ページ番号:268843

掲載日:2025年6月6日

ここから本文です。

知事記者会見 令和7年6月5日

知事記者会見動画【全体:YouTube】
知事会見パネル(PDF:1,757KB)

  知事発表

令和7年6月定例会 付議予定議案について【該当部分動画(YouTube)】

知事

  「令和7年6月定例会の付議予定議案」でありますが、今回、令和7年6月定例会を6月12日(木曜日)に招集することといたしました。今定例会に提案する議案は15件となっております。内訳ですが、「令和7年度 埼玉県一般会計補正予算(第1号)」などの予算が2件、「埼玉県職員定数条例の一部を改正する条例」や、「埼玉県立げんきプラザ条例の一部を改正する条例」などの条例が11件、専決処分の承認が1件、そして和解が1件となっております。ほかに報告事項が予算繰越報告6件、公社等の経営状況報告19件など議案と合わせて、全体で42件となっております。

  それでは今回提案する一般会計補正予算(第1号)について御説明します。補正の予算額は58億6,298万8千円となっており、補正後の累計額は2兆2,367億5,298万8千円となります。主な内容でありますが、国のいわゆる高校無償化の先行措置に関わる予算修正に伴い、高校生等臨時支援金の支給及び国公立高校における高校生等奨学給付金の拡充として50億2,942万1千円を計上しているほか、医療提供体制の確保を図るための医療機関への給付金の支給など、国の令和6年度補正予算において、昨年度の段階で詳細に判明しなかったメニューへの対応として8億3千万飛んで5千円を計上しております。

  次に令和7年度流域下水道事業会計補正予算(第1号)「下水道管の破損及び道路陥没への対応」についてであります。改めて、1月28日、八潮市中央1丁目で発生いたしました陥没事故に巻き込まれお亡くなりになった方に対し、心からのお悔やみを申し上げるとともに、改めて御家族の皆様、関係者の皆様に対してお見舞いを申し上げたいと思います。本件につきましては、巻き込まれた方の救出を最優先に考え工事を進めてまいりましたが、今後は下水道管の仮復旧のフェーズへと移行してまいります。復旧に当たっては、復旧工法検討委員会の御意見も踏まえ検討を進めてきたところ、地盤改良や現場の臭気、騒音などを軽減するための工事を実施する必要があることから、現在の予算額では不足が見込まれることとなりました。そこで、これらの工事等に係る費用の不足分として、39億円の増額補正予算案を6月定例会に提案することといたしました。また、下水道(局)の定数の改定に関する条例改正案も提案させていただいており、この増員に伴う給与費として2億1,030万8千円の増額補正も合わせて計上しており、合計で41億1,030万8千円を計上しております。なお、着手済みである仮排水管の整備、キャビン救出立坑設置に係る不足額につきましては、流域下水道事業会計におけるほかの既定予算58億円で対応しているところであります。引き続き、現場の安全確保を図りながら早期の復旧を目指してまいります。

  「埼玉県立げんきプラザ条例の一部を改正する条例」について、次に御説明いたします。施設の利用状況などを踏まえ、設置目的である宿泊活動、自然体験活動を通じた青少年の健全育成等を果たせる適正な規模にげんきプラザを再編するものであります。具体的には、集団宿泊活動や自然体験活動などでの利用割合が低く、市町村の施設などでも代替ができるスポーツ活動等の利用が中心となっていた加須げんきプラザ並びに神川げんきプラザ、こちらの2か所を廃止します。これによって県内のげんきプラザは現在の6か所から4か所となります。施行期日は令和8年4月1日とし、令和7年度末をもってこの2所は廃止となります。今後は継続する4所で充実した宿泊活動や自然体験活動を提供してまいります。

