は国が所管していますけれども、この入管施策、あるいはその査証免除協定のような二国間関係も含めた、いわゆる査証行政、領事行政については、今後、国の責任を持った対応を行っていただきたいと申し上げました。また同じく5月に開催された、関東地方知事会での国への提案・要望における外国人の増加に対する取組の強化において私の方から、相互査証免除協定に基づき入国し、難民等の認定申請を正当な理由なく繰り返す外国人が滞在を継続することによって、地方自治体にしわ寄せが及んでいる事例が見られることから、必要に応じ相互査証免除協定の停止を検討すること、ということを提案したところ、関東地方知事会でこれが賛同いただいて採択され、これが6月に国に対しての要望になりました。こういった意味では、今のタイミングというよりも、引き続き、これまでと同様に行っていることであります。昨日の県選出国会議員連絡会議では、この国に対して要望を行うので、県選出の国会議員として、これを支援していただきたいと、こういうふうに申し上げたつもりでございます。なお改めてもう少し中身について御説明させていただきますと、入国管理行政、あるいは査証行政は先ほど申し上げたとおり国の所管であります。そして今回全国知事会が先週ありましたけれども、そこでも国は外国人を労働者と見ているが、地方自治体から見れば日本人と同じ生活者であり、地域住民であるとしており、国の施策のしわ寄せが労働者として見ているとしても、生活者として地方自治体はこれを対応しなければならない、こういう状況に置かれています。そのような中で、埼玉県でも令和6年末現在で約26万人以上の外国籍の方が住まわれており、外国人住民が共に地域で生活することが当たり前となっており、私ども地方公共団体は地域を預かる立場として、日本人住民、外国人住民が共に暮らしやすい、そういった地域を目指し、多文化共生社会の実現に向けて取り組んでいるところであります。しかしながら、県として治安に関する不安が住民から寄せられています。県としては、治安維持並びに法執行、これは県じゃなくて警察の権限ではありながらも、川口北警察署の整備や大幅な警察人員拡充に向けた国への働き掛け、今年度の拡充人員の3分の1以上を埼玉県だけで取ってきたということからも見ていただけると思いますし、日本一の「わがまち防犯隊」の組織など可能な限りの対応を行ってきました。しかしながら、繰り返し難民の申請を許可されずに滞在する外国人に対する不安といったものが、それでも寄せられており、言わば難民申請がされて対応しないというのは、いわゆる出口、外国人の出口での対応を国が行わないということであれば、もう1つの口、つまり入口、ここにおいて入国の際に対応していただくしかないのではないかと思っています。県としては、査証免除協定というのは、両国の利益になるという判断で、両国が短期滞在査証の取得を免除するというものだと理解していますけれども、この短期滞在査証の取得が免除されているトルコ共和国との間で、トルコ国籍の方の難民申請について課題があるという統計がございますので、先ほど申し上げたとおり、国が出口のところでしっかりと処理しないとすれば、入口のところを査証免除については、一時停止して、他の国と同様に査証を経伺する、一般には査証を取ってもらうことになっていますので、別にトルコ国籍の方を排除するというわけではなく、相互に利益があることで行われている相互査証免除協定について一時停止し、入国の時点で査証を経伺する段階で適切に管理するよう、「外国人との秩序ある共生社会推進室」を設立し、適切な入国について見直していくとされたこともございましたので、5月からのものではありますけれども、改めて今般、国がこの推進室を作り政策を見直すという話をされておられますので、この機会を捉えて提言をしたいというふうに考えているところであります。
埼玉
もう1点伺いたいのですが、昨日、一昨日で、越谷で良いニュースと悪いニュースがあったかと思うのですが、1つは夏の全国高校野球埼玉大会で叡明高校が春夏通じて初優勝で甲子園出場を決めたと、もう1つは、越谷アルファーズの安齋ヘッドコーチがBリーグから資格停止処分を受け、知事もコメントを出されているかと思うのですが、アルファーズの方はですね、今後Bプレミアを目指して行政との連携等を図っていく段階だと思うのですが、その中でこういった事態になったということについて、知事のそれぞれの御所感を伺います。
