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掲載日:2025年4月23日
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知事
まず、私の方から何点か御報告をさせていただきます。はじめに、ゴールデンウィークに向けた観光情報を紹介させていただきます。本年のゴールデンウィークは埼玉でこの時期の花々をはじめ、スポーツ・グルメ・お酒を楽しんでいただきたいと思っています。まず、県内各地では美しい花が見頃を迎えています。滑川町国営武蔵丘陵森林公園では、「アイスランドポピー」の花が見頃を迎えます。園内でも一番規模が大きい花畑に約70万本もの、アイスランドポピーが咲き、オレンジや黄色、白といった彩り豊かな花の姿は暖かい春をイメージさせ、絶景です。春日部市の藤花園(とうかえん)では、「牛島の藤」が見頃を迎えており、樹齢約1200年の特別天然記念物の藤棚で紫色の長い房となって見事に咲いています。1年でも、この時期にしか入れない庭園でお楽しみいただくことができます。なお、開花状況につきましては、各施設のホームページ、あるいはSNS等で御確認をいただきたいと思っています。続いて、県内で楽しめるスポーツについてです。埼玉県には様々なアクティビティがありますが、今回は、加須市の渡良瀬遊水地を御紹介したいと思っています。埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県、この4県にまたがる渡良瀬遊水地は、本県では加須市に面しており、15キロメートルのサイクリングルートが整備されています。晴れた日には、空が遊水池の水面(みずも)に反射する様子が美しく、埼玉のウユニ湖とも言われています。この遊水池を臨む道を自転車で走りつつ、沿道の道の駅では買い物も楽しんでいただけます。お出かけの際には、各地域のグルメも御堪能いただきたいと思います。太目でコシがしっかりとした西部地域の「武蔵野うどん」のほか、藤の花をイメージした春日部市の「藤うどん」、盛りうどんを冷たいつゆで頂く加須市の「加須うどん」など、「うどん共和国埼玉」ならではのバラエティ豊かなうどんを味わっていただきたいと思います。そして、昨年12月に日本の「伝統的酒造り」として(ユネスコ)無形文化遺産に登録された、バラエティに富んだ質の高い地酒のみではなく、「埼玉の酒」を推していきたいと考えており、ウイスキー、ビール、あるいはワインなども是非お楽しみをいただきたいと思います。また、埼玉県は全国4位の清酒の出荷量を誇る有数の酒どころであり、荒川と利根川の伏流水を用いて仕込まれた埼玉の地酒は、川越の「小江戸蔵里(こえどくらり)」や秩父市の「西武秩父駅前温泉 祭の湯」で飲み比べることが可能であります。「小江戸蔵里(こえどくらり)」ですけれども、本川越駅の近くにあり、かつての鏡山酒造の酒蔵を改修した川越市の産業観光施設です。県内の全ての蔵の地酒が味わえる、「ききざけ処」や地元食材を使った料理と地酒のペアリングが楽しめる「まかない処」、そして地酒に合うおつまみが見つかる「おみやげ処」があります。「祭の湯」は西武秩父駅に隣接しており、「祭」をテーマに、温泉や食事、お土産など、秩父の魅力がたっぷり詰まった複合温泉施設で、「角打ちエリア」では、地酒の飲み比べができるほか、秩父のウイスキーやクラフトビールも楽しめます。それぞれ駅前にある便利な施設ですが、是非、川越や秩父の周辺観光スポットなどと共に、巡っていただきたいと思います。県内にはこの他にも様々な見所があります。県公式観光サイト「ちょこたび埼玉」を御覧の上、是非埼玉の魅力を全力で満喫していただきたいと思います。
