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掲載日:2023年12月1日

平成29年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(神谷大輔議員)

空き家対策の取組について

Q 神谷大輔議員(自民

5年ごとに行われている総務省統計局の住宅・土地統計調査は、我が国の住宅とそこに居住する世帯の居住状況、世帯の保有する土地等の実態を把握し、その現状と推移を明らかにする調査であり、その平成25年住宅・土地統計調査によると、埼玉県内の住宅は約327万戸のうち約35万戸が空き家で、空き家率は10.9%となっています。そのうち、利用目的のない空き家は約11万戸の3.4%となり、平成20年の調査と比較すると空き家の戸数は約1.4万戸、空き家率0.2ポイント、それぞれ増加しています。
来年の平成30年が調査の年でありますが、平成10年から5年ごとに空き家戸数、空き家率ともに増加し続け、平成45年には県内住宅総数約392万戸のうち、空き家戸数約84万戸、空き家率21.5%と推計が出ています。これは、平成25年調査と比較し、戸数で約2.4倍、率で2倍近いものであり、驚くべき数字であると考えます。
このような状況の中、流通可能な空き家の活用促進など、空き家対策の主体となる市町村を県と関係団体が一体となって支援するため、平成26年から埼玉県空き家対策連絡会議を開催し、市町村等が空き家対策に取り組むために各種マニュアルなどを作成し、取組への働き掛けを行っております。また、市町村のまちづくりを所管する住宅・建築・都市計画行政部門の職員が空き家対策を行う際に活用できるよう、空き家の安全対策と利活用策を柱とした各種マニュアルといった、平成25年に埼玉県空き家対策指針を早くに取りまとめ、助言等の支援をしておられました。その後、平成26年11月公布の空き家対策の推進に関する特別措置法に基づく空き家等対策計画を、4月1日時点で作成済みの県内市町村数は12となっています。
聞くところによりますと、本年度中に25市町村に増える見込みのようですが、先ほど申した本県が平成26年度から県空き家対策連絡会議の開催や県空き家対策指針を作成し、支援をなされていることを大いに評価する一方で、今年度中の空き家等対策計画を作成できるのが25市町村、県内全市町村数の40%という数字で満足してよいものなのか、疑問に思うところでございます。
現状では、空き家の倒壊のおそれや、ホームレスや青少年等の不良のたまり場といった不法使用や、ごみの不法投棄や火災、振り込め詐欺等の送り先に使われるなど、地域によって様々な問題を引き起こすことが懸念されます。防災、防犯、衛生、景観など問題が多岐にわたり、そのことがひいてはまちの魅力低下の一因にもなり、地域経済にも少なからずマイナス効果をもたらすなど、社会全体に与える悪影響は計り知れないものになることから、迅速な対応が求められるものと考えます。
それらを踏まえ、質問をさせていただきます。
1点目として、空き家等対策計画を今年度末まで作成できる市町村は25市町村とお聞きしますが、その後増えるなどの変更はないのでしょうか。
2点目として、この25市町村、40%という数字をどのように評価なされているのでしょうか。
3点目として、空き家対策連絡会議を開催するなど、積極的に取り組んできた結果としては、この数字は少ないと考えております。空き家対策が全県で足並みがそろえて進むように、空き家対策計画作成に向けてもう一歩、もう二歩も踏み込んだ市町村への働き掛けが必要と考えておりますが、都市整備部長にお伺いします。

A 野川達哉   都市整備部長

まず、「空家等対策計画を作成する市町村は、今後増えるのか」についてでございます。
平成27年度に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」では、市町村は空き家の状況、適切な管理の促進、危険な空き家の指導、実施体制などを定めた空家等対策計画を作成できることになっております。
平成29年10月に県が行った調査では、今年度末までの作成予定は
25市町村ですが、平成30年度以降、更に30市町村で計画の作成が予定されております。
次に、「今年度末までに空家等対策計画を作成する市町村は25市町村、県内全市町村の40%という数字をどのように評価しているか」についてでございます。
空き家相談窓口については、平成29年4月に県内全ての市町村での設置が完了し、また、47の市町村で空き家の実態調査が行われるなど、取組が進んでおります。
一方、計画を作成することで、計画期間や対策の優先順位、庁内連携体制などが明記されるため、市町村はより計画的、総合的かつ効率的に空き家対策に取り組むことができます。
また、計画は公表されますので、広く住民全体に問題意識を持っていただき、地域の空き家への対応や空き家の未然防止も期待できます。 
このように、県内の全ての市町村で作成していただくことが望ましいことから、今年度末における25市町村40%については、これを引き上げていくべきと考えております。
最後に、「空家等対策計画作成に向けて、もう一歩・もう二歩も踏み込んだ市町村への働きかけが必要ではないか」についてでございます。
県は県内の全ての市町村や関係団体で構成される空き家対策連絡会議を設置し、計画作成の参考になるモデル計画や先進事例などの情報を提供してまいりました。
さらに、計画に着手している市町村は、地域住民や学識経験者などからなる協議会等を設置していることから、県職員がこの協議会等のメンバーとして参加するなど助言を行っております。
今後、協議会等を設置していない市町村について、個別訪問などにより協議会等の設置方法や計画作成の手順、他の市町村などの事例などの情報を提供してまいります。
さらに、様々な機会をとらえ空家等対策計画の作成のメリットを周知するとともに意見交換を行うなど、市町村に計画作成を働きかけてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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