知事
叡明高等学校の皆さんには心からお祝いを。特に初出場ということだと思いますので、これまで甲子園を目指して取り組んでこられた選手や監督などの指導者、あるいは御父兄、OBの方々も含め、皆さんにお祝いを申し上げ、共に喜びたいというふうに思っています。私も最後の試合、全部は見られなかったのですけれども、テレビで見させていただき、着実に得点を積み重ね、あるいはその終盤に向けて、落ち着いていった様子というものを見てきました。恐らく多くの方々が、破れた昌平(高等学校)も含めてですけれども、高校球児の活躍から、大きな夢と希望、感動を味わわれたというふうに思っています。この感動を埼玉県民として、是非、次のステップ、つまり甲子園で存分に発揮していただけるよう、県民と共に、応援をしていきたいというふうに思っています。改めて、本当に全国高等学校野球選手権大会への出場おめでとうございました、と申し上げたいと思います。他方で、(越谷)アルファーズについては、せっかく最近躍進をしてきた、あるいはこれからも更なる高みを目指されるという中で、名将と言われた安齋監督がこのような形で処分を受けられたことは、私は大変残念であると考えています。やはりヘッドコーチという大切なポジションでおられる方が育成や、あるいは指導、さらには戦略の構築、そしてゲーム内での采配など、多様なその役割を求められているということを是非しっかりと強く認識をしていただいて、今後どうされるのか私はちょっと分かりませんけれども、是非、越谷アルファーズ、県民の期待も大きいところでございますので、そういったことも受け止めて、次のステップ、是非、前を向いていただきたいというふうに考えているところであります。
NHK
私も日本とトルコとの間のビザ免除協定について質問させてください。もう少し伺えたらと思ったのが、昨日も説明されたかと思うのですけれども、トルコ国籍とされたのはどうしてかということ、不明な点もあるので、これはその県内のクルド人の人たちのことを想定しているのでしょうか伺いたいです。また、ビザの免除を一時停止するということはトルコとの関係を悪くすることにならないか、先ほど、地方自治体へのしわ寄せがきているというお話もありましたので、知事の今の見解を伺えたらと思っております。最後に、知事が今後要望していきたい国の機関ですとか、時期など決まっていましたら是非教えてください。
知事
まず、トルコ共和国が相手の査免協定の一時停止、この国をなぜという話でありますけれども、令和6年の法務省の難民申請データの上位3か国で、いわゆる複数回の申請者あるいは難民不認定者、いずれも実はトルコが突出していて、このトルコの方々で難民申請を繰り返している方々が埼玉県に多く滞在されている。そして、それに対する不安が寄せられているということが大きな理由であります。だからクルド人の関係というのはちょっとよく私分からないのですけれども、というのは、クルド人の統計は存在しませんので、トルコ本国そのものがクルド人の人数そのものを発表していないような中で、我々は残念ながら統計の取りようがありませんので、そのクルド人云々という括弧付きの言葉自体が私にはよく分からないのですが、ただ難民申請を繰り返している方というふうに先ほど申し上げたつもりですけれども、それが国籍別に統計として我々持っているのが、トルコだからということでございます。それからトルコとの関係が悪化するのではないかということですが、これはお互いに利益があるということで、通常、査証を発給するというのは、それぞれの国の主権の問題であります。