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掲載日:2026年3月25日
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<セミナー>
<クロストーク>
モデレーター 晝田浩一郎
本日は「令和7年度版 実践者に聴く!企業版ふるさと納税 活用事例セミナー」といった形でやってまいります。本日モデレータを務めます、官民連携事業研究所の晝田浩一郎です。私自身、元々愛知県の岡崎市役所の公務員だったんですけれども、今は官民連携事業研究所で自治体と企業をつなぐ取組もしております。また、今日パネラーの1人に内閣府企業版ふるさと納税マッチング・アドバイザーの笠井さんがいらっしゃるんですが、その前任として、初代の企業版ふるさと納税マッチング・アドバイザーとしても活動しておりました。
今日はこの企業版ふるさと納税の取組について、自治体であれば予算獲得として、企業の方々であれば官民連携の1つの手法として、プロジェクトを進めていく1つの考え方として、是非活かしていただければと考えております。
今回このセミナーは埼玉県主催でお送りしておりますが、埼玉県で推進している「埼玉版スーパー・シティプロジェクト」といったものがあります。これは超少子高齢社会を見据えて、市町村の「コンパクト」「スマート」「レジリエント」、この3つの要素を兼ね備えて持続可能なまちづくりを県が支援していくプロジェクトです。これによってコンパクトなまちづくりを進めて、スマート技術の活用によって利便性を高めて、災害に強くてエネルギーも途絶えない持続可能なまちを構築していく、そんな取組を埼玉県で行っております。これをもっともっと促進していく1つとしても、「やっぱり予算どうするんだ」、「お金どうするんだ」というところで、企業版ふるさと納税の活用ももっともっと推進していきたいといった思いもあります。
是非、今日「企業版ふるさと納税活用しているよ」とか「まだちょっとよく分かってないんだよね」とか、いろんな方々がいらっしゃるかと思いますけれども、これを一助にして活用の検討をいただければと思いますし、この埼玉版スーパー・シティプロジェクトをどんどん進めていく一助につなげていただければとも考えております。
そのようなわけで今日は、内閣府地方創生推進事務局の小林洋平さん、須崎市の有澤聡明さん、そして株式会社アルビオン白神研究所の小平努さん、内閣府企業版ふるさと納税マッチング・アドバイザー笠井泰士さん、私、晝田浩一郎の5人でパネルディスカッションもやっていきます。その前にまず大きな流れでいくと、「そもそもこの企業版ふるさと納税ってどういう取組なんだっけ」というところを内閣府の方に説明していただいて、その後それぞれ須崎市の取組、企業の取組を御紹介いただいた後に、5人でパネルディスカッション形式、クロストーク形式で内容をより深掘りしていきたいなと考えております。
是非参加者の皆さん、QA・チャットに、感想や質問をどんどん書いていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
それでは早速スタートしていきます。内閣府、小林さんから簡単に自己紹介していただいた後に、そもそものこの企業版ふるさと納税の制度や最新の活用のポイントみたいなことを10分程度でシェアいただければなと考えております。では小林さん、よろしくお願いいたします。
内閣府 地方創生推進事務局 小林洋平
皆さんお集まりいただいてありがとうございます。内閣府で企業版ふるさと納税の関係の事務を担当させていただいております、小林と申します。本日10分程度お時間頂きまして、企業版ふるさと納税のそもそもの制度の概要などからお話しさせていただけたらなと思っております。
まず、そもそも企業版ふるさと納税とは何かというところからなんですけれども、地方公共団体が行う地方創生に関する事業について、企業が寄附を行った際には法人関係税が税額控除されるような仕組みになっております。
寄附の流れとしましては、まず自治体が地方版総合戦略を策定しまして、それに基づく地域再生計画というものを作ります。そこに対して内閣府が計画として大丈夫ですよ、というところで認定をいたしましたところから、企業の皆様が寄附を自治体に対して行えるというような準備が整います。
制度のポイントとしましては、寄附額の下限が10万円からと比較的低めに設定されているところが特徴かなと思っています。また、制度の名前からもちょっと連想される方もいらっしゃるかなと思うんですけれども、個人版のふるさと納税のような返礼品というのは企業版ふるさと納税では禁止されておりまして、寄附企業への経済的な見返りというのはできないような仕組みになっております。なので、どちらかというと返礼品とかそういうのを目的にするのではなくて、純粋に地方創生に対する取組を支援するというのが、企業としてアピールできる、そういった仕組みになっております。
いろいろな寄附の仕方があるんですけれども、企業版ふるさと納税でお金あげて終わりというのではなくて、人材を派遣する「人材派遣型」というのもございます。「人材派遣型」の特徴としましては、地方自治体からすると企業で特徴的なノウハウを持っていらっしゃる方を受け入れることで、自治体職員では解決できないような視点からより一層地方創生の取組が強化されるというようなところと、企業側のメリットとしましては、9割の税額控除は同じなんですけれども、地方公共団体の職員として働くというところで人材育成の機会として捉えていただけるというところも特徴的かなと思っております。
近年の流れというところで御説明をさせていただきます。令和7年度、税制改正を行いまして、企業版ふるさと納税は時限措置でありますので、何年かに1回期限が切れるような年があるんですけれども、令和7年度の改正で3年間延長されました。令和9年度末まで延長されました。
一方、延長されたことだけではなくて、一部の事案につきまして契約手続き、先ほどの経済的な見返りが禁止されているというようなところもあるんですけれども、そのようなところで契約の公正性にちょっと不透明なところの事案がありましたので、チェックリストなど制度改善策を用いて事業の透明性を図りまして、適切な制度運営をしていくということを条件に3年間延長されておりますので、この3年間で引き続き寄附とか活用事業をより一層、御活用いただけたらなと思っております。
こちらは近年の流れを寄附件数と寄附金額という切り口で見た図になっております。税制改正で今の法人関係税の9割が対象となったところから右肩上がりのような形で増えておりまして、今ですと昨年度、令和6年度では631億円、寄附件数も前年に比べて1.3倍ということで、金額、寄附件数ともに基本的には右肩上がりで増加しているので、だいぶ認知度は高くなっているかなと思っております。
こちらの資料を御覧いただきますと、企業様がどのような意思で寄附を行うかというところを示した図になっております。最初の方はやはり工場があったり、創業者のオーナーの方が御出身であるとか、そういったのが決め手となって自治体を決めるケースが多かったんですけれども、近年ではプロジェクトのテーマであったり、その事業内容、官民連携という視点で自治体とのパートナーシップを構築するなど、そういった形で寄附を決められる企業様が増えているような印象です。
具体的に企業のメリットとしてよくお伺いすることを御紹介できたらなと思っております。まず、被災地、地震とか起こってしまった地方に寄附を行うことで、被災地支援というのを一貫して行っておりますというようなPRもできるというところ、SDGsに取り組む企業であることを示していけるというところも企業のメリットとしてはよくお伺いします。
ではこちらで、地方公共団体の皆様と企業の皆様、両方の方にお伝えしたいことを1枚にまとめております。まず自治体の皆様、地方公共団体の皆様にお伝えしたいことは、今回企業版ふるさと納税を活用するにあたって、まず自分の自治体を知っていただくというところで、シティプロモーションの機会だというふうに捉えていただくことが重要かなと思っております。また、寄附をもらって終わりというのではなくて、事業をこんな感じで進めておりますなど、企業に対するきめ細やかなフォローがあると良いのかなと思っています。
企業の皆様は、まずなんと言っても寄附金額の最大約9割の税の軽減効果があるというところと、最近増えているかなと思うんですけども、自社の継続的な発展に寄附するような例もございますので、その辺を活用していただけたらもっと寄附件数、寄附金額なども増えていくかなと思います。
