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掲載日:2024年3月8日

令和3年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文(岡   重夫議員)

令和3年度埼玉県一般会計当初予算案について

Q   岡   重夫  議員(県民)

令和3年度の一般会計当初予算は、2兆1,198億4,300万円で、昨年度対比8.1%増の過去最大規模となっています。しかし、このコロナ禍で県税収入は大幅減となり、204億円の減収、さらに国からの地方交付税も20億円の減収と大変厳しい財政状況です。
そこで、次の三点について、大野知事に伺います。
まず一点目は、税収が大幅に減少する中、令和3年度当初予算案を編成するに当たり、どのように歳入確保をしたのか、そして事業の優先順位を決めたのか、基本的な考え方をお伺いします。
二点目は、新型コロナウイルス感染が発生してから約1年が経過し、ウイルスの特性や対策が徐々に解明され、同時に県の医療体制の課題なども浮き彫りになりました。そこで、令和3年度当初予算で、今後の感染拡大を抑制するために特に重視した事業について伺います。あわせて、将来更に強いウイルスが発生した場合、すぐに対策がとれるよう、今から中長期的な対策も必要と考えますが、知事のお考えを伺います。
三点目、新型コロナウイルス感染症対策推進基金については、令和2年4月の臨時議会において約100億円の積立てから始まり、これまで様々な対策などに活用されてきました。令和3年度においても同じように、1年間で積んだり取り崩したりを繰り返すことになることが予想されます。そこで、令和3年度当初予算案における残高と年間を通した長期的な視点で、この基金をどのように活用していくのか、知事にお伺いします。

A   大野元裕   知事

税収が大幅に減少する中、どのように歳入確保をしたのか、その基本的な考え方についてでございます。
議員御指摘のとおり、令和3年度当初予算の県税収入見込みは、対前年度204億円の減となるなど厳しい財政状況となっております。
こうした中、県としては地方交付税や地方税など地方財源の確保について、全国知事会などと連携しながら国に対し強く働き掛けを行うとともに、私も関係大臣を訪問し、財源確保の要望を行ってまいりました。
その結果、地方財政対策において、地方交付税と臨時財政対策債を合わせた実質的な地方交付税が大幅に増加されました。
また、地方財政措置のある有利な県債の期間が延長となったことで、投資的経費の事業量を下支えすることが可能となるとともに、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金をはじめとする各種の国庫支出金についても積極的に活用を図りました。
さらに、令和2年度補正予算では、執行節減などにより捻出した財源を財政調整基金に50億円積み立てるなど、厳しい財政状況の中でも財源確保に努めてまいりました。
令和3年度当初予算では、これらの財源を最大限活用し歳入の確保を図ったところでございます。
次にどのように事業の優先順位を決めたのか、その基本的な考え方についてでございます。
厳しい財政状況ではありますが、「安心・安全の強化」、「デジタルトランスフォーメーションの推進と県経済の回復・成長」「持続可能で豊かな未来への投資」の3つの柱を掲げ、それぞれの施策に最優先で取り組むことといたしました。
一つ目の柱である「安心・安全の強化」では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に最優先で取り組むことといたしました。
また、治水対策や橋りょうの耐震化など近年激甚化している災害への備えをしっかりと構築してまいります。
二つ目の柱である「デジタルトランスフォーメーションの推進と県経済の回復・成長」では、行政のデジタル化に加え、スマートフォン決済アプリによる納税を導入するなど行政や企業におけるデジタル化の取組を積極的に進めてまいります。
さらに、中小企業における資金調達の円滑化や農林業の販売力強化への支援などを通じて埼玉の稼げる力の向上を図ってまいります。
三つ目の柱である「持続可能で豊かな未来への投資」では、埼玉版SDGsの推進により、豊かな自然と共生しながら持続的に発展する埼玉県の実現を目指します。
また、教育におけるICT活用の推進など未来を創る人材への投資を行うとともに、女性のキャリアアップ支援などを通じて誰もが活躍できる社会の実現を図ってまいります。
令和3年度当初予算は、こうした事業に最優先で取り組み、誰一人、どの地域もとり残すことのない「日本一暮らしやすい埼玉県」の実現を図ってまいります。
次に、令和3年度予算で今後の感染拡大を抑制する為に特に重視した事業についてでございます。
新型コロナウイルス感染症対策については、令和3年度においても最重要課題として、これまでの教訓を生かし、引き続き危機感をもって対応していかなければならないと考えています。
このため、予算総額約1,000億円の事業費を計上しております。
特に重視した事業でございますが、まずは重症病床確保のため入院協力金を3倍の75万円にするとともに、新たに病室の陰圧化や個室化などの施設整備を支援します。
また、医療従事者手当支援の補助対象に、これまでの看護職員に、医師、臨床工学技士や放射線技師等を加えます。
さらに、ワクチン接種体制の整備として、医療従事者等への優先接種の予約サイトや接種後の副反応など専門的な相談に対応する窓口を開設いたします。
なお、引き続き、クラスター対策や宿泊療養施設の確保と運営、自宅療養者の健康観察などにも万全を期してまいります。
次に、将来更に強いウイルスが発生した場合、直ぐに対策がとれるよう中・長期的な対策が必要なのではについてでございます。
現状では、新たな感染症などでパンデミックが起きた際の病床確保や、感染症医療を担うスタッフの確保に課題があります。
新たなパンデミック対策としては、県の基準病床の見直しが必須であり、国に対して強く働きかけてまいります。
また、平時から、感染症病床のほか一般病床の活用も含めた柔軟な受入れ体制を確保する準備や、感染症専門医、感染症認定看護師などの専門人材の育成を進めることが必要と考えております。
なお、令和3年度の職員定数改正では、新型コロナウイルス感染症対応のため、保健所の保健師について過去最多となる38人の増員を図ることとしています。
次に、新型コロナウイルス感染症対策推進基金について、令和3年度当初予算案における残高と今後この基金をどのように活用していくのかについてでございます。
新型コロナウイルス感染症への対応は、まずは国において財政措置を含めた対策を取るべきという考えの下、国の交付金を主な財源として活用してまいりました。
そのため、感染症のまん延防止、医療提供体制の整備、県経済の回復や活性化を図るために必要な事業の中で、国の交付金の活用が見込めない事業について本基金を活用し対応してまいりました。
また、多くの方からお寄せいただいた寄附を本基金に積み立て、医療従事者の支援や県内経済の活性化を図る事業などに活用させていただいております。
さらに、中小企業向けの制度融資事業の後年度負担分に臨時交付金が活用できる見込みとなったことから、本基金に新たに約66億円を積み立てて活用することといたしました。
その結果、令和2年度末の基金残高は約116億円となる見込みであります。
令和3年度当初予算では、PCR検査の実施や発熱外来センターの整備事業などに約38億円、中小企業向けの制度融資事業に約18億円の活用を見込んだ結果、令和3年度末の残高は約60億円となる見込みであります。
今後もしっかりと国の財政支援措置を確保するとともに、国の交付金の活用が見込めない事業に本基金を機動的に活用することで、新型コロナウイルス感染症対策事業を迅速かつ的確に実行してまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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