この主権の中で相互に利益があるということで、これはビザの種類にもよりますけれども、免除をしましょうということで、相互の利益がある場合に考えることですけれども、ただ現時点で、地方自治体として考えたときに、国の労働者を受け入れるという政策の下に、生活者として不安があるということが残念ながら寄せられている状況なので、通常に戻して欲しいと、つまり査証を取得する、あるいはその査証を経伺する段階、経伺する段階というのは入国前ですけれども、その段階で判断をしていただくということを、我々としては国に責任を持った形で求めて、結果として入ってきて、居ついてしまってそこで何度も難民申請を繰り返してきちんとした就職もできないのに結果として地域の中で不安要素になっているということが不安視されるという状況は決して良いことではないと思うので、決してトルコの国民を出ていってくれとか来ないでくれと言っているわけではなく、通常の他の国と同様に戻して、その前の段階で査証経伺してスクリーニングをしてくれと、これが我々がお願いしていることでありますので、他の国と同様のことをすることによって、果たして関係が悪化するかということについて私は逆に疑問であります。それから、最後の要請する機関ですが、外務省に対して要望をするのが、やはり我々としては筋というか、そういったことになるのであろうというふうに考えております。しかしながら、外務省には参議院選の前から何度も面会、要望に行くということでお願いをしてきたのですが、政務三役でなくても構わないから受け取って欲しいとお願いしてきたのですけれども日程がつかないというふうに何度も言われており、現在日程は調整中であります。したがって、外務省に要望したいと思っていますけれども、現時点で要望の日程は決まっておりません。ただ昨日は国会議員の方々に、我々の要望を側面支援していただけるように県選出の国会議員の方々にお願いはしてございます。
NHK
「必要に応じて一時停止の措置を講じていくよう」という文言の「必要に応じて」という文言に盛り込まれた意図ですとか狙いがあれば併せて教えていただければと思います。
知事
トルコとの相互査証(免除)協定については、国として、トルコとの間で短期滞在査証の付与について経伺を免除する、査証の取得を免除するということが利益であると考えたからなのだろうと思っています。ただそれが必要な場合というのは、入口でコントロールされるのか、あるいはそのトルコ人が悪いというわけではありませんから、決して民族や国籍で悪いと言っているわけではないので、そこで難民申請を繰り返して、結果として出口のところでコントロールが国としてできないのであれば、入口のところでスクリーニングをして欲しい、査証の経伺を通じて判断をして欲しいというふうに申し上げているところでございますので、これは必要に応じてというのは、先ほど申し上げたように、いわゆる入管あるいは査証に関わる領事業務等については、国が所管でありますので、そこについて我々は結果として、県民の不安が払拭されるということが目的でありますので、別に査証を止めることが目的ではありませんので、必要に応じてというふうに書かせていただいたつもりであります。
時事
私もトルコとのビザの相互免除協定の一時停止の件をお伺いしたいのですけれども、昨日のお話で過去に犯罪への懸念からイランとの相互査免協定の免除が一時停止されたという経緯を知事からお話があったと思うのですけれども、類似の事例としてはイランになるのか、また何か他の事例もあるのか、もし御存じだったらお伺いしたいです。あと、イランに関しては平成の初頭に代々木公園に集まっていたという事例があったみたいですけれども、自治体から要望するというのは異例という形で考えてもよろしいのか、知事の見解を伺えればと思います。
知事
イランのケースが類似というか、一時停止をした前例というふうに理解はしています。ただ類似かどうかの判断は、一時停止については私も同じ理由というか、そもそも実は査証政策というのは、国際的な慣例として説明する必要は必ずしもありません。そういった意味では、類似といえるかどうかは私には分からないところであります。なお、あともう1つ代々木の(事例のような)自治体から(の要望が異例か)ですか、すみません、そこは私は存じ上げませんが、自治体からの要望はあったかどうかは知りません。ちなみにただ、前例があるかといえば先ほど申し上げた5月の段階で、関東知事会で私が提案をして採択をされ6月に既に要望を国に対して行っているというふうに聞いていますので、こういった要望は、関東知事会としてはなされています。
朝日