こちらは今年度1月に、内閣府の特命担当大臣から企業版ふるさと納税を活用した好事例などを表彰するという大臣表彰を行いました。自治体部門でいきますと、静岡県伊豆市、愛知県豊田市、三重県四日市市、鳥取県日南町の4つが受賞されております。企業部門でいきますとアサヒビール株式会社、ジー・オー・ピー株式会社、寿精版印刷株式会社などが受賞されておりまして、アサヒビールなどの事例でいくと、企業が寄附先を選ぶんですけれども、その公募型で自治体の方々にプレゼンなどをしていただいて、アサヒビールがその中から選ぶというのは特徴的な、比較的新しいスキームになるのかなと思いますので、公募型もやっている企業もいらっしゃいますので、自治体の皆様も積極的に企業に応募、プレゼンなどしていただいて、こういう形での企業版ふるさと納税の活用が増えていくといいかなと最近は思っております。
今回は埼玉県のセミナーですが、内閣府の方でもマッチング会などを主催しておりまして、どこに寄附していいか分からないという企業であったり、企業のつながりがあまりない自治体などでも、この場を活用していただいて官民連携がより一層進んでいければいいなと思います。来年度以降もやりたいと思っておりますので、こちらの活用も是非御検討いただけたらと思います。
内閣府の制度説明としては以上となります。ありがとうございました。
モデレーター 晝田浩一郎
「企業版ふるさと納税、ちょっとよく分からなかったんだよね」とか、「初めて聞く」、「興味あったんだけど」という方も、なんとなく概要についても把握できたかと思いますし、また、「結構使っているんだよね」という方でも、今のトレンドも把握していただけたんじゃないかなと考えております。この後、パネルディスカッションでも小林さんに出ていただきます。ありがとうございます。
では続きまして、大臣賞も見ていただきたいですが、賞とはまた別で、企業版ふるさと納税を有効に活用している、須崎市の有澤さんです。いろいろな取組を須崎市としてもされていますし、高知イノベーションベース(KOIB)といったところでも面白い取組をされているので、龍馬ピッチも含めて御紹介いただければと考えております。
高知県 須崎市 プロジェクト推進室 有澤聡明
高知県の須崎市というところで働いています、有澤といいます。よろしくお願いします。
私は今、須崎市役所のプロジェクト推進室次長という立場と、高知イノベーションベース(KOIB)の公務員部会の部会長っていう立場を持ってまして、その辺のお話をさせていただこうと思います。
高知県須崎市はこちらの表にありますとおり、令和元年から令和7年までは全部で企業版ふるさと納税を28件、5億7430万円頂いております。ご当地ネタとしては鍋焼きラーメンと「しんじょう君」というキャラクターがおります。
本日は高知信用金庫様と一緒に取り組んでいる「海のまちプロジェクト」と、KOIB公務員部会の「龍馬ピッチ」についてお話をさせていただきます。
私、地元のテレビ局が主催のマッチングイベントへ東京で行われた際に参加した時に、非常に企業版ふるさと納税の難しさを感じました。またKOIBの方で色々な起業家さんとお話ししている時にも、なかなかこう会話が噛み合わないなっていうところを感じていまして、マッチングイベントとかの短時間の企業と行政のやり取りではなかなかその壁を僕は越えられなかったので、これはどうしたらいいかなっていうのがずっと感じていました。
またマッチングイベントって自治体がたくさん参加していて、うちの町がこんなとこがいいよって順番に発表するので、自分のまちだけが目立つというか、差別化するのも難しいなというふうにも感じましたし、来ている担当者に熱が伝わっても、その後社内でそれが持ち帰ってどうなるかっていうところもなかなか手が届かないので難しい。それでマッチングイベントが終わった後、帰ってその企業とコミュニケーションを取るのが、普段全然関わりがない企業であれば、そういう営業の仕事はやっぱり我々公務員はなかなか慣れていないというところで、企業版ふるさと納税の難しさを非常に感じたことでした。
須崎市で実際に企業版ふるさと納税をたくさん頂いているのが高知信用金庫様なんですけども、こちら「海のまちプロジェクト」というプロジェクトを令和3年5月から御一緒していまして、このプロジェクトの推進のために企業版ふるさと納税を含む15億円程度の金額を高知信用金庫様が投資してくださって、まちづくりを進めています。
また今、高知信用金庫様と須崎市でまちづくりを進める「一般社団法人 須﨑海のまち公社」を設立しまして、そのまちづくりで整備してきた施設運営もそちらの法人で行っております。こちらのプロジェクトは高知県内の色々なプレイヤーが、マスコミも含めて参画して進めておるんですけれども、高知信用金庫様からは企業版ふるさと納税5億500万円、指定寄附を4億9500万円、その他物品であるとか関連する財団からの助成という形で応援を頂いております。
そもそも高知信用金庫様とどうしてこういうことになったかというと、須崎市が指定金融機関をやってほしいっていうお願いをして、それを理事長が市長に直接会って断ろうということで来てくださったんですけども、市役所の職員が熱烈に歓迎したので理事長が断るに断れなくなって引き受けてくださったんですね。その時に理事長が「この市役所はノリが合うかもしれない」っていう表現をしてくださったんですけども。それで、市の庁舎がボロボロなので、お店で使っていて今は使っていないソファーとか色々な机とかを提供するので、市役所綺麗にされたらどうですか、みたいな話の中から、「もうやるならいっそ一緒に庁舎リノベーションしましょう」ということで、信用金庫の職員と一緒に市の職員が市役所を綺麗にするっていうプロジェクトをやりました。
このプロジェクトを御一緒して、非常にいいチームワークだなっていうふうに感じてくださっていたところに、「もうせっかくなら、まち丸ごとリノベーション一緒にやりませんか」っていうお誘いをしたのがきっかけで、「海のまちプロジェクトやりましょう」「100周年記念事業に位置づけますよ」みたいなこととか、「そもそも須崎市発祥だったので理由もつくよ」というようなことで、まず共同でプロジェクトをやって信頼関係を得て、その延長で「じゃあまちづくり御一緒しよう」という流れで、今現在、分散型ホテルの実現であるとか、商店街の空き店舗の活用とかの企画を一緒に考えながら進めております。
そういう形で高知信用金庫様とまちづくりを進める中で、その資金的な手当ての1つの方法が企業版ふるさと納税になっているというような状況です。
もう1つの事例ですけれども、高知イノベーションベース(KOIB)での公務員部会の取組を報告したいんですけども、創業者かつ売上が1億円以上の会社の起業家の皆さんがEO(Entrepreneurs' Organization)というコミュニティを世界規模で作っておりまして、そのEOのコミュニティの高知の関係者が、自分たちのような起業家を作ろうということで、高知イノベーションベースっていう団体を作りました。
ただその起業家を目指す上で、例えば大学生起業家とか地域課題を解決したい起業家もいらっしゃるので、こういう方々が地元の市役所と連携することで、まず一歩目を踏み出しやすいんじゃないかということで、「公務員部会」を作ろうという動きの中で部会が誕生しました。
ただ公務員はあくまで地域のために働く身分なので、自分たちの自己研鑽のためにお金を払いながらKOIBの活動をするというところがなかなか難しいという中で、KOIBとしては「公務員はじゃあ無料でいいよ」っていうような判断をしてくださったんですけれども、ただそのおんぶに抱っこっていうのもなっていうのを考えていた時に、企業版ふるさと納税で起業家とまちづくりを共創しながら、そのマッチング支援をKOIBがやりながら手数料をもらうことで、うまく取組が組み立てられるんじゃないかということで、企業版ふるさと納税を公務員部会で積極的に取り組もうということになりました。
KOIBが年に2回主催するイノベーションサミットにて、関係者が集まる中で地域の課題を公務員が発表して、来た参加者の方々が起業家の方々含めて、応援したいって思ったら、「企業版ふるさと納税やるよ」「個人版でふるさと納税やるよ」「うちの事業のリソースを提供するよ」とかいうようなことをリアクションしてもらうということで、「龍馬ピッチ」を今年の11月に開催しました。
4市町村から5人の方が登壇して発表しまして、それぞれ企業版の意向が7件、個人版が27件、リソース提供が11件っていうような結果になっております。イベントはあくまできっかけなので、我々はそのKOIBのコミュニティに所属する限り、起業家の方々と引き続き「じゃあ具体的に寄附をいただくにはどうしたらいいか」とかいうコミュニケーションが取りやすい環境があるということで、今「この起業家に話しに行くには誰と一緒に行ったらいいか」とか「こういうメールを送ったけどアクションがこうだった、次どうしよう」とかいうのを、登壇者と一緒に情報共有しながら、次に何をするかを研究しながらという形で、継続して寄附をいただけるような方向に向けて勉強会をしています。
