女性の「働く」を応援するワンストップサイト > インタビュー・コラム > コラム > 2022年版ジェンダーギャップ指数に思うこと

コラム

ここから本文です。

掲載日:2022年9月2日

2022年版ジェンダーギャップ指数に思うこと

ジェンダーギャップ指数とは世界経済フォーラム(WEF)が経済、政治、教育、健康の4分野に関する統計データから算出する、女性活躍の通知表のような指標のことです。2022年7月13日に発表された同指数で日本は116位/146カ国(前年120位/156カ国)でした。内訳は経済121位(中でも管理職比率130位)、政治139位、教育1位(!)、健康63位。G7の中で3桁の順位は日本だけ。圧倒的安定低位記録を更新中という不名誉な状態が続いています。ジェンダーギャップ指数低位の国々で特に問題とされるのは男女の教育機会の格差です。ワースト3の国々を見てみると、アフガニスタン、パキスタン、コンゴ民主共和国が並びます。2014年に就学の機会を奪われた女性たちのために活動し、最年少でノーベル平和賞を受賞したマナラ・ユフザイさんは記憶に新しいところですが、彼女はパキスタン人です。識字率、初等教育、中等教育進学率すべてで1位を保持する我が国を彼女はどのように思うのでしょうか?

ジェンダーギャップの解消はSDG’Sの目標の一つにも挙げられており、世界的な課題の一つです。その解決手段の最初で最重要な1歩が教育機会格差の解消と目されているのに、1位を保持する日本が経済、政治の分野で大きく後れを取り、結果116位。ここに大変違和感があります。そもそも、日本の教育そのものに問題があるのか?日本女性は能力が低いのか?いやいや、決してそうではありません。

2022年7月10日の参議員選挙の結果、女性国会議員数は過去最高の15%になりましたが、15/100では多様な意見は届かない、政治を変える力には足りません。経済における女性管理職数もしかり。取締役数を33%以上少数派の性別にする必要があるとされていますが、こちらもまだまだ。

働き方、考え方、生き方が多様化している中、これまでのリーダーシップのあり方では変化する社会に政治も経済もミスマッチな状況が起こってしまい幸せに暮らすことが出来ない社会になりつつあります。実際、こんなに働く女性が増えているのに、夫婦別姓は認められていないし、女性の賃金は低いままです。ジェンダーギャップは雇用格差、賃金格差、暴力・虐待による被害を生みます。

私は、これから社会に出ていく娘たちのために、誰にでも、平等な機会を与えられ、自分らしく生きられる社会を実現させるために、国の責任として同指数の向上に取り組んでほしい、と真剣に願っています。

コラムへ戻る