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掲載日:2021年10月11日

平成30年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(秋山文和議員)

国保税の負担引上げは許されない

Q   秋山文和   議員(共産党

今年4月から国民健康保険事業の市町村と都道府県の共同運営が始まり、県は財政運営に責任を持つこととなりました。開始から6か月が経過しようとしていますが、この間、31市町村が税率改定を行い、43市町村が限度額を引き上げました。さらに、来年度に向けて税率改定を検討するところが増えています。つまり、共同運営化を機に多くの市町村が国保税の値上げに走っているということです。
昨年12月の県議会で保健医療部長は、被保険者の急激な負担増は可能な限り避けることが望ましいと答えています。国の3,400億円の財政出動があり、また制度改正の影響による保険税の上昇はないとの保健医療部長の見通しにも関わらず、多くの市町村が引上げまたは引上げに踏み切ろうとしていることは、あってはならないことだと思いますが、知事の見解を求めます。
知事が会長である全国知事会は、8月14日に来年度の予算要望を国へ行いました。その中で、子供の均等割保険料軽減措置の導入並びに国定率負担の引上げなどを要望しています。これは誠に切実で、時宜を得た要望だと思います。国保の財政難と被保険者の負担増を招いたのは、正に国が負担率を大幅に減らしたからです。国保財政の責任主体となった都道府県を代表するのが上田知事ですから、定率負担を元に戻す、あるいは引き上げることを国にしっかりと求めていただきたい。知事お答えください。
さらに今回、国の国保運営方針で賦課方式を4方式から2方式へ誘導した結果、35市町村が2方式となり、今後も増えると思われます。これで子供の多い世帯の負担が増大します。そのため、幾つかの市町では第3子目からの保険税の減免を始めました。制度改変によるしわ寄せを多子世帯にかぶせることを避けるためにも、また他の医療保険との整合性も踏まえ、当面多子世帯の減免を実施する市町村を財政支援すべきです。知事会会長県の埼玉がやったとなれば、全国を励まし、これが国を動かす力となります。知事の決意を伺います。

A   上田清司   知事

多くの市町村が国民健康保険税を引き上げることについてでございます。
国民健康保険は昭和36年の国民皆保険制度創設以来の大きな改革が行われ、この4月から市町村と県の共同運営になりました。
議員御指摘のとおり31の市町村で平成30年4月に税率改正を行いましたが、これは今回の制度改革を原因とするものではございません。
これまで市町村は、国保財政の収支不足を補うため税率改正ではなくて一般会計からの法定外繰入れに頼る傾向がございました。
今回保険税率を変更した市町村において、この制度改革とは別に、このタイミングで本来あるべき収支の均衡に向け法定外繰入れを減らすために行われたものではないかと私は理解しております。
県では、制度改革にあたり1人当たりの保険税がどのような影響を受けるかについても計算をいたしました。
その際、被保険者の保険税負担が大きく変わらないよう激変緩和措置を講じました。
その結果、63市町村のうち61の市町村では今回の制度改革による影響において保険税を引き上げる必要が生じていません。
計算では、2市だけが保険税を引き上げとなるわけでございまして、実態的には今申し上げたとおりでございます。
県としましては市町村国保の安定的な財政運営のために、今年度は財政調整繰出金などで総額約600億円を負担し、市町村国保財政の支援に努めてまいりました。
また、収納率向上などの収入を増やす取組や埼玉県コバトン健康マイレージ事業などによる医療費適正化の取組に、市町村とともにしっかりと取り組んでまいります。
御理解をいただきたいと思います。
次に、国の定率負担を元に戻す、あるいは引上げを国に求めるということについてでございます。
国は国保財政の安定化を図るため都道府県に対し、給付費等の32%を負担することとなっています。
そもそも国の定率負担は平成16年度以前は40%ございました。
それが、平成17年度にいわゆる「三位一体改革」による税源移譲によって34%になり、さらに平成24年度に現在の32%になっております。
このたび、制度改革に伴い国の定率負担とは別枠で全国で約3,400億円の公費が国から投入されました。
この追加公費は国保会計の収支改善に寄与するものの今後の高齢化に伴う1人当たりの医療費の増加への対策としては不十分であり、国保財政強化に向けた対策が必要です。
国民健康保険制度は国民皆保険の最後の砦として重要な役割を担っていることから、将来にわたって安定的な運営がなされる必要がございます。
全国知事会では本年7月に決議した「平成31年度国の施策並びに予算に関する提案・要望」の中で、国民健康保険制度における「国の定率負担の引上げ」を要望しております。
要するに、元に戻せという話でございます。
また、6月には国の定率負担の引上げを含んだ本県独自の「平成31年度国の施策に対する提案・要望」を取りまとめ、関係省庁に対し要望活動も行っております。
国の定率負担の引上げについてはしっかりと国に要望して元に戻す努力をしてまいります。
次に、多子世帯に対する保険税減免を実施する市町村を支援することについてでございます。
平成30年度における税率改正に合わせ、国保加入者数に応じて負担をする均等割を引き上げた市町村もございます。
この場合、子供が多い家庭など世帯員が多くなると保険税の負担が重くなる傾向がございます。
一方、子供の均等割について減免制度を導入することはその分、他の被保険者あるいは住民全体で負わなければならないということにもなってまいります。
税の減免についてはご案内のように地方税法において、災害その他特別の事情がある場合、個々の状況に応じて判断するものと定められております。
税は公平であることが求められることから、減免することについては公平性の観点から広く議論を行い被保険者全ての理解を得る必要があると思います。
こうしたことから、多子世帯に対する保険税減免を行う市町村への支援を県が率先して行うことは慎重であるべきではないかと思っております。
この点について、御理解を賜りたいと思っています。
多子世帯に対する保険税の軽減は現行制度の中で個別の市町村が財源の問題を抱えながら導入するのではなくて、公的保険制度の在り方を検討する中で税と社会保障の一体改革として国で本来議論されるものだと私は思います。
少子化対策の観点から秋山議員が多子世帯に対する支援を考えておられることには賛同いたします。
県としては公的保険制度の公平性と子育て支援の観点から、子供に対する保険税の軽減措置を講じるよう全国知事会とも連携しながら国に要望してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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