ページの先頭へ戻る

熱中症予防について【該当部分動画(YouTube)】

知事 

  続いて、熱中症の予防についてであります。本県における令和6年5月1日から9月30日までの熱中症の救急搬送数は5,528名で、一昨年よりは減少したものの、東京都、大阪府、愛知県に次いで全国4番目に多い搬送者数となりました。搬送者の内訳をみると、年代別には65歳以上が56.6パーセントを占め、発生場所別では住居が39.3パーセントと最も高く出ました。

  パネルは昨年6月から9月までの救急搬送者数と暑さ指数を示したものであります。(パネルを指しながら)ちょっと見にくいですけれども、搬送者数がこの棒グラフ、そして暑さ指数がこの折れ線グラフで示してあります。この暑さ指数というのは、気温、湿度、日射・輻射などを基に算出する熱中症予防の指数であり、高いほど危険性が高いことになります。そしてこのグラフでは、気象庁が設置する県内8か所の暑さ指数観測地点のうち、一番指数が高くなる傾向がある鳩山町の指数を採用してお示ししています。暑さ指数の33、(パネルを指しながら)このラインですね、この33は環境省が熱中症警戒アラートを発表する基準となっていて、熱中症による人の健康に被害が生じる恐れがあるレベルがこの33であります。こちらの、もう一方の棒グラフを見ていただきたいのですが、これは先ほど申し上げたとおり救急搬送者数ですけれども、ちょうどこの点線で囲んであるところ、これを見ていただきたいのですけれども、この点線で囲んであるのは、昨年初めて暑さ(指数)が33を超えた7月初旬や、あるいは梅雨明けの直後、(パネルを指しながら)ここのところです、梅雨明けの直後や初めて暑さ(指数)が33を超えたところで、その期間に実は救急搬送者数が急増しています。ほかは33を超えたところでもそんなに高くないのに、当初のところが高いという傾向が出ています。8月以降は暑さ指数が33を超えたところがたくさんあるのですけれども、この四角で囲んだところほど救急搬送者数は増加しませんでした。これは体が暑さに慣れて熱中症になりにくくなったためと考えられます。

  暑熱順化(しょねつじゅんか)という言葉を御存じでしょうか。この暑熱順化とは、体を暑さに慣らして汗が出やすい体づくりを行うことであります。汗をかけないと、体にたまった熱を逃がすことができず熱中症となりますが、暑熱順化によって早く汗が出ることで体温の上昇を食い止めることができます。そのため、熱中症の危険が高まる前の時期に、無理のない範囲で汗をかくことをお勧めいたします。屋外ではウォーキングやジョギング、屋内ではストレッチや筋トレあるいは湯船に浸かった入浴によって汗をかくことも効果があるとされています。県では熱中症予防の運動をYouTubeの動画で示しておりますので、御覧いただきたいと思います。

   熱中症予防のためにはアラートや暑さ指数を意識した行動をお勧めいたします。県では、厳重警戒レベルである、暑さ指数が28以上となることが予測される(日の)朝7時45分に埼玉県LINE公式アカウントで熱中症予防情報を、その時間辺りにプッシュ配信しています。今年度から、危険のレベルが色で分かるようにデザインを変更いたしました。オレンジ、こちらが「厳重警戒レベル」、赤が「危険」、紫が「熱中症警戒アラート発表中」、黒が「熱中症特別警戒アラート発表中」であります。このひどい方の紫と黒、この通知が来たら熱中症の危険性が高まっていることを思い出していただき、熱中症予防対策を徹底していただけるようお願いいたします。埼玉県LINE公式アカウント「埼玉県庁」と検索いただき、友だちに追加した上で、「防災・災害情報」から受信設定していただくと配信されますので、是非登録をお願いいたします。また、暑さ指数は県内でも場所によって違いが見られます。そこで、皆さんのお住まいにより近い地域の暑さ指数をお伝えするため、埼玉県気候変動適応センターでは独自に県内30地点の暑さ指数を公表しています。「SAI-PLAT(サイプラット) 暑さ指数」で検索いただくと、皆様のお住まい付近の暑さ指数を確認することができますので、是非御覧いただきたいと思います。また外出時、町の中で一時的に涼める「まちのクールオアシス」を、市町村や民間事業所、店舗に御協力いただき指定しています。「まちのクールオアシス協力施設」のステッカーが目印なので、暑い日の外出時に御利用いただきたいと思います。

