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掲載日:2022年7月7日

令和4年6月定例会 「総務県民生活委員長報告」

委員長 松澤 正

総務県民生活委員会における審査経過の概要について、御報告申し上げます。
本委員会に付託されました案件は、議案7件及び請願2件であります。
以下、これらの議案等に関して行われた主な論議について申し上げます。 
まず、第91号議案について、「私立学校に対し、学校給食費等の物価高騰相当額を補助するとのことだが、どの程度の物価高騰まで対応できるのか。また、物価高騰が長期化した場合、どのように対応するのか」との質疑に対し、「令和3年4月から令和4年4月の期間で最も食品価格が高騰した時点を基に積算しており、15%までの物価高騰に対応できる。物価高騰が長期に及んだ場合には、国は総合的な対策を講じるとしており、国の動向を注視しながら検討していきたい」との答弁がありました。
次に、第94号議案について、「職員の適切な年齢バランスを維持するためには、定年の段階的引上げ期間中も、一定数の新規採用を継続して行うべきだがどうか」との質疑に対し、「定年の段階的引上げ期間中には、2年に1度、定年退職者がいない年があるため、1年おきに、採用が必要な職員数の増減が生じる。しかし、継続的で安定した県政運営を行っていくためには、真に必要な規模の新規採用を計画的に実施して、職員の適切な年齢バランスを確保していく必要がある。また、総務省から、定年引上げに伴う地方公共団体の定員管理のあり方に関する研究会の報告書が出され、これに基づく通知も発出されており、当該通知の内容も踏まえながら、関係部局と協議をして、安定的な新規採用に向けて必要な検討を行っていきたい」との答弁がありました。
次に、第96号議案について、「住宅ローン控除に関する改正による県税収入への影響額はどれくらいか」との質疑に対し、「約2億6, 000万円の減収が見込まれる。しかし、減収額については、国の地方特例交付金により全額補填されるため、実質的な減収は生じない」との答弁がありました。
このほか、第95号議案についても活発な論議がなされ、第103号議案については、執行部からの詳細な説明をもって、了承した次第であります。
以上のような審査経過を踏まえ、本委員会に付託されました知事提出議案5件について採決いたしましたところ、いずれも総員をもって、原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
次に、請願について申し上げます。
議請第1号につきましては、請願者223名を追加したい旨の申請が請願者からあり、これを了承し、審査したところであります。 審査におきましては、不採択とすべきとの立場から、「インボイス制度は、消費税の軽減税率制度の導入に伴い、取引における正確な消費税率と消費税額を把握し、適正な課税を行うために導入される。激変緩和措置として、適格請求書がなくても支払った消費税が一定程度仕入税額控除できるなど、経過措置が設けられている。また、国においても相談窓口を設けるなど、制度導入に向けた措置が講じられており、インボイス制度を中止することを求める本請願には反対である」等の意見が出されました。
次に、採択すべきとの立場から、「インボイス制度が実施されると、納税を免除されていた小規模事業者等が元請けなどから課税業者になることを求められる。課税業者となれば暮らしていけず、廃止を求める声が広がっている。多くの関係団体も反対を表明しており、請願の採択を強く求める」との意見が出され、採決いたしましたところ、賛成少数をもって不採択とすべきものと決した次第であります。
次に、議請第2号につきましては、請願者225名を追加したい旨の申請が請願者からあり、これを了承し、審査したところであります。
審査におきましては、不採択とすべきとの立場から、「消費税は、安定財源を確保し、社会保障の充実と安定化及び財政健全化の達成のため必要な税財源である。さきの令和2年2月定例会で提出した『新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急経済対策を求める意見書』において、消費税は一定の期間を定めて軽減税率を0%とし、全品目軽減税率を適用することと要望しているが、緊急経済対策の一つとして要望しているものであり、単に消費税を一定期間ゼロにすることを求める本請願には賛成できない」との意見が出されました。
