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掲載日:2022年10月13日

令和元年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(宇田川幸夫議員)

金融教育と生涯所得について

Q   宇田川幸夫   議員(自民

金融という言葉に関しては、様々な用語が飛び交っています。キャッシュレス化、電子マネー、QR決済、ポイント還元、投資、仮想通貨等であり、広義の意味の金融システムの仕組みを理解していく必要があります。広義の金融システムを理解することは、世界では当たり前の時代になってきているからです。未来を過去のデータに基づきながら、予想、想定しながら未来へのお金の仕組みを子供の頃から学習していく必要があるのではないかと捉えています。
もちろん、投資や仮想通貨等の取引だけで自分たちの未来をつくれということではなく、自分でやりたい仕事、やらなければならない仕事を見つけ、自ら稼げるようになることが本質だと思っています。高度な金融アルゴリズムが活用され、良いも悪いも資産運用はこれから必須であり、自分自身、将来の家族を守るために金融の知識が生涯所得の上乗せとなるようにしなければなりません。世界に着目した経済を常に国際的視野で注視することも養うことができるからです。金融教育と生涯所得の関係性は、今後の公共の福祉の向上につながるものと期待できます。
そこで、質問させていただきます。
まず、金融教育を学ばせる授業時間が足りない、専門性をカバーする等の課題があります。例えば昔、鶴亀算があったように算数の授業で円やドル単位にし、為替のレートを計算したり、道徳ではお金の価値、社会科ではお金のため方、ルール、投資の仕組みやトラブルなどを学び、一方で小学校においてプログラミング教育が必修化されますが、日本が遅れていると言われているのがマネーとITの融合であることから、抱き合わせでも良いと考えます。
また、現代版子供銀行の復活も提案いたします。ちなみに、イギリスでは5歳から金融教育が始まり、アメリカでは幼稚園からレベルに合わせて学んでいきます。専門性に関しても、今や専門的なアプリやソフトが充実していることから、遠隔的な授業も可能だと考えられます。
これらのことを踏まえて、金融に関する教育の必要性と今後の展開について教育長の御所見を伺います。
また、嫌な言葉で「貧困が貧困の連鎖を呼ぶ」とありますが、子供たちの環境を良くしていくためにも、お金について正面から向き合う機会が必要であります。埼玉県の生涯所得の在り方をどう考えていくのか、埼玉県で生涯所得の予想値を算出し、生涯所得を増やすための目標的なモデルケースを戦略的に提案する必要があると考えます。そこにたどり着くまでには、どのように補完されていかなければならないのか、ケーススタディを試みるべきであることを御提案します。福祉の役割の観点から、福祉部長の見解を伺います。

A   小松弥生   教育長

金融に関する教育の必要性と今後の展開についてお答えを申し上げます。
技術革新や経済のグローバル化が急速に進展する中で、議員御指摘のように、子供たちが金融や経済に関する知識・技能や、資産や収支を適切に管理するための思考力などを身に付けることは大切でございます。
学習指導要領では、金融や経済、消費生活に関して、小・中・高等学校の各段階で指導することとしております。
例えば、中学校では、社会科や家庭科において、計画的な金銭管理の必要性、市場経済の基本的な考え方、現代の生産や金融などの仕組みや働きなどについて指導することとしております。
高等学校では、公民や家庭科などにおいて、金融商品の特徴や貯蓄・保険などの資金計画、生涯を見通した家計の在り方などについて指導しております。
また、OECDによる国際調査では、金融リテラシーが子供たちの数学的リテラシーや読解力と密接に関連していることが示されており、これらの能力を身に付けることも重要でございます。
数学的リテラシーや読解力については、各教科における主体的・対話的で深い学びの推進を通じて、子供たちがしっかりと身に付けるように取り組んでおります。
こうした取組に加え、県教育委員会では県消費生活支援センターと連携し、教職員を対象にした、消費者教育に役立つ学習教材や情報を提供するセミナーを毎年開催しております。
また、高等学校では、東京証券取引所から外部講師をお招きし、生徒たちが実社会の金融知識を学ぶ機会を設けている学校もございます。
今後も、関係機関とも連携を図りながら、幅広い知見を得つつ、議員御指摘のICTも活用し、金融に関する教育の推進に取り組んでまいります。

A   知久清志   福祉部長 

国の調査によると、学校卒業後フルタイムの正社員を続けた場合の60歳までの生涯賃金は、高校卒業の男性が2億1,000万円となっています。
一方、非正社員の場合は1億3,000万円と、正社員の約6割にとどまっています。
生涯賃金を増やすには、正社員となり安定した仕事に就くことが重要であると考えております。
生活保護世帯で育った子供の4人に1人は、大人になって再び生活保護を受けており、最終学歴でみると中学校卒業もしくは高校中退者が約7割となっているデータがあります。
このため、本県では、生活保護世帯の子供が高校を卒業し、安定した職業に就けるよう、中高生の学習支援事業を全国に先駆けて実施してきました。
この事業により、平成30年度の学習支援事業参加者の高校進学率は98.3%となり、事業実施前の86.9%から11.4ポイント向上しています。
高校中退率についても、平成30年度は1.2%と、事業実施前の8.1%から6.9ポイント改善しています。
さらに、社会で活躍するには、頑張る力や自己肯定感などが学力以上に重要との調査結果もあります。
そこで、平成30年度から、小学生向けに学習支援だけでなく、生活支援や体験活動などを一体的に支援するジュニア・アスポート事業を開始したところです。
この事業では、体験活動の一環として公認会計士による「お金の使い方講座」や企業での職場体験なども実施しています。
今後とも、こうした学習支援事業の取組を通じて、子供たちの自立を支援し、貧困の連鎖の解消に努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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