次に、「環境科学国際センター」の観光情報について御紹介をします。「環境科学国際センター」には、複雑多様化する環境課題に対応すべく、幅広い試験研究を行う環境研究所に併設して、環境を守るための「ヒント」を体験型で学習できる展示館、「彩かんかん」があります。この「彩かんかん」では、ゴールデンウィークに合わせ、4月26日の土曜日からクイズに答えながら、生物多様性と地球温暖化について学ぶメディアワークショップの新規映像を公開します。また、ゴールデンウィーク特別企画として5月6日には、普段は見ることができない「環境研究所」の公開を行います。マイナス196度の液体窒素を使った実験など、どなたでも楽しめる様々な体験ブースを用意するほか、その日には発電機を使った実験や、どんぐりを使ったエコクラフト体験なども開催します。是非お越しいただきたいと思います。次に、「彩の国ふれあい牧場」の観光情報です。「彩の国ふれあい牧場」では、「おいしい!たのしい!牛のこと、牛乳のこと、酪農のことがよくわかる!!」をコンセプトとして、5月3日から6日まで「バターづくり体験」を開催しています。小さなお子さんから大人まで誰でも体験できますので、是非とも御家族でおいしいフレッシュバターづくりを楽しんでいただきたいと思います。また、直売所では、県内の酪農家が販売する県産の生乳(せいにゅう)を使用したジェラートを召し上がっていただけます。牧場ではヤギやヒツジ、牛が飼育されており、5月3日から6日まで、「ヤギ、ヒツジのエサやり体験」も実施しています。また、5月3日のみではありますけれども、音楽が鳴ると、放牧された牛たちが集まってくる「牛の呼び寄せの実演」も開催するのでこちらも是非お楽しみをいただきたいと思います。
次に、県立博物館施設などの観光情報について、御紹介したいと思います。「歴史と民俗の博物館」では、「はたらく装いのフォークロア」と題してイベントを行います。展示物では、埼玉県をはじめ、周辺地域の農耕、狩猟といった、働く際の衣服や用具を約170点紹介していますので、5月6日までになりますので是非お越しください。国の重要有形民俗文化財、「北武蔵の農具」をはじめ、各地の文化財から選りすぐった貴重な資料を御覧いただける機会となっています。働くための機能や効率を求めた工夫やさりげない美意識を見ていただきたいと思っています。そして、「さきたま史跡の博物館」におきましては、テーマ展『埼玉の遺跡 小敷田(こしきだ)遺跡 低地集落に生きた人びと』を開催しています。弥生時代における他地域との交流を示す土器や、多数出土した木製品を通じて、当時の人々の生活を紹介いたします。また、種まきの際に、稲の種もみを貸付けたことが記された木簡についても紹介いたします。なお、県指定文化財であるこの木簡につきましては、資料保護の観点から、複製を展示していましたが、4月26日からゴールデンウィークのみですけれども、実物を展示する予定となっています。そして「嵐山史跡の博物館」では、5月5日こどもの日に記念イベントを行います。小学生、中学生を対象に、武士のかぶとや身分の高い女性の着物であった小袿(こうちぎ)を着用できる体験イベントを実施します。また、菅谷館跡(すがや やかた あと)内をボランティアが解説しながら巡るツアーも行います。そして「近代美術館」では、企画展「メキシコへのまなざし」を5月11日まで開催しています。本展では、メキシコに魅了された日本の美術家5人に焦点を当て、彼ら彼女らがどのようにメキシコを捉えたのかを考察します。また、メキシコ美術の普及に努めた初代館長・本間正義(ほんままさよし)の活動にも目を向け、当館のメキシコ美術コレクションの源を辿ることといたします。
「自然の博物館」では、株式会社ニッチツ秩父事業所から寄贈を受け、令和7年3月に埼玉県の天然記念物に指定された秩父鉱山産 鉱物・岩石標本142点、全点初公開いたします。かつて日本有数の金属鉱山であった秩父鉱山は美しい鉱物結晶を産出することでも知られています。このたび公開するのは、鉱山事務所の応接室に保管され、来賓や研究者にのみ公開されていた一級の標本群であります。そして「川の博物館」では、企画展「麦の国さいたま」を5月6日まで開催しています。県では昔から麦の生産が盛んでした。麦栽培の歴史、農法、麦を使った製品、麦栽培に関わる民俗行事などとともに、県の麦づくりの改良に取り組み、麦翁(ばくおう)と呼ばれた権田愛三(ごんだあいぞう)や、麦栽培に使用されてきた民具についても、詳しく紹介しています。「さいたま文学館」では、収蔵品展「埼玉ゆかりの近・現代の文学者たち」を、明日4月23日から6月1日まで開催します。