  特に熱中症の危険が高いときに発表されるアラートを紹介します。1つ目は「熱中症警戒アラート」。熱中症による人の健康に被害が生じる恐れがある場合に発表されます。発表の基準は、県内にある8か所の暑さ指数観測地点のいずれかが暑さ指数33に達すると予測される場合であります。もう1つ、(パネルを指しながら)こちらの黒い方です。こちらは「熱中症特別警戒アラート」です。これは過去に例がないほどの危険な暑さであり、熱中症救急搬送者数の大量発生等を招き、医療の提供に支障が生じる場合に発表されます。発表の基準は、翌日の県内の暑さ指数観測地点の全てで暑さ指数が35に達すると国が予想する場合です。熱中症警戒アラートが発表されたら、まずは暑さから御自身を守ってください。例えば、エアコンを適切に使い涼しい環境で過ごす、こまめな休憩や水分・塩分の補給であります。そして、周囲にいる高齢者や乳幼児に、エアコンを使用しているか、水分を補給しているか、是非声掛けをお願いいたします。熱中症特別警戒アラートが発表されたときには、自分と自分の周囲の方々の命を守っていただきたいと思います。発表後は御自身と周囲の高齢者などが涼しく過ごすことができる環境かどうかを再確認するとともに、運動、外出、イベント等の責任者は、熱中症対策が徹底できているか確認し、徹底できていない場合には中止、延期を判断してください。そして、当日は熱中症予防行動を徹底してください。

  最後に、官民連携による熱中症対策を御紹介します。イオンモール浦和美園で開催されるイベント「うららか広場」において、熱中症予防ブースを設置し熱中症予防○×クイズなどの催しを行います。日時は6月21日、22日の土日、両日とも10時から17時までであります。こどもたちが楽しく学べるイベントとなっていますので、是非親子で御参加ください。そのほか、県では大塚製薬、セブン-イレブン、ファミリーマート、ミニストップと連携して熱中症対策を行います。1つ目が7月から8月末までの間、セブン-イレブンの県内全店舗で熱中症予防のPOPを掲示します。「水分補給」と「しっかりご飯」を食べていただくことを呼び掛けます。2つ目ですが、7月の1日から14日の間、セブン-イレブンアプリから熱中症対策啓発情報を発信するほか、店舗で熱中症予防うちわをお配りします。3つ目が、ファミリーマート、ミニストップの店内デジタルサイネージから熱中症対策啓発動画を配信します。気象庁から発表された今年6月から8月の気候の見通しでは、気温は全国的に高いことが予想されています。熱中症は適切な予防行動により防ぐことができます。アラートや暑さ指数を確認して予防行動を徹底し、めまい、頭痛などの熱中症が疑われる場合には、速やかに命を守る行動を取っていただきますよう改めてお願い申し上げたいと思います。これから暑くなってきますけれども、是非皆さんそれぞれに注意していただいて、快適な夏にしていただきたいと思います。

ページの先頭へ戻る

産経

  補正予算について質問をさせていただきます。八潮の道路陥没事故関連が予算として盛り込まれました。中でもその近隣事業者への補償費も含まれると聞いております。それも踏まえた上で、改めて今回の補正予算の意義を教えていただけますでしょうか  

知事

  これは八潮の下水道の方の補正予算の話でよろしいですね。まず今回の補正予算に計上させていただいたのは、工事がまだ継続しているというか、仮復旧のフェーズに入ったと申し上げましたけれども、この工事に伴う周辺事業者等への補償に必要な予算、あるいは工事に伴う土地使用に関わる借地料、さらには営業補償等も想定してきておりますが、今回の金額というものは、全体としては、復旧工法検討委員会等の意見も踏まえて、当初予定していなかった地盤改良、あるいは現場の臭気や騒音など軽減の対策、この工事のために不足が見込まれた、これに対する対応ということになります。今後補償につきましては、今個別の相談会を行っているところでございますので、先ほど申し上げた補償を含めて対応について、今後措置をしていくつもりであります。

