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掲載日:2023年7月10日

令和2年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(木村勇夫議員)

新型コロナウイルス感染症の拡大防止と社会経済活動の両立について

Q  木村勇夫  議員(民主フォーラム)

新型コロナで社会が一変してしまいました。国内で約39万人が亡くなったスペイン風邪から100年、また再び人類の存続を脅かすような脅威が襲ってきてしまいました。お亡くなりになった方々にお悔やみを申し上げるとともに、日夜御尽力をしていただいている医療関係者、職員に感謝と敬意を表します。
今回の被害を見て感じることは、この新型コロナでは医学的にも大きな被害を及ぼすだけではなく、時間がたつとともに社会的に弱い分野に問題が表面化するということ、そしてそれがあらゆる分野に影響してくるということであります。この新型コロナがきっかけで世の中がすっかり変わってしまいました。新型コロナの正体がよく分からない、そのことが不安を大きくしてしまっていると思います。また、ネット社会になったことで、一瞬のうちに情報が世界中に駆け巡り、正しい情報、間違った情報を問わず、いろんな情報が渦巻く中、社会不安が起こり、それを助長してしまっているようにも思います。
そんな状況の中で、知事をはじめとする県職員の皆さんの活動には心から敬意を表しつつ、以下、知事に質問させていただきます。
まず、これまでの新型コロナに対する本県の対応について伺います。
国内で初めて新型コロナの感染症が確認されてから、県では様々な感染予防対策の取組を行っています。まず、全国に先駆けて24時間体制の相談窓口を設置し、3月からは専用電話相談窓口である県民サポートセンターを設置、更に感染症の専門家からなる新型感染症専門会議の設置、県主催イベントの自粛、県立学校の臨時休校、更に不要不急の外出自粛要請、また中小企業への支援として県制度融資の対象者緩和、休業した中小企業・個人事業主支援金の支給など、様々な取組を行っています。これらの取組に対して評価いたします。
新型コロナは世界中、日本中でほぼ同じタイミングで発生しました。出された問題に対してそれぞれのリーダーがどのように対応したのかが評価され、比較される、正に一斉の共通テストのようなものだと思います。そうした中、4月には新型コロナに感染したが病院に入れず、自宅待機となった患者が死亡し、様々な報道がなされ、県民の皆様からも多くの御意見をいただいたことがありました。この点について知事の御所見を伺います。
次に、第2波が来たときの対応についてお伺いいたします。
5月25日、緊急事態宣言が解除されました。6月17日からは、県も自粛要請を全面解除、今日からプロ野球も開幕します。街中にも人が戻っています。このまま終息してもらいたいと思います。
しかしながら、今後第2波が大変懸念され、来た場合には更なる対応が必要になることが予想されます。その前に第2波が来た場合の外出自粛規制や医療の提供を含む感染拡大防止への取組をロードマップとして示すべきと考えますが、見解を伺います。
次に、感染拡大防止と社会経済活動の両立について伺います。
発生以降、まずは感染防止対策に全力投球し、結果が出ていることを評価いたします。県内感染者数については4月26日に最大患者数657人以降、徐々に減少しており、5月17日には新規感染者数がゼロとなりました。これは学校の休校、外出自粛に対する県民の御協力、休業要請への企業の御協力、そして医療関係者の御努力により感染を抑えることができたものであると思います。御尽力に敬意を表します。
しかし、これからは経済との両立が重要であると考えます。経済を止めることによって失われる命もあります。それを判断し、対応するのが政治の役割であります。今後は日常生活を取り戻すための経済対策が重要だと考えます。
新型コロナの影響により経済への打撃が深刻化しています。世界銀行は今年の経済成長率の見通しをマイナス5.2%としました。第二次大戦以降で最悪であります。国の月例経済報告では、国内景気の判断を新型コロナウイルス感染症の影響により急速に悪化しており、極めて厳しい状況にあるとし、「悪化」という表現が使われるのは、リーマン・ショック以降は初めてで約11年ぶりであります。
また、武銀地域経済研究所の調査では、県内企業の4月から6月の業況判断(BSI)がマイナス56と大幅に悪化し、景況感が大幅に悪化したとしています。新しい生活様式を実行すれば、経済活動も半減する可能性があり、ワクチンが開発されない限り、厳しい経済状況は続いていくことが予想されます。
そこで、知事に伺います。
緊急事態宣言が解除され、第2波が懸念される中ではありますが、新型コロナもようやく出口戦略が見えてきました。これからは感染拡大を防止しつつ、社会経済活動へウエイトシフトをするべきだと考えますが、コロナの感染拡大防止と経済活動の両立について、知事の具体的な戦略を伺います。
最後に、財政面について伺います。
大規模な財政出動での県民への支援は大いに評価いたしますが、一方でこれだけ大規模な財政出動をして県の財政は大丈夫なのかという声も聞くようになってきました。今後、県の財政面での不安はないのか、知事に見解を伺います。

