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掲載日:2020年3月23日

令和2年2月定例会 知事提案説明要旨

令和2年2月20日招集の定例県議会における追加議案の知事提案説明要旨

ただいま、御提案申し上げました議案につきまして、御説明いたします。
新型コロナウイルス感染症につきましては、これまで、国や他の都道府県に先駆けて24時間体制の相談窓口を設置したほか、予備費を活用してウイルスの検査機器の増設などを行いました。
また、これらの相談・検査体制を4月以降も継続するための経費や専門外来医療機関の拡充に伴う体制整備などについて、令和2年度の補正予算として御審議いただくなど、県民の皆様の安心・安全のため、先手の対応を重ねてきました。
しかしながら、昨日、県内医療機関に入院されていた方1名がお亡くなりになりました。
ここに哀悼の意を表するとともに、御遺族の皆様にはお悔やみを申し上げます。
現在、本県でも武漢からチャーター機で帰国された方以外で人から人への感染が確認されるなど、新たな局面に入ったと考えており、感染拡大を抑える上で、極めて重要な時期であります。
一方、世界保健機関は新型コロナウイルス感染症の流行に関して「パンデミック」という見解を示しており、本県においても海外から帰国された方の感染が確認されるケースも増えています。
3月9日には専門家の皆様から次の局面も見据えた検査・医療提供体制や感染拡大防止策について助言をいただき、 11日には県内の経済団体の皆様と今後の対応策などについて意見交換をしました。
また、13日には新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律が成立し、国民生活や経済、社会に重大な影響を与えるリスクに対して、総合的な対策が講じられるようになりました。
今回の補正予算案は、専門家会議等でいただいた御意見や10日に発表された国の緊急対応策を踏まえ、早急に対応すべき対策に要する経費を計上するものです。
はじめに、第75号議案「令和元年度埼玉県一般会計補正予算(第8号)」でございます。
まず、感染拡大の防止のため、社会福祉施設等に対してマスクや消毒液を調達・配布するとともに、児童養護施設等における多床室の個室化改修に対して助成などを行います。
また、重症患者等の入院に対応するため、人工呼吸器や対外式膜型人工肺などを整備するための費用を助成いたします。
さらに、生活福祉資金貸付制度の原資を増額し、貸付けの対象者や上限額の拡充などを行います。
この結果、一般会計の補正予算額は、23億8,797万8千円となり、既定予算と、先に御提案申し上げました補正予算第7号、そして今回の補正予算第8号を合わせた累計額は、1兆8,921億9,342万6千円となります。
次に、第76号議案「令和2年度埼玉県一般会計補正予算(第2号)」でございます。
先ほど申し上げた経済団体の皆様の御意見などを踏まえ、県制度融資のうち経営安定資金と経営あんしん資金において、県・金融機関が協調して融資利率を0.5%引き下げるとともに、融資限度額の拡大や融資期間等の延長を行います。
加えて、現行の借換資金は県制度融資のみを対象としていましたが、これを信用保証協会の保証付き融資全般に拡大する緊急借換資金を創設します。
これらにより、月々の返済額を軽減するとともに、追加の資金需要にも対応し、中小企業の円滑な資金繰りを支援します。
また、保険適用となったPCR検査の公費負担分の支払いや介護施設等における多床室の個室化改修への助成を行います。
さらに、医療機関における感染防止のため、感染症指定医療機関等に対して、マスクや消毒液を調達・配布いたします。
この結果、一般会計の補正予算額は、6億6,636万8千円となり、先に御提案申し上げました当初予算及び補正予算第1号、そして今回の補正予算第2号を合わせた累計額は、1兆9,614億3,464万3千円となります。
また、昨日開催された、さいたまスーパーアリーナの大規模イベントについては、数次にわたり、開催自粛の協力をお願いしてきましたが、協力いただけなかったことは残念でございます。
今後も、国や県の感染対策の取組状況などを踏まえ、適切な対応を要請してまいります。
私は3月16日に西村経済再生担当大臣などに対し、検査・医療提供体制の強化に対する財政措置や学校臨時休業に伴う対策への支援など国が実施すべき対策について要望を行ってまいりました。
20日には、国の対策本部会議において、クラスター対策の抜本的な強化などに全力を挙げて取り組む方針が示されたとともに、学校の再開については具体的な方針の取りまとめを行うこととされました。
引き続き、国の経済対策を含めた動向を注視し、速やかな対応が講じられるよう検討を進めてまいります。
今後も、新型コロナウイルス感染症の流行を早急に終息させるため、国や関係機関等と協力し、ワンチームとなって対策に努めます。
以上で私の説明を終わりますが、何とぞ慎重審議の上、御議決を賜りますようお願い申し上げます。