朝日

  今お話に出た補償のことで伺います。今回、予算を組んだけれども、まず具体的にどういう範囲で、どういう方を対象にして補償するかというところまでは決まっていないということでよろしいですか。

知事

  まず、今回3月14日に第三者で構成する八潮市で発生した道路陥没事故に関わる原因究明委員会を設置して、事故の原因究明に着手いただいております。この原因究明委員会において、原因・責任を客観的に公正に究明いただき、その原因の責任に応じて補償についてはしっかりと対応していきたいと考えています。その一方で、先ほど申し上げたとおり、工事に伴う周辺事業者への補償であったり、工事に伴って土地をお借りするような借地料等の補償については想定をしているところでございます。また、特に影響の大きいと考えられる陥没箇所から半径50メートル以内の範囲にお住まいの方には、家屋の歪みだったり、ひずみ、こういったものを確認する家屋調査を実施したり、あるいは臭気を和らげるための脱臭機を用意するなど、少しでも安心して生活できるような対応を当面取っているところではありますけれども、本件に関しましては、先ほど申し上げた個別相談会を6月2日から実施している最中でありますので、そこで御意見をお伺いする、あるいは、是非必要な方に関しては御相談をまだ受け付けておりますので、是非御相談いただきたいというふうに思っています。

朝日

  事業者等への補償とあるのですけれど、住民に対する補償というのも今後考えられるということですか。  

知事

  先ほど申し上げたとおり、事業者というのは工事に伴う周辺事業者等への補償でありますけれども、具体的には、先ほど申し上げた土地の使用の借地料とか営業補償等これは想定しているところでございます。またそのほか、先ほど申し上げたように工事に伴って家に歪みが出たとか、あるいはひびが入ったとか、こういったところもあるというふうに我々認識していますので、それぞれ個別に状況違いますので、まず相談会でお話を聞かせていただき、その上で、我々としても、しっかりと対応をさせていただくつもりでありますが、ただ最終的には原因の究明というものも必要になってくると考えています。

毎日

  これまでに90億円、あと58億円、今回41億円で合計200億近く、これで終わりなのか。まだこれからもお金が掛かっていくという見通しなのでしょうか。

知事

  実はまだ(復旧)工法(検討)委員会等での最終的な結論が出ておりませんので、どこまでやるかといったことはもちろん我々最終的な決断というところまでは行っておりません。ただ、令和6年度に予算措置をした90億円に、既定予算で対応する58億円、そして6月定例会、今回御説明した39億円を加えると187億円になりますが、これが現時点で精査できた復旧に関わる費用になります。ただ、これに加えて、精査できた以上に仮排水路などの仮設物の撤去費用、一度仮設を作りますが撤去しますので、この撤去費用が未定であること、また既存インフラの復旧だとか、あるいは補償などについては、今後、今ちょうど相談会をやっているところもありますので、追加で生じる可能性もありますので、その際には改めて補正予算等の必要性を検討しています。現時点での、これ全く確定しておりませんし、議会等に例えばお諮りするような積み上げもお示しするものはございませんが、全体では300億円規模になるのではないかというふうに考えているところであります。

