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掲載日:2023年12月22日

令和5年12月定例会 意見書・決議

意見書・・・・次の13件です。

決議・・・・次の1件です。

高温障害による農家減収対策等の強化を求める意見書

我が国の夏の平均気温は、様々な変動を繰り返しながら上昇しており、本年夏においては観測史上最も高くなった。
このような中、本年夏の高温や干ばつによって、本県においては水稲等の農作物に甚大な被害が発生したため、条例に基づく特別災害に指定し、被害を受けた農家に対して次期作作付に係る経費を支援することとした。
また、全国においては、農林水産省が本年10月に発表した令和5年産新米の検査結果によると、最も品質が良い一等米の比率は59.6%となり、現行の検査体制になった平成16年以降で過去最低となった。このような高温障害による等級低下は農家の減収につながる。
さらに、ウクライナ情勢等による肥料や飼料等の農業生産資材の高騰が、農家の経営を圧迫している。
今後も、高温障害や農業生産資材の高騰が続くと、これまで以上に農家の経営が厳しいものとなり、農家の営農意欲の喪失や離農の増加が懸念される。加えて、主食である米の生産減少により将来的に食料安全保障も脅かされかねないため、農家の経営安定に向けた取組が強く求められている。
よって、国においては、米農家の経営安定を図るため、下記の事項を講ずるよう強く要望する。

1 高温障害が生じた場合においても農家の収入減少を抑制するため、主食用米の事前契約・複数年契約などの安定取引が普及するように取組を進めること。併せて、収入減少影響緩和交付金(ナラシ対策)や収入保険制度の更なる充実を図ること。
2 農業生産資材の高騰に対する補助制度を充実すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和5年12月22日

埼玉県議会議長 立石 泰広

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣                   様
農林水産大臣
環境大臣
内閣官房長官
経済財政政策担当大臣

老朽化した商工会館の建替え及び改修に対する支援を求める意見書

中小企業・小規模事業者を支援する等の役割を担う商工会及び商工会議所(以下「商工会等」という。)は法律に基づき地域ごとに設立された公的団体である。
この商工会等が拠点を置く商工会館は、商工業者のみならず地域の催事会場等としても利用されている公共性の高い施設である。このため、大地震等により建物が被災した場合に、商工会等の機能停止のみならず利用中の一般住民等の被害も懸念されるため、その安全の確保は極めて重要である。
しかし、商工会館は、建築基準法に基づく現行の耐震基準が導入される以前に建築され、老朽化しているものが少なくない。令和3年1月に日本商工会議所が実施した調査によれば、商工会議所については、旧耐震基準時代の建物で耐震性に問題があるにもかかわらず、移転・新設・改修による対応の見通しが立っていない会館を有するものが全体の4分の1に上った。
このような中、自然災害等が発生した場合における中小企業の事業活動を継続する能力の強化を支援するため、令和元年7月に中小企業等経営強化法が改正された。あわせて、小規模事業者支援法が改正され、商工会等が市町村と共同で、小規模事業者の防災・減災対策について支援する役割を担うことになった。
中小企業への支援体制が強化される中、災害発生時に地域の事業者の早期再建の拠点となる商工会館の防災強化は急務となっている。
よって、国においては、老朽化した商工会館の建替え及び改修を推進するため、補助制度を創設するなど財政支援措置を講ずるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和5年12月22日

埼玉県議会議長 立石 泰広

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
経済産業大臣            様
国土交通大臣
内閣官房長官
国土強靭化担当大臣
防災担当大臣