令和2年2月20日招集の定例県議会における追加議案の知事提案説明要旨

ただいま、御提案申し上げました議案につきまして、御説明いたします。
まず、新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応について御説明申し上げます。
新型コロナウイルス感染症につきましては世界各国に感染が拡大する中、1月15日には国内で初めて感染が確認され、現時点での本県の感染確認事例は4件となっております。
現在、国や関係機関等と協力して適切な措置を講じているところです。
また、先日、国は新型コロナウイルス感染症対策の基本方針を公表したところであり、県といたしましても、国と密接に連携しながら更なる取組を検討してまいります。
加えて、昨日、国は全国全ての小学校、中学校、高等学校、特別支援学校について、3月2日から春休みまでの間、臨時休業を行うよう要請するとの発表がありました。
本県においても、国の要請を踏まえ、子供たちの健康・安全の確保と、感染拡大防止の観点から、特別支援学校を除いた県立学校を臨時休業とすることとし、県内市町村立学校及び私立学校にも同様の対応の検討を働きかけてまいります。
県立高校の入試につきましては、全日程を必要な感染予防策を講じた上で実施いたします。
また、卒業式を実施する場合は、卒業生や教職員のみの参加など最小限の規模かつ必要な感染予防対策を講じた上で実施することといたします。
県民の皆様の御理解と御協力をいただきながら、円滑な臨時休業等の実施が可能となるよう、県といたしましても、しっかりと対応していきたいと考えております。
次に、予算対応につきましては、既に、予備費を活用して、専用電話相談窓口の開設や、ウイルスの検査機器の増設、陰圧テントの整備など、当面の緊急的な対策を講じています。
今回の補正予算案は、県民の不安解消を図るとともに、感染拡大防止対策の強化に要する経費を令和2年度の補正予算として計上するものでございます。
現在対応している相談・検査体制を4月以降も継続するための経費や、県民の皆様に正確な情報を届けるため、啓発用リーフレットの作成に要する経費を計上いたしました。
また、検査体制や診療体制の強化のため、感染防護具等を購入する経費や感染した方の入院医療に要する経費などを計上しております。
この結果、一般会計の補正予算額は、4億5,327万5千円となり、当初予算との累計額は、1兆9,607億6,827万5千円となります。
なお、2月19日から県制度融資のうち経営あんしん資金の融資対象者要件を緩和し、新型コロナウイルス感染症の拡大により影響を受けている県内中小企業の資金繰りを支援しております。
以上で私の説明を終わりますが、何とぞ慎重審議の上、御議決を賜りますようお願い申し上げます。