毎日

  これは下水道事業会計への補正だと思うのですけれど、一般会計から持ち出しとかになったりもするのでしょうか。

知事

  今回補正予算で39億円部分と、あと既定予算の58億円部分、これは財源は全額が企業債になります。現時点でこの増額分は国庫補助事業として位置付けられていないので、企業債の償還に当たっては、元利償還金のうちの約44パーセントこれが地方交付税で措置されます。残りの56パーセント、54.2億円になりますけれども、これ一般論として、まず申し上げると流域下水道事業の維持管理負担金、つまり住民が支払う下水道使用料に転嫁されるということになりますが、ただ今回、大規模流域下水道として日本で初めての本格的更新となった、工事負担については実は前例が1件もありません。初めての大きな大規模管きょの更新ですから、全く前例がありません。また先ほど申し上げた原因や責任、これについても解明されておりませんので、確立されたルールがない。先ほどの一般にというのは、今までのルールをもし当てはめたとすればということであります。こういった我が国が経験したことがない大規模流域下水道の更新方法、それから更新についての経費、これもどの程度掛かるかというのは実は今まで積算の根拠はない、これまでやったことありませんから。と同時に、この費用を受益者負担としていいのか、これについては国民台の議論が望まれるところであり、幾度も国に対しては、私の方からも問題提起をさせていただいております。埼玉県としては、先ほど一般的なルールでとは申し上げましたけれども引き続き国に働き掛けを行って、可能な限り住民の負担というものを軽減できるように努めていきたいというふうに考えております。

ページの先頭へ戻る

  その他質問

さいたまスーパーアリーナのネーミングライツについて 【該当部分動画(YouTube)】

産経

  さいたまスーパーアリーナのネーミングライツの件ですけれども、募集が始まりました。今、例えば問合せだとか打診だとか、事前の何か来ている状況があれば教えてください。あともう1点ですけれども、命名権料年5億円以上希望で最低でも3億円、年間としております。この中で、集客とかいろいろ魅力あるものを提案して欲しいということも含めると、ちょっと言い方あれですけれども、金も知恵も出すというようなのに5億円っていうのはちょっと高いのじゃないかという声も私が取材している限りは、聞きます。この辺りですね、どういうふうに思っていらっしゃるか、併せてお聞かせください。

知事

  本件については大変申し訳ないですけれど、後ほどお話をさせていただきたいと思います。私も適当なことを言うわけにはいかないので、御理解いただきたいと思っています。なお、ネーミングライツの価格が5億円というのは高いのではないかということにつきましては、他の施設等について、我々として比較をさせていただいた結果であります。また知恵も出せ、金も出せというお話がありましたけれども、知恵と金の出しようによっては、例えば100出したものが、その企業にとって120にも130にもなる、そういった可能性もありますので、そこは企業さんの考え方でありまして、これとこれを組み合わせることによって例えばの話、この部分が自分の企業が提供できるものが最大限に生かされることによって、すごいスタジアムになるとか、そういったことができる企業さんというのは私はたくさんあると思っていますので、高いか安いか、あるいはこっちも出せというよりも、こっちも出してもらったほうが良いというふうにお考えいただける企業もあるのではないかというふうに考えての措置であります。なお現状につきましては、先ほど申し上げたとおり別途、返答させていただきたいと思います。

ページの先頭へ戻る

合計特殊出生率について【該当部分動画(YouTube)】

埼玉

  昨日、厚生労働省の調査で2024年ですかね、出生数が70万人を下回ったと、埼玉県の出生率は都道府県別では1.09と、東京(都)では0.96と最低の数字が出てしまいました。分かっていることだとは思うのですが、この状況が加速しているというこの結果を踏まえて知事の御所感をお聞かせいただけますでしょうか。