防災重点農業用ため池に係る防災工事等の推進に関する意見書

農業用ため池は、農業用水の確保はもとより、生物の生息・生育場所の保全、地域の憩いの場の提供などの多面的な機能を有しており、また、降雨時には雨水を一時的にためる洪水調節や土砂流出の防止などの役割も担っている。
しかしながら、自然災害による農業用ため池の被災が頻発していることに加え、農業用ため池の権利者の世代交代による権利関係の不明確化・複雑化や、管理体制の弱体化により、日常の維持管理に支障を来すおそれがあることが課題となっている。
このため、農業用ため池を適正に管理及び保全することにより、農業用水の供給機能を確保しつつ、決壊による被害を防止することを目的とした、農業用ため池の管理及び保全に関する法律が令和元年7月に施行された。さらに、令和2年10月には、決壊により下流の住宅等に被害を及ぼすおそれがある農業用ため池について、防災工事等を集中的かつ計画的に推進することを目的として、防災重点農業用ため池に係る防災工事等の推進に関する特別措置法が施行され、令和12年度末までに防災工事等の推進を図ることとされている。
本県において、農業用ため池は令和5年3月末現在で約470箇所あり、その半数以上の約240箇所を防災重点農業用ため池として指定している。
本県における防災重点農業用ため池について、耐震性や豪雨に対する耐性、劣化の状況を調査したところ、約9割の施設で対策が必要と判明している。これらについて、順次整備計画を策定し、対策を講じているが、集中的かつ計画的に防災工事等を推進するためには、安定的な予算確保等が不可欠となっている。
よって、国においては、防災重点農業用ため池について、下記の事項を講ずるよう強く要望する。

1 地方自治体が実施する防災工事等を確実に実行するため、十分な予算の確保を図るとともに技術的支援を行うこと。
2 ため池の浚渫など適正な管理に要する経費の支援や事業実施に係る地方財政措置の充実など地方負担額の軽減を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和5年12月22日

埼玉県議会議長 立石 泰広

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣                  様
農林水産大臣
国土交通大臣
内閣官房長官
国土強靭化担当大臣
防災担当大臣

高度・専門分野における看護職員の確保及び育成に係る支援を求める意見書

2025年に団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる中、看護職員に対するニーズは増大している。
あわせて、看護職員においては、医師の働き方改革を進めるための業務の移管や共同化によって、質の向上や、より高度で専門性が求められている。
また、医療の高度化や新型コロナウイルス感染症への対応においても、専門性の高い看護職員を確保する必要性が高まっている。
こうした中、本年10月に、策定以来30年ぶりに改定された「看護師等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針」(以下「看護師等確保指針」という。)においても、個々の看護師等が置かれた状況の複雑化や対象者の多様性への対応として、特定行為研修の受講や認定看護師等の資格取得などが求められている。
また、看護師等確保指針では、「医療計画において、特定行為研修修了者その他の専門性の高い看護師の就業者数の目標を設定し、目標達成に向けた具体的な取組を推進することが重要である。」とされており、高度・専門分野の看護師の確保・育成は今後の重要な課題として位置付けられている。
しかしながら、認定看護師と特定行為研修修了者に関する資格取得については、研修期間が長期にわたるほか、高額な受講料などの金銭的負担が大きいという課題がある。
現在、本県を含め一部の都道府県においては、地域医療介護総合確保基金を基に補助事業を行っているが、県負担分もあり、県予算に縛られるため、支援には限界がある。
よって、国においては、高度・専門分野における看護職員の確保・育成を図り、良質かつ適切な医療提供体制を確保するため、認定看護師等の資格を取得するための補助について、全額国庫負担等するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和5年12月22日

埼玉県議会議長 立石 泰広

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣                     様
財務大臣
厚生労働大臣
内閣官房長官
感染症危機管理担当大臣
 

保育士の配置基準の見直し及び人材確保等を求める意見書

昨今、保育等の現場における子供をめぐる事故や不適切な対応事案などにより子育て世帯が不安を抱えており、安心して子供を預けられる体制整備を急ぐ必要がある。
国では、保育について、これまでも待機児童対策の推進による量の拡大とともに質の向上を進めてきたが、4歳以上の幼児に対する保育士の配置基準の見直しは70年以上も行われておらず、本年6月に閣議決定された「こども未来戦略方針」において、ようやく1歳児及び4・5歳児の見直しが位置付けられた。
一方で、配置基準の見直しや、国が創設を目指す新たな通園制度「こども誰でも通園制度(仮称)」の開始などによって、保育士の確保が一段と困難になることが危惧される。保育士確保のためには、更なる処遇改善が必要不可欠である。
よって、国においては、安心・安全な保育を実施するため、下記の事項を早急に実施するとともに、十分な財政措置を図るよう強く要望する。

