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掲載日:2022年7月27日
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結核は『昔の病気』と思われがちですが、現在でも1年間に全国で1万5千人以上が新たに結核と診断され、約2千人が命を落としている重大な感染症です。
感染しても必ず発病するわけではなく、通常は免疫力により結核菌の増殖を抑え込みます。結核菌の増殖を抑えきれなくなった場合に発病します。
初期症状として、咳、たん、発熱など、風邪とよく似た症状がおおむね2週間以上続きます。
悪化すると、倦怠感、食欲不振、体重減少、喀血、呼吸困難などの症状へと発展する場合があります。
そのため、咳やたんなどの症状が長引く場合は、医療機関を受診して、なかなか治らない旨をしっかり伝えましょう。
医師の皆様には、そのような症状がないか正確に聞き取り、必要に応じて喀痰検査を実施していただきますようお願いします。
結核菌は、重症化した結核患者の咳やくしゃみによる飛沫に混じって、空気中に排出されます。それを他の人が吸い込むと、感染が起こります。
しかし、軽症の結核患者であれば、咳やくしゃみをしても他の人に感染させることはほとんどありません。
健康診断の対象となっている人はきちんと受ける、2週間以上せきが続く場合はすぐに病院にかかる、などを個々人が徹底することが重要です。早期発見は重症化を防ぐだけでなく感染の拡大を防ぐためにも重要です。なお、結核にかかわらず、咳が出るときはマスクの着用など、咳エチケットに心がけましょう。
BCG接種は特に子供の結核予防に有効で、安全な予防接種として世界で広く用いられています。
医療機関で結核と診断された場合、すぐに治療を開始することになります。
発病しているからといって、必ずしも他の人に感染させるわけではありません。感染させる恐れがない場合は通院治療を行いますが、日常生活には原則として制限はありません。
重症化して咳やくしゃみなどにより結核菌を体外に排出し、他の人に感染させる恐れがある場合は、入院治療となります。
入院となった場合でも、服薬治療を行い他の人へ感染させる恐れがなくなった場合は退院し、通院による治療になります。
県内で新たに登録された結核患者のうち、65歳以上の方が半数以上を占めています。特に結核患者に占める80歳以上の方の割合は、約3割を占めるなど、高齢になるほど結核患者の割合が増加しています。
また、高齢になるほど結核特有の症状(2週間以上続く咳や痰)が表れにくくなります。食欲不振や体重減少などの体調不良が続くときは、いつもの風邪と決めつけてしまわずに、その症状を正確に医師に伝えましょう。
なお、結核の早期発見には定期的な胸部エックス線検査の受診が有効です。市町村や職場で実施される健康診断を年1回受診するようにしましょう。
<結核検診受診勧奨ポスター>
なお、高齢者の罹患率が高いのは、結核がまん延していた時代に感染し、高齢や疾病による免疫力低下に伴い発病するケースが多いことが要因の一つと考えられています。
厚生労働省では毎年9月24日から30日を「結核予防週間」と定め、結核に関する正しい知識の普及啓発を図ることとしています。
県では結核予防週間に合わせ、懸垂幕、ポスター掲示などを実施しています。
令和元年度は予防週間に先立ち、結核予防会埼玉支部及び埼玉県地域婦人会連合会結核予防会と合同で以下のとおり街頭キャンペーンを実施しました。
場所:JR大宮駅西口歩行者デッキ
日時:9月23日(月曜日・祝日)午前10時から午前11時半まで
内容:複十字シール運動、啓発物品(ティッシュ、シール)配布
※複十字シール運動とは…公益財団法人結核予防会が行っている「結核のない世界」をつくるための募金活動です。収益金は、結核予防の普及啓発活動、開発途上国への結核対策支援等に活用されます。
<広報ポスター(厚生労働省作成)>
<関連情報>
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