知事

  まず御指摘のとおり、全国値では1.2から1.15に、そして埼玉県の場合には1.14から1.09ということで、出生率の全国値というものは残念ながら歯止めが掛からず、今年も減少したということになります。この減少につきましては、真摯に受け止めたいというふうに思っており、どこかで、やはり反転をまず目指すということが大切だと思いますけれども、そのためには結婚や出産を望む県民の誰もが希望されたとおりになれるような社会を目指すということが非常に必要だというふうに思っており、引き続き努力したいと思っています。ただ、努力したいと言っても、少子化対策は、何か1つの対応をすればそれでうまくいったというようなことは多分ないと思いますし、海外の例を見ても、フランスやドイツのように一時上がってもまた先進社会では元に戻ってしまうというのが数字として表れています。そこでやはり長期的な展望を持って、社会的な経済環境を変えるということがとても大切だと思っており、国と共に、景気対策、意識啓発など取り組むべきだと思っています。他方で県においては、もちろん結婚、妊娠、出産、子育て、就労、働き方、住まいなど様々な分野で多岐にわたる取組を進める必要があって、例えば、既に御存じのとおり、SAITAMA出会いサポートセンターによる結婚支援であったり、あるいは不妊・不育症検査の費用助成であったり、多様な保育サービスの充実など、「こどもまんなか社会」の実現に向けた、こどもを安心して産み育てることができる社会づくりを全力で進めたいと思っています。ただ、きれいごとを言っても、それだけではやはり上がりませんので、現実的で、そして私たちとして目先のまず問題、目先というか当面取り組んでいく課題としては、短期間で効果を出すためには、なかなか施策というのは難しく、特に結婚とか出産は個人の価値観だとか人生設計にも関わっているので、単純に経済が例えば良くなったらこどもが産みたくなるということだけではないと思っています。そこで、私たちとしては、まずは行政として人口が減少することを前提とし、まちづくりから持続的な経済政策を講じることが現実的であると考えており、埼玉県の場合、5年前から取り組んでいる埼玉版スーパー・シティ(プロジェクト)といったまちづくりから人口減少社会に備えるとか、あるいは労働生産性を上げるためのDXや、あるいはサーキュラーエコノミー、価格転嫁、こういった1つ1つの施策を着実に実現するということは、当面は施策として必要なので、先ほど申し上げた中長期的な人口減少に歯止めを掛ける施策と人口減少を前提とした措置、この両方を進めてまいりたいと考えています。

ページの先頭へ戻る

ベスト・ファーザーイエローリボン賞の受賞について【該当部分動画(YouTube)】

埼玉

  一方ですね、3人子育てをされた大野知事はですね、昨日「ベスト・ファーザーイエローリボン賞」を受賞されたということで報道にも出ていますが、この受賞についての受け止めと、もし奥様や御家族から反応などがあればお聞かせいただけますでしょうか。  

知事

  (賞を)頂いたことは、あの席でも申し上げたのですが、知事というのは表彰することが多いのですが、表彰されることはほぼないので、大変うれしかったことは事実でありますが、ただ、個人的な話をするのがよいかどうか分かりませんが、私の場合、本当に親の都合でこどもを戦争に巻き込んでしまって、最後女房を妊娠中に戦争中、逃げ惑うという、そういった思いをさせた父親としては、ベストファーザーどころか、ワーストに近い方かなというふうには思っています。ただ、こどもたちは父親よりはるかにできているものですから、昨日は喜んでくれたのではないかというふうに思っており、そこがせめてもの救いかなというふうには思いました。

ページの先頭へ戻る

東京都の水道料金の基本料金の無償化について 【該当部分動画(YouTube)】

時事

  東京の夏の水道無償化のことについてお伺いしたいのですけれども、以前の定例会見で大野知事の方から財政力があって初めてできる政策だというお話がありまして、その税財源の偏在是正を国が行うように求めていましたけれども、その後全国の首長からも似たような声が上がっていて、それを受けて、東京都の小池百合子知事が、財源は都の財政から捻り出していて、地方自治としてやっているのでこれを否定するような発言というのはいかがなものかという、何を優先するか、プライオリティの問題で、都は工夫を凝らして対応しているのですという反論があったのですけれども、東京だけ水道無償化というのも羨ましいなとは思っているのですけれど、この水道無償化、自治体のプライオリティの問題だという考えについて、高校無償化のときも似たような形になったかと思うのですけれど、どう思われるのか改めてお伺いできればと思います。