1 保育士の配置基準の見直しを確実に実施すること。
2 保育士が安定的・継続的に働くことができるように、保育所等の職員の給与が他の業種と比較し適切な水準となるよう、勤 務実態に合った公定価格を定めること。
3 保育士における仕事と家庭の両立支援や、清掃業務をはじめとした周辺業務を行う保育支援者の配置の支援を拡充して、保育士の業務負担の軽減を図り、就業継続を支援すること。
4 情報提供の強化や復職に向けた伴走支援の拡充などにより、離職者の再就職支援の更なる充実を図ること。
5 保育士を目指す学生に対して、保育士養成施設における修学資金の貸付等の拡充を図るなど、保育士資格の取得を支援すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和5年12月22日

埼玉県議会議長 立石 泰広

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣                    様
内閣官房長官
こども政策担当大臣
少子化対策担当大臣
経済財政政策担当大臣

人工内耳に係る機器等の買い替え費用等の支援を求める意見書

人工内耳は、現在世界で最も普及している人工臓器の一つで、聴覚障害があり補聴器での装用効果が不十分な方に対する唯一の聴覚取得方法とされている。人工内耳の装置は、手術で耳の奥など体内に埋め込む部分と、音をマイクで拾って埋め込んだ部分へ送る体外部から構成されている。
体内に埋め込む手術及び装置の費用は、医療保険の適用と自立支援医療費の給付により、利用者の費用負担は軽減化されている。
また、令和2年度からは、音を電気信号に変換する人工内耳用音声信号処理装置(スピーチプロセッサ)の修理が、補装具費支給制度の対象となっている。しかし、スピーチプロセッサ等を買い替える場合は、医療保険の適用や自立支援医療費の給付がなく、利用者は多額の費用負担をすることになり、補聴器が支給制度の対象となっていることと差異が生じている。
また、人工内耳用電池は、福祉用具として日常生活給付事業の対象品目になっているものの、給付対象に定めている市町村は少ないのが現状である。
よって、国においては、人工内耳に係る機器であるスピーチプロセッサの買い替え費用及び電池の購入費用を支援するとともに、市町村に対して人工内耳用電池を日常生活給付事業の対象品目に定めるように働きかけるなど、人工内耳装用者の費用負担を軽減するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和5年12月22日

埼玉県議会議長 立石 泰広

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣                 様
財務大臣
厚生労働大臣
内閣官房長官
 

加齢性難聴者の補聴器購入に対する助成制度の創設等を求める意見書

加齢性難聴は、加齢によって誰にでも起こり得る進行的な聴覚障害で、65歳から74歳では3人に1人、75歳以上では約半数が加齢性難聴に悩んでいるとされる。
加齢性難聴による影響としては、外出先で危険に遭いやすい、災害時の警報が聞こえないことなどがある。また、近年、認知症の発症リスクを高める最も大きな要因として加齢性難聴があると報告され、認知症予防の観点からも加齢性難聴への早期対応が最重要項目の一つであると考えられている。
加齢性難聴に対しては、できるだけ早期に補聴器などを使用して「聞こえ」を改善し、生活に必要なことばを聞き分ける能力を最大限に発揮することが大切とされている。
しかし、我が国の難聴自覚者における補聴器装用率は、令和4年の民間団体の調査では約15%と低水準にとどまっている。
国は、現在、補装具費支給制度により、補聴器の購入に要した費用を一部支給しているものの、制度の対象は、身体障害者手帳の交付対象となる重度・高度難聴の場合に限定している。地方自治体の中には、加齢性難聴者の補聴器購入に対する補助を行うところもあるが、一部にとどまっている。
補聴器の更なる普及は、加齢性難聴者の生活の質の低下を防止し、心身ともに健やかな生活の維持に寄与するとともに、認知症の予防、ひいては健康寿命の延伸、医療費の抑制にもつながると考えられる。
よって、国においては、加齢性難聴者へ補聴器の積極的な装用を促すため、加齢性難聴者の補聴器購入について、補装具費支給制度の対象の見直しや新たな公的支援制度を創設するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和5年12月22日

埼玉県議会議長 立石 泰広

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣                   様
財務大臣
厚生労働大臣
内閣官房長官

