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掲載日:2022年3月30日

令和4年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(高木真理議員)

コロナ禍における医療的ケア児を持つ家族への支援について

Q  高木真理 議員(民主フォーラム)

県内には、約700名の医療的ケア児がいると言われていますが、正確な実態がつかめていないのも現実です。そうした中で、医ケア児を持つ保護者の皆さんは、コロナ禍で起き得る様々なケースをシミュレーションしながら、いざというときに本当に対応が可能なのかと不安にされています。医療的ケアが必要という重症化リスクから、とにかく本人の感染を防がなければならず、特に対応には慎重さが求められているわけです。
問題になるのは、入院対応となる医ケア児本人の感染の場合より、保護者が感染するケースです。レスパイト入院ができる医療型障害児入所施設に医ケア児を預けるというのが最初に想定されますが、これらの施設は、初めて利用する人を受け入れるのは難しいので、利用実績がないお子さんは行き場がありません。そして、受入れが可能だったとしても、その施設まで医ケア児を誰が安全に連れていけるのでしょうか。感染対策をした送迎サービスがあるという話を聞きません。
御家族には、医ケア児本人の預かり先が決まった場合に、ほかの兄弟児をどうすればいいのかという心配もあります。近くに預けられる近親者がいるわけでない場合には、深刻な課題です。港区では、区が契約する保育者が、区が借りた宿泊施設で残される子供を預かる対応をとっているとのことですが、本県ではどうなるのでしょうか。医ケア児をめぐっては、利用できる資源が少なく、日常的に保護者が身を削ってケアしている実態があります。そのため、いざというとき保護者なくして成り立たないことになりがちです。
そこで、福祉部長にお伺いします。
1点目、保護者が感染して入院や宿泊療養となった場合、残される医ケア児本人の対応にはどのようなものがあると想定をしていますか。医ケア児本人に移動が必要とすれば、その移動手段まで含めた対応可能な選択肢について御提示ください。
2点目、埼玉県には、医ケア児が利用できるレスパイト施設が14か所ありますが、空床利用を当てにする部分が多いなどベッド数が十分とは言えません。地域的にも、東部に少ないなど偏りもあります。地域偏在を解消して施設を増やす必要があると思いますが、御見解をお聞かせください。
3点目、保護者感染時の陰性の子供のケアの問題は、医ケア児に限らないことですが、保護者不在時、養育できる人がいない状況に対応する仕組みはどのようになっているでしょうか。

A   山崎達也 福祉部長

「保護者が感染して入院等となった場合、残される医療的ケア児本人の対応にはどのようなものがあると想定しているかについて」お答えを申し上げます。
医療的ケア児の保護者が新型コロナウイルスに感染した場合の対応については、国の通知により考え方が示されております。
具体的には、当該児童をよく理解している親類宅等に一時的に居所を移すこと、あるいは、かかりつけの医療機関や市町村の相談支援事業所に相談し、医療型障害児入所施設で行っている短期入所等への移動や医療機関への入院を検討することとされています。
本県では、陽性となった保護者が入院した場合は、医療的ケア児が保護者と同じ医療機関へ入院できるよう最大限配慮されています。
議員お話のとおり、医療型障害児入所施設では、これまでその施設を利用したことがない児童を短期入所で緊急的に受け入れることが難しいのが実情です。 
そこで、県では、保護者が新型コロナウイルス感染症にり患して入院した場合に濃厚接触者である障害児等を受け入れるための施設を1か所、4名分確保しております。
移動手段の選択肢につきましては、陽性者でない御家族に自家用車で移送していただくほか、看護師が同乗する民間移送サービスを活用する方法がございます。
なお、このような場合は、医療的ケア児が濃厚接触者に該当するため、移動に際しての対応等については、保健所の指示に従うよう、国から通知が示されているところでございます。
次に、「医療的ケア児が利用できるレスパイト施設の地域偏在を解消し、施設数を増やす必要について」でございます。
医療的ケア児を在宅で介護する御家族の負担を軽減するためには、身近な地域でサービスを受けられるようにすることが重要です。
国は障害福祉サービス等の実施を確保するための基本指針の中で、医療的ケア児に対する支援体制の充実について考え方を示しています。
市町村では、身近な地域で必要な支援が受けられるように医療的ケア児の人数やニーズを把握するとともに、関係機関で構成される協議の場等を活用して、計画的に短期入所の確保を図るものとされています。 
まずは、市町村がこうした場を通じて検討し、地域の医療機関に短期入所の実施を働き掛けるなど、支援体制を整備していただく必要がございます。
現在、県では、医療的ケア児等に係る実態調査を実施しており、調査により把握した市町村ごとの人数やかかりつけ医療機関などの情報を市町村へ提供するほか、市町村から相談がある場合に必要な助言を行ってまいります。
これらの情報等を基に市町村は短期入所の運営が可能と考えられる医療機関に働き掛けを行い、レスパイト施設の充実につなげていただければと考えております。
また、県では、医療的ケア児等を短期入所等で受け入れた医療機関に補助を行う市町村に財政支援するレスパイトケア補助事業を拡充し、短期入所を増やすよう支援しております。
こうした市町村への支援を行うことで、地域偏在の解消に努め、県内全域での短期入所の充実を図ってまいります。
医療的ケア児やその御家族が身近な地域で安心して生活することができるよう、市町村と連携して取組を進めてまいります。
次に、「陰性の子どもについて、保護者不在時に養育できる人がいない状況に対応する仕組みについて」でございます。
国の通知では、保護者が新型コロナウイルス感染症で入院するなどし、子供の養育ができない場合には、まず、保護者の代わりに親族等に子供の養育や健康管理をお願いすることとされています。
対応可能な親族等がおらず、子供だけでは自宅での生活や健康管理が困難な場合は、医師の助言等を踏まえ、児童相談所が保護者の入院先の医療機関へ子供の一時保護委託を行うこととしております。
医療機関への一時保護委託も困難な場合には、本県では県有施設での一時保護を行うこととしており、当該施設においては、保健所の指導もいただきながら、職員の訓練や物資の調達などの準備を整えております。
今後も引き続き、保健所の指示を受けながら、保護者感染時の陰性の子供のケアについて適切に対応してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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