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掲載日:2020年7月8日

平成29年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(宮崎栄治郎議員)

上越新幹線の新潟空港までの延伸について

Q   宮崎栄治郎議員(自民

現在、日本が抱えている大きな課題の一つに、東京への一極集中が挙げられます。これまで道州制、地方分権、地方創生など様々な言葉が用いられてきましたが、ここ十数年にわたって我が国が試行錯誤を繰り返してきた結果とも受け取ることができます。各地方公共団体がその豊かな個性をいかんなく発揮し、県民皆の幸せを追求することが私たち議員の務めであると存じております。
そのような中で、私は新潟県と我が県の地政学的な優位性をもっと生かしていくべきではないかと考えています。これを具現化していく一つの手法として、上越新幹線の新潟空港までの延伸が挙げられます。これにより、観光面や産業面での極めて高い効果が期待できます。
折しも観光庁では、2020年に訪日外国人旅行者を4,000万人とする目標を掲げております。この多くの旅行者を成田空港、羽田空港、プラス合わせて新潟空港、北の玄関口として成長させなくてはいけないと思います。新潟空港にはソウル、ハルピン、ウラジオストク、上海、台北との国際線の往来があり、その豊かなポテンシャルに期待が高まるところです。インバウンドを埼玉に取り込む縦の大ゴールデンルートとして育てていかなければ、グローバル競争に打ち勝つことはできません。新潟空港から埼玉へ向けての観光事業展開につながることが可能となります。
また、昨年4月14日に発生した熊本地震では、九州新幹線が不通となりましたが、9日後の23日には博多駅から熊本駅の区間が復旧いたしました。運転を再開した新幹線を使い、家族のもとへ片付けの手伝いに行く方、取引先の被害状況を確認しに行く方、更に多くのボランティアが被災地である熊本入りしたことは記憶に新しいところでございます。
新幹線は災害直後には不通となりましたが、その運転再開は被災地住民にとって復興の第一歩となりました。新幹線の延伸には、そうした防災・復興の観点からも大きな効果が期待できると思います。
首都直下地震が起きた際に、首都のバックアップ機能を大きく担うことになるのは埼玉県であります。このためにも上越新幹線を延伸し、新潟空港と本県を直結することが必要です。延伸に必要な距離は8キロメートルに過ぎません。これにより埼玉県は新潟空港だけでなく、新潟港へのアクセスも手に入れることができます。空路も海路も開拓することとなり、埼玉県にとって大プロジェクトになることと確信いたします。
しかし、上越新幹線の延伸について、なかなか3県知事会議として動きが見えづらい現状があります。知事は、大規模災害時における広域的な福祉支援の推進に向けて、3県で情報交換や共同研究を行い、先行している新潟県の取組を参考にされるそうですが、そうした協力的な態度を私たち県議会に対しても見せてほしいものです。
いずれにしても、関東圏の安心・安全を守るため埼玉県が中心となるには、複数の空路、道路、鉄道ルートを確保しておくことが重要と考えます。観光や防災など本県が享受できるメリットを踏まえると、群馬県などとも連携して、上越新幹線延伸構想を応援すべきではないかと強く感じているところですが、知事の御所見をお伺いします。

A 上田清司   知事

まず、観光の観点ですが、埼玉県では上越新幹線でつながっている群馬県、新潟県の3県で連携して観光客の誘致に取り組んでおります。
平成22年度から中国、台湾、タイなどを中心にメディアや旅行会社を招いての体験ツアーの実施、国際旅行博への出展などを通じ3県の魅力をPRしてまいりました。
その結果、3県を合計した外国人観光客の延べ宿泊数は平成26年の約35万人が、平成28年には1.9倍の約65万人へ増加しております。
議員お話しの新潟空港は年間100万人の旅行者が利用しており、アクセスが改善されれば上越新幹線を経由して、より多くの方々の本県への訪問機会が広がるのではなかろうかと考えられます。
また、御指摘もありましたように、防災の観点からも、首都直下地震などの大規模災害時には3県が連携して東京への物資支援を行うことについて合意もしております。
この合意が実効のあるものとなるよう、御指摘のように人員や物資の緊急輸送ルートの複数確保をしておくことが重要であると考えます。
さらに、東京が被災した場合には国内はもとより世界各国から多くの支援者が駆け付けてまいります。
その場合、新潟空港がまさしく大きな役割を果たすことになるかもしれません。
このように、上越新幹線の新潟空港への延伸については、観光や防災の観点で本県への効果が期待できますが、採算面での大きな課題があると伺っております。
平成28年6月に新潟県が実施した調査では上越新幹線を新潟空港まで延伸した場合、400億円以上の事業費が必要になるとの試算も出ております。
また、採算が取れるには、現在週170便の航空便数を最低でも週414便に増やす必要があるとも報告されております。
新潟県では去る5月に知事、学識経験者、鉄道事業者などによる協議会を設置し、今後の方向性について検討を始めたと聞いております。
新幹線の延伸には、地元自治体のこうした費用面を含めた検討や鉄道事業者との調整、更には地域住民の方々との合意形成が重要であると考えております。
まずは、新潟県における検討や住民の方々との合意形成の状況を先行させるべきではないかと考えられるところでございます。
これまで3県知事会議では、新幹線の延伸についての議題はございませんでした。
次回の会議で県議会からこのような問題提起があったことは間違いなくお伝えし、時と場合によっては、最初は非公式に問題提起かと思いますが、事務方で揉む機会がありましたら揉んでいきたいと考えております。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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