また、その企業版ふるさと納税だけじゃない形の協力の申し出を頂いていまして、例えば四万十町が取り組んでいる、ふるさと納税を活用したガバメントクラウドファンディングには、たくさんの方が個人版のふるさと納税をしてくださって、非常に高い達成率になっています。結局、共感していただける場をどうやって作るかっていうのが大事だなと思いながら、今現在取組をしております。以上でございます。
モデレーター 晝田浩一郎
有澤さんありがとうございます。またこの辺りKOIBの取組もクロストークのところでぐっと深掘りしていければなと考えておりますが、自ら考えて、しっかりと企業の方と一緒になってまちの未来を作っているっていう、すごくいい事例だなと考えています。
では、続いての事例として、寄附をする企業側はどういうことを考えているのか、どういった観点から寄附しようという意思決定をするかについて、平成30年度に内閣府から企業版ふるさと納税の大臣賞も受賞されている、株式会社アルビオン白神研究所、小平努さんにシェアしていただきたいと思います。
株式会社アルビオン 白神研究所 小平努
改めまして、株式会社アルビオンの小平と申します。よろしくお願いします。今日は私たちの企業としての会社の取組と、それに関わって企業版ふるさと納税というのが関わってきているというところでお話をさせていただきます。
まず私なんですけど、私はアルビオンに新卒で入ってずっと勤めておりまして、元々工場で入社して、今は研究所というところに勤めておりまして、特に原料開発というところを統括している者になります。ということで、こういうところでお話しするメンバーとしては異例で、本当にただの技術屋というところでございます。
じゃあなんで技術屋がこんなところで話をするかというと、私たちが企業版ふるさと納税を始めた頃というのは、まだまだ当然認知度はもちろんありませんでしたし、まだ当時は地域との連携というものに対しても企業がまだ今ほど全然ハングリーではなかったというような時代ですので、当然そういった部署もなく、私が仕事を進める上でそういうことが必要だったかなというところで進めてきて、一番この辺りに詳しくなっているというようなところだと認識していただければいいかなと思います。
弊社アルビオンという会社は創業今年70年を迎える会社でございまして、経営理念にもありますように、高級化粧品の製造販売をしている会社でございます。アルビオンというブランド、それからイグニス、エレガンス、もしかしたら人によってはアナスイとかポール&ジョーの方が御存知だったりするかもしれません。化粧品がお好きな方はよく知ってらっしゃるけど、全然知らないよっていう方がいるのかなと思いますけど、我々は販売チャネルをかなり絞って販売してきたっていうところがありますので、知る人ぞ知るメーカーでございます。
本社は中央区銀座の1丁目にありまして、工場は実は今日埼玉県のお話だと思うんですけど、熊谷市に工場がございます。私も今、実は秋田県からお話しさせていただいているんですけど、家族は埼玉県にいまして、今は単身赴任で秋田というような状況でございます。販売チャネルを狭めているというところで、化粧品の専門店1100店程度と百貨店というような状況です。これは高級品を維持するためであったりとか、希少性、後は取り扱っていただいているお店様へのモチベーションというところで、あえて広げないというところでの戦略でやってきたということでございます。そういった会社でございます。
私は今も研究所という部隊にいまして、研究所に関わる事業所は本社の銀座に一番近いところの東日本橋に研究の大きな本部みたいな所がありまして、あとは沖縄、そして秋田県藤里町、横浜には分室みたいなところがありますが、海外にはスリランカという国に研究所を構えておりまして、国内3拠点、海外1拠点という研究所としての事業所があります。その中で私はこの秋田県藤里町にある「白神研究所」という研究所で仕事をしております。
なぜ我々がこの秋田県に来たのかというと、実はこれなんですね。「世界自然遺産白神山地」。青森県と秋田県にまたがる世界自然遺産になっていまして、ここでは太古の昔から変わらない自然が残っていると。そしてその面積が非常に広いというところで世界自然遺産に登録されています。生物の生態系が維持されているということがメインで世界自然遺産登録されていると。
皆さん「世界自然遺産」というと聞いたことはあるというところなんですが、実は日本には5箇所しかないんですね。知床、小笠原、屋久島、沖縄・西表、そして今行っているこの白神山地ということで、国内たった5箇所。さらには白神山地だけなんですね、本州にあるのは。ということで、非常に貴重な自然であると考えている。そこで私たちは自分たちで使う化粧品の原料、素材となる植物ですね、この研究と実際のその植物の栽培っていうのを、この世界自然遺産の恩恵が受けられる秋田県藤里町でやろうということで、白神研究所という研究所を構えました。
私が責任者としてやらせていただいていますこの白神研究所では、化粧品の原料の開発というのがもちろんメインです。植物由来としてですね。さらには、その植物を育ててくれる部隊もいませんし、我々は農家さんに委託するという手段ではなくて、自分たちで育てるということをやっていますので、開発した原料の元になる植物を自分たちで量産する、要するに農業ですね。我々は秋田県藤里町で、化粧品会社でありますが自分たちのために農業をやっているという会社でございます。
またそういった化粧品会社が農業をやっているということはなかなか他社ではないことですので、そういう変わったことをやっているということも情報発信してPRしていくことも大事ということで、実はこの研究所からもSNSだとかYouTubeを通して情報発信をしているというところでもあります。まず背景としまして、私の仕事、アルビオンの仕事を紹介させていただきました。
そういった自分たちで原料を作るっていうことは、当然その植物の栽培方法だとか、何を使っていくかとか、抽出方法だとか、いろんなところにオリジナリティを出していけますので、植物の効果を最大化にしていくということ。それから、後は自分たちで作っておりますので、当然トレーサビリティがしっかりしていると。信頼のためのトレーサビリティと言った方がいいですかね。それと今の世の中的に言えば、原料供給を自分たちでする。それから後農業というのは基本的にはこう森を切り開いて畑を作っていくという意味では環境を壊していく方向になるんですが、我々は「有機農法」という農法を取ることによって、なるべくこう土壌に対して緩和な農業をやっていきたいということで環境維持を目指していると。そしてこの藤里町という町は人口が今2600人台でございます。非常に小さな町なんですが、こういうところに我々が来れば少しは雇用が生まれ、私も嫌いじゃないんで町内の居酒屋さんとかには毎晩のように通うわけであって、そうするとお金も落ちるわけでございます。まあそういった意味での地域貢献もしているということで、今の世の中的に言えばサステナビリティということになるのかなと思いますけど、我々この取組実は2010年からやっておりまして、SDGsというのが国連で採択されたのは2015年ということで、我々元々そこが目的だったわけじゃないよというところでございます。
私たち、企業版ふるさと納税が始まりました平成30年、2016年に、この秋田県自然保護課さんがやっています「白神山地の保全事業」をスタートにして、今は3つの事業に対して企業版ふるさと納税を秋田県に対してさせていただいているというところでございます。
そして先ほど御紹介も頂きました、2019年には企業版ふるさと納税の大臣賞を受賞させていただいております。これも笠井さんにお世話になったところでございますけど、単純に金額が大きいとかそういうことではなくて、我々は金額はそんな大きくないんですが、我々のブランドとしてこの世界自然遺産の白神山地というのをうまく利用させてもらっているわけですけど、そこを保全していくという形で、結局は自分たちにやっぱり帰ってくるという形でのふるさと納税の仕方というのが非常に理想的だということを頂きまして、受賞につながったというところでございます。