元埼玉県立高等学校の国語科教員で『埼玉現代文学事典』の編さんに携わった石井徹(いしいとおる)の資料とともに、武者小路実篤(むしゃのこうじさねあつ)、早船ちよ(はやふねちよ)、北村薫(きたむらかおる)など、埼玉ゆかりの文学者の著作等を展示いたします。そして最後に、「彩の国ビジュアルプラザ」の観光情報です。川口市のSKIPシティ「彩の国ビジュアルプラザ」では、5月3日、5日、6日の3日間、お子さんに人気の高い映画の無料上映会を開催します。事前申込み制ですので、彩の国ビジュアルプラザのホームページからお申込みいただきたいと思います。以上が、ゴールデンウィークに向けた観光情報の紹介です。是非皆様には、県内の様々な観光地に足を運びいただき、多彩な埼玉県を楽しんでいただきたいと思います。
知事
そして次に、ゴールデンウィーク期間中4月26日から5月6日までの電話相談窓口について報告させていただきます。ゴールデンウィーク中は、多くの医療機関が休診・お休みとなります。急な病気やけがへの家庭での対処方法を確認したい方、あるいは受診するかどうか迷う方は、埼玉県救急電話相談へ御連絡いただければ、看護士が24時間体制で相談に応じます。緊急的な精神医療、自殺予防に関する心の健康の御相談につきましてはそれぞれ、御覧のダイヤルで受付しているところであります。そして、児童虐待については、児童相談所虐待対応ダイヤルで受け付けています。また児童虐待に加え、高齢者や障害者への虐待については、埼玉県虐待通報ダイヤルで受け付けています。いずれも、24時間対応です。そして次のパネルですが、男女共同参画推進センターにおいては、様々な困難を抱える女性からの御相談をワンストップでお受けしています。ゴールデンウィーク期間中も御覧のダイヤルで受け付けています。また、性犯罪・性暴力被害、様々な思いがけない妊娠などに関する御相談、さらには、いじめ不登校、学校生活、友人関係の悩みなどに関しましては、それぞれ御覧のダイヤルで受け付けております。そして次のパネルになりますけれども、にじいろ県民相談におきましては、性的指向や性自認の悩みに関する相談を受け付けています。4月26日土曜日と5月3日土曜日どちらも土曜日ですが、18時から21時半まで受け付けています。その他、生活にお困りの方の御相談も受け付けています。これらのゴールデンウィークの相談窓口については、今日から県ホームページのトップ画面で御覧いただけますので、どうぞ御確認いただきたいと思います。
知事
最後に、中川の改修に伴うJR宇都宮線の運休についてであります。県では、一級河川 中川の河川改修を進めています。JR東日本に東鷺宮駅と栗橋駅の間にある「古利根川(ふるとねがわ)橋りょう」の架換え工事のお願いであります。この工事に伴って、昨年に引き続き、宇都宮線の一部区間で運休が予定されており、既にJR東日本が様々な方法で事前周知を行っていますが、ゴールデンウィークに掛かることもあり、改めて私の方からお知らせさせていただきます。運休計画ですが、ゴールデンウィーク期間の5月4日日曜日の夜22時頃から翌日朝5日の7時40分頃まで、久喜駅から古河駅の間が運休となります。なお、運休区間の代替手段として、東武鉄道などへの振替輸送とJR東日本によるバスでの代行輸送が行われると聞いており、詳細については、JR東日本の専用ウェブサイトを御確認いただきたいと思います。また、橋りょうの架換えは、令和13年頃の完成を予定しており、線路の切換え工事などに伴う宇都宮線の運休があと2回予定されています。御協力のほど、何とぞお願いを申し上げます。
なお、本日は小鹿野町からオンラインで記者会見をやらせていただいており、聞きにくかった場合、見にくかった場合、お詫びを申し上げたいと思います。
東京
観光についてですが、今年、物価高でなかなか遠くにお出かけするのも辛いというような方も結構いらっしゃるのではないかと思いますが、観光誘客という点で、今年のゴールデンウィークに期待するところなどありましたらお願いします。
知事
