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掲載日:2020年7月8日

平成29年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(石川忠義議員)

埼玉県農業の発展のために普及指導員の充実を図るべき

Q   石川忠義議員(県民

普及指導員は、農業改良助長法に基づき、効率的かつ安定的な農業経営の育成と地域の特性に即した農業振興を図ることなどを目的として、同法第8条によって都道府県に置くことが定められています。普及指導員は、農林水産省令で定めた普及指導員資格試験に合格した者などで、同法により、農家への巡回指導、相談、講習会の開催など直接農業者に接して、農業生産方式の合理化や農業経営の改善、技術、知識の普及などを行っています。
埼玉県でも、農業者の良き相談相手として埼玉県農業の振興に果たしてきた役割は大きなものだと理解をしています。しかしながら、埼玉県では県内農業発展のためにいろいろな仕組みづくりを進めてはいるものの、農業者からは、相談相手である普及指導員の減少に伴う今後の農業経営に関わる不安の声が上がっています。
実際、農業の発展に大きく寄与した埼玉県の普及指導員は、社会情勢の変化もあり、定数が年々減少しています。埼玉県全体で平成20年度に191人ほどいたものが、今年度は138人と53人、27.7パーセントも減員をしました。8つの県農林振興センターごとに見ると、春日部、大里、川越の振興センターでは、これを超える約35パーセントもの普及指導員定数の削減が行われました。
一方、農林水産省の調査である農業センサスによると、平成17年から平成27年までに県内の農家数は約19パーセントの減少、農林振興センターごとに見ても、最も減少した加須農林振興センター内で25.3パーセントの減少です。埼玉県の栽培延べ面積においても、農林水産省の耕地及び作付面積統計によると、平成17年からの10年間で、作物合計の作付延べ面積はわずか5パーセントの減少です。単純に互いの減少率での比較はできませんけれども、それでも県内の農家数、作付面積の減少率と比較をしても、普及指導員定数の減員率が著しくなっています。
農業を取り巻く社会環境の変化は厳しく、今後も埼玉県の農業者が厳しい環境の中で競争にさらされていきます。そんな中、地元農業者に寄り添う相談役である普及指導員定数の減員は、埼玉県農業の振興、発展にとってもマイナスです。今後の農業者や生産面積の減少傾向など社会情勢の変化を加味しても、埼玉県農業の振興、発展のためには、普及指導員の充実が必要と考えます。
そこで、まず、普及指導員がこれまで埼玉県農業の振興、発展に果たしてきた役割について、知事の所見を伺います。
そして、職員全体の定数管理の中で、普及指導員の定数が減少していることを考えると、職員の再任用や非常勤特別職として任用することも方法の一つだと考えますがいかがか、知事の考えを伺います。

A   上田清司   知事

「普及指導員の果たしてきた役割について」でございます。
普及指導員は農業者に対する技術向上や経営発展の支援を通じ、本県農業の振興に大きな役割を果たしてきました。
深谷市の旧岡部町地域の「スイートコーン」や「ブロッコリー」は、養蚕からの転換作物として昭和60年頃から普及指導員が導入を支援し、今や県内有数の産地となっており、ブランド化しています。
また、平成26年2月の大雪被害ではハウスが壊滅的な被害を受けた農業者に対し、収入を確保するための代替作物の導入や雪害に強いハウスづくりなど復興を支援してまいりました。
さらに、平成24年度から全国に先駆け構造改革特区により中小企業診断士を普及指導員として位置付け、農業者が取り組む商品開発や販路開拓も支援しています。
しかし、現在は農地を集積し米麦100ha規模の経営を行う農業者や先進的な技術を導入した施設園芸を行う農業者もおられます。
さらに、研修生を受け入れ独立就農までを支援している方々もおられ、普及指導員は時として現場力がかなわないというような声も聞こえてきます。
こうした方々に対しては、普及指導の支援内容も国や県の制度の活用や県のネットワークを生かした情報提供となるなど、支援の形が変化していることも認識し、しっかり対応することが必要だと思っております。
次に、「再任用や有資格者を非常勤特別職として任用し、県内農業の支援をすべき」についてでございます。
先ほど議員から農家数の減少などの御指摘がありましたが、私は農家数の減少については決して悲観はしておりません。
農業が高度な産業になればなるほど従事する人口は減り、県の組織体制もこうした変化に適切に対応する必要があると考えております。
このため、農業者を直接サポートする普及指導員の資質の向上がますます重要になります。
そうした中で、御指摘の再任用職員などの活用は有効な方法であり、現在、経験豊かな普及指導員8名を再任用として配置しています。
これらの再任用職員は農業者への支援の貴重な戦力となるとともに、若手職員の育成にも役立っております。
こうしたことを踏まえ、今後とも再任用職員や非常勤特別職を効果的に活用してまいります。
また、普及指導員の計画的な確保と育成を通じ、普及指導に係る体制の整備に努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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