令和2年2月20日招集の定例県議会における追加議案の知事提案説明要旨

ただいま、御提案申し上げました議案につきまして、御説明いたします。
はじめに、第52号議案「令和元年度埼玉県一般会計補正予算(第7号)」の主な内容について申し上げます。
まず、歳入についてです。
県税につきましては、海外経済の影響を受けた法人二税の減収や、令和元年中の株式の売買高が減少したことにより個人県民税の株式等譲渡所得割が減収となることなどを踏まえ、111億円の減額を計上しております。
地方交付税につきましては、交付決定額と既定予算との差など、約78億円の増額を計上しています。
また、県債につきましては、臨時財政対策債及び減収補塡債の発行可能額の決定や事業執行に伴う調整により、合計で約154億円の増額を計上しております。
次に、歳出についてです。
国の補正予算に対応し、県立学校において高速大容量の校内通信ネットワークの整備などを行います。
また、給与費につきましては、執行見込額と既定予算との調整を行います。
公債費につきましても、執行見込額と既定予算との調整を行うものです。
その他の経費につきましては、国庫支出金の確定や年度内の執行見込みに基づく事業量の増減などに伴う補正を計上しております。
なお、財政調整のための基金につきましては、本年度の収支の見通しを踏まえて、一部取崩しを中止することとしております。
歳入歳出予算以外では、年度内に完了する見込みが立たない事業について、繰越明許費の設定などをお願いしております。
以上の結果、一般会計の補正予算額は、458億5,854万7千円の減額となり、既定予算との累計額は、1兆8,898億544万8千円となります。
次に、その他の議案について、御説明申し上げます。
第53号議案から第62号議案までの10議案は特別会計について、第63号議案から第66号議案までの4議案は企業会計について、それぞれ事業量の確定などに伴い、所要の補正をお願いするものです。
第69号議案「埼玉県森林環境譲与税基金条例」は、令和元年度から県に譲与が開始された森林環境譲与税を、「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律」が定める目的に従って活用するため、基金を創設するものでございます。
その他の議案につきましては、提案理由等により御了承をいただきたいと存じます。
以上で私の説明を終わりますが、何とぞ慎重審議の上、御議決を賜りますようお願い申し上げます。

令和2年2月20日招集の定例県議会における知事提案説明要旨

本日ここに令和2年当初の定例県議会を招集申し上げましたところ、議員各位におかれましては御参会を賜り、令和2年度の予算案をはじめ、県政の重要課題について御審議をいただきますことに、心から感謝を申し上げます。
はじめに、中華人民共和国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス感染症についてです。
世界各国に感染が拡大する中、1月15日には国内で初めて感染者が確認され、本県でも武漢市からチャーター機で帰国した方3名の感染が確認されました。
現在、国と協力して適切な措置を講じているところです。
また、本県では不安を感じる県民の皆様がいつでも相談できるよう、1月24日に、国や他の都道府県に先駆けて、24時間体制の相談窓口を整備しました。
さらに、予備費を活用して、専用電話相談窓口「新型コロナウイルス感染症県民サポートセンター」を設置し、県民の皆様からの幅広い相談に対応するとともに、感染の疑いのある患者を把握し、専門外来のある医療機関へ確実につなげる体制を整備してまいります。
なお、外来においてウイルスを外部に漏らさないよう陰圧テントの整備や検査機器の増設、患者などの経過観察を行う保健所の体制整備など、緊急的な対応を行っております。
今後も、国や市町村など関係機関と情報共有を図り、感染の蔓延防止に万全を期してまいります。