埼玉県には様々な魅力があります。こういった魅力が多いところに是非来ていただきたい。特に我々、2年ほど前までコロナ禍でなかなか動きが取れませんでした。そういった中で、埼玉県を再発見していただいたところもあると思います。是非そういった意味でも、様々な所を訪れていただきたいのですが、特に埼玉県内の埼玉県の施設、例えば県立博物館、歴史、美術、自然、史跡など専門分野に特化した活動を実施していますので、先ほど御案内したとおり是非お越しいただきたいと思います。それから、連休中は、お子さんと共に御家族で楽しめるということがやはり1つの大きなポイントだと思いますので、是非、屋外のスペースがある、例えば、歴史と民俗の博物館で「昭和の原っぱ」などというのがあって、昔懐かしい木製の電柱、土管などがディスプレイされていて、昭和30年から40年代頃の雰囲気が再現されていますので見ていただくとか、あるいは、川の博物館には、日本一の大水車や、ウォーターアスレチック施設「荒川わくわくランド」などもありますので、こういった所で、是非お越しいただく、あるいは、ちょっとアウトドアではないなという方は、先ほど申し上げましたが、彩の国ビジュアルプラザで、例えば映像ミュージアムでは、今日から「おかあさんといっしょ」で実際に使用された美術セットなど展示した企画展「美術セットで見るおかあさんといっしょの魔法のタネ」の開催なども始まりました。5月5日こどもの日は小中学生無料ですから、是非そういった所へお越しいただいて、多様な埼玉県の魅力を感じていただき、そしてできれば、その地域でお土産物やグルメなども楽しんでいただければと思っています。
埼玉
今回いろいろ県内各地の観光情報について知事に御紹介いただいた中で、観光によって受け得る弊害と言いますか、オーバーツーリズムみたいなところについて、県で対策されていることなどはおありなのでしょうか。
知事
オーバーツーリズムは、特定の地域に観光客が過度に集中することによって、地域住民の方の生活や環境に悪影響が及ぶ、これがオーバーツーリズムだと思いますが、県内では川越がこのような状況に対する対策を講じていると承知しています。川越市では、商店街の関係者や交通事業者、観光関連団体、国などで組織する「オーバーツーリズム対策懇談会」を開催しており、埼玉県もメンバーとして参画し、その取組に協力しています。例えばですけれども、蔵造りの街並みが広がる一番街周辺、本当にすばらしい所ですが、多くの観光客が訪れる一方で、バスが通るバス路線でもあり、人と車が錯綜する状態となっているため、特に混み合う時期、例えばゴールデンウィークの3日間、5月3日から5日は、一番外周辺を歩行者天国とする取組を実施することにしています。また、最も混雑する一番街を訪れる観光客を周辺の見所、他にもたくさんありますので、そちらに誘導する施策も講じているところであります。現時点では、川越以外の地域でこのような対策が講じられているとは認識していませんけれども、川越市の取組を注視して、今後の例えばインバウンド需要などを見込みながら、観光施策に反映していきたいと思っています。
東京
政府が、東京一極集中の是正を喫緊の課題として取り組む姿勢を示しています。東京の隣県であり、人口減少も比較的抑えられている埼玉県にとって、影響の大きいテーマかと思います。そこで知事の御見解を2点伺います。1点目、政府の税財源などの東京一極集中の是正、地方創生政策への御所感をお願いします。2点目ですが、中央省庁や政府機関などの首都機能移転について御見解を御説明いただけますでしょうか。
知事
それではまず、1点目の東京一極集中是正、地方創生政策への所感ですけれども、地方税収が全体として増加している一方で、法人関係税収を中心に地域間の税収格差は拡大しています。結果として、こども施策をはじめ様々な行政サービスには地域間格差が生じてしまう、こういった大きな要因が税収格差です。特にEコマースの更なる進展などによって、経済センサスにおける小売業のインターネット販売額が直近5年間で2.5兆円も増加している一方で、個人小売店の店舗数や売上高は減少しています。つまり、インターネット販売の全国シェアが高い東京都に税収の集中が一方的に、より一層進んでいる状況であります。この法人関係税は、令和元年度に創設された特別法人事業税・譲与税制度によって、一定の偏在是正がされました。その効果はありました。住民1人当たりの税額で見ると、しかしながら、その後依然として2.9倍も格差があります。