なぜ我々がこれをすることになったかというと、今までお話ししてきたように、我々の商品のものづくりへのこだわりの中で、その素材へのこだわりっていうのが弊社の中でも、この白神山地での原料というのは「素材へのこだわり」に対する大きな代名詞となっているというところになります。それから、やっぱり企業活動だけじゃなくて、この秋田県とか藤里町、こういう中で地域の一員としていろんなものに取り組んでいきたかったというところ。それから私たちはその白神山地という名前を使わせていただくことで、当然その商品の魅力が出たりとかして売上につながっているというところもありますので、そういうものを適正にどうやって還元していけばいいのかというところにも悩んでいたというところでございます。そういった中に秋田県の方から紹介があり、要は営業してきたわけですよね。正直最初は、なかなか認知度も当時はなかったですし、よく分からなかったとこではあったんですが、一生懸命営業してくださって説明してくださって、まあそういうことであれば我々も地域へ恩返しができるんじゃないかということで応募したというのがスタートになります。
私たちから見てこの企業版ふるさと納税、どういうところにメリットがあるかというと、まさにこの世界自然遺産である白神山地の保全事業というのは、なかなか一企業が「やろうよ」と言ったところでできるものではありませんし、当然勝手に国の土地だとか町の土地だとかに対して何かができるわけでもありませんので、そういったところでは単独企業ではできないことが、こういうところで参加することによって応援できているというところは、我々にとっても還元できているかなというところかなと思っております。
それから、今こういう地域へ貢献しているということが、やっぱりお客様にも求められるところになってきているというところで、もちろん企業のイメージアップでもありますし、我々の商品を手にしてくださるお客様から見ても商品のイメージアップにもつながると我々は思っております。そしてまたこうやって社会貢献というものが直接こう商品につながってくるということが、やっぱりお客様にもきっと分かりやすいんだろうなというところがあります。なかなか企業の本事業とは別のところでいろんな地域貢献をしていても、そういった企業だからもちろん信頼できる、安心できるというのはあるのかもしれませんけど、やはりそういった保全事業というものが商品に返ってくるというところは、やっぱりお客様にも非常に支持を受けるところなのかなと思っています。なので、これは我々の持論のところもあるかもしれませんが、企業だけでなくて、お客様にとっても満足していただけるような寄附だったり納税だったりっていうふうになるんじゃないかなと、我々は考えているというところです。
これからも我々としては、こういう地方を応援する寄附をうまく使って、白神山地の保全事業をはじめ、いろんな秋田県の事業に参加していきたいと思っています。そして白神山地の美しい自然と、後は我々の持っている技術、こういうものを融合して、お客様にとって魅力的な化粧品を作り、そういった化粧品が秋田からも発信できているということで、秋田県内の雇用の拡大だったりとか、秋田県のイメージ、またそして秋田県の地域活性というものにつながっていったらいいなと考えているというところでございます。
我々情報発信しているという話もさせていただきました。もしよろしければ是非、「フォロー」と「いいね」もお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。私からは以上になります。
モデレーター 晝田浩一郎
小平さん、ありがとうございます。企業も単にCSRでお金を出しているということだけでなく、お金を出す理由、賢いお金の使い方が重要だなと思いました。
モデレーター 晝田浩一郎
ここからクロストークとして、今までの話、内閣府の小林さんの話であったり、須崎市の取組であったり、また小平さんのアルビオンの取組であったり、そこを内閣府企業版ふるさと納税マッチング・アドバイザーの笠井さんも交えながら話を深めていきたいなと考えております。皆さんよろしくお願いいたします。
では早速なんですけど、笠井さん、自己紹介も兼ねて、須崎市の事例であったりとか、龍馬ピッチであったり、またアルビオンの小平さんの取組とか聞いて、どうお感じになったかということも含めて、そこからスタートしたいと思います。笠井さんお願いします。
内閣府企業版ふるさと納税マッチングアドバイザー 笠井泰士
皆さんこんにちは。内閣府企業版ふるさと納税のアドバイザーをしております笠井と申します。私は2018年から20年の時に内閣府の企業版ふるさと納税、後、地方版総合戦略の2つの担当をしておりました。その時に制度のところ、大臣表彰の創設であるとか、マッチング会の創設、あとは税制改正の対応だったりとか、過渡期の時に対応させていただいて、今も企業と自治体をつなぐような取組で活動させていただいております。本当に市場の高まりを感じておりまして、先週も富山市さんのところでお話しさせていただいたり、来週も大学の方でお話をさせていただくんですが、本当に高まりを感じております。
お二方のお話が素晴らしすぎて、どんどん話したいんですけれども、まず有澤さんのお話を聞いて、本当に丁寧にこれまでのプロセスをお話しいただいたので、是非自治体の皆様、アーカイブも残るということなので繰り返し見ていただくことがすごくいいかなと思いました。まずその企業との会話の難しさを感じられたという率直なところ、企業との「会話の壁」を越えられなかったというところ、後まずはアクションされて、そこの原体験を持って企業との関わり方を考えられたというところだと思っているので、そこのところ是非質問を深掘りさせていただきたいなと思っております。有澤さん、その企業の壁を越えられなかった、会話の壁を越えられなかったと改めてなんですけど、どれくらい企業の皆さんとお話をされたりとかアクションされたとかっていうのはいかがですか?
高知県 須崎市 プロジェクト推進室 有澤聡明
マッチングのイベント自体は多分10社ぐらいとはお話はしたんですけれども、唯一マッチングにつながりそうだったのは「もう決算が近いからすぐにやりたい」みたいな企業さんで、企業さんからすると「まあせっかく来たからやっとこうかな」ぐらいのところが1社あっただけで、我々の思いを共有するっていうところには全然至らなかったなっていうのが実感です。
内閣府企業版ふるさと納税マッチングアドバイザー 笠井泰士
その後に高知信用金庫との関係性を築かれて、そのお話の中にも「資金的な手当ての1つとして」っていうのがすごくキーワードだなと思っていて、あくまで作り上げる中でツールとして制度をご活用されているんじゃないかなというふうにも感じたところです。あとはそのKOIBのところも、体制を作ったところもすごくいいなと思っていて、いろんな方々との補完関係を築いて持続的な体制整備をされているように感じているんですけれども、その推進力になっている方っていうのはいかがですか?
高知県 須崎市 プロジェクト推進室 有澤聡明
実際その龍馬ピッチ自体も、私は登壇する自治体のプレイヤーを県内で一本釣りしながら集めて、当日は僕は審査員側で須崎市に企業版ふるさと納税をもらう流れは作らなかったんですけども、コミュニティが持つ力みたいなのが僕は結構好きで、まずはそこのコミュニティでみんなが集まって楽しくやっていく中で、「じゃあこういうこともやろう」って言った時にすごい力を発揮するって思っているんですね。それが結果的に龍馬ピッチっていう形だったみたいなところでして。企業版に課題をずっと感じていたのも、どこかで頭の隅にはあって、一方でKOIBの本体の起業家の皆さんは、日々戦いの世界で切磋琢磨していきつつも、自分の地域、自分の地元であったり出身地っていうところにどうやったら地域貢献で関われるかっていう入り口が見えてない状況もあってですね。それがKOIBっていう場所で「公務員の皆さん好きにやって」みたいな、「公務員の皆さんがイノベーションベースで活動するのが高知イノベーションベースの特色だから」みたいな形で認めてくださって、自由にやらせてもらっているっていうような状況です。
内閣府企業版ふるさと納税マッチングアドバイザー 笠井泰士
ありがとうございます。まさに晝田さんが得意な共創のかたちを体現されていらっしゃるんじゃないかと感じました。晝田さん、一旦お返しします。
モデレーター 晝田浩一郎
まさに有澤さんにお伺いできればと思っているんですけど、やっぱり企業側へのアプローチで、さっきのコミュニティの中でまずは関係値を作っていくっていうことも1つポイントだと思うんですけど。とはいえ関係値ができていたとしても、「仲がいいから1000万寄附するよ」とはならないじゃないですか。そこを企業に刺さるポイント、「ここがやっぱり大事だよね」っていうのを、公務員・有澤として見るといかがですか?