先ほどタイミングの質問が出たのでそれに関連して伺うのですけれども、今回難民申請等データ、その複数回申請者、難民不認定者、仮放免者、いずれもトルコが多いということを1つ根拠にされたかと思うのですけれども、例えば一昨年、令和5年、令和4年で見ても、複数回申請者はいずれもトルコが1位、仮放免者もトルコが1位、令和5年だと、令和6年よりも数が多い。このタイミングというところで伺うのが、なぜ過去2年でもこういった統計が出ているところで一時停止ということを求めず、今回このタイミングに至ったのかということを1つ伺いたいです。
知事
私は査証免除の協定の一時停止や難民申請の数とか、こういったものを問題にしているわけではなく、先ほどから申し上げているとおり、難民申請を繰り返す方がおられる中で、治安等に不安を感じる方々が出てきていると申し上げました。一昨年、令和5年に私の方から県南部の治安の強化、この時にもちろん外国人だけじゃないです、治安の強化については、国籍や民族にかかわらずということでお願いさせていただきました。しかしながら、こういった御不安が残念ながら今も継続しているということは事実であります。また、ノン・ルフールマン原則がありますので、一旦入国してしまった場合には、難民の認定がされない場合にも難民と同様に扱うという国際法上の原則がノン・ルフールマン原則としてありますので、こういったことに鑑みると、どんどんどんどん増えていってしまうとか、あるいは減っているとしても、埼玉県には多くいるということは現状として続いていますので、これは継続しているがために、だとすれば、ちょうどこの新しい(外国人との秩序ある共生社会)推進室等を設けるに際して、今回政策を見直すと総理御自身がおっしゃっていますので、そうであれば、我々としても、是非この査証の免除について、仮に先ほど申し上げた出口の方でコントロールができないのであれば、入口のところでコントロールして欲しいということを申し上げているつもりでございます。なお、こういった難民そのものとか難民申請を私どもが問題にしているわけではなくて、先ほど申し上げた、そういった中での治安の不安定化、治安が不安定化しているというファクトもあまりないのですけれども、治安に対して不安感を抱いている方が多い、あるいは継続しているということに対して、私どもとして、やはり生活者として受け入れていますので、しわ寄せが自治体に寄せられないよう、こういった措置をお願いしたつもりであります。
朝日
難民等申請を繰り返す外国人が滞在を継続し、犯罪行為を行う事例などにより、住民に不安が広がっているというふうに課題として挙げられているのですけれども、その不安が広がっているという、ちょっとぼんやりしているような印象もあるのですよね。実際に例えば難民等申請を繰り返す外国人による犯罪行為が統計として増えているという事実があるのか、実際不安が広がっているというのは、もう少し具体的にどういったことを指して不安が広がっているというふうに判断されたのかという根拠の部分をもう少し具体的に伺いたいのですが。
知事
不安が広がっているというのは、実はこれずっと続いていますけれども、知事への提案とかそういった中でも数多く寄せられているということであります。ただ犯罪が多いとか、一気に増えたとか、そういった実は統計としては表れていません。これは事実として、例えば県南のよく川口とか蕨市の話が出ますけれども、人口当たりの犯罪認知件数に関しては、例えば新宿や渋谷区の半分でありますので、これが多いか少ないかというのは主観の問題もあるとは思いますけれども、特にここだけで増えているというわけではありません。ただ、不安が広がっていることは事実として我々受け止めています。そういったことで、逆に言うと、先ほど申し上げた、警察官の人員拡充に際しても、こういった統計が示せない中で、国と戦うというのはものすごく大変なことでありましたが、我々としては、もちろん外国人を含めた県南の治安だけではありませんけれども、そういった不安というものを強く抱いている方々がおられるということについても、やはり、そこは真摯に受け止めなければならないと考えています。
朝日
今御説明いただいた不安というのは、知事に提案とかという形で寄せられるものが増えているという傾向から、その不安が広がっているというふうに御判断されたということですか。
知事
先ほど申し上げたとおり令和5年の私どもが、警察に対して、治安強化をお願いしたときからずっと多い状況で推移しています。
朝日