さらに、東京都の地方交付税等の算定における財源超過額は年々拡大し、令和6年度には約1.8兆円、つまり制度が創出されて是正しなければならないといったときが1.2兆円でしたから、その1.5倍にも広がって大きくなっているということであります。「特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律」の附則第9条では、「政府は、この法律の施行後適当な時期において、この法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときには、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」とされています。是正制度を導入した際の財源超過額をもはや現在上回っています。国は、法が定める規定を誠実に履行し、法律の施行後の、全国の状況を調査分析すると共に、その調査分析を勘案し適切な偏在是正措置を講じなければならないと思います。つまり、法律で書いてあることを、国はやるべきだと強く思っています。また、国は、人口急減・超高齢化という大きな課題を克服するために、平成26年12月「まち・ひと・しごと(創生)総合戦略」を策定し、地方創生の取組を進めてきており、令和6年12月には、「地方創生2.0の『基本的な考え方』」を示したところであります。この間、埼玉県では、子育て世代中心の転入超過による社会増維持や、女性就業率のM字カーブの緩和など、人口減少の克服や雇用の創出に一定の成果を上げることになりました。しかし日本全体を見れば、東京一極集中は改善せず、自然減や合計特殊出生率の減少傾向は続き、今後75歳以上人口の急増が見込まれるなど、国全体の人口減少・少子高齢化対策が功を奏したとは考えていません。更に深刻なことに、税収の偏在はますます加速しています。首都圏集中というふうに、首都圏を一括して扱うのは正しくなく、東京都とその周辺地域は、東京都との財政を含む差によって深刻な影響を直接受けている、つまり、例えば、保育士の給与格差などで、高い方に流れるのは、東京の周りでありますので、正に東京一極集中というときには、東京都とその周辺地域の差の是正も喫緊の課題だと思っています。私はこの人口減少・超少子高齢社会の到来を直視し、本県が直面する歴史的課題の1つとして捉え、現実的施策を構築するとともに、これまで継続されてきた行政の在り方も変えなければならないということで、これは1期目の公約からずっと掲げてきましたけれども、例えば、まちづくりから超少子高齢社会の課題を克服する埼玉版スーパー・シティ(プロジェクト)、あるいは生産年齢人口が縮小しても、労働生産性の上昇で克服するための、例えば、労働生産性克服のDX、さらには、経済の向上、こういったことを努めてまいりました。このため、今年度からスタートした「第3期埼玉県まち・ひと・しごと創生総合戦略」の基本目標に、更なるDXの力で加速化することを追加しましたが、引き続き、DX、生産性の高い業種やイノベーションの進展、マッチングによる企業や産業の強みの伸長、働きたい層の活躍支援、人材育成等によって、労働生産性を上げる県政を力強く推進したいと思っています。今後も国の議論の行方を注視しながら、先手先手で人口減少・超少子高齢化社会に対応した取組を実行し、本県の持続的発展につなげたいと思っています。そして2つ目の中央省庁、政府機関などの首都機能移転についてでありますけれども、先ほど申し上げた国の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」におきまして、新しい人の流れを作るとして、政府関係機関の地方移転を位置付けて、文化庁などの全面移転などが進められました。本県に所在する政府関係機関については、他の都道府県に全面的に移転することはありませんでしたが、理化学研究所が各地に研究拠点や連携拠点を設置したり、国際交流基金が大分県に一部機能を移転して、研修拠点を設置したりといった動きも見られました。東京一極集中の是正の観点から、国が政府関係機関の移転に取り組むことは理解をしますが、移転に当たっては、立地の経緯や現在地にあることのメリット、多額の費用を掛けて移転することが、移転先地域の活性化につながっているかなど、国全体としてプラスになるか十分な検討が必要であり、また移転する場合には、その機関が所在する地元の理解を得て、丁寧に進めるべきであると思っています。