高知県 須崎市 プロジェクト推進室 有澤聡明
企業の皆さんが何をしたいかみたいなところの理解ができるっていうのが一番最初に大事かなと思っていまして。「須崎市と組んだらやりたいことができるのか」「他の自治体の方がいいのか」、あくまでその企業側がやりたいことっていうのを教えていただいて、それをどこを受け止められるかみたいなところで、特に「何が何でも須崎市」って思ってないっていうところはあるんですけど。
後は、高知県はとりあえず打ち合わせの途中で「じゃあ大事なことは飲みながら決めましょう」ということでお酒を一緒に飲む文化なので、飲み会も大事かなと思っています。今すぐに関係がつながることもあれば5年後かもしれない、10年後かもしれないけれども、やっぱりそのつながりをずっと持ち続けるっていうことが大事で、そのつながりを持ち続けるっていうのは、じゃあどうやったらコストかけずに持ち続けるのかって言った時に、我々にはKOIBっていうコミュニティがあったっていうところが恵まれているところかなと思います。
モデレーター 晝田浩一郎
「お金をくれるかどうか」というだけの短期的な関わり方じゃなくて、もう少し中長期の目線、どういうようなことができていくかっていう関わり方を見せていくっていうのはすごく大事だなと思って。
一方で小平さんにもお伺いできればと思うんですが、最初はその「企業版ふるさと納税って何?」みたいなところから、でも秋田県から営業を受けてって話だったんですけども。とはいえ、いくら営業を受けて研究所がその地域あるからといえ、大事なお金をどう使うか、他の使い方もあったと思うんですが、企業側から見た時に、その行政や地域との関わり方で「やっぱりここをちょっと企業としては大事にしていきたいな」とか「やっぱりこういうところが出したいと思ったきっかけなんだよな」みたいなことを改めてお伺いできればと思うんですけど。
株式会社アルビオン 白神研究所 小平努
最初はやっぱり何の話か分かんないですよね。秋田県がいきなり来てお金が欲しいという話をされるわけですよね。ふるさと納税っていう話をされるんですけど「返礼品はない」、なんだ本当に出すだけなのかみたいな感じで、一体どこにメリットがあるのか全然私も分からなかったんですよね。その時は私はまだ下っ端だったもんですから、当然上席に対してそのお金を出せるのかっていうところを話をなきゃいけないんだけど、自分が宣伝できないわけですよね、理解できてないから。そこがまず苦労したんですけど。ただその時の私の上席がやっぱり良いひらめきだったのが、先ほど言った「白神の保全事業」っていうところであれば我々にも帰ってくるし、我々がやりたくても1企業じゃできないよねっていうところにうまくひらめいてくれたっていうとこですよね。だからそれは秋田県側からはなかったわけですよね。だからそれは我々の方で気づけたからそこはやっぱり良かったっていうところになります。本当に、そういう意味ではそこに気がつけるキーマンとか担当者がいるかっていうとこは非常に重要だなと思っています。今となってはだいぶ理解して、じゃあどれに寄附したくなるかって言うと、結局はやっぱり「企業の利益になるかどうか」なんですよ。さっきの変な見返りとかそういう意味じゃなくてですね、我々の事業活動に対してちゃんとそれがプラスになる、それが売上貢献につながるかもしれないとか、後は今この世の中的に向いているのは、そういうことをしていることが企業のPRにつながるっていうことが、我々にとってメリットなわけですよ。だからやっぱり結局は、企業なので「自分の稼ぎに最後は持ってこられるよね」ってところがないと食いつけないっていうのは実際のとこだとは思います。
内閣府企業版ふるさと納税マッチングアドバイザー 笠井泰士
平成30年度の大臣表彰でアルビオンさんが大臣表彰を取られて、その時によくお話を聞かせていただいたんですけれども、小平さんの話でもありましたけれども、「利益の再配分」というところをやはりそこで経営をされているということのご理解と、地域に対する思いみたいなところが根底にあって、またそこから素材を採って経営をしているという中では、世界自然遺産の保全ということで「山が綺麗になって川が綺麗になって水が綺麗になることはいい薬草が取れる」といった、そういった資源循環を考えてらっしゃるというのがすごく強烈に覚えております。
モデレーター 晝田浩一郎
2つポイントがあるなと思って。1つが、本来であれば行政側が企業版ふるさと納税で「お金ください」とかじゃなくて、「こういうことやったら企業側のこういうメリットになっていくし、ESGスコアであったりCSVであったりエシカル商品につながるって、企業としての価値を上げられます」とか、「これは巡り巡って消費者の価値になっていくんだ」っていうのをが、本来であれば行政側がもっともっと言っていかなければならないということ。たまたまアルビオンの皆さんが優秀なので気づけたっていうことがあると思うんですけど、そこはもしかしたら、内閣府や行政がマッチングアドバイザーの方を頼りながら言えるようになっていかないといけないと思いました。2つ目は、そこの企業価値みたいなところっていうのもどう作っていくか、そこをどう気づけるかっていうのは結構ちゃんと把握していかなきゃいけないなと思いましたね。
株式会社アルビオン 白神研究所 小平努
今の1つ目のところはさっき有澤さんが、会話が噛み合わない、営業が慣れていないっていうことをおっしゃっていましたけど、もう正にそれだと思います。それが結局、企業とのギャップっていうか、売り込む言葉と欲しがっている言葉が合ってないっていうのは多分そこなんじゃないかなと思いますね。
モデレーター 晝田浩一郎
この辺りを内閣府に振ります。小林さんも当然この辺り、国として「言葉が噛み合わない」とか「行政は営業が下手」というところのギャップ解消で、1つはマッチングアドバイザーの創設や利活用促進だと思うんですが、そこも含めて内閣府として制度の活用促進みたいなことで、「こういうことをやっていこうとしているんだよね」とかってあったりするんですか。
内閣府 地方創生推進事務局 小林洋平
我々が公務員で、やはりその企業の皆様に対してアプローチする際に、企業の方が求められていることとは直接アプローチできないっていうところはやっぱり課題はあるのかなと思っています。
制度の活用の面でいきますと、公務員ですので毎年度少なからず人事異動で担当者がコロコロ変わってしまうっていうところも実情として課題かなというふうに思っておりますので、担当者が変わった際にも制度を引き続き活用ができるように、自治体の皆様に対して制度説明会を毎年やっていて、人事異動であまり影響がないような形で、担当者のレベルと言いますか、アプローチの仕方なども一定に保つようなことは内閣府としてもやっております。
モデレーター 晝田浩一郎
笠井さん、ここマッチングアドバイザーとして、企業側・自治体側などいろいろな立場で関わっていたりすると思うんですけど、差別化みたいなこととか、「営業下手だよねっていうのはもう頑張るしかない」とか、「こういうふうに学びましょう」とか、そういった初歩的な営業手法の部分なのかなと思いつつ、とはいえどうやっていいか分からないみたいなことが自治体側も企業側もあるかなと思っているんですけど、最近よく言っていることとか、「ここはやっぱりそれぞれ大事にした方がいいよ」みたいなことがあればシェアしていただきたいです。
内閣府企業版ふるさと納税マッチングアドバイザー 笠井泰士
ありがとうございます。今ご相談として7割ぐらいが企業の方が多いかなと思っております。企業の皆さんもこの制度の活用を通じて自治体の皆さんにどうアプローチしたらいいか、事業戦略上どう落とし込めばいいか、社会に貢献するにはどうしたらいいかということを皆さん悩んでいらっしゃるという状況があるかなというふうに思っております。内閣府やいろいろなところで日々話をしていく中で、有澤さんや小平さんのお話に乗る形ではあるんですけど、自治体と企業はやっぱり文化が違うので、言語も違うので、実際の頭の中で考えて企業にアプローチするっていうのは多分無理だと思っていて。企業側もそうだとは思っていて、そういった意味ではとにかく話すのが一番だと、話をすることがまず大事だということで、もうそれがスタートでしかなくてですね、分からなかったらとにかく会う、お話をするということだというふうに思っています。
また、いろんな自治体の皆さんが「うちの地域はこういう景色があって、こういう食べ物があって人もいい」と。これ多分どこもいいと思うんですね。なのでそこは差別化結構難しいのかなというふうには私は感じておりまして、むしろ「こういうことをやりたいんだ」、「こういう課題があるんだ」ということを言っていただくことがすごく重要だと思っていて、企業はその課題を持って、それがイノベーションの種になって新商品の開発になったりとか、正にそういうことなのかなと思っております。小平さん、有澤さんからコメントをいただきたいのですが、いかがですか。
モデレーター 晝田浩一郎
有澤さんとか、まさにその須崎市って海に近くて、でも高知県ってだいたいどこでも海に面しているので、どの町も「海綺麗にしたい」、「山を綺麗にしたい」ってみんな言う中で、その辺りとかってどういうふうにして御一緒にプロジェクトを進めていったんですか?