県政運営及び予算編成に関する基本的考え方

それでは、諸議案の説明に先立ちまして、令和2年度の県政運営及び予算編成に関する基本的な考え方を御説明申し上げます。
まず、昨年発生した台風第19号やCSFを踏まえると、県民の皆様の安心・安全を確保する取組の重要性はますます増してきており、しっかりとした対策を行うことが最優先です。
その上で、今年いよいよ開催される東京2020オリンピック・パラリンピックを迎えたいと考えております。本県ではオリンピックのバスケットボール、サッカー、ゴルフ、射撃、パラリンピックの射撃の5競技が行われ、国内外から110万人もの方々の来県が見込まれます。大会の開催は、スポーツの振興はもとより、共生社会の実現や地域の活性化につなげる絶好のチャンスです。
昨年はラグビーワールドカップ2019が成功裏に幕を閉じました。熊谷ラグビー場での心のこもったおもてなしは、大会主催者から「ワールド・リーディング」との高い評価をいただき、マスコミには「熊谷の神対応」と報道されました。この成果をしっかりと受け継ぎ、今度は「埼玉の神対応」と言われるように、県民の皆様、県議会の皆様とともにオリンピック・パラリンピックを成功させ、埼玉を世界に発信し、本県を更に盛り上げてまいります。
さて、私たちは今、大きな変化の中にいることを認識しなければなりません。人口の増加が続いてきた本県も間もなく人口減少社会に突入します。75歳以上の高齢者が全国一のスピードで増加し、生産年齢人口の減少が一層進むことが見込まれています。
人口構造の変化により、これまでの枠組みでは対応できない課題が生じています。働き手の不足、医療・介護ニーズの増大など様々な課題に対応しなければなりません。
私が知事選挙の際に掲げた公約は、知事就任以前に埼玉県を外から見たとき、このような施策があれば埼玉県はもっと良くなるのではないかと考えたものです。時代の大きな転換点を迎えるにあたり、公約の中にはすぐに実現できるものだけでなく、将来を見据えて中長期的なビジョンもお示ししており、それを基に具体的な道筋を付けてまいります。
知事就任後には早速公約の具体化に取り掛かり、9月には公約の取組の方向性を、11月には工程表を取りまとめ公表し、県議会の皆様からも御意見をいただきました。
令和2年度はこれらを踏まえ、「日本一暮らしやすい埼玉県」の実現に向けて、災害対応をしっかりと行っていくこと、オリンピック・パラリンピックを契機に本県が未来に向けて大きな一歩を踏み出していくこと、この2つの思いを込めて「安心・元気のスタートアップ予算」として、次の3つの考え方に基づいた政策を中心に全力で取り組んでまいります。
まず第1に、県民生活の安心・安全をしっかりと確保するための政策の推進です。昨年発生した台風第19号やCSFは、本県に甚大な被害や影響をもたらしました。災害などから県民の皆様の命と財産を守る体制を見直し、不測の事態にも迅速かつ的確に対応していく万全の備えを着実に進めます。また、県民の皆様が安心して健やかに暮らせるよう、地域の医療体制の整備を進めるとともに、介護など福祉サービスの更なる充実を図ります。
第2に、本県の持続可能な成長・発展の実現に向けた取組を積極的に推進します。東京2020オリンピック・パラリンピックを成功させるとともにボランティア活動をはじめとした様々なレガシーをしっかりと継承していくほか、起業家の育成や農業のスマート化などを促進し、本県の稼げる力の向上に取り組みます。加えて、AI・IoTをはじめとした新たな技術を活用して少子高齢化などによる諸課題への対応を図るコンパクトなまちづくりや、交通網の整備による更なる利便性の向上など、未来を見据えた基盤づくりにも取り組みます。
第3に、シニアや女性、外国人、LGBTQの方など誰もが生き生きと活躍できる社会の構築に向けた政策を展開します。人生100年時代を見据え、スポーツを通じた健康寿命の延伸に取り組むなど、生涯現役社会の実現を目指してまいります。また、引き続き子育て支援に力を入れるとともに、女性の活躍推進や外国人との共生社会の実現に努めてまいります。
私は、縦割り行政を廃して、全庁が一体となって「ワンチーム」で効果的な政策を展開することが重要と考えております。
そのため、部局連携の取組として、不断の行財政改革を全庁的に推進し、安定した県政運営基盤を整えます。また、「社会・経済・環境の三方良し」のSDGsの視点を取り入れ、全ての皆様とともに「日本一暮らしやすい埼玉県」の実現に取り組んでまいります。
令和2年度当初予算案につきましては、ただ今申し上げました基本的な考え方に沿って編成を行いました。
その結果、令和2年度の予算案の規模は、一般会計では 1兆9,603億1,500万円、対前年度伸び率では3.8%の増となっております。
また、特別会計では 1兆2,264億3,852万7千円、対前年度伸び率では7.6%の減、企業会計では 2,641億421万2千円、対前年度伸び率では0.6%の増となっております。
さらに、国の補正予算に伴い、公共事業の追加を内容とした補正予算案を編成し、防災・減災対策を充実することといたしました。