また、現代に、正に今の社会を見ると、地方機関の建物移転よりも、デジタルを活用することが重要ではないか、デジタル等を活用することで、政府関係機関においても、どこに誰がいても同じように行政サービスが提供でき、働くことができる環境を作る方が、私は、優先性が高く、行政の効率向上、労働生産性の底上げ、これが重要な課題だと思いますので、単に建物を移動すれば経済が上がるなどという古い発想を継続するのは、果たしていかがなものか、政府としても、未来を見据えた議論を行っていただきたいと強く望んでいます。
東京
今、正に知事が向かわれているところだと思いますが、小鹿野町で本日発生した土砂崩落の状況を伺います。まだ対応中ということだと思いますが、何らかその現時点で分かっている原因であるとかを伺いたいのと、それと今後の復旧の見通しなど現時点で方針が立っているものがありましたら、御説明お願いします。
知事
まず小鹿野の一般県道での土砂崩落ですけれども、本日午前10時頃に全面通行止めにさせていただきましたが、土砂崩落が発生いたしました。原因につきましては、現在調査中でありますので、明確に申し上げることはできませんが、いずれにいたしましても、我々としては、極めて早期にこれに対応するということで、既に工事業者の方々にお集まりいただき、現在、崩落土砂撤去作業を行っているところでございます。今後、原因の究明とともに、必要な更なる崩落防止対策等、あるいは復旧工事等を行うつもりでございますので、現時点では、応急の措置、先ほど申し上げたとおり、当該箇所の撤去作業を開始したという時点であります。
共同
今の小鹿野の関係でお伺いしたいのですけれども、県の発表だと少なくとも住民の方に20人近くが孤立されていたりですとか、あとは登山客の方が取り残されているといような状況もあるかと思います。今後救出したりですとか、初動の見込みも、ヘリを出したりとかというところで、動きがあるようであれば伺いたいと思います。
知事
現時点では御指摘のとおり、1つの集落、崩落箇所の先ですね、にある1集落で、14世帯20人の方が孤立する状況にあります。また、登山客もおられますので、路線バスや、あるいはその登山客の乗用車10台程度が取り残されているというふうに見ています。他方で、ライフライン、つまり、崩落場所の先の孤立しているところにも、電力、通信、ガス、電話、こういったものは、通常通り供給されているために、現時点で大きな問題があるとか、あるいは、そこで病人や怪我人が発生して、これを(医療機関等に)送らなければならない、こういった状況にはなく、さらには実は両神山荘のそばでありますので、まだ分かりませんけれども、必要な場合にはそういった山荘等も活用ができる、そういった状況にございます。現時点におきましては、このようなところでありますので、連絡を当該箇所と取り合いながら必要な措置を行っていく予定でありますが、現時点では、ヘリを出して救出するとか、あるいは自衛隊が出て、救急の措置をするということが、現状求められている状況にはございません。ただし、この崩落については、現状、崩落箇所の撤去を行っていますが、現時点でも崩落が更にあるかどうか等も含めて、今後についてはまだ分かりかねるところがございますので、現状は、専門的知識を兼ね備えた方々にも今後お越しいただいて、万全を期してまいりたいと考えているところであります。
時事
私からも小鹿野町の件についてお伺いしたいのですけれども、知事は車内で現場に向かっている途中だと思うのですけれども、今分かっている範囲で、法面が崩れたとか、どれぐらいの土砂が崩れているのかっていう、分かっている情報がもしあればもう少し教えていただければと思います。
知事
今、実はまだ私も現場の手前で、この会見のために電波の良い所で、車を止めているというところでございますので、直接見ているわけではありませんけれども、現場からの報告をそのまま申し上げると、おおよそのところですが、推定の概算での崩落した土量ですね、これは約100立方メートルであります。崩落箇所の法面の法長というでしょうか、長さが12メートル、幅は10メートルに渡っている状況であります。
時事
