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掲載日:2022年3月30日

令和4年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(松坂喜浩議員)

食品衛生の重要性について

Q   松坂喜浩 議員(県民)

先月2日、所沢市内医療機関から、市内の施設に入所している児31人中13人が前日1日の20時頃から腹痛、下痢、嘔吐を発症、入所児童は全員、当該施設内の給食を喫食している旨の通報があり、狭山保健所が調査を開始したと報道発表がありました。原因はノロウイルスによる健康被害を生じさせたものであり、時には食中毒だけでも命に関わります。食品衛生の重要性を御認識いただき、その上で質問に入らせていただきます。
改正食品衛生法が昨年6月に施行され、新たな許可や届出制度が開始されました。この件に関し、地元関係機関に問い合わせたところ、現在は改正法による改めての許可取得や届出の手続の交付、立入検査が順次行われているとのことでありました。今回の改正では、簡易な加工で作られる食品の製造であっても、資格を擁する食品衛生責任者の配置やHACCP(ハサップ)による衛生管理計画の策定実施が義務付けられています。このほかに、令和2年に完全施行された食品表示法に基づく食品表示など、食品等事業者が対応しなければならない事項はここ数年で非常に増加しています。
私の地元比企地域では、本来であれば一人で新しいことを始めることが難しい小規模事業者や高齢の経営事業者による施設運営が多い地域でありますが、比企食品衛生協会が主導し、東松山保健所が後援する「比企のカタチ」プロジェクトにより、改正法などへの対応がスムーズに実施されています。「比企のカタチ」は、食品衛生において実施しなければならない最も重要な7点をポスターやステッカーに掲げ、食品等事業者が自ら、また各事業者同士が研さんし、衛生環境を良くするという取組でございます。
「比企のカタチ」の考えの下、同協会を中心に保健所や農林振興センターなど県の機関と地元商工会や地元農協などの共同と連携が構築され、立入検査や相談会が実施されたことで、食品等事業者が法の趣旨を細やかに理解し、衛生管理の向上につながっているものと考えております。特に保健所や農林振興センターと連携しての定期的な直売所の食品監視や、そのフォローアップの相談会が定期的に開催されたことは、非常に大きな取組と考えております。
しかしながら、「比企のカタチ」のような仕組みを持たない地域において、これだけ大きな改正法を円滑に履行することは難しいと考えます。改正食品衛生法や食品表示法は法律であり、その運用に地域差があってはならないと思っております。
そこで、「比企のカタチ」のような取組を県内に広め、県としてしっかり後押ししていくべきと考えますが、いかがでしょうか。また、コロナ禍で従前のような講習会が頻繁に行えない中、県としてこれから食品等事業者にどのようなサポートをしていくのか、お聞かせいただきたいと思います。また、比企地域の相談会についても継続的な開催に期待をしているところですが、いかがでしょうか。
さらに、この事業は埼玉県食品衛生協会が食品衛生責任者の講習会をオンラインで実施していると聞いておりますが、オンライン等に精通していない御高齢の方や不得意な方などが排除されてはならないと考えます。「比企のカタチ」のような新しい考えの下、各地域の取組と併せて食品衛生責任者養成講習会が実施される仕組みが必要と考えますが、以上、保健医療部長の見解をお伺いいたします。

A 関本建二 保健医療部長

比企のカタチのような取組を県内に広め、県として後押ししていくことについてでございます。
比企のカタチは、業界誌にも取り上げられた地域ぐるみで食品衛生意識の向上を目指す取組と理解しております。
比企のカタチでは、事業者がハサップを行う上でやらなければならないことを7項目にまとめ、自主衛生管理を推し進める観点からステッカーやポスターを掲示することにより、ハサップが適切に機能する施設の増加につながるものと認識しております。
また、比企地域の直売所の監視や相談会の開催については、地元農家が製造加工した食品などが農産物直売所に多く出荷されている地域特性に対応し、きめ細かく相談、助言を行っている素晴らしい取組であります。
このため、こうした取組を県内保健所にも広く情報提供するとともに、関係機関との連携を図り講師の派遣など後押しをしてまいります。
次に、コロナ禍で従前のようなハサップ講習会が行えない中、食品営業者にどのようなサポートをするのかについてでございます。
令和3年度のハサップ講習会につきましては、1月末までに365回開催し、1万2,461名の方に受講いただいております。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により、全施設への導入には至ってないのが現状でございます。
このため、一般飲食店等を対象に、ハサップの衛生管理計画を作成するための講習会は従来の半数程度の定員とし、その分回数を増やして継続して開催するとともに、保健所窓口での相談、施設の監視時の助言等、積極的に支援してまいります。
なお、ハサップのフォローアップを含む比企地域の相談会については継続してまいります。
最後に、食品衛生責任者養成講習会についてでございます。
食品衛生責任者養成講習会については、当初は新型コロナウイルス感染症の影響により、受講人数や会場を制限しながら開催してまいりました。
受講希望者のニーズに十分対応できない状況を改善するため、対面の講習会とは別に、7月から新たにオンライン講習も始めました。
コロナ以前の実績として食品衛生責任者養成講習会の年間平均受講者数は5,500名程度でしたが、今年度は1月までにオンラインで約2,500名、対面で5,228名が受講しております。
対面の会場は浦和会場、東松山会場ではありますが、少しでも利便性が高まるよう出張による講習会の開催を埼玉県食品衛生協会に要請してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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