高知県 須崎市 プロジェクト推進室 有澤聡明
なるほど、全然差別化できてないままですね。関係性を企業と作っていく中で、企業さんが興味を持ってくださって。高知信用金庫の事例は本当に参考にならなくて申し訳ないですけど、信用金庫の理事長が須崎市に来てくださって「須崎市ってどんなものがあるの」って言ったら、みんなが「いや須崎市は何もないです」って言ってて、そしたら逆に理事長が見て回りながら「ここもいいじゃん、あれもいいじゃん、町がコンパクトやん。こんなコンパクトな町なら、津波が来て危なくて住む町じゃないって言われるんだったら、観光の町にしたら色々コンパクトに集まっているから絶対面白いよ」っていう、なんか企業に逆に教えていただくみたいな。なかなかやっぱり移住フェアもそうですし、マッチングイベントっていう場所は本当にその差別化して何か関係を作るっていうのはすごく難易度高いなと思っています。企業さんに訴えられるほど自分の自治体をちゃんと自己分析できている自治体っていうのも多分あんまりないと思いますし、我々も全然できてないっていうのは素直なとこです。
モデレーター 晝田浩一郎
いいですね、でもだからこそ、その関係値であったりだとか、そういうことを大事にしていたっていうそこの関係値はもう特別な差別化ポイントになってくるかなっていうのは思います。
逆に小平さん、白神研究所があるから秋田県に企業版ふるさと納税をしているってことだと思うんですけど、じゃあ全然関係のないところ、例えば、愛知県から声がかかったとしても、「いやそうは言ってもなんでそこ」みたいな形とかにもなっていくっていうことは当然あると思うんですが、決め手みたいなところ、やっぱり地域にあるからとか職員に熱量があるとか、さっきの「こういうふうにしたら賢いお金の使い方になるよね」を受けたとしても、最後の自治体を選ぶポイントってまたそれとはちょっと違うのかなと思うんですが、この辺り小平さんいかがですか。
株式会社アルビオン 白神研究所 小平努
おっしゃる通りですね。今私たちは秋田県に事業所があるので、秋田県へは当然寄附は考えますけど、じゃこれが愛知県からってなった時に、ただ内容にはもちろんよりますよね。そこがすごくクリティカルな「ああそれは面白いね」っていうものを持ってきた時には、もちろん天秤にかけるっていうのは必要かもしれないんですけど。
ただ後は、自分の会社しかわからないのでなんとも言えないんですけど、まだまだその会社としてのESGとかそういうところへ向けていくっていうところがどこまでこう社内で強力に動いているかっていうところもあって、要するにうちの社内はまだそんなにそこが強くないので、私が自分の手の範囲での部署としてはやっぱり秋田県ではやっていきたいっていうのがあるんですけど、これがもっと会社全体で日本国中全部見て、うちも全国に営業所がありますので、そういう目線の見方になればまた変わってくるのかもしれないんですけど。今弊社の場合はちょっとそこまで行ってないっていうのがあるので、やっぱり今私の範囲では秋田県になってしまうってのはありますね。
モデレーター 晝田浩一郎
やっぱりそこは関係値みたいなものは当然出てくるんじゃないかなというところですね。
株式会社アルビオン 白神研究所 小平努
それはそうですね。現に今この企業版ふるさと納税だけではないですけど、秋田県だとか藤里町だとかというのはもう日々いろんな連絡を取ることが多くなったんですけど、そうすると、いろんなことが要は我々のPRに使えるようなものはお願いされたりとかですね、我々も必要に応じてお願いしたりとかっていうことができる、そういったいい関係にはなってきているのかなとは思ってます。
我々のこのふるさと納税の事業も、先ほど小林さんのお話の中で行政がやるべきことっていう時にちゃんとそのフィードバックをすべきだって話があったと思うんですけど、まさにそれが最初薄かったんですよね。で、それに対してやっぱり私は、「このいつもA4の1枚でこんなことやりましたって返ってくるぐらいのために、また今年もお金を出すのか」っていうのが本当にいいのか分かんなくなった時に、私は秋田県に「ちゃんと説明をしてくれ。ちゃんと欲しい予算を言ってくれ」と、そういう話を今していたりしてやっています。なので今は必ず年に1回、そういう年の報告と、そして来年の計画っていうものをしっかり打ち合わせという場で教えてもらって、そこも私もいろいろ突っ込ませてもらいます。「じゃあ、これもやった方がいいんじゃないの。こんなことやめてこっちやった方がいいんじゃないの」ってことも言わせてもらったりとかした上で、結局寄附をするかどうかってちゃんと毎年決めさせてもらう、それもすごくいい形で今できているんじゃないかなと思います。
モデレーター 晝田浩一郎
前半戦はどうやって寄附をもらうかとか関係を築くかみたいな話がメインだったかなと思うんですけど、じゃあもらった後も当然終わりではないって話を先ほど小平さんしていただいたなと思っております。「釣った魚に餌はやらない」じゃないけど、「じゃあもうお金もらいました、1000万もらいましたありがとうございます」「じゃあまた毎年お願いします」みたいな、そんな甘くないでしょうという時に、もらった後の関係値や、プロジェクトがちゃんと進んでいく、先ほどフィードバックっていう言葉もあったと思いますが、どう継続的に関係を構築していくか、どうブラッシュアップしていくか、そこにお金が使われるだけの話なので、単にお金が欲しいから寄附してくださいだったらやらない方がマシだと僕は思っているんですけど。この辺り有澤さん、海のまちプロジェクトとかKOIBとか、もらった後のところで、「こういうふうにして行政側としてやれていくとよりプロジェクトをブラッシュアップできるんだよね」とか、「こういうことちょっと意識しています」みたいなこと、シェアいただければ幸いです。
高知県 須崎市 プロジェクト推進室 有澤聡明
海のまちプロジェクトについては、本当に市役所と高知信用金庫さん、理事長含め職員の皆さんも一緒にまちづくりに取り組んでいます。イベントをやる時とかにスタッフとして信用金庫さん一緒にやってくれますし、企画考える時も理事長と一緒に考えたりしているので、本当にプロジェクトを進めることが自分たちが寄附したお金がまちづくりに使われているところを実感しながらということで、こういう立て付けはめちゃめちゃ理想的なんだろうなというふうには思います。
KOIBの龍馬ピッチについては、どういうフィードバックをしたらいいかとか、ふるさと納税をしていただいた企業さんとどういう形で関係性を作るかっていうのを、月に1回ぐらいの勉強会みたいなのでみんなでアイデア出しをしていまして、そういう中で自分たちなりの答えが見つかったらいいなと思いながらやっています。どちらにしてもその細かく情報をお渡しするっていうのが大事だよねということで、寄附の意向を頂いたところにはせめて挨拶のメールをしようとか進捗のメールをしようみたいな話はしています。
モデレーター 晝田浩一郎
中長期の関係値ってそういうことでもあるなと思って、公式としてはA4サイズで紙1枚とかになってしまうかもしれないけれど、その間のアンオフィシャルな形かもしれないけれど、定期的な意見交換をしていくのはけっこう大事かと思います。その辺り、小平さんとしても今秋田県とやっているのも、「お金出したんだから報告してください」っていうよりは、「一緒になっていいものを作っていきたいので、じゃあこういうリソースはできるかもしれない」とか、「こういう企業連れてこられるかもしれない」っていうので、「もうちょっと何か言ってくれれば協力できるのに」っていうところの気持ちが強いんじゃないかなと思ったんですけど、どういうふうにしてコミュニケーション取られていたりするんですか?
株式会社アルビオン 白神研究所 小平努
「お金出したんだから報告してください」と、もちろんそういう感じではないんですけど、ただ達成感を感じたいんですよね。要は我々が寄附とかお金を出すって、やることは簡単じゃないですか、払うだけ振り込むだけっていうのは簡単ですよね。だけどお金を用意するっていうのはそんなに簡単ではない話なんですよね。だからそれなりに我々としてもいろんな決裁をした上で出しているっていうところもあったりするわけなので、それに対して一体どういう事業が動いて、それが本当にためになったのか役に立ったのかっていうフィードバックって欲しいんですよね。それがあるとやっぱり、その担当としても「あ、やってよかったな」と、「これお金をちゃんと会社からもらうことができて、それが地域に役立ったんだ」っていう達成感が欲しいっていうのが一番最初に私があったところですよね。だから、毎年ずっとこうなあなあで続いてくってのは私は違うと思っているので、「今年はこういう事業をやるからもっとお金が欲しいんだ」っていう話なのか、こちら側からしても「それしかやらないんだったら今年はもう半分にするね」とかっていう話をしてもいいと思っているので、そういう話はやっぱり、お金の価値をちゃんと大事にするっていう意味では必要なことかなって思っています。
モデレーター 晝田浩一郎
すごく大事ですね。笠井さん、ここまで企業の「やった感」みたいなところってすごくその企業価値を上げていくっていう上でも、先ほどの提案の内容でも、だからこそステークホルダーの方々、株主であったり社員であったりとか決裁者であったりとかに説明しやすくなるっていうのを、達成感みたいなところ大事だなというのは、ここはどの企業でも求めていますよね。
内閣府企業版ふるさと納税マッチングアドバイザー 笠井泰士
そうですね、やっぱり企業の皆さん、寄附だろうと、その後にモニタリングをされる企業さんも多くあって、「これって結局何になったのか」ということですよね。当然社会に貢献するということだったりとか、ただ他方では振り返ってどうなったのかということは企業としてやっぱりしっかりと見ていくべきところでもあるので、そこのところは企業は意識しています。