どれぐらい復旧までに掛かるのか分からないということですけれども、秩父とかってドローン使って孤立集落に食料を運ぶなどの実験をしていたかと思うのですけれども、今後なんかドローンとかを使用して集落等に食料運んだりとかそういうことを検討したりとかというのもあるのでしょうか。
知事
まず、既にドローンを活用して、上方から撮影等をして、状況の確認についてドローンは使用させていただいています。現時点で孤立しているといっても、先ほど申し上げたとおり、ライフラインは生きている状況であり、また近くに山荘等もございます。そういった中で、現時点で孤立しているところから、例えば、物資が必要だとか、何らかの物が緊急に必要だということを要望いただいているわけではないので、現時点では、そういったことを考えているわけではなく、まずは崩落した箇所を応急復旧させるために、専門家の方を含め、工事業者にも、既に(現地に)行っていただいているところであります。
日経
先日、米国による関税措置に関する県内企業向けの緊急調査を行って結果を公表されたと思いますけれども、知事のこの結果についての受け止めをお伺いできればと思います。
知事
まずこのいわゆるトランプ関税というのでしょうか。米国政権による関税あるいは為替、さらには2国間、多国間のディールというのでしょうか。これについては、日々、変化をしているために、まず最も大きな感想としては、中長期的な見通しがやはり立たないということであります。これを前提に申し上げれば、先般のアンケート調査でも、特にマイナスの負の影響が強いと考えられた、自動車、あるいは輸送機械については、ほとんどの事業者の方々が現時点で影響がないものの、将来の影響については不安を感じている、懸念しているというところでありました。また、それ以外の業種については、一部円安によって好影響が出ているというところはありましたけれども、それでもやはり先行きに対する不安感というものを抱かれている事業者の方が多いというふうに考えております。とすれば、我々といたしましては、現時点で明確になっている、その影響というよりも、今後の(準備)が必要だと思っていますので、今後の政府の措置を含めて、我々の予算措置も含めてですね、今後検討するべきものであろうと思いますが、そこは遅れてはならないと思っています。なお、そのために、県内アンケート等は取りましたが、それにとどまらず、今後「強い経済の構築に向けた埼玉県戦略会議」の開催なども含めて、直接、事業者の方々と意見交換を密接にする、あるいは商工団体を通じて、その前に更なる意見の聴取、あるいは収集を行うといったことを今検討し進めているところでございますので、現時点での影響が直ちに少ないからといって楽観視するのではなく、必要な場合には直ちに手を打てるよう準備を進めたい、これが我々の考えているところであります。
朝日
土砂崩落の災害現場に行っているときにこの質問で恐縮なのですが、八潮の陥没事故について伺います。2月11日に災害対策本部が開かれたときに、3か月以内に救出に向けた工事を完了させたいとお話になっていたかと思うのですが、間もなく、3か月近づいています。現在の工事の進捗状況と、今後の見通しについて改めて伺います。
知事
1月28日に発生いたしました八潮市中央1丁目の県道交差点中央付近の陥没事故については、現時点でもキャビン、そして被害に遭われた方の救出に至っていない。本当に被害に遭われた方々にはお見舞い申し上げたいと思っています。2月11日、先ほど申し上げたとおり、消防等による救助方法の検討の結果を待つことなしに、工事的な手法で何とかキャビン地点までのアクセスを行いたい、また同時に、応急復旧を行うということで、昼夜を問わずバイパス工事、あるいは掘削工事を進めているところでございます。このバイパスとなる仮排水路の整備につきましては、ルートとなる箇所の矢板の打設や掘削、あるいは土留めが完了いたしまして、現在、カルバート設置の仕上げなどを進めています。このカルバート設置が仕上げされるといわゆるバイパスが可能になります。それと同時に、キャビンに向けての鉛直方向、つまり縦ですね。それと上流からの掘削の円滑な進展、これが望まれるところでございますので、これまでも様々な努力を行ってまいりましたが、この全ての工事について、おかげさまで途中様々な経緯がありましたけれども、概ね順調に進捗しているところであり、以前からお話ししておりますけれども、今日におきましても、若干数日前倒しで進められるようなイメージで、2月11日には5月中旬と申し上げましたが、その5月中旬の目標に向けて、円滑に進んでいるのが現状であります。