A  大野元裕  知事

改めまして、お亡くなりになられました方には深く哀悼の意をささげるとともに、御遺族の皆様には心からお悔やみを申し上げます。
当時、国は軽症者について自宅又はホテル療養とする方針を示しておりました。
このような中で、埼玉県においてもまた、お二人の方が自宅待機中にお亡くなることとなりました。
お二人とも、症状が現れてから1週間以上経過したところで、容体が急変をされました。
新型コロナウイルス感染症に関しては、分からないことが多い状況ではありますが、埼玉県においてもお亡くなりになる方が出たことを踏まえ、再びこのような事態を繰り返すことがないよう、軽症者については自宅ではなく、原則としてホテルでの療養とする方針に切り替えました。
また、その後の3週間で、感染者を受け入れる病床数を600床に倍増、ホテルも900室積み増し、計1,000室の確保としました。
さらに、専門家の皆様の御意見をお伺いし、心臓や肺に送られる酸素の濃度を測定するパルスオキシメーターの保健所やホテルへの配備を急ぎ、これらを活用して健康観察に反映させることにより、ホテル等の療養施設においても、万一、酸素の濃度が下がった場合には、直ちに病院へ搬送する体制を整えました。
県といたしましては、専門家の御意見をいただきながら、病院外にあっても安全な療養が確保されるよう努めてまいります。
次に、第2波が来た場合の感染拡大防止への取組についてでございます。
私は「危機管理の要諦は想像力と準備にある」と考えております。
まずは、何よりも県民の皆様の行動を感染機会の縮少の観点から見直していくことが重要と考えています。
いわゆる3つの密を避けるなど「新しい生活様式」が根付くよう、県民の皆様に働き掛けることで、第2波を抑えることが肝要と考えます。
その上で、第2波を見据えながら、例えば、外出の自粛については、新規陽性者数が週100人以上となるような感染拡大の兆しが見えた際には、速やかに専門家の御意見を伺いながら、再要請を行うための目安を予め定めたところでございます。
さらに、検査体制の充実と確保病床等の弾力的な運用を進めてまいります。
6月14日時点での厚生労働省の調査によれば、埼玉県のPCR検査の検査人数は26,672人で、大阪府に次いで全国2番目に多く、また郡市医師会に委託をさせていただいているPCRセンターも順調に拡大しています。また、日々の陽性率も1%を切っており、全国最小を続けております。
これは本県の検査のニーズが充足しているという一つの根拠といわれますが、そこに立ち止まることなく、今後、さらなる検査体制の拡充に努めてまいります。
病床の確保につきましては、現在は入院患者も20人程度であることから、240床程度に集約する調整を行っています。
今後、新規陽性者数が週70人以上又は入院者数が80人以上で医療機関に対し600床体制への準備を予告し、120床以上が埋まった場合には、各医療機関に対し600床に戻すための再要請を行うことといたしております。
こうした確保病床等の弾力的な運用により、第2波にしっかり備えてまいります。
次に、感染拡大防止と経済活動の両立についてでございます。
これまでは感染拡大防止のために「外出しない」「人と会わない」などの接触機会の縮減を進めてまいりましたが、今後は「外出して人と会っても感染しない」という感染機会の縮減へと移行することが必要と考えます。
そこで、県では「彩の国『新しい生活様式』安心宣言」という制度を作りました。
安心を皆で宣言し、共有し、推進していくことで、新型コロナウイルスの感染拡大防止を図ることができる新しい暮らしが始まると考えており、この埼玉県発の取組は日本全国へと広まりつつあります。
さらに、第2波、第3波の影響下でも経済活動を継続するためにいかなる準備をしておくか議論し、社会実装を進めることを目的に「強い経済の構築に向けた埼玉県戦略会議」を立ち上げました。
関東経済産業局や埼玉労働局といった国の機関や経済団体という実行力を持った団体とともに、大学、ジェトロ、中小企業診断協会を始めとする様々な知見を有する団体にも参加いただいております。
この会議では、スピード感を持って、人材が余剰する企業と不足する企業のマッチング、感染がまん延する中での営業活動、中小企業のBCP策定促進などを議論しており、何よりも社会実装を行っていくことが大切であります。
国、経済団体、県が連携しつつ、それぞれの役割を果たし、来るべき第2波に備えて強い経済の構築を図ることで、新型コロナウイルスの感染拡大防止と経済活動の両立を進めてまいります。
次に、今後の県の財政面での不安についてでございます。
新型コロナウイルス感染症対策については、基本的には国が必要な財政上の措置を講じたうえで、県や市町村がその区域内において機動的かつ柔軟に対策を実施するべきものと考えております。
そのため、私は現場対応の責任者として逼迫した医療現場の状況を国に伝え、県内市町村を含めて十分な対応が行えるように、新型インフルエンザ等対策特別措置法が定めるとおり必要な財政上の措置を要望してまいりました。
その結果、国の2次補正予算において新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金や新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の大幅な増額が実現したところであります。
このため、これまでの6次にわたる補正予算による累計で2,000億円超の財政出動については、その多くが国庫支出金により賄われるため、県財政への影響は限定的と考えております。
しかしながら、議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症による県経済への打撃は深刻であり、県民の皆様や県内企業への影響は測り知れません。
かつて県税収入が大幅に落ち込んだリーマンショック時には、国が打ち出した経済危機対策により、地域の実状に応じて活用できる臨時交付金の創設や地方交付税の増額などの財政措置がなされました。
今回においても、まずは国に引き続き財政上の措置の拡充を求めていくとともに、税収の落ち込みによる減収を補うために発行する減収補てん債の発行などにより当面必要な財源を確保したいと思っています。
さらに、将来にわたり持続可能な財政運営を行うために、県税収入の確保はもとより、地方財政措置のある県債の積極的な活用などによる財源確保を進めるとともに、必要に応じて特定目的基金や他会計の活用も検討をしてまいります。
今後しばらくの間は、より一層厳しい財政運営が見込まれることから、必要性・緊急性の観点から事業の選択と集中を徹底するなど、歳出削減にも努めていきたいと思います。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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