令和2年度予算案の概要

次に、令和2年度予算案の主な内容につきまして、御説明申し上げます。
まず、歳入についてです。
歳入の中心である県税につきましては、税制改正による影響や海外経済の動向等の影響を受けた法人二税の減収などが見込まれるものの、消費税率の引上げによる地方消費税の増収が見込まれることから、前年度を14億円上回る7,755億円を計上いたしました。
また、地方交付税につきましては、国の地方財政対策に基づき、前年度を135億円上回る2,187億円を計上いたしました。
県債につきましては、臨時財政対策債の発行額が減少したことなどにより、前年度を61億円下回る2,098億円を計上いたしました。
一方、財政調整のための基金につきましては、財源不足を補塡するため、437億円を取り崩すことといたしました。
続いて、令和2年度当初予算案における主要施策の構成ごとに、歳出の主な内容につきまして御説明いたします。

1   安心・安全しっかり確保

一つ目の柱は、「安心・安全しっかり確保」です。
近年、自然災害は激甚化、頻発化しており、災害に強い埼玉を早急に構築していく必要があります。
大規模災害など様々な危機に備え、埼玉版FEMAとして、平時から災害ごとのシナリオを作成し、図上訓練を繰り返すことにより、関係機関との連携をより強固なものにしてまいります。
また、防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策や新設された河川の浚渫など国のスキームを活用し、堤防の強化、河道の確保、排水機場の耐水化など災害に強い県土づくりを進めます。
特に甚大な被害を受けた入間川流域においては、補正予算での対応を含め、国や地元市町と連携し、河川の流下能力の向上など治水対策を進めていきます。
このほか、首都直下地震などの災害に備え、都市インフラの強靭化を図るため、橋りょうの耐震化及び道路の無電柱化などを推進してまいります。
次に、県民の皆様が安心・安全に暮らせるような取組を強化してまいります。
狭あい化が著しい越谷警察署庁舎を改築することに加え、川口市内に警察署の新設用地を取得することで県民の皆様に対する利便性の向上と更なる警察力の強化を図ります。
また、高齢運転者の増加を踏まえ、高齢者講習の受入枠拡大に向け、高齢者講習施設の新設に向けた設計を行います。
さらに、医療体制の充実にも取り組みます。
県内医師不足を解消するため、県外大学病院から魅力ある指導医と専門医をチームで県内病院に招聘し、後期研修の指導体制を強化することで、後期研修医の県内定着を図ります。
また、緊急性の高い救急事案について迅速に医療を提供するため、県の東西2か所の救命救急センターに365日24時間体制のドクターカー広域運行拠点を整備します。

2   持続可能な成長・発展

二つ目の柱は、「持続可能な成長・発展」です。
まず、東京2020オリンピック・パラリンピックの成功に向けて全力で取り組んでまいります。
大会期間中には、国際オリンピック委員会公認のライブサイトにおいて競技中継などを行い、県民の皆様に大会を身近に体感していただくとともに、埼玉をPRする一大イベントを開催し、国内外に向けて「埼玉」を強く発信してまいります。
オリンピック・パラリンピックは、スポーツの祭典であるとともに文化の祭典でもあります。
オリンピックと同時開催する、埼玉の和の文化を一堂に会した「埼玉WABI SABI大祭典2020」などを通じて本県の文化芸術の振興と地域の活性化を図るとともに、アニメやeスポーツなどのコンテンツを生かした広域観光を促進します。
さらに、渋沢栄一が新一万円札の肖像に選ばれ、来年のNHK大河ドラマの主人公にもなることから、塙保己一、荻野吟子を加え、県北部を中心とした埼玉の三偉人の周遊企画を実施するなど、渋沢栄一を軸とした観光振興に取り組み、本県の魅力を発信してまいります。
次に、埼玉の更なる成長を加速させるため、稼げる力の向上に取り組んでまいります。
本県に競争力の高い産業を育成するため、引き続き「先端産業創造プロジェクト」を推進します。
成長分野である医療やロボットなどの重点5分野について研究開発から事業化まで支援し、県内企業の稼げる力を高めます。
また、農林業のスマート化を推進します。
農業については、スマート農業技術の実証・展示や園芸作物の栽培管理を自動化する機械等の導入支援を行い、農家への普及につなげていきます。
林業については、森林資源情報を市町村等と共有できるクラウドシステムを構築するとともに、林業者による森林資源情報の管理や木材の出荷作業の効率化を支援します。
さらに、未来を見据えた基盤づくりにも取り組みます。
超少子高齢化の進展に伴う課題に対応していくため、コンパクトシティの取組を核として、AI・IоT・5Gなどの新技術を活用した、強靭性の高いまちづくりを目指す「埼玉版スーパー・シティプロジェクト」の具体的な取組を検討します。
また、「あと数マイルプロジェクト」を推進するため、公共交通の利便性向上策の検討を実施いたします。
さらに、開かずの踏切や幅員の狭小などにより渋滞が発生しボトルネックとなっている箇所について、立体交差化や道路拡幅等を行ってまいります。

