With You さいたま > 講座・イベント > 講座終了報告 > 令和7年度 > ダイバーシティ講演会「オトコ社会の現在地――戸惑いと無自覚をめぐる座談」
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掲載日:2025年9月26日
日時 |
令和7年8月31日 (日曜日)13時30分から15時30分まで |
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場所 | 埼玉県男女共同参画推進センター(With You さいたま)セミナー室 |
参加者 |
会場 62人 |
清田隆之さん(文筆業、「桃山商事」代表)と松岡宗嗣さん(ライター、一般社団法人fair代表理事)をお招きし、「オトコ社会の現在地――戸惑いと無自覚をめぐる座談」をテーマにご対談いただきました。
お二人の対話では、マジョリティ男性(主にシスジェンダー、ヘテロセクシュアルの男性)が直面している社会の変化への「戸惑い」、男性コミュニティ内で発生する性暴力や傷つき体験、そして男性同士の連帯やケアについて、最近話題のSNS動画なども交えながらお話いただきました。
清田さんは、ジェンダー平等や多様な生き方が進む中で、「男同士はどうしたらいいのだろうか」と戸惑うこと自体を大事にしてほしいと述べられました。戸惑いを軽視せず、反動的で極端な方向に走らないためにも、「とどまる」という感覚が大切だと語られました。また、男性同士のおしゃべりの場で、お互いの内面について語り合うことが、ケアや共感を深めるきっかけになるのではないかとも提案されました。
松岡さんは、LGBTQのコミュニティ内におけるゲイ男性の優位性に触れるとともに、若者が極端な思想に惹かれてしまう背景には、人間関係の希薄さや相手を傷つけることを恐れる心理があるのではないかと指摘されました。そして、「誰でも誰かを傷つけてしまうことはある。だからこそ修復する必要があり、その時のコミュニケーションこそが人間関係において一番大事なのではないか」と述べられました。また、おしゃべりや出会いがその助けになるとも語られました。
【 清田 隆之 さん プロフィール 】
文筆業、「桃山商事」代表
1980年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。
ジェンダー、恋愛、人間関係、カルチャーなどをテーマに様々な媒体で執筆。朝日新聞beの人生相談「悩みのるつぼ」では回答者を務める。桃山商事としての著書に『生き抜くための恋愛相談』『モテとか愛され以外の恋愛のすべて』、単著に『よかれと思ってやったのに』『さよなら、俺たち』『自慢話でも武勇伝でもない「一般男性」の話から見えた生きづらさと男らしさのこと』『おしゃべりから始める私たちのジェンダー入門』、トミヤマユキコ氏との共著に『大学1年生の歩き方』、澁谷知美氏との共編著に『どうして男はそうなんだろうか会議』など。Podcast番組『桃山商事』『オトコの子育てよももやまばなし』も配信中。
新刊に『戻れないけど、生きるのだ 男らしさのゆくえ』がある。
【 松岡 宗嗣 さん プロフィール 】
ライター、一般社団法人fair代表理事
愛知県名古屋市生まれ。政策や法制度を中心とした性的マイノリティに関する情報を発信する一般社団法人fair代表理事。
ゲイであることをオープンにしながら、Yahoo!ニュースやGQ、HuffPost等で多様なジェンダー・セクシュアリティに関する記事を執筆。教育機関や企業、自治体等での研修・講演実績多数。
著書に『あいつゲイだって アウティングはなぜ問題なのか?』(柏書房)、共著『LGBTとハラスメント』(集英社新書)など。
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