自治体の皆さんが一過性で終わって継続的な企業との関係値ができていないと、継続的な寄附につながっていないというのは、やっぱり1年経って「寄附してください」というようなことでは一過性になってしまうということなので、それこそ有澤さんの「差別化できていない」というのも1つのキーワード、1つの解だと思っていて、そこは丁寧な関係値を作られているからこそのその言葉だと思っています。
ある自治体は、企業版ふるさと納税に関して営業活動とかしていないんですけれども、一定の寄附額と寄附件数を獲得されているんです。これなぜかというと、「1つ1つの企業さんと丁寧に関係を作っている、ただただそれだけです」ということで。継続的な企業との関係ができているということでお話を聞いていました。
ある自治体は、東京に行く時に「東京に行きます」という連絡をしたりとか、東京に行ったら必ず訪問するとかですね。あと寄附事業は関係ないんだけれども「こういうことにうちはメディアに取り上げられました」っていうことを連絡すると。で、「うちが応援している自治体がこういうことになっている」ということを企業としてのプロモーションをしてくれる、そうすると相乗効果になるわけですよね。一緒になって盛り上げるということかなと思っております。
小平さんにお聞きしたいんですけれども、その寄附をすることによって、あるいは自治体と連携することによって、取引先への見られ方とか、社会からの見られ方もすごく重要なんじゃないかなというふうに思っているんですけど、そこのところいかがですか。
株式会社アルビオン 白神研究所 小平努
社外というところでは、やっぱり例えば秋田県内とかでの他の企業さんにしてみれば、やっぱり1つ注目を浴びてくれているんじゃないかなっていうところはあります。そういう取組をしようとしているところがありますから、そういう意味でこう1つのPRにはなっていると思います。後はもちろん、大臣賞を頂いたときにはやっぱりPRになりましたし、そこは逆に行政の方にもお願いしたいのが、そういう受賞した企業とか、後ふるさと納税をやっている企業のことをもっといっぱいPRしてほしいってのはありますよね。やっぱりそれに出すことによって1つそれが表にどんどん出ていくことになるんだっていうのは是非やってほしいなって思っているところです。
後、社内に関してはですね、ちょっとお恥ずかしいとこではあるんですけど、まだ我々の社内ではこういった企業版ふるさと納税があることを会社全体も知らないわけですし、まだまだこのESGとかを高めていく中で自分たち何ができるのかっていうところというのは手探りだったり分からなかったりする社員もいるわけですよね。そういうところに、「例えば秋田の白神研究所ではこういうことをやって秋田県とうまくやっているんだよ」とか「行政といい関係を築いているんだよ」っていうことが社内に戻ることによってですね、「ああなるほど、そうやってうちもいろんなとこにこう営業所や事業所があるわけだから、そのそれぞれだっていろいろ動けるんだよね」っていう、そういう認識にはつながっていると思っています。
内閣府企業版ふるさと納税マッチングアドバイザー 笠井泰士
ある企業で、寄附してメディアに取り上げられたから納得しているかと言ったらそうではなくて、しっかりと社内にこういうことをやっているんだということを伝えて、「うちはこういう会社なんだ」と誇りをもって働くということにつながるということをアルビオンさんは言われていたので、社内で説明するときは寄附をすれば何か素敵なことになるということではなくて、しっかりと皆さん丁寧に会話されているんだなということを小平さんからお聞きしたかったということで、晝田さんお戻しします。
モデレーター 晝田浩一郎
ミッション・ビジョンというか、「会社としてこういう世界・未来を作っていきたいという思いにちゃんと参画している、そのプロジェクトの中にちゃんと乗っているんだよ」ということが社内への認知につながっていくでしょうし、それが全然関係なく説明がつかないと、「寄附して」と言われても「僕らが作りたい世界とは違います」ということもあるかもしれないし。その辺り、会社の作りたい世界、ビジョンなのかもしれないですけど、そこを意識するとまさに須崎市の高知信用金庫も「こういうことやっていったほうがいいよ」というのを、有澤さん、言われたものをそのまま受け取っているというのではなく、「確かにそうですね」とか「それはもうちょっとこうなんですよ」とか、行政としての立場で対話を重ねながら未来観を作っていったんですか。それを合わせるというのも大事なのかなというのを改めて感じたんですが、有澤さん、関係値の作り方はそんな感じですよね。
高知県 須崎市 プロジェクト推進室 有澤聡明
そうですね、企業が貢献したい形と地域の人たちや我々市役所がやりたい形をどう調整して事業を進めるかっていうのが大事だと思っています。我々はいろいろな方に協力してもらわなければ地域はやっていけないという危機感みたいなのがありまして、何か企業から提案いただいたら、どうしたら実現できるかというところと、地域側の事情がどうだというところで折り合いをつけることが今一番求められているんだと思うんですね。少し前だと公は公で、民間は民間で、それぞれ別々の世界があって、市役所に相談に行ったらできない理由を公務員がどんどん言って、企業側が困るみたいなことが多かったと思うんですけど、今はそうは言ってはいられない時代だなと思いますし、そこの調整というのがとても大事だと思っています。
モデレーター 晝田浩一郎
そこを調整する中でも有澤さんのKOIBの取り組みはとっても素晴らしいと皆さん感じられたと思うんですけども、「うちの地域、KOIBやEOみたいな取組ってないんですよね」という自治体の方も多いと思いますし、逆に企業側からすると「有澤さんみたいな熱量のある公務員がなかなか地域で見つからないんだよね」という方もいらっしゃると思うんです。僕からすると各地域にそういう公務員が絶対いるとは思うんですけども、そことどうつながっていくか、KOIBみたいなところがなかったとしても企業の方とどうつながっていくか、有澤さん、ヒントはあったりしますか。
高知県 須崎市 プロジェクト推進室 有澤聡明
同じ担当部署の隣のまちの自治体の職員とか、同じ県内の面白い自治体職員とか、自分の気の合う職員とできるだけつながる。それで、つながった公務員同士で「一緒にできることがあったらいいね」、一緒に飲み会するだけでもいいですし、担当が同じであれば一緒に勉強会するでもいいんですが、とにかく人と人がつながることがすごく可能性を生むと思っていまして、KOIBも結果的にそういうことになったんですけども、閉じこもらないで広がるということが公務員の方はぜひそうしていただいたほうがいいのかなと思います。一方で、自分の自治体でしっかり堅実な仕事をするということももちろん大事なので、どちらが優れているではないんですけども、僕はたまたまつながるのが得意だったというところですね。
モデレーター 晝田浩一郎
いいですね。これ、一方で小平さんに伺いたいんですが、企業側も思いを持っている方々って結構つながっていっているんじゃないかなと思うんですが、じゃあアルビオンさんから寄附いただきましたっていうときに「こういうことやりたい」というときに、さっきの対話の中で、「あ、だったらこういう企業がいて、なんか出してくれるかもしれないよ」みたいなことの紹介もあるような気がする。「いい企業の後ろにはいい企業がいる」「いい人と後ろにはいい人がいる」って僕は信じているんですけど。そういうことって企業側としても結構あるんじゃないかなと思っているんですが、小平さんいかがですか。
株式会社アルビオン 白神研究所 小平努
これは多分公務員さんに限らずですね、やっぱりその企業同士も同じだと思うんですよね。やっぱり仲間を作っていく、その地域でやっていくためにはその地域の仲間を作っていくっていうのが必要なので、私はだからいろんな異業種交流会みたいなとこには積極的に参加していて、そういったところにもやっぱり自治体の方もいらっしゃったりしているんですよね。やっぱりそういう方達って意識が高かったり積極的な方なのかなと思いますね。だから私もそういうのは大事にしていて、おかげさまでそういうつながり、つながりのつながりで仕事がまた進んだりってことはありますので、それはあると思いますけどね。
モデレーター 晝田浩一郎
何度も言葉として出しますが、単に「お金ください」というお金だけのつながりじゃなくて、そこはきっかけとしてはあるかもしれませんが、きっかけとして官民連携で一緒になってプロジェクトをやっていきましょうとか、もっともっと肉付けしていくことにつながっていく、そのためにも今はお金は出せないけど協力の仕方とか、このフェーズではお金は出せないけど2年後に話してみたら「実は」ということにお互いになる、ということなどを意識してみたらいいんじゃないかなと、参加者の方に向けてまとめてみました。
内閣府企業版ふるさと納税マッチングアドバイザー 笠井泰士
実はここでちょっと小平さんにですね、以前一緒に登壇した時に、すごく自治体の皆さんに勇気になる言葉をいただこうかなと思って。要は自治体の皆さんの「いくら欲しいんですか」という問いに対して、「10万円から寄附できますので、いくらでもいいんです」ということになると思うんですけれども、企業心理としてですね、金額ってどういうふうに言って欲しいかっていったところ、小平さんちょっと是非お願いいたします。
株式会社アルビオン 白神研究所 小平努