3   誰もがいきいき活躍

第三の柱は、「誰もがいきいき活躍」です。
まず、人生100年時代を見据え、シニアの活躍を支援いたします。
「コバトン健康マイレージ」は、民間スポーツ施設等と連携してポイントを付与することや参加手続を簡略化することにより、参加者を拡大し、健康寿命の延伸と医療費の抑制を図ってまいります。
また、ボランティアや就労相談などシニア向けのワンストップ型総合窓口を県民活動総合センターに設置します。
次に、子育て世代の支援に取り組みます。
全国トップレベルにある県内私立高校生に対する授業料等の負担軽減を年収約720万円未満世帯まで拡大して実施します。
また、病児保育施設の整備を促進するとともに、県内2か所で病児保育送迎システムのモデル事業を実施します。
次に、女性や外国人、LGBTQの方などあらゆる人が自分らしく、生き生きと活躍できる社会の実現に取り組んでまいります。
男女が共に働きやすい環境を整えるため「多様な働き方実践企業」を更に拡大し、働く女性のキャリア形成を支援するとともにテレワークの導入や男性の育児休業取得の促進など企業の働き方改革を支援します。
また、外国人との共生社会を実現するため、外国人の日本語学習を支援するとともに、多言語による総合的な相談・情報提供窓口を運営します。
あわせて、地域の関係機関と連携して、学校を核とした外国人親子への支援と地域住民との交流を行う仕組みを構築してまいります。
さらに、LGBTQの方が自分らしく活躍できる埼玉をつくるため、当事者が抱える困難等を調査し総合的な施策を検討するとともに、LGBTQの方にとって働きやすい職場づくりの啓発を行ってまいります。

4   5か年計画における6つの分野別施策

続きまして、5か年計画における6つの分野別施策について御説明いたします。

(1)未来への希望を実現する
まず、「未来への希望を実現する」分野についてです。
待機児童対策として、認可保育所の整備のほか、小規模保育の充実などにより、令和2年度は新たに5,300人分の保育サービス受入枠を拡大します。
これに伴い、必要となる保育士を確保するため、これまでの保育士確保の取組に加え、潜在保育士の希望勤務形態に応じた貸付事業を新設し、県内保育所への再就職を支援します。
また、児童相談所における相談機能の強化として、老朽化・狭あい化した熊谷児童相談所を移転新築するとともに一時保護所を一体的に整備いたします。
あわせて、児童虐待防止体制の強化のため、児童相談所7所に児童福祉司や児童心理司を増員いたします。
さらに、10年先を見据え、児童相談所全体の整備・機能強化計画を策定し児童相談所の機能強化を推進します。

(2)生活の安心を高める
次に、「生活の安心を高める」分野についてです。
小児移植医療の充実を図るため、県立小児医療センターにおいて、さいたま赤十字病院との連携による小児生体肝移植を本格的に実施します。
また、県立がんセンターにおいて、遺伝子変異に基づいて診断、治療を行うがんゲノム医療を、県立小児医療センターにおいて、遺伝子改変技術を利用したがん免疫療法であるCAR-T細胞療法を本格的に実施するなど先進的がん医療を提供してまいります。
さらに、多発する河川の水質異常や水質の急激な変化等に対応し、水質基準に適合した安全な水を安定供給するため、県営浄水場に高度浄水処理施設を整備します。