自衛隊施設等の整備における地元中小企業の受注機会の増大を求める意見書

令和4年12月に閣議決定された防衛力整備計画(以下「計画」という。)では、自衛隊員の生活や勤務環境の改善に向けて、宿舎等について着実な整備を進めるとともに、近代化や予防保全を含む計画的な老朽化及び耐震化対策を講じるとされている。また、生活・勤務用備品の所要数整備や確実な老朽更新、日用品の所要数の確実な確保を図るとされている。
さらに、計画では、防衛力を支える要素として、地域コミュニティーとの連携を掲げており、部隊の改編や駐屯地・基地等の配置・運営に当たっては、地方公共団体や地元住民の理解を得られるよう、地域の特性に配慮するとされているほか、中小企業者に関する国等の契約の方針を踏まえ、効率性にも配慮しつつ、地元中小企業の受注機会の確保を図るなど、地元経済に寄与する各種施策を推進するとされている。
しかし、令和4年度の防衛省における中小企業等向け契約実績額は4,886億円で、官公需総実績額に占める比率は52.2%であり、「令和4年度における防衛省の中小企業者に関する契約の方針」における目標金額約4,950億円、目標比率61%をいずれも下回っており、十分な状況とは言えない。
よって、国においては、防衛省の中小企業者に関する契約の方針における目標を着実に達成するため、自衛隊施設の所在する地元の中小企業等の受注機会を増大するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和5年12月22日

埼玉県議会議長 立石 泰広

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣            様
経済産業大臣
防衛大臣

児童養護施設等の職員配置基準の見直し等を求める意見書

本県の児童養護施設における被虐待児童の入所割合は、令和2年3月1日現在で6割以上を占めた。
児童養護施設や児童心理治療施設等においては、虐待やDVによって心に深い傷を持つ児童の入所が増えているため、個別的できめ細かな処遇が求められている。また、知的障害や発達障害、精神障害のある児童が年々増加しており、専門的な知識・技術、適切な心理的ケア及び医療的ケアが求められる。
このように、児童養護施設等の職員の負担が増加している中において、職員の配置基準については、見直しが図られてきたものの十分ではなく、現場の実態とは乖離しており、就労状況は大変厳しくなっている。そのため、更なる配置基準の見直しや処遇改善が必要となっている。
よって、国においては、児童養護施設等において児童に対する個別的でよりきめ細かな処遇等を実現するため、下記事項について実施するよう強く要望する。

1 児童養護施設等の職員配置基準について、全ての職種における見直しを実施すること。
2 措置費の人件費部分を改善すること。
3 知的障害や発達障害を抱える児童の増加に伴い職員の負担が増加していることから、新たに「知的障害児・発達障害児受入加算費」や「特別支援学校・学級児加算」を創設すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和5年12月22日

埼玉県議会議長 立石 泰広

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
文部科学大臣                  様
厚生労働大臣
内閣官房長官
こども政策担当大臣
少子化対策担当大臣
 

不動産登記法第14条第1項に基づく登記所備付地図の早期集中的な整備を求める意見書

不動産登記法第14条第1項の規定により、各登記所には土地の位置及び区画を明確に表す地図(以下「登記所備付地図」という。)を備え付けなければならないこととされている。
また、登記所備付地図が整備されるまでの間の代替措置として、当該地図に準ずる図面(以下「公図」という。)を備え付けることができることとされている。しかし、公図は、明治初期の地租改正の際に作成されたものが多く、当時の測量技術が未熟であったことや図面が短期間で作成されたことなどから、正確性に欠け、現況とは異なるため、道路等の社会基盤整備や土地に対する課税適正化などの利用に支障を来している。
登記所備付地図は、国土調査法に基づく地籍調査が昭和26年から開始し、整備が進められてきた。しかしながら、地籍調査の主要な担い手である市町村において必要な予算や職員の確保が困難になっていることや、地籍調査の実施対象地域がより困難な都市中心部等へ移行してきていることなどから、令和4年度末の地籍調査の進捗率は、国有林等を除いた要調査面積の52%にとどまっている。さらに、地籍調査への着手が遅れることで、土地境界の調査に必要な「人証」や「物証」が失われることも懸念されている。
こうした中、法務局及び地方法務局は、登記官による助言等、市町村の地籍調査に協力し、また、地図混乱地域については法務局等が自ら登記所備付地図の整備を推進しているが、公図からの早期の転換を進めるためには、これらの更なる取組が必要不可欠である。
よって、国においては、市町村に対する更なる支援を実施するとともに、法務局等で実施している登記所備付地図作成事業における単年度当たりの実施範囲等を大幅に拡大し、併せて全国の登記所備付地図の整備を進めるための工程表を示し、当該事業の継続的な予算化を図るよう重ねて強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和5年12月22日