知事

  まず、もちろんそれぞれの自治体というものは、それぞれの考え方に従って、様々な施策を進めていることは、これはもう全く事実であり、ここについては恐らく、どの知事さんも同じ思いをお持ちではないかなというふうに私は考えております。他方で、前回質問をされたときには、この水道料金の無償化というのでしょうか。これについては、財源がよく分からなかったので、どういったところから負担するのかというものは、私もよく分からなかったのですが、詳細について確認いたしましたところ、一般会計から水道事業会計への支出ということであります。つまり、皆さんの税金で水道料金を払うと、これが今回の措置であります。こういったやり方ができるのは2つの理由があって、1つは前回もお話し申し上げましたけれども、東京都の場合には、埼玉県やあるいは他の道府県とは違って、東京は直接、都が各家庭に給水しています。あるいは各家庭や事業所に(給水しています)。ところが埼玉県は市に一旦水道用水を売却し、市が家庭や事業所に給水いたしますので、そういった最終的な価格、物価対策については、県として実施するやり方というのは構造としてまず難しいということが言えるというふうに考えております。そして2つ目ですね、この税の偏在については、これはもう明確であり、私たちは住民1人当たりの法人関係税、つまり地方法人二税と特別法人事業譲与税を加えた額で比較すると、埼玉県と東京都の格差は2.9倍であります。しかもこれは是正が必要であるとして令和元年に1回是正がされています。その是正をされたときの税制改正時の財源超過額は令和元年度1.2兆円、これが超過していたので是正されたのですが、実は今はもう既に1兆7,800億円ということで、そのときをはるかに超えている。つまり、税偏在がはるかに進んでいるという是正されたときよりも進んでいて、なおかつこの是正されたときの法律の附則第九条では、国がこの状況を勘案し必要があると認めるときは、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものと法律に書かれています。そういった意味では、この税財源の偏在というものが各自治体によってできる措置というものを大幅に変えています。これは現実の問題として事実で、更にEコマースということで、実際に買った人、使った人とは関係のない東京都に税金が落ちるという傾向が更に加速しているので、この財源の偏在というものをまず直さなければいけないと思っており、この偏在がない上で、各自治体の判断というのだったらそれはよく分かりますけれども、お金がたくさんあるので、これは税金でお支払いしますというのとはちょっとこれは論理構成が異なるのではないかというふうに考えています。

時事

  前回、国が一律に水道無償化についても、国が一律に実施すべきものじゃないかというお話がありましたけれども、今回東京の水道無償化を受けて国に何か要望したりとかというお考えはあるのでしょうか。

知事

  私どもといたしましては、今回、税の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築について、国に既に先週かな(後に訂正:昨日)、総務省に要望させていただきました。これはやはり事の根幹というものが、もちろん2つのやり方があると思います。先ほど申し上げた構造が違うので、都とか県がやるのではなくて国がやるという考え方と、あとは税財源、この偏在を是正するという2つの考え方があると思いますけれども。後者について、先週(後に訂正:昨日)、私の方から総務省に要望を直接させていただいたところであります。

ページの先頭へ戻る

防災庁の誘致について【該当部分動画(YouTube)】

時事

  もう1点、防災庁の誘致についてお伺いしたいのですけれども、狭山市などの県西部の5市が(6月)9日に内閣府に対して誘致の要望書を提出するということのようなのですけれども、国に提出したあと知事にも提出するということみたいなのですけれど、県として現時点で、防災庁の誘致に関する姿勢とか考え方がもしあれば、お伺いしたいのですけれども。

知事

  まず防災庁に対する考え方ですけれども、私どもは今回の八潮の件でも、市の消防が最初に入ったわけですけども、この情報が国や県と共有がされない、あるいはする義務すら法律上はないので、そういった意味では最初から災害に発展するような事故も含めて対応する制度が必要だと考えていますので、防災庁について考えていただいているということについては歓迎したいと思っておりますし、直接、防災庁については、あまり中身は申し上げられませんが、総理とも以前お話しさせていただいたところであり、思いは共有するところであります。そして、この防災庁、若しくはその関係する施設等についての誘致について、現時点では、私のところに直接まだ何も入っておりませんけれども、仮に、県内の市町村で関与する、あるいは誘致するといった動きがある場合には、私どもといたしましても、必要な支援をしっかりと行ってまいりたいと考えております。