欲しい金額を言って欲しいんですよ、正直なところ。それはもちろん、ただ100万くれよとか1000万くれよっていうのじゃダメだと思うんですけど、要はやっぱり「どういう事業をやるにはどういうふうにお金がかかるから、だからこういうお金をとりあえず全体例えば5000万なら5000万集めなきゃいけないんです」と。で、そうすると「今企業さんいくつ回っているわけだから1企業さんあたり500万出してくれないとこの事業成り立たないんですよ」とかっていう、それぐらいはっきりした営業をしてもらった方が、こっちは天秤にかけやすいと思うんですね。やっぱり「10万円からでいいですよ」って言われた時に、「え、じゃあ10万円でいいの?」みたいな、「本当10万円出せば事業うまくいくんですか?」みたいな、「それってそもそもだったらやる必要ある?」みたいな感じになっちゃうわけですよね。10万円でできることあるかもしれないので、その金額が正しい金額であればいいんですが、ただちゃんとその金額に意味があるからこの金額を集めたいんですって言ってもらった方が、「じゃあ500万円用意できるか頑張るよ」なのか、「頑張っても250万円だったら何とか出せるかもしれない」とか、そういう今度そこからの交渉ができるんじゃないかなと思っていて。だからやっぱり「こういう事業やりたいからこそこういう金額が欲しいんです」って、はっきり言ってくれた方が、「いくらでもいいんです」っていうのが一番、企業側も「じゃあ、どうしようか」ってなっちゃうんですよ、
内閣府企業版ふるさと納税マッチングアドバイザー 笠井泰士
そうですよね。私も企業側にいますし、後、企業のサポートさせていただく中で、やっぱりこう言っていただいて、そこから社内でどういうふうに稟議をかけて調整していくかっていうことですし、あと企業心理としても自治体の皆さんから言われたっていうことになるので、上を通す時にはそれが後ろ盾というか根拠、後押しになるわけなので、自治体の皆さんちょっと勇気を持ってですね、何をやらなきゃいけなくていくら必要なのかということをすごく明確に言うことをやってみてはいかがでしょうか。
株式会社アルビオン 白神研究所 小平努
例えばA、B、C、Dって企業があって、「みんな100万出しているのにうちだけ10万なんです」ってのは嫌じゃないですか。それで言ってほしいわけですよ。「どの企業からも100万集めているんです」と言ってくれれば「なるほど」ってなるじゃないですか。「じゃあ、うちは頑張って150万にしちゃおうかな」というのもあるじゃないですか、見栄も張るわけだし。それが、「他の企業は何百万やっているのにうち10万です」とかなるのはそれもやっぱり恥ずかしいとこですから。そういう横も見ますよ。
内閣府企業版ふるさと納税マッチングアドバイザー 笠井泰士
そうですよね、明確に伝えていただくことがクリアになってくる部分なような気がしますね。
モデレーター 晝田浩一郎
勇気をもって500万円なら500万と言ってみる。もちろん根拠は大事ですけども。この辺り財政課にどう言っていくかというロジックで、公務員も毎年予算提案・査定していく中でやっているので、それをもうちょっと企業メリットになるように伝えていくだけかなと思うので、しっかりはっきり伝えるということですね。
株式会社アルビオン 白神研究所 小平努
そうですね、そのほうがこちらとしてもすごくわかりやすいというか、受けやすい。もちろん金額をしっかり提示してきたところで、もちろん公務員のみなさんですから信頼度はもともと高いですから、変な営業とは捉えないでほしいですよ。うちの場合は、「秋田県さんがそれだけ欲しいと言っているのね、じゃあそれに乗れるのか乗れないのか、うちの力を出せるのか出せないのか」そういうことができると思うんです。それがいやらしいような感じや変な感じに捉えないでほしいということです。
モデレーター 晝田浩一郎
ありがとうございます。あっという間の1時間半が過ぎようとしているんで、そろそろクロージングに向けてなんですけど、笠井さんに内閣府の立場でも答えていただければと思うんですけど、国の方針として企業版ふるさと納税で、正にこのアルビオンさんのような取組、須崎市のような取組、KOIBのような、龍馬ピッチのような取組っていうのはこれ結構望ましいなっていう形、一緒に未来を作っていく形だと思います。逆に、もちろん法律もありますが、NGとまではいかないけれど「こういう使い方はもったいないのではないか」とか「もうちょっと避けた方がいいよね」みたいなこととかってあったりしますか。気をつけた方がいいポイントとか。
内閣府企業版ふるさと納税マッチングアドバイザー 笠井泰士
ありがとうございます。内閣府とも日々、令和8年度もどういうふうに普及促進していくかという前向きな議論を中心でやっておりますので、まだまだこの制度を知られていないという中では、どんどん皆さんに使っていただきたいというふうに内閣府とは話をしております。どのフェーズでもいいと思っていて、地縁、拠点、共感みたいなところを一緒に作る共創型だったりとかですね、どのフェーズでもよくて、どこのつながりで考えるかということだとは思っています。その中で、ともすれば自治体と企業やっぱり考え方が違ったりとか、経営しているのも違いますので言語も違いますので、議論ですれ違ったりとか、そういうことは多分あろうと思います。企業としても社内に説明したり株主に説明したりする中で、「どういうふうにこれってメリットあるのか」という話になると思うんですけれども、他方では立ち戻る場所はですね、やっぱり地域をどう活性化、課題を解決するか、社会をどう活性化するかみたいな、要は「地域軸」、「社会軸」、そこに立ち戻ることが共創になって、適切な制度活用になるというふうに思っているので、とにかく立ち戻る場所は地域を軸として、社会を軸としてご議論いただければ、どんどん活用が進むんじゃないかなというふうに思っております。
モデレーター 晝田浩一郎
迷ったら、内閣府小林さんであったり、マッチングアドバイザーの笠井さん、他にも2名いらっしゃいますけども、合計3名のマッチングアドバイザーをどんどん頼っていただければ、もっといい取組につながっていくので。
内閣府企業版ふるさと納税マッチングアドバイザー 笠井泰士
はい、お問い合わせいただければと思います。
モデレーター 晝田浩一郎
最後にお一人ずつ、今日参加してくれた自治体の方、企業の方にメッセージやエールを一言ずついただいて締めていければと考えております。じゃあ有澤さんからお願いします。
高知県 須崎市 プロジェクト推進室 有澤聡明
埼玉県の「コバトン」が、県議会で商標登録をちゃんとしなければいけないのではないかという指摘をされた時に、商標を取っていない事例としてうちの「しんじょう君」が事例で上がりまして、それきっかけでうちも商標登録をすることができまして、あの埼玉県には本当にお世話になっておりまして、今回そういう意味でも恩返しできたらなと思っています。ありがとうございました。
株式会社アルビオン 白神研究所 小平努
はい、ありがとうございました。ちょっと今日、ゲストでいろいろ私も言いたいことは言わせてもらったんじゃないかなと思っていますので、本当に是非公務員の皆さん、企業版ふるさと納税、すごくいいものだと思うので、しっかり目標とそのやるべきことを考えて企業に持ってきていただければ、企業の方は結構真面目に捉えると思いますので、さっきみたいにちょっとこう怖がらないでというか、勇気を持って金額を提示して持ってきていただければ、しっかり相談はできるんじゃないかなと思いますので。偉そうな言い方で大変恐縮ですけど、企業の方も今自治体の皆さんとは協力したいとは思っているので、そうやって地域の活性化を一緒にしていければと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
内閣府企業版ふるさと納税マッチングアドバイザー 笠井泰士
今日は有澤さん、小平さん、本当に実践者の方のお話を私も聞けてですね、その場にいさせていただいて本当に晝田さんに感謝ばかりなんですけれども、これアーカイブ残るということですので、是非振り返っていただくことがすごくいいことなのかなと。本当にキーワードをいっぱい言っていただいたので。また、庁内の皆さんにも共有するということで、全庁的にいろんな取組を進めていただけたらというふうに思っています。企業も同様だと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
モデレーター 晝田浩一郎
ありがとうございます。小林さんが途中でPCが壊れましたっていう連絡を先ほどいただきましたんで落ちちゃいましたが、ありがとうございます。ここにいる仲間、参加してくれた人たちは僕も含めてみんな仲間だと思っているんで、「あ、ちょっと企業のことでもうちょっと聞きたい」っていうなら、もしかしたら小平さんであったりとか、行政のことであれば有澤さんなのかもしれないし、制度的なことであれば内閣府であったりとか笠井さんであったり、まあ僕でももちろんいいんですけど、どんどん聞いてもらえればなというふうに考えておりますので、是非ですね、ここ点じゃなくて、ここからのつながり、まさにここのつながりから皆さんの事業もそうですし、この埼玉版スーパー・シティプロジェクトもそうですし、一緒になって盛り上げていければなというふうに考えておりますので、皆さんよろしくお願いいたします。
ご案内です。埼玉県では、埼玉版スーパー・シティプロジェクトを推進しています。詳細はいろいろとホームページを見ていただければと思いますが、ガバメントピッチで自治体が困っていることを発表して企業と一緒になって繋がっていくという取組をやっていたりとか、アーカイブ動画がありますので、是非御覧いただいて、参画していただけますと幸いです。
本日はたくさんの御参加の方ありがとうございます。また、有澤さん、小平さん、笠井さん、小林さんもお忙しい中お時間いただきましてありがとうございます。たくさんの共創がここから生まれることを強く願っております。皆さんありがとうございました。