次に、採択すべきとの立場から、「現在も景気が上向かず、物価も高騰している中で、一定期間であれば必要な措置であると考える」等の意見が出され、採決いたしましたところ、賛成少数をもって不採択とすべきものと決した次第であります。
次に、議第15号議案「埼玉県性の多様性を尊重した社会づくり条例」及び議第16号議案「埼玉県部落差別の解消の推進に関する条例」の審査について申し上げます。
両議案について、まず、提案代表者から提案説明がなされ、その後質疑を行いました。
その中で、議第15号議案について、「本条例を制定することによって、社会がどのように変わっていくのか」との質疑に対し、「本条例を制定することで、性の多様性の理解が進み、性的マイノリティの方々の苦しみが軽減され、個人が個人として尊重される社会の実現に向けての一助になると考える」との答弁がありました。
また、「性自認が女性で戸籍上男性の方が、女性専用のトイレや更衣室などに入ることを施設管理者が禁止した場合、不当な差別的取扱いとして、本条例の違反となるのか。また、本条例の制定により性犯罪が増加するのではないかという意見があるがどうか」との質疑に対し、「そのような行為は、人権として無制限に保障されるものではなく、公共の福祉による制約として経営の自由等の権利との調整が必要となる。施設管理者には、性の多様性に配慮した取組を行うよう努めていただく必要はあるが、女性専用スペースへの入室を禁止することは一律に条例違反になるものではないと考える。また、アメリカのカリフォルニア大学ロサンゼルス校で実施された大規模調査においても、本条例のような条例施行後に、犯罪は増加していないという調査結果がある」との答弁がありました。
また、「第14条で規定する相談体制等の整備について、例えば東京都豊島区では、専門家が苦情処理委員となって苦情を受け付けている。本県の相談体制をどのように考えているのか」との質疑に対し、「当事者、その親族などの関係者及び事業者など全ての人が感じる疑問、困難に関する相談、苦情処理を扱う体制を想定している」との答弁がありました。
次に、議第16号議案について、「特定電気通信役務提供者、いわゆるプロバイダの責務や部落差別を行った者に対する説示、勧告等の規定を設けなかったのはなぜか」との質疑に対し、「まずは、県民の理解を深めることが、優先である。今後、第9条に基づく実態把握を行い、改正していく可能性はあるが、現時点でも特定の個人を対象とした権利侵害については、刑法をはじめとした各種法令が適用されると考える」との答弁がありました。
続いて、討論に入りましたところ、議第16号議案に反対の立場から、「行政への介入を復活させかねず、また、第9条の実態把握については、それ自体が国民の内心の自由を侵害し、分け隔てなく地域で生活する旧住民と、それ以外の方との間に新たな壁を作り出す強い危険性がある。本条例案は、部落問題解決の歴史に逆行し、部落差別を固定化、永久化しかねず、反対する」との討論がありました。
一方、議第15号議案及び議第16号議案に賛成の立場から、「まず、議第15号議案について、埼玉県が国に先んじて条例を制定することには大きな意義があると考える。条例の実効性をより高めるために、庁内横断的な推進体制を強化すること、苦情処理委員会や相談窓口等を設置し県が責任を持って対処すること、及び性の多様性の尊重に係るガイドラインを作成することを提案した上で、本条例案に賛成する。次に、議第16号議案について、部落差別は、地域に由来する根深い日本固有の差別である。現在、県内においても、痛ましい差別事件が頻発しており、本条例案の制定が求められる社会状況にあると考え、賛成する」等の討論がありました。
以上のような審査経過を踏まえ、本委員会に付託されました議員提出議案2件について採決いたしましたところ、いずれも多数をもって、原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
なお、当面する行政課題として、県民生活部から「指定管理者に係る令和3年度事業報告書及び令和4年度事業計画書について」、「令和4年度における指定管理者の選定について」並びに「屋内50m水泳場及びスポーツ科学拠点施設の検討状況について」の報告があり、種々活発な論議がなされましたことを申し添えまして、本委員会の報告を終わります。

 

  • 注意:氏名の一部にJIS規格第1・2水準にない文字があるため、第1・第2水準の漢字で表記しているものがあります。

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