ただどうしてもこう何というか、外国人による犯罪行為の事例という不安があるというのは確かなのかもしれませんが、具体的にそのファクトはないとさっきおっしゃっていたかと思うのですね、不安定化が進んでいるっていうファクトはないというふうにおっしゃったかと思うのですけれども、どうしても根拠の部分がちょっと、こういった今回協定の一時停止ということを求める上で、何がこう大きなきっかけになったのかというのが、まだ腑に落ちないところがあって、不安が広がっているのは事実だと思うのですけれど、それがどういうことを基にと言ったらいいのかな、統計があるわけじゃないのですよね、外国人による犯罪が増えているというような。
知事
実は分母がそんなに大きいわけではないので、多少増えたり減ったりというのは正直あります。全体的な傾向としては確かに、トルコ国籍の方が増えていることは事実ですけれども、急激に増えたというわけではありません。そして、相互査証免除協定は利益がある場合に両国が締結するものなので、不安を含めて通常に戻して欲しいと。要するに優遇しているわけです。今、相互査証免除(協定)でお互いに、もちろん相互主義ですから、お互いを優遇しているわけですけれどもこれを普通に戻して欲しいと。そこで1回スクリーニングをしていただくことが、難民申請を繰り返す方々の結果として減少につながり、不安の解消に寄与するのではないかということでお願いをしているということでありますので、特段犯罪が増えたからといった、突然ですよ(増えたからといった)、そのファクトが私は必要だとは思いません。
東京
同じ質問だったのですが、重ねて伺いますけれども、知事が把握されている不安というのは、具体的に住民の方は、どんな不安を抱かれていると知事は認識してらっしゃるのでしょうか。
知事
まず私ども申し上げたとおり、我々自治体に課されている使命は外国人を含めて、共生社会をしっかりと作り上げ、安心安全に国籍あるいは民族にかかわらず、社会というものを作り上げていくことが私たちの課せられている使命だと思っています。これに対して、私どもに寄せられているのは、個別の犯罪であったり、あるいはいわゆる社会のルールというのでしょうか、共同体のルールというのでしょうか、こういったものが守れない人たちがいるとか、あるいは犯罪が起きていることは事実なので、1つずつそういったことを捉えて、大変不安であるといったことが寄せられています。そういった中にはやはり、我々はきちんと就職が例えばできて、そして社会の中の一員として活動されているような外国人もたくさんいますので、そういった方々ではなく、やはり難民申請を繰り返して不安定な状況にいる方々がおられることでそういった不安がかき立てられている方々も多いのではないかというふうに、寄せられている投書などから判断をしているところでありますので、ここについては、難民行政と言うのでしょうか、難民認定されていないので難民と言っていいかどうか分かりませんけれども、難民行政みたいなものをやはり国がしっかりとコントロールする必要があるのではないかという意識で、先ほど申し上げた相互査証免除という優遇措置については、通常に戻して欲しいと申し上げているつもりです。
TBS
朝日新聞さん、東京新聞さんの質問でもありましたけれども、要は協定の見直しの要望と県民の不安となかなかそこに根拠も含めて結び付きづらいというところが正直な感想なのですが、そこで聞き方というか質問をちょっと変えまして、今回協定の見直しを要望したことで、知事の元に届いている県民の不安は解消されるとお考えですか。
知事
協定の見直しを求めていません。協定の一時停止、イランについても同様ですけれども、そういった前例があるので、これについては一時停止を求めています。不安というのは主観的なものでありますが、一時停止をすることによって可能になるのは査証の経伺であります。査証を取得することが義務付けられているというのは、実は査証は申請をして、これを一旦、本国で経伺をして、その時にどういう人かというのをスクリーニングして査証の発給をする、これが通常のパターンであります。この通常のパターンを復活することによって、入口の段階で様々な状況について、国のいわゆる入管の施策というものが反映することができるので、その部分は当然、不安がある人に対しては根拠をもって説明できることになります。