ページの先頭へ戻る

ベスト・ファーザーイエローリボン賞の受賞について【該当部分動画(YouTube)】

東京

  再びベストファーザーのことを伺ってもよろしいでしょうか。先ほどお話の中で、御家族を戦争に巻き込んでしまうようなことがあったということでしたが、その辺りもうちょっと詳しく伺いたいのと、あとですね、今回、その選考理由で、「真の男女平等の上の父親像を希求する県民の父親的存在です」と評価がなされていますが、子育てについてのポリシーなどを伺えましたらお願いします。

知事

  最初の方の戦争は、ちょうど1980年(後に訂正:1990年)8月2日イラクのクウェート侵攻のときに、ちょうど私は、戦地に、イラクのバグダッドにいて、その後日本人を逃がす(交渉が行われることになりますが)、こどもたち、うちの息子や女房もそうですけれども、大変申し訳ないことに、こどもは赴任地を選べませんけれども、親の都合でそこに住むわけですけれども、戦争になって、結局、今、米不足の話がありますけども、米もないので、正直あのとき1日半合ずつ炊いて、0.5合ずつ炊いて3食こどもに食わすとか、そういった本当にひもじい思いさせたり、戦争に巻き込んだり、あるいはちょうど女房は妊娠していましたので、お腹が重い中で、最終的には隣の国ヨルダンまで逃がすとか、そういったことを、つらい思いをさせてしまったという意味では、私は先ほど申し上げたベストファーザーとはちょっとほど遠いかなという、そういう感覚があります。そういった意味で、後者について、そんな父親があまりこう偉そうな口を利くのはおこがましいと思いますけれども、ただポリシーということであれば、こどもたちに自由に、少なくとも、大きくなって意思がしっかりした考え方を持てるような歳になって以降は、なるべくこどもたちの意見を尊重してあげたいなという、こういう思いは常に強く持っているつもりであります。

ページの先頭へ戻る

第1回埼玉賢人会について【該当部分動画(YouTube)】

NHK

  先ほど、出生数の減少や人口減少のお話もありましたけれども、明日第1回の埼玉賢人会議が開催されると思います。有識者の方々と、県の重要な人口減少や災害について話し合う機会だと思うのですけれども、今後、知事としてどういった議論ができることを期待するのか教えていただければと思います。

知事

  今、埼玉県は2つの歴史的な課題に直面しているというお話はよくさせていただいています。それだけではなくて、多分、いろんなところで大きな転機、後から考えるとあの頃大きく変わったよねと、こういう時期が今だと私は認識しており、そのときに行政としてやるべきことというものは、私は少なくないのではないかというふうに思っており、目先さえ良ければというポピュリズム的な政治をやることが、私は必ずしも政治家の役割だとは考えていません。そういった意味では、将来に向けた議論をさせていただく上で、専門にかかわらず、今回「賢人会議」と名付けましたけども、優れた知見をお持ちの方にお集まりいただいてお話を取り留めもないものでも結構なので、とにかく皆さんのお知恵をお借りしたいと、こういう思いで今回賢人会議を作らせていただいたところであります。明日は、実は県はどこまで、どういう発想でやっているのかという御説明をして、まず共有していただくということを考えており、そしてその後に、先生方から今後どういうテーマをやるのが一番良いのかということを忌憚なく聞きたいと思っていますので、よくある行政の委員会のように、予定調和的に決まっているものを出して、御承認を頂くという、こういう会議にはしたくないと、こういう思いが賢人会議にはあります。(終)

ページの先頭へ戻る

お問い合わせ

知事直轄 報道長  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎1階

ファックス:048-830-0029

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?