(3)人財の活躍を支える
次に、「人財の活躍を支える」分野についてです。
いわゆる就職氷河期世代の正規雇用化を促進し、企業の人材確保を支援するとともに、県といたしましても職員採用試験を実施いたします。
また、県立特別支援学校の児童生徒数の増加に対応するため、南部、東部地域に新たな特別支援学校や分校などを整備してまいります。
あわせて、障害の特性に応じたICT環境の整備に向け、学習用タブレット等を段階的に導入してまいります。
さらに、生徒一人一台端末の教育環境実現に向け、県立高校において端末を学校に持ち込み、授業等で活用する、いわゆるBYODの実証を行ってまいります。

(4)成長の活力をつくる
次に、「成長の活力をつくる」分野についてです。
県内企業の99.8%を占める中小・小規模企業の経営を支えるため、商工団体の経営相談等の事業に対し支援を行います。
あわせて、社会課題の解決に資する新技術・新製品開発に対して、その費用の一部を助成いたします。
また、中小企業組合の先進的な取組に対し支援を行ってまいります。
さらに、「省力化・省人化」「外国人人材活用」「事業承継」の三大課題について専門的知見を持ったアドバイザーによる訪問支援をいたします。

(5)豊かな環境をつくる
次に、「豊かな環境をつくる」についてです。
中小企業等における省エネルギー対策を推進するため、IоTを活用した省エネ設備等の導入を支援します。
また、身近な緑の保全については、相続などにより売却され乱開発のおそれがある貴重な緑地を保全していくため、地元自治体や環境団体と協働して土地の取得を進めます。

(6)魅力と誇りを高める
最後に、「魅力と誇りを高める」分野についてです。
令和3年に、埼玉県が誕生してから150周年を迎えます。
県民の皆様と一体となってこれを祝うとともに、県の魅力を内外に発信していくため、機運を醸成するための取組を行ってまいります。
また、趣味・教養・座学が中心の現行の「彩の国いきがい大学」を、生涯現役を支援するリカレント教育の場として実践的なカリキュラムに刷新いたします。
さらに、本県の子供や若者が世界を知り、埼玉から世界で活躍できる人材を育成するため、外国人住民と交流できる場を子供たちに提供するとともに姉妹友好州省との国際交流を進めます。

次に、その他の議案のうち、主なものにつきまして、御説明申し上げます。
第27号議案「埼玉県立精神保健福祉センター条例の一部を改正する条例」は、同センターのうち自立訓練施設の管理を指定管理者に行わせることができることとするものでございます。
第30号議案「埼玉県立高等看護学院条例の一部を改正する条例」は、大学等における修学の支援に関する法律の施行に伴い、入学料や授業料の減額又は免除に関する規定を整備するものでございます。
第38号議案「埼玉県ヤードにおける自動車等の適正な取扱いの確保に関する条例」は、ヤードにおける輸出等を目的とした自動車等の保管又は解体に、届出等の規制を新たに設けるものでございます。
その他の議案につきましては、提案理由等により御了承をいただきたいと存じます。

国の補正に伴う補正予算案

続きまして、第51号議案「令和元年度埼玉県一般会計補正予算(6号)」について、御説明いたします。
この補正予算案は、先月30日に成立した国の補正予算に対応した事業のうち、防災・減災対策など、緊急性の高い箇所を中心に公共事業を計上したものです。
あわせて、年度内に完了する見込みが立たない事業につきましては、繰越明許費の設定をお願いしております。
この結果、令和元年度一般会計の補正予算額は、152億4,898万2千円となり、既定予算との累計額は、1兆9,356億6,399万5千円となります。
この補正予算案につきましては、早期に着手し、令和2年度当初予算と切れ目なく執行することで、災害からの復旧・復興を加速させ、県内経済を持続的に活性化させることにつながります。
そこで、他の案件に先立って御審議いただきますよう特段の御配慮をお願いするものでございます。
以上で私の説明を終わりますが、何とぞ慎重審議の上、御議決を賜りますようお願い申し上げます。

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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