朝日
まだ救出活動が続いているところではあるのですが、その後の見通しについて現時点でお話できる範囲で伺えますか。
知事
現在ですね、2つの委員会が立ち上がっています。1つは、復旧工法検討委員会、応急復旧とその後の復旧について検討する委員会。それからもう1つは第三者による事故原因究明の委員会であります。いずれも速やかに開催したいと思っていますが、前者の復旧工法検討委員会は、明日、第3回の会議が行われますので、3月の時点では、先ほど申し上げた様々な方向性について、県から案をお示しして御議論いただきましたが、今回、4月23日の会議では破損した下水管の復旧方法、今後の抜本的対策のそれぞれについて御説明させていただき、委員の皆様から御審議いただくつもりであります。また、第三者委員会につきましては、必要な議論を行っていただいているところでございますが、今後ですね、応急復旧が進む場合には、恐らく破損した管のですね、状況が現物として提供ができますので、それらの資料を元に科学的な分析を行っていただき、専門的な知見を頂く、こういったことになるというふうに考えているところであります。
埼玉
県内の首長選が20日に投開票があり、秩父市と吉見町で新人と現職それぞれ一騎打ちで、僅差で新人が勝つという結果になりました。地域の課題や候補者のキャラクターなど色々な要素があるかとは思うのですが、この結果について、率直な知事の御所感をお願いします。
知事
両方の首長選挙においても、新人が当選されたわけですけれども、いずれの選挙におきましても、接戦になったというふうに承知しています。私から民意に基づく結果について、これが是だの非だのというようなお話をするつもりはありませんが、どちらの地域もやはり喫緊の課題として人口減少であったり、また秩父市については、全国植樹祭などの様々な課題が山積する地域でありますので、そういった地域に新しい血が必要であるというふうに、有権者の方々が判断されたのではないかというふうに私としては考えています。いずれも秩父市、それから吉見町、いずれに対しても、県としては、新たな施策を住民のために講じるという限りにおいて、埼玉県としては全面的に協力をしてまいりたいと考えています。
時事
質問が飛び飛びになって申し訳ないのですけれども、八潮の陥没事故の件について、現在行っている仮排水管を作る工事について伺いたいのですけれども、今カルバートの設置を進めているというお話が先ほどありましたけれども、県として何をもって一旦完成とするのか、その下水道管内がドライアップされて人が入れるようになってからなのか。どこを一区切りとして認識されているのかというのを教えていただければなと思うのですけれども。
知事
まず2月11日の時点で、私の方から御説明させていただいたとおり、キャビンの地点までのアクセスを行うこと、そしてこれを引き上げるこれを当面の目標とさせていただきましたので、これが一区切りのところになります。ただし、このキャビンの引き上げを行うためには、以前申し上げたとおり、消防等で救助方法の検討されている、これは別ルートでありますけれども、それが今のところ検討方法についての御提案がありませんので、工事的な方法で行うということでのアクセスになると思いますが、このアクセスに対しては、我々としては、カルバートを作って排水管をバイパスさせ、そして、現状の下水管をいわゆる乾燥というかドライアップさせて、そしてそこに硫化水素等の危険がないことを確認してアクセスができるようにして、立坑からか、もしくは上流からか分かりませんけれども、アクセスした上で救助に向かう、あるいはキャビンを引き上げる、こういったことを検討していますのでここまでが一段落と考えていただくという我々の当面の目標とお考えいただいてよいと思います。(終)
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