TBS
そういう説明ができる要望をすることによって、不安は解消されるということか。
知事
不安は主観的なものですけれども、その御不安に対して国が査証の経伺を行うことによってスクリーニングができますので、そこで説明ができるということになります。ただし、これ国の施策なので、万全に、犯罪が仮に結び付いているとしてそこが止まるかとか、そういったことについては最終的に国の判断になると思いますけれども、私はそうやって1つスクリーニングの段階を得るというのは、私はこれまでの何もない優遇的な措置を一旦停止するというのは一つの手段として、国が他の施策を講じないのであればありだと考えています。
時事
同じ質問になるのですけれども、令和6年の国籍別の外国人の検挙人員を見ると、ベトナムが一番多くて、次に中国、フィリピン、タイ、6番目がトルコになるのですけれども、この中で査証免除協定を結んでいるのは多分タイとトルコだけかと思うのですが、難民申請に重きを置いていらっしゃるのか、トルコだけそういう対応を取るとちょっとバランスが取れないのかなと思ったのですが、どういう理屈でやってらっしゃるのか見解を伺いたいと思います。
知事
当然、犯罪を犯した場合に、これを法執行される警察機関が逮捕し、そして司法機関に委ねるというのは当然のことであり、これは国籍にかかわらず厳正に対処していただきたいというふうに思っています。他方で、警察や法執行の部分ではなく、また先ほど申し上げたノン・ルフールマン原則が適用される。難民が申請を行っているときには、これ難民として扱わなければならない、同じ待遇にするというのが国際法の原則になっている中で、つまり宙ぶらりんで何度も何度も申請しているという方々に対する不安というものが高まっているとすればこれに対して何らかの措置をしなければならないと思います。そのことによって仮に、国がその方々を強制退去にさせるとか、あるいは難民として受け入れるとか判断されるのだったらいいのですけれども、この出口がなされないままに、難民申請を繰り返す方々が数多く特に埼玉県にいて、地方自治体にしわ寄せがあるとすれば、入口の段階でスクリーニングを1回してくださいと、これが増えないように、先ほど申し上げた、仮に国が対処しないのであればその段階でスクリーニングをしていただくということを求めるということであります。だとすれば、他の国とのバランスが取れているかどうかというのは、難民の不認定者や仮放免者や複数回の申請者ということで判断をする必要が私はあると考えておりますし、またトルコ国民の方々に入ってきて欲しくないとか不利益を講じるのではなく、優遇的な措置を一旦停止して欲しい、他の国と同じようにしていただきたいというふうに申し上げているので、これについてバランスが取れないとは考えていません。
NHK
難民申請を繰り返している外国人が県内の治安悪化の話もありましたけれども、犯罪行為に関わっているという認識を県として持っているのか確認させてください。
知事
犯罪に関わっている事例はありますけれども、それが統計として数多く表れているとは私は考えていません。だからこそ先ほど申し上げたように、不安が高まっているというふうにしか申し上げていないはずであります。
読売
今回、参院選では、外国人の適切な管理ということをうたって、日本人ファーストを掲げた参政党が非常に躍進したと思うのですけれども、県がこのタイミングでこうした国への働き掛けを強めるというのは、こうした外国人の管理を強めたいというふうに捉えて躍進した、そういうところで可視化された民意というのが、県の取組というか働き掛けの背景にあるのでしょうか。
知事
全く関係ありません。本年5月からこういった取組はさせていただいており私の方から関東知事会で申し上げたとおり、これらが継続しているということが背景にあって、あるいは突然、何らか今年度になって新たな要素が出てきたということはございませんし、政治的な特に国政の話については以前から申し上げているとおり、外国人をこれから受け入れるかとかという話については、きちんと国で議論してくださいと、これはこれで別な話でありますので、全く関係ありません。(終)
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