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掲載日:2020年7月8日

平成29年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(金子   勝議員)

県の資金調達について

Q   金子   勝議員(自民党

さて、地方自治体の資金調達、その調達手段は公的資金から民間資金へ、民間資金については銀行等を引き受け手とするものから、金融市場で直接投資家から調達する市場公募債へと、そのウエイトをシフトしてまいりました。埼玉県も同様で、近年は市場公募債による調達が顕著であります。また、その市場公募債について言えば、全国型、共同発行型、住民参加型等、その時々の金融情勢に鑑み、工夫がなされてまいりました。
一方、昨年2月、日本銀行は日本金融市場初のマイナス金利の導入に踏み切り、日本は未曽有の低金利時代に突入いたしました。その結果、資金調達の世界では幾つかの特徴的な事象が発生しております。卑近な例が住宅ローンです。営業マンが今の安い金利に乗り換えて、残っているローンを返してしまいませんか、お得ですよ、このような借換えとか肩代わりと言われるセールスを盛んに行っています。翻って埼玉県、冒頭申し上げたとおり銀行等を引受け手とする借入れは、減ってきております。しかし、今も相当額の残債があると考えます。また、その中には高い金利のまま据え置かれているものがあるのではないか、そう考えるところです。
と申しますのは、私は昨年、このような金融情勢の変化に鑑み、地元富士見市の借入金について調査をしました。その際判明したことは、現行の水準に比べ高い金利で調達されているものが相当額あるという事実でありました。例えば、平成14年に某金融機関より調達した9億5,000万円、その借入れ金利は1.71パーセントでありました。今の水準に比べて随分と高い。また、この高い金利の借入金、それを前倒しで返してしまう繰上償還、これを実行した場合の違約金の規定、それが金融機関と交わした約定書にはありませんでした。さらには、金融情勢に大きな変化があった場合、金利については双方で協議することができる、そのような金利の見直し、これが規定、約定で担保されておりました。つまり、繰上償還をしても違約金はかからないし、金利引下げの交渉も可能であるということが判明したわけであります。
そこで以下、企画財政部長に伺います。
一、県の借金である県債、以後は借入金と言いますが、民間金融機関引受けの残高、それはどれくらいあるのでしょうか。
二、そのうち今の水準と比べ高い金利で据え置かれている借入金はあるのでしょうか。金融機関によると、現在の金利は銀行により、借り手により変わるものの、長期借入れでも0.5パーセントなど、1パーセントを軽く下回る水準のようです。例えば、1.5パーセントを超える残高はどれくらいになるのでしょうか、答弁願います。
三、該当する借入金の約定書、そこには繰上償還に対し違約金を科す規定や金利見直しを制限するような規定はあるのでしょうか。
四、これらの借入金に対し、県はどのような対応をしているのでしょうか、答弁願います。
さて、ここからは発展的な質問になります。私は、該当する借入金については金融機関に対し、繰上償還ではなく、金利の引下げを交渉してはどうかと考えます。金融機関にとって最大の収益源は貸出しです。しかし今日、いずれの金融機関も貸出しが伸びない。したがいまして地方自治体のような貸倒れリスクが少ない優良な貸出金、埼玉県もAAクラスと最高位ではないものの、上から2番目の格付けを得ています。そのような優良な貸出金が減ることは何としても避けたい、これが金融機関の本音であります。
そこで、この本音を突き、県は金融機関に対し前倒しで返すようなことはしない。その代わり、金利を下げてほしい、このように交渉する価値はあると考えます。仮に、1.5パーセントを超える借入金の残高が200億円として、その金利がわずか0.1パーセントでも下がったとしたらどうでしょう。何と年間2,000万円の支払い金利が縮減され、県の行財政改革に貢献いたします。是非、金利引下げ交渉を検討してみてはいかがでしょうか、企画財政部長の見解を伺います。
なお、当然のことながら、この金利見直しは特別会計・企業会計についても言えることであります。もちろん、金融機関には金融機関の論理があり、決して簡単な交渉ではないと思います。しかし、このマイナス金利導入の機を捉え、全ての会計の借入金について調査をし、金融機関と交渉することは無駄なことではない、そのように考えます。

A 砂川裕紀 企画財政部長

まず、民間金融機関引受けの県債残高についてでございます。
銀行や信用金庫などの民間金融機関に引受けていただいている一般会計の県債残高は、平成28年度末で5,748億円でございます。
次に、そのうち利率が1.5%を超える県債残高についてでございます。
民間金融機関に引受けていただいている県債残高のうち利率が1.5%を超えるものは、1,072億円でございます。
次に、繰上償還に対する違約金や利率見直しを制限する規定の有無についてでございます。
民間金融機関からの1,072億円の借入金のうち873億円が契約上、違約金等の規定がございます。
次に、繰上償還や利率見直しに対する本県の対応についてでございます。
契約上、繰上償還や利率見直しが可能なものについて、確認ができる平成元年以降、埼玉高速鉄道株式会社の事業再生に伴う特殊な場合を除き、繰上償還等を実施したことはございません。
これは、県債を充当した施設が用途廃止になるなどの繰上償還を行う理由がなかったためなどでございます。
次に、利率引き下げ交渉の検討についてでございます。
議員御指摘のとおり、県債について住宅ローンのように低利の資金に借り換えたり、利率を見直したりすることは、公債費の縮減に繋がるものでございます。
一方で、本県の民間金融機関からの借入は、約8割が県内金融機関からのものであり、貸し手側にとっては、県への貸付により想定していた利息収入が減少することとなります。
利率の見直しは、金利上昇局面の場合も念頭に置かねばならず、今後の長期的な借入条件交渉への影響が懸念されるなど、安定的な資金調達に支障が生じる可能性がございます。
御提案いただきました利率の引き下げ交渉につきましては、他団体の事例や金融機関の意見を聞くなど研究してまいります。 

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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