埼玉県議会議長 立石 泰広

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣              様
法務大臣
財務大臣

独立行政法人国立女性教育会館の現在地での存続を求める意見書

本県比企郡嵐山町に所在する独立行政法人国立女性教育会館(以下「国立女性教育会館」という。)は、我が国唯一の女性教育に関するナショナルセンターとして、女性教育の振興を図り、もって男女共同参画社会の形成の促進に資することを目的とする機関である。昭和52年、国が国立婦人教育会館として設置した国立女性教育会館は、その後、平成13年に独立行政法人に移行しているが、今日にいたるまで、嵐山町の地に長い歴史を有する施設である。また、平成29年には、インフラ長寿命化計画が策定され、これまで6年間で総額約15億円を投じられ、計画的に維持・管理が行われている。
こうした中、我が国における男女共同参画社会の形成促進を目的として、内閣府の「男女共同参画会議」の下に「独立行政法人国立女性教育会館(NWEC)及び男女共同参画センターの機能強化に関するワーキング・グループ」が令和4年12月に設置され、令和5年4月に報告書が取りまとめられた。
このワーキング・グループの報告書においては、国立教育女性会館について、男女共同参画基本計画に定める施策全般を推進する「ナショナルセンター」としてその役割を拡充するとともに、全国355の男女共同参画センターの「センターオブセンターズ」として位置付けること、また、人材育成機能強化・職員の専門性向上や関係機関等とのネットワーク構築・強化、男女共同参画に関する政策のEBPM機能の強化など、様々な機能の強化について示されている。
その一方、「現在の研修棟や宿泊棟といった施設の在り方についても、今後検討していくことが必要である。」とされているが、移転の必要性については示されていない。
しかしながら、本年11月、関係府省から嵐山町に対して、「現行施設を譲渡又は撤去し、主たる事務所を移転することとしたい」旨の意向が示された。ワーキング・グループの報告書において移転について示されず、また、地元への丁寧な説明が行われない中、このような意向は断じて容認できない。
よって、国においては、国立女性教育会館について、現在地において存続することを強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和5年12月22日

埼玉県議会議長 立石 泰広

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
文部科学大臣               様
内閣官房長官
男女共同参画担当大臣

食品ロス削減への国民運動の更なる推進を求める意見書

現在、世界で約8億人が飢餓に直面していると言われている中で、国連世界食糧計画(WFP)では、飢餓で苦しむ人々のために、年間480万トンの食料支援を行っている。
一方で、我が国においては食品ロス削減推進法が令和元年10月1日に施行され、食品ロス削減に関する普及・啓発が進められてきた。しかしながら、農林水産省が公表した令和3年度の食品ロス量は523万トンであり、WFPによる食料支援の約1.1倍となっている。
また、食品ロスは、食品のライフサイクルである、生産、製造、流通、販売、消費といったあらゆる段階で発生していることから、その削減は、無駄な資源の消費を減らすだけでなく、気候変動対策としても非常に重要である。
よって、国においては、食品ロス削減への国民運動を更に推進するために、下記の事項を実施するよう強く求める。

1 賞味期限や消費期限が近いものから選ぶ「てまえどり」など、環境等に配慮した消費行動であるエシカル消費についての普及啓発を一層進めるとともに、食品ロス削減を積極的に進める事業者の評価や支援の強化を図ること。また、地域や事業者の食品ロスの計測・公表等の体制を拡充し、取組の実効性を強化すること。
2 使用量や頻度に合わせた小分け包装や、食品自体の鮮度の保持や賞味期限等の延長に繋がる容器・包装の改善や工夫の促進、外食産業における小分けメニューや持ち帰りなど、食べきりを積極的に進めるための取り組みを一層強化すること。
3 余っている食品を企業や家庭等からフードバンク等へ寄付するフードドライブ等の利活用の促進などにより、食品ロス削減を目指した国民運動の取り組みをより一層強化すること。
4 事業系食品ロスの削減や子ども食堂等への支援を目的として、企業・商店などから提供された食料品等を地域に設置された冷蔵庫や冷凍庫で保管し、随時必要とされる住民や団体等に提供する仕組みであるコミュニティフリッジ(公共冷蔵庫)を設置するとともに、運営等への支援制度の整備を行うこと。
5 食品関連事業者と農林漁業者の連携を促し、規格外品などの廃棄されている地域の食材を有効活用する商品の開発や消費の拡大などに取り組む地方自治体等の事業に対して、積極的な支援を行うこと。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和5年12月22日

埼玉県議会議長 立石 泰広

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣                              様
農林水産大臣
経済産業大臣
環境大臣
内閣官房長官
こども政策担当大臣
経済財政政策担当大臣
消費者及び食品安全担当大臣

夜間中学の更なる設置推進を求める意見書

様々な事情により義務教育を十分に受けられなかった人に対して学びの機会を提供することは、教育を受ける権利を確保する上で非常に重要である。
その中で、戦後の混乱期に昼間に中学校へ通うことができなかった人々に対して設立された公立の夜間中学は、義務教育の機会を提供するための一つの柱となっている。
夜間中学は、近年では、不登校などにより十分に中学校に通えなかった方や、本国又は我が国で義務教育を修了していない外国籍の方が学び直すための受け皿としても機能している。
一方で、令和2年の国勢調査によれば、中学校を卒業していない義務教育未修了者は全国で約90万人と、見過ごせない大きな数となっており、夜間中学が果たす役割は非常に重要である。
平成28年に成立した教育機会確保法は、学齢期を経過した者で、小中学校等における就学の機会が提供されなかった者の中に、就学機会の提供を希望する者が多く存在することを踏まえ、全ての地方公共団体に、夜間中学における就学機会の提供等の措置を講ずることを義務付けた。さらに、国は、各都道府県・政令市に夜間中学が少なくとも1校設置されることを目標に掲げたことから、現在では全国に44校設置されている。
しかしながら、夜間中学を設置し、運営するための安定的な予算確保や、ニーズの把握、教員の確保の難しさ等といった課題がある。
よって、国においては、義務教育を十分に受けられなかった人に対して学びの機会が広く提供されるよう、下記の対策を講ずるよう強く要望する。

1 夜間中学の更なる設置を進めるため、必要な予算及び適切な人材を確保すること。
2 様々な事情やバックグラウンドを抱える方々に対応できるよう、柔軟で適応力に富んだカリキュラムや教育プログラムを確立し、多様なニーズに適した環境を整備すること。
3 学びの機会が提供されていることについて、関係機関と連携して、情報を広く発信すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和5年12月22日

埼玉県議会議長 立石 泰広

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣                      様
文部科学大臣
内閣官房長官
経済財政政策担当大臣

 北朝鮮による弾道ミサイル技術を使用した衛星打ち上げに断固抗議し、制裁措置の厳格な履行等を求める決議

本年11月21日、北朝鮮は、沖縄本島と宮古島との間の上空を通過する形で弾道ミサイル技術を使用した衛星打ち上げを強行した。
今般、北朝鮮が行った衛星発射は、航空機や船舶はもとより、上空を通過したと判断される地域の住民の安全の観点からも極めて問題のある行為である。衛星打ち上げを目的とするものであっても、北朝鮮による弾道ミサイル技術を使用したいかなる発射も禁じている国際連合安全保障理事会決議等への明らかな違反である。
北朝鮮は、令和4年以降、この2年弱の間に80発以上の弾道ミサイル等を発射しており、一連の北朝鮮の行動は、我が国の安全保障にとって重大かつ差し迫った脅威であり、断じて容認できない。また、我が国のみならず、国際社会全体に対する挑発をエスカレートさせる明白な暴挙である。
本県議会は、北朝鮮に対し、最も強い言葉で抗議と非難の意を表明するとともに、核兵器及び弾道ミサイル等の開発を即刻放棄し、更なる軍事的挑発行動を行わないよう重ねて強く求めるものである。
また、国は、米国をはじめとする関係国と緊密に協力し、国際連合安全保障理事会決議に基づく制裁措置を完全に履行するとともに、我が国独自の制裁措置をより一層強化し、北朝鮮に対し、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的解決に向けた具体的行動を促すよう強く求める。
以上、決議する。

令和5年12月4日

埼玉県議会

 

  • 注意:議員の氏名の一部にJIS規格第1・2水準にない文字があるため、第1・第2水準の漢字で表記